まず今がどういう状態か把握できれば、次にどうするべきかと考えは進むわけで、では今の日本経済はどうなっているのか。
これも大きなマクロの視点で見ていきます。
ここで登場を願うのは田村秀男氏=産経新聞特別記者・編集委員兼論説委員。
彼は経済学者でもなければ、経済専門のシンクタンクのメンバーでもありませんが、私は彼の見立てに昔から一目も二目を置いています。そして説明もわかりやすい。
ここで私達が注意しないとならないのは、こういう話をする人たちの立場を考えないと駄目だってことじゃない?つまり「財務省の影響力の下にある人達、組織の話」ってのは当然、財務省の言い分とほとんど同じであり、財務省の方針を強化する話しかしないってこと。「政権に近い人、組織」も同じで、彼らは政府の喜ぶことしか言わない。
マスコミも同じ。
じゃ、この田村秀男氏は産経新聞の特別記者だとなれば、財務省寄りじゃないの?となりますが、さにあらず。でも産経新聞そのものは他の新聞より(日経新聞よりも!!)まもとだと私は思うのですが、やっぱり体制寄りに感じます。
つまり、この田村氏は「浮いている存在」かもしれない。
これはかの有名な「高橋洋一教授」も同じで、大勢とは違ったことを言いますよね。
誰しもそれぞれ違う考え方を持っているわけですが、ここで重要なのは「地上波(テレビ)や新聞はそれぞれ立場があって、それと違う考え方を排除する」ってこと。また最近、よく言われることとして「報道しない自由」があって、テレビや新聞からのみ情報を取ると「かなり偏った見方になる」ってこと。このへんがピンとこない方って結構多いはずですが、今ではそういう方々は「情弱」と呼ばれる。いわゆる「情報弱者」だということ。人を馬鹿にした言い方ですが、でも本当に我々を馬鹿にしているのは地上波(テレビ)であり、新聞じゃないですかね。都合の悪いことは放映、報道しないんですから。
だからやっぱり書籍やインターネットから様々な考え方を知る必要があるわけですが、その世界は自由な世界ですから多くの情報があるのと同時に「玉石混交」なんですね。だからそれを常に頭において情報収集しないとならない。
この辺は、「誰の言い分が筋が通っているか自分の頭で考えるべき」であって、決してその人の「肩書」で見てはならないと思います。田村秀男氏のいう理屈は「頭の中だけで考えられたもの」ではなくて長い経済記者生活の中で日本を、世界を歩き、目で見てきた経済が元になっている。そして誰でも手に入る「データを重視する」というのも説得力がある理由の一つでしょう。
データと言っても「ある意図を持って作られたデータ」もあるわけですが、そんなことは田村秀男氏も重々承知の上でデータを採用していますし、私は田村秀男氏以上の正確なデータを手に入れられませんから彼のそれは信用しています。
ということで、田村氏の「経済ひとりがたり」。
今までの経緯、今の状態、問題点、あるべき姿の全体像が順序よく、わかりやすく語られている。
もしかしたら1はイントロと考えてよく、2から見ても良いかも。彼はいつもデータを元に説明するので非常に理解しやすい。
1 「世界は日本経済の復活を待っている!」