我が家で使う鶏肉は「骨付きのドラムスティック」がメインなのはいつも書いています。ドラムスティックは下肢ですが、上肢のモモ肉も次に好きな部位ですから、斧の形をしている「メリーランド」もよく買います。
骨付きで調理することもあれば、大好きな唐揚げを作る時には骨を外して作ります。
じゃぁ、「骨なし、皮付き」のモモ肉を買えばいいじゃないかと思うでしょうが、全然、味が違うんですよ。骨付きのほうが間違いなく美味しいと思う。
でも今回は、「つくね」を作ってみたかったので、骨を外すのが面倒な「骨付き」ではなくて、「骨なし」を買おうと思ったんです。
でもショーウインドーの中にはない。
しょうがないのでスタッフに「骨なしのモモ肉」が欲しいと言ったんですよ。
すると彼は大きなビニール袋を持ち出してきて、その中から「骨なしのモモ肉」を取り出し、そしてなんと「水道水で洗っている」んですわ。
「なんで水道水で洗うんだ?」
と聞いたところ、「まだ凍っているから」ですと。
う~~~~む
これがその鶏肉。
この骨なしの肉って売り場でさばいているんじゃなくて、「その様に加工してあるもの」を仕入れているんでしょうね。
まさか冷凍ものってことはないにしても、これが「美味しくない理由」だと思いました。
卸商でどんな扱いをしているかわかりませんが、卸商でも「水洗い」なんてやっているのかもしれないし、いつ解体したものかもわからない。流通も「常温で放置する瞬間があったり」、「水に浸けた状態で輸送」だったりなんてことがあるんじゃないかと、まるで信用できません。
なおかつスーパーで売っている「パック」には日付が書かれていますが、「解体した日付」ではなくて、「パック詰めした日付」なのは間違いがないはず。
鶏ってやっぱり丸ごと一羽が一番美味しいと言われるし、ましてや「解体してから水につけた」なんてとんでもないですよね。でも売り場を見るとわかるのは、「彼らはまな板を洗わない」のがわかるし、流水で洗うのは逆に良いことなのかもしれないと思ったり。
スーパーでもマーケットでも、彼らが「どういう衛生管理をしているか」ちょっと見てみたら良いと思います。
私は彼らがまな板を洗っているところを見たことは今の所、一度もありません。これは魚売り場も同じで、台布巾も使わず(台布巾がそもそも見当たらない)、包丁でまな板上の「カス」をどかすだけ。包丁を洗う、台布巾で拭くこともしていない。
でもそもそも丸ごと一羽をパックしてある鶏を見ると「Air chilled」と書いたものがありますよね。つまり「冷風で冷やした鶏」ってことですが、鶏って生きている鶏をさばいた時に「体温を下げる」必要があるんですね。これは安全管理のためで、食肉業者はどこもやっているはず。でも「どうやって体温を下げるか」と言えば、「冷水に入れる」のが普通。
これじゃどうしたって水っぽくなっちゃうじゃないですか。
前に「Air chilled chicken」のことを調べた時に、アメリカの話ですが「氷水に浸けて体温を下げた場合、8%~12%、水分が吸収されている」とのこと。「Air chilled chicken」に関して書いた日記はここ(クリック)。
だから「この鶏は【冷風】で冷やしてあります」ってのが差別化出来る謳い文句になるんですね。
この水っぽい鶏をさばいて、また流水で洗って・・なんてことをやっているのが「スーパーの鶏」ってことじゃないんでしょうか。下手すりゃ、冷凍もして、解凍をし「その日の日付を付けて売っている」可能性すらある。
私はスーパーの鶏肉が「柔らかいと言うよりブヨブヨ」なのはこれが原因だと思っています。
牛肉や豚肉を「新鮮な肉が良い」という人がいるけれど、新鮮な牛肉や豚肉って売っていないんですよね。必ず「寝かして熟成されたもの」が売られていて、オーストラリアやアメリカから入ってくる牛肉は「船で送られている間にうまい具合に熟成する」ようになっているらしい。
でも豚肉は牛肉ほどは寝かせない。でも寝かさないと美味しくないと言われている。
でも鶏肉は全く違っていて、日本でも「朝〆の鶏」ってのがありますよね。「〆たその日に食べるのが一番美味しい」と。
ちなみにこういうことらしい。「牛肉で10~21日、豚で4~6日、鶏で1日程度、寝かしてから売る」と。
そんな鶏がいつ屠殺されたのかもわからない、なおかつ常温で放置されたり冷水に浸けたりしたらどんどん美味しくなくなるってことじゃないんですかね。マレーシアは「コールドチェーン(生産・輸送・消費の過程の間で途切れることなく低温に保つ物流方式)」が確立していないのは明らかで、魚も肉も同じじゃないかと思ったり。
