このITの世界って面白くて、我々が使っているPCを繋げて、皆で「とんでもなくややこしい解析をする」なんてのがあるんですね。暗号通貨のマイニングも似たようなものですし、こういうプロジェクトってかな~~り昔からあったような記憶があります。
でも私としては関係ないやと思っていたのですが・・。
今回、「新型コロナウィルス治療の解析ボランティア」を募集しているのがわかりました。
世界中のパソコンの余剰パワーを使って、データ解析に必要となる膨大な計算処理を小分けにして「分散コンピューティング」で計算するのに協力をしてくださいとのこと。
なにそれ?危ないんじゃね?
なんて誰しも考えるはずですが、グラフィックボードのトップメーカーであるNVIDIAも参加してくれとtwitterを流しています。
PC Gamers, let’s put those GPUs to work.
Join us and our friends at @OfficialPCMR in supporting folding@home and donating unused GPU computing power to fight against COVID-19!
Learn more → https://t.co/EQE4u7xTZT pic.twitter.com/uO0ZCq8PEv
— NvidiaGeForce (@NVIDIAGeForce) March 13, 2020
ASRockというマザーボードを製造している台湾の企業も参加に協力してくれとアナウンス。
For ASRocker