鶏の白湯スープを作るのはほぼ問題なく作れるようになったのですが、時間がかかるのが問題。6時間から9時間も煮込み続けますから。
これをどうにかするとしたら「圧力鍋」を使うしか無いですよね。
でもそうすると汚くなったり、雑味が強くなったり、問題があるのははっきりしています。でも理詰めで考えるとどうにかなるような気がしましたので実験しました。
まず「臭みが出るのは【臭みを蒸発させないから】」というのは間違いがないようで、そのためには「蓋をしてはいけない」ということだし、圧力鍋はまさに蓋をした状態。この辺に間違いがないのは、過去の実験で検証済み。
ただし、蒸発させれば良いとなれば、それは初期の段階だろうと思ったわけです。
ということで、まずはいつもの通り、鶏ガラと手羽を水で洗い、余分な脂肪分を取り去ってから沸騰したお湯に入れます。
沸騰してから5分程度、そのまま放置。その5分で味が随分抜けてしまうはずですが、それは我慢。(笑)
これを全てシンクに空けて、水道水で鶏ガラ、手羽を綺麗に洗います。特に鶏ガラに着いた内蔵は綺麗に取る。
それを次は「水から」茹でます。
沸騰して30分ぐらいでこんな感じ。もし匂いが茹でる初期に出るとしたら、これで蒸発しているはず。ただし、この時点で味見をしても私の性能の悪いベロでは違いがわからず。(笑)
ここからは圧力鍋に任せます。圧力をかけてから2時間。圧力鍋を使わなかった場合の6時間に相当するはず。
鶏ガラも手羽先もバラバラ状態。でもスープは白濁しているとは言えない状態。
ここから蓋を着けずに、当然、圧力も掛けずに、ボコボコ沸騰させます。30分ぐらい。
味も完全に抜けてカス状態。
これを目の細かいザルで濾します。
これで出来上がり、のはず・・・。
ボコボコ沸騰させると「水と油分」が混ざって白濁してきます。これは乳化(エマルション)でマヨネーズと同じですね。ゼラチン質が乳化剤として働くので、ゼラチン質が多い「手羽」とか「鶏の脚(もみじ)」を入れると乳化しやすい。
でもこれって「綺麗な白」じゃないですね。茶色が混ざっている。この茶色の成分って「骨の髄」じゃないかと思うんですがどうでしょうか。圧力鍋を使わない場合はこれだけ茶色っぽくなりません。
これは以前、圧力鍋を使わずに、そして蓋もせずにじっくり茹でた時の白湯スープ。
大きな違いはないと言えばそのとおりですが、調理をしている者としては違いは大きくわかるし「やっぱり・・・」という感じ。圧力をかけて「温度が高い」状態で煮込めば「スープはよく取れる」のは間違いがないものの、いらんものまで取り出してしまうってことじゃないでしょうか。色もそうだし、味的にも本来ないほうが良い「雑味」がでているのかもしれません。でも「雑味」がでているのかどうか、やっぱり私の馬鹿なベロではわからず。(笑)
でも少なくとも「色が悪い」だけで駄目だと思うんですよ。美しくないってことは食欲もわかないってこと。
その違いも少ないとは思いますが、それは何も知らない人がそう思うのだけであって、やっている本人は違いがよくわかってしまう。つまりこういう色の「白湯スープ」を出せば、「圧力鍋を使いましたね?」ってのが簡単にバレるってことでしょう。当然、雑味も出ているはずだとわかる人にはわかってしまう。
でも本当に私には「色の違い」はわかっても「味の違い」はわからず。これは最初から圧力鍋を使わずに「途中だけ使った」からかもしれない。
もし味的に問題がないのなら、そして「真っ白の白湯スープ」である必要がないとするなら、今回のように圧力鍋を使って時短をしたほうが良いはず。
結果的にこの白湯スープをどうしたかと言うと、塩コショウで味付けをしてから、「鶏のつくね」と「冷蔵庫にあった【キノコいろいろ】」で鶏つくね鍋にしました。麺類は「春雨」を使いました。
鶏肉自体は「骨なしモモ肉」をミンチにして、塩コショウ、酒、醤油少々、生卵、片栗粉、昆布茶、山椒をいれました。この昆布茶と山椒ってのがポイントで結構美味しく出来上がったと思います。
キノコは三種類あったのですが、キャベツも白菜もありませんでしたので、冷蔵庫の余り物を使った「鶏のツクネ、キノコたくさん白湯スープ鍋」となりました。(笑)
食べている途中で思い出した。LOT10のとり田ではないですが、これは担々麺ふうにすれば良かった~~~。
でもこれほど面倒なことをし、何時間も掛けて白湯スープを作った価値があるかというと・・・。
無い!!
ま、こんなもんっしょ。(笑)