特に鳥の場合は痛むのがはやい。だからかつてのローカル市場では「生きている鶏を売っていて、そのまま買う。あるいはその場で〆てもらう」なんてことが世界中で大昔から行われていたってことでしょう。
やっぱり鶏はせめてTTDIみたいにその場でどんどんさばいている店、あるいはローカル市場で買うのが一番かもしれませんね。
あるいは「一羽丸ごとパック」されたもので「Air chilled」の表示があるものが良いのかも。いまだに買ったことはありませんが、そのうち試してみようと思います。
でもなぁ、我が家は胸肉が嫌いだし、ドラムスティックを10本欲しいなんてことになったら、丸ごと一羽の鶏を5羽買うのか? (笑)
だから出来るだけ手の加えられていない「骨付き皮付き」が良いというのは正解なんだろうと思っています。
そしてB.I.G.の方がビレッジグローサー(ワンモントキアラ)より良いと思っています。
TTDIやローカル市場で鶏肉を買ったことはありません。NSKでも買ったことはなし。
いつか農場でも行って、買ってきますかね。本物の大きめのカンポンチキンを食べてみたいです。歯ごたえもあって、味がしっかりしているもの。
こんなの。
マレーシアには日本みたいに「ブランド鶏」がありませんが、コダワリのある農場があればそこの鶏を買ってみたいです。
日本ではこんなことがあるとのこと。
「およそ9割の養鶏生産者が、鶏にやる餌に抗菌剤を添加しています。そうすることで鶏は胃腸の状態がよくなるので、下痢をせず食べた餌をすべて栄養として吸収できるんです。でもうちは抗菌剤を使わない。そうすると少し鶏のお腹が緩くなって、消化吸収の効率が悪くなってしまいます。結果、4日ほど飼う期間が長くなってしまう。けれどもその4日間が余計にかかることで、味が深くなっておいしくなるんですね」
ここでいう4日間は、育成期間の10%に相当するわけで、それだけ生産高は落ちてしまうってことですね。だから金儲けを優先したらそんな馬鹿なことはやらない。
調べてみるとマレーシアで言う「カンポンチキン」のはっきりした定義はないようで、一般的には「昔ながらの放し飼いで育てられた鶏」を言うケースもあれば、「小型のある鶏の種類」を言うこともある。一般的にはカンポンチキンは「小型で黄色味掛かってる」ようですが、中には「着色剤で黄色くした鶏」や、その「小型種を一般的なケージや平飼いで育てているケース」もあるようで、何がなんだかわからず。「売り手の言いなり」って感じ。「着色剤で黄色くした鶏」らしきものはNSKで見たことがあります。全体的にではなくて部分的に黄色い変な鶏でした。
私としては一般的に出回っている「ブロイラー種(食肉専用・大量飼育用の雑種鶏の総称)」でも構わないので、それを時間を掛けてきっちり育てた成鶏を食べたいです。スーパーで売っているようなのは「若鶏」なんですね。若鶏で柔らかいほうが良いという人も多いのかもしれないけれど、鳥の飼育って時間との競争で、「一日でも早く大きくして出荷する」のが養鶏所の腕の見せどころなわけで、上に書いたように、あと4日育てれば美味しくなるのがわかっていてもそれをやれば回転率が落ちちゃうんでしょう。
国によっていろいろ違うようですが、日本ではこういう事になっているらしい。
マレーシアで売っている鶏肉は、この日本の「小型」より、まだ小さいですね。でもそのくらいで出荷するのが生産者として一番効率がよいのかもしれない。またマレーシア人はかつて「小型のカンポンチキン」を食べていたとすれば、あの小ささが彼らの「普通の大きさ」なのかも。
でも人間で言えば12,3歳の子供を食べちゃっているのと同じじゃないですかね。
ブロイラーは徹底した育種改変の研究により、過去50年間で成長率が1日25gから100gへとあがっている。その結果通常、鶏は成鶏に達するのに4〜5か月かかるところをブロイラーは40〜50日で成鶏の大きさに達するようになった。そのため、急激な成長によりブロイラーの30%近くは体を支えることが難しく歩行困難となり、3%はほとんど歩行不能となっている。
心臓にも負担がかかり、100羽に1羽は心臓疾患で死亡する。
運動もできないような場所で、動けなくなっても餌を与えて大きくするのが「養鶏の実態」ってことでしょう。
そして、これも日本の話しですが、
出荷までに数十回のワクチンが投与される。抗生物質も多用されており、2015~17年度に実施された厚生労働省研究班の調査では、国産の鶏肉の59%から抗生物質耐性菌が検出された。
ま、我々が買う鶏ってこういう鶏なわけで、だから安いんでしょう。そしてマレーシア。ここではどういう規制、倫理があるのか、それが問題。
