ついに始まった!「海外脱税」摘発の動き

この手の話題は何度も書いていますからこのブログの常連さんはご存知だと思いますが、OECDの各国が「海外の非居住者の口座情報を交換するCRS」というのが始まった。

さて、摘発はあったのか?

この辺の状況を説明する動画がありましたので、紹介します。36:15から。

また、海外に5000万円以上の資産がある「日本の居住者」はその内容を申告しなければならない法律がありますよね。それの「全国初の海外資産届け不提出で告発」があったとのこと。

海外資産届け不提出で告発 大阪国税局 摘発は全国初
記事が消えるのが結構早いので、引用します。

 国外財産調書制度が導入された背景には、実態のつかみにくい「国外マネー」を把握したいという国税当局の狙いがある。国際的な課税逃れへの対策として、世界各国の金融口座情報が自動的に交換される「CRS(共通報告基準)」の日本での運用も昨年から始まり、国税当局は富裕層への監視を強めている。

同制度開始当初の平成25年分の国外財産は5539件、総額2兆5142億円だったが、29年分は9551件、約3兆6662億円までに膨れあがった。

一方、CRSには、昨年末時点で102カ国・地域が参加を表明。自国に口座を持つ非居住者の残高や利子などの情報を参加国間で交換する仕組みで、日本は昨年、海外の口座情報約55万件を入手した

国税当局は、CRSで得た口座情報と国外財産調書などを突き合わせて分析することで、国内の富裕層が保有する海外資産を把握。タックスヘイブン(租税回避地)などを利用した税逃れの解明を目指す。

こうした税逃れを放置すれば、税制への信頼が揺るぎかねず、国税当局幹部は「節税対策に精通している富裕層は多く、資産運用が多様で国外で運用されるケースも少なくない。的確に課税し、国民の負託に応えたい」としている。

脱税した金を海外口座に隠したうえ、海外に計5千万円超の資産を保有する個人に義務づけられる「国外財産調書」を提出しなかったとして、大阪国税局が国外送金等調書法違反(不提出)と所得税法違反の罪で、京都市山科区の家具輸入販売会社の中村英樹社長(49)=同区=を京都地検に告発したことが29日、関係者への取材で分かった。国税庁によると、国外財産調書制度が導入された平成26年以来、調書不提出による国外送金等調書法違反罪での告発は全国初。

同法違反罪の摘発には、資産保有者が意図的に調書を提出しないことを裏づける必要がある。今回、同国税局は、中村社長が隠した所得の一部が海外口座にあることを確認。中村社長が税務当局の監視を逃れるため、故意に調書を提出しなかったと判断したとみられる。

関係者によると、中村社長は家具輸入販売事業を営んでいた27~29年、計2億1千万円の所得を隠し、8300万円を脱税。そのうち7300万円を香港にある本人名義の銀行口座に保有し、調書の提出義務があるにもかかわらず提出しなかったとされる。

中村社長は国内の業者に家具を販売した代金を、香港にある本人名義の口座へ入金させるなどの手口で、事業所得の隠蔽を図っていたとみられる。重加算税を含む追徴税額は、1億1千万円に上る見通しで既に大半を納めた。

 
脱税摘発の仕組みを作ってもそれが機能していなければ意味がないわけですが、それが動き出したってことですね。

ここで大事なことがあります。

これは「日本の非居住者は関係ない」ってこと。

また「マレーシアの非居住者がマレーシアに銀行口座を持っている」とそれはCRSのシステムに乗るわけですが、ここで疑問があります。

マレーシアの銀行は、我々がマレーシアの居住者であり、なおかつ日本の非居住者であるということをどうやって調べているのかってところ。

マレーシアでは基本的に「非居住者は銀行口座を開けない」ことになっていますが、私が調べられたのは「パスポート」「MM2Hのビザ」だけです。

現住所は当然、マレーシア在住ですからマレーシアの住所を書きましたが、「これの確認は行われていない」ですし、

「ビザと住所があれば、【居住者とみなす】」ほどこれって簡単じゃないのは皆さんご存知のはず。

つまりですね、日本に居住し、しかしMM2Hのビザを持ち、友人の住所でも借りていれば「口座は開ける」し、銀行は「マレーシアの居住者」として扱う可能性があるということ。

あるいは根拠らしい根拠はないのですが、「もしかしたら我々の口座は【非居住者の口座】としてCRSに乗っているかもしれない」ということ。私がHSBCで口座を開いた時に「日本の住所を書け」としつこいんですよ。これっておかしな話で「マレーシアに居住しているのだから日本には住所がない」なんて普通だと思うんですよ。でも彼らはそうは考えていない。

なぜ?

この辺になにかおかしなものを私は感じるわけです。

ま、それは考えすぎだとしても「真のマレーシアの居住者ではなくても【居住者として口座は作れる】のは間違いがない」わけで、これじゃザルと同じで全く意味がありませんね。

でも前にも何度か書きましたが、この制度って「悪い連中を捕まえる制度ではない」(捕捉は不可能)であって、「日本の居住者が何気なく海外口座を持って、それを日本に申告していなかった。忘れていた」みたいな人しか把握できない。もし真剣に隠すつもりならこのシステムで捕捉されるようなやり方はしないはずだし、もしそこまで頭が回らなかったとしたらマヌケとしか言いようがないんじゃなかろうか。上の記事に出ている京都の家具輸入販売会社ですが、自分名義の口座を香港に持ち、そして何も申告しなくてもバレないと思ったとしたらあまりにも当局を舐めている。

でもそういう「真剣に考えていない」レベルの人が実は大多数なのかもしれないし、当局の「皆さん、ちゃんとやってくださいね、というメッセージ」としては意味があるのかもしれない。

でも世の中の悪党はも~~っと上を行っているんじゃないですかね。

でもま、これがスタートで段々と厳しく、正確なものになっていくのかもしれませんね。

我々としては、「誰がどう調べても間違いがない【マレーシアの居住者】【日本の非居住者】」であれば、口座情報交換システムのCRSに乗ることもなければ(マレーシアに置いている資産のこと)、また乗ったにしても何の問題もなく、そして日本の税務署に5000万円以上の海外資産の申告をする必要もないということ。

これだけは間違いがない。でもいつ、どの様に法律が変わるかは誰にもわからない。

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