世界の山ちゃんの唐揚げですが、ファンには悪いと思うものの私はそんなに美味しいか?って思うんですよ。
でもなぜか気になるし、たまには食べてみたいと思う。きっとここが世界の山ちゃんの唐揚げの凄いところかもしれない。だって他店の唐揚げを思い出して、久しぶりに食べたいなんて思うことは一切ありませんから。
我が家のヨメさんも息子もたまに「世界の山ちゃんの唐揚げ」を食べたいと言います。特にPublikaの中にお店が出来ましたし(酉玉の並び)、Publikaに買い物に行きますと必ずその店の前を車で通りますから気になります。
でも唐揚げオタクの私としては世界の山ちゃんに行くのではなくて自分で作ろうと思う。コスト的にも数分の1で出来ますから。(どれだけダボはケチなんだ?って思う?)(笑)
そもそも初めて世界の山ちゃんの唐揚げを食べたのはマレーシアだったわけですが、食べたときに「これは韓国風唐揚げのアレンジじゃないのか?」って思ったんですよ。
まず山ちゃんの唐揚げですが、多くの日本人が好きな「ジューシーさ」ってないのね。しっかり揚げてある。
これって私は韓国唐揚げも同じだと思っていて、韓国人は「ジューシーだ」というけれど、日本人のいうジューシーさとは全くの別物なのね。
そしてなおかつ韓国唐揚げの特徴として「クランチーである」というのがある。つまり「歯ごたえが良い」ってこと。ここも日本と違っていて、日本人は「カラッと揚がっていること」を重視しても「クランチーである」のを良いとはしないじゃないですか。つまり、韓国風の唐揚げって、私にしてみれば「揚げすぎ」に思えるわけです。そしてそれは世界の山ちゃんの唐揚げも同じ。
ところがですね、こういう風に揚げたほうが長持ちするんですよね。日本の唐揚げって「揚げた直後」が一番美味しくて、時間が経てばどんどん美味しくなくなる。でも韓国風も世界の山ちゃんの唐揚げも「時間が経っても大丈夫」。
韓国風の唐揚げって味付けはいろいろで(ゴールドコーストでも大流行でよく食べていました)、そういう点では世界の山ちゃんの唐揚げとは全く違うのだけれど、逆を言えば、「味付けが違うだけ」だと私は思っています。(実は山ちゃんの唐揚げは【衣は付けない】らしい)
ということで「手羽」を買ってきて作ることに。
韓国式、山ちゃん風にタレをまとわす場合は、日本の普通の「片栗粉をまぶす」方法だとイマイチだと私は思っていて、まず粉は「コーンスターチ」(米粉を混ぜるのもOK)を使います。そして「粉をまぶす」感じじゃなくて「衣をつける」に近いぐらいにすると、ちょっと固めの衣になるんですね。そして二度揚げすれば、ベチャっとならない。(山ちゃん風にこだわる場合には【衣は付けない】でしっかり揚げる)
ただし、この手の唐揚げを作る場合は「揚げる時間を長く」するのが「らしくする」には重要だと思います。普通の日式唐揚げが165度で3分半+二度揚げ1分だとすれば、6分+二度揚げ1分(温度は日式より高め)(韓国式も山ちゃんももっと長い時間揚げる)。これだけで食感がかなり変わりますし、ジューシーさはなくなるものの、クランチーさという違う良さ(?)が出てくる。
手羽には一応、塩コショウで下味は付けますので、揚げたてを食べてもそこそこだと思います。歯ごたえは「カリッ」の上と言いますか、ちょっと硬めの衣になる。
きっとこの状態の唐揚げを多く作っておいて「冷凍する」のもアリじゃないんですかね。食べる時には「また揚げてからタレをまぶす」ことで完了。
これじゃジューシーさはないじゃんか、と思うはずですが、そもそも韓国風も山ちゃん風も「ジューシーさよりツマミとしての歯ごたえがそこそこある唐揚げ」ですからこれはこれで良いんだろうと思います。世界の山ちゃんも店では「注文を受けてから唐揚げを揚げる」のではなくて、「大量にある下揚げをしてあるものを、注文が来てから再度揚げる」方法を取っていますし(要確認)。
さて味付け。どうしましょうかねぇ。韓国風もいろいろですし、山ちゃん風でもよいし。
今回は今までやったことがない味付けにしました。
○ 蕎麦つゆ
○ コチジャン
○ 豆板醤
○ ごま油
○ 酒
○ みりん
これを火に掛けてちょっと煮詰めておきます。
それを揚げたばかりの唐揚げに塗るだけでも良いのですが、タレを弾いちゃうことも多く、このタレの中に唐揚げを10秒程度放り込んだ方がしっかりタレが付きます。
そしてこれをすぐ食べるのではなくて、ちょっと放置するとタレが馴染んで、そして熱で蒸発してきます。
これが食べごろだと私は思います。タレのベチャっと感がなくなって、コーンスターチの硬めの衣がクランチーさとして出てくる。
美味しい~~~~~。
でもこれは失敗でした。タレの味見をした時点では丁度良いと思ったのですが、食べるに連れて「豆板醤のしょっぱさ」が気になりました。豆板醤ではなくて「唐辛子」だけで良かったかもしれない。
味付けは自由自在ですし、こういう風に作った唐揚げって「放置したままでも食べられる」のが良いと思っています。お弁当に入れる場合も「コーンスターチを使う(米粉もOK)」「タレにまぶす」だけでかなり変わるはず。
山ちゃん風にするには「揚げるときに衣は付けず」に、しっかり二度揚げした後に醤油ベース+ニンニクの味付けで、出来上がりに白胡椒をたっぷり+白ごまだけでかなり近いものができるはず。
世界の山ちゃんのレシピはこんな感じ。元店員のレシピ。
韓国風唐揚げのレシピ。二度揚げするのは同じですが、最初になんと12分も揚げる。日本的には考えられませんがこれが世界の標準なんですね。海外のフライドチキンのレシピを見ていると、「揚げ時間」がまるで違うのがわかります。
お酒のつまみにはこの手の韓国式、世界の山ちゃん風が良いとは思いますが、唐揚げそのものの美味しさはやっぱり日式が一番良いと思いますわ。かぶりついたときに汁が出てきて、「熱いじゃないか、バカヤロ~~」と言いつつ食べる。(笑)
もしかすると我々が美味しいと思うジューシーな唐揚げって、世界的には「まだ生じゃね?」みたいなのかもです。
またアメリカ人のシェフが「韓国式」を作るレシピがありますが(前にも紹介しました)、これもかな~~り面白いと思います。日式でもなければ韓式でもなくてやっぱり洋風に近いような唐揚げ。衣はしっかり付けて、なんと粉に「ベイキングパウダー」も混ぜるんですね。どんな衣になるか想像できると思いますが、これって日本にはない発想で、そしてカリカリしすぎるくらいクランチーで、なおかつ味は韓式という、非常に面白い唐揚げだと思います。タレを全体に「まぶさない」というのもポイントの一つで、カリカリの部分がちゃんと残るんですね。
唐揚げって本当にアレンジの幅が広くて面白いと思っていろいろ作るんですが、結局は、オーソドックスな和式に戻ってくるのね。でもまたそれも飽きてきて、再び旅に出る、みたいなことを私は繰り返しています。
実は台湾式の唐揚げ「大鶏排」も美味しいと思うんですが、なぜか家ではうまく再現できません。これは私の今の課題。
皆さんのお宅ではどんな唐揚げを作りますか?