養鶏所同士で熾烈な戦いがあるのは世界中、同じなはずで、「いかに早く、重い鶏を作るか」でしのぎを削っているはず。当然、歩留まりも大きく関係するからワクチンや抗生物質を使うわけで、規制の目をかいくぐる業者もいれば、「目で見て違いがわかるわけじゃない」から我々、消費者はかなり注意をしないとならないんじゃないですかね。
でも「販売店を信用するしか無い」わけで、マレーシアって本当に大丈夫なのか気になります。また規制の目も緩いであろう「自由市場」ではどんなものが取引されているのか。これは魚も同じで、結構養殖魚が多いんですね。これもまた抗生物質の問題があるのは世界中で起きていること。そして野菜は農薬。
これも私は家庭菜園をやっていたからよく分かるのですが、強力な農薬っていくらでもあるのね。特に私が凄いと思ったのは「噴霧するタイプ」ではなくて「水溶液に混ぜるタイプ」のもの。私の場合は「水耕栽培」でしたから、これって使うのも簡単なわけですよ。そしてこれの効能がわかれば、どうしたって「多く使いたくなる」のが人間の心理。生産者は収穫量、利益がそれで変わるんですから。
こういう農薬の場合、「買ってきてから洗っても全く意味がない」し、そもそも農薬って植物の体内に入るから意味があるんじゃないですかね。そうじゃなければ、水を撒いたり雨が降るたびに農薬は流れてしまう。
そう言えば、ヨメさんの遠縁の農家に行った時に、「キャベツは農薬代と利益の競争だ」みたいな話を聞きました。キャベツを無農薬で育てるのはほぼ不可能で、農薬代が半端じゃないと。
今の時代、凄い薬品がいくらでもあるわけで、私は「生産者がそれを使わないほうがおかしい」ぐらいに思っています。
ユーチューブで「アメリカのオーガニック野菜の歴史」を見ましたが、「このままじゃ大変なことになる」と心ある生産者がオーガニック野菜を作り出したんですが、全く大手のスーパーが相手にしてくれなくてとんでもない苦戦を強いられた。でもそれを受け入れる消費者がどんどん増えてきて、「スーパーがオーガニック野菜の方が売上が上がり儲かる」ことにある時期、気がついて、それが一気に全土に普及したと。
「オーガニック」というのも規制が国によって違うし、それの政府による管理が行き届いているかもわからない。これが世界の「食べ物」の現状じゃないんですかね。我々が好んで食べる「ノルウェイの養殖サーモン」も薬漬けでかなり凄いことになっていて、政府高官と業者の癒着が問題になっているというドキュメントもユーチューブで見たことがあります。ノルウェイ人は自国のサーモンを食べない、なんて話を聞いたこともあるぐらい。(でもチリ産よりよいらしい)
結局、安全な食品って「消費者の安全追求意識」、「高くても安全を優先する」、「生産者も販売者もその方が売上、利益も上がる」ということが起きない限り広まらないんでしょうね。消費者が「安さ」ばかり気にしている限り、毒入り饅頭がどんどん増えるはず。でもそれを食べてもすぐ死ぬわけでもないし、具合が悪くなることもないからどんどん普及するし、消費者は「安い~~♫」と言って喜ぶ。表面的にはウイン-ウインの関係に見える。
でも「絶対に安全なもの」は私は無いと思っていて、「どの毒饅頭ならマシなのか」を考えるだけ。(笑)
これって年寄りの特権でしょう。でももし私に孫でもいたら、私が今、平気で食べているものを食べさせたいとは思わない。
現代には昔はほとんどなかった様々な病気が存在するのも、私はこれが原因だと思っています。かつてのように「重篤な病気」にはならないにしても、ジワジワとやられているんだろうと。そしてそれは肉でも魚でも野菜でも全部同じ。
でもマレーシアでも「安全を求める消費者」が増えているであろうことも見えていて、オーガニック売り場は拡張されてきたし、ちゃんとした生産者から直接買うとか、そういう農園にたまに行くとか、そういう動きが活発化していると思っています。モールにも自然食品の店は増えてきた。
でも肉類に関してはまるでわからず。特に豚と鶏。
とにかく、安全はちょっと横に置いておくにしても、美味しい鶏を手に入れたいなぁ。
鶏に関して言えば、前に日記に書きましたが「Redtick」という通販業者から買ったカンポンチキンが一番美味しかったです(この日記)。
丸ごと一羽ですが、平らに開いて焼いてみました。丸焼きって結構難しくて、この開いて調理する方法なら焼き方のコントロールは簡単。これを「spatchcock」という。良く「焼いてある鶏」が売っていますが、自分で焼いたほうがはるかに美味しく焼ける。
これをまた買ってみるか・・・。でも値段は普通の鶏肉の倍ぐらい。(T_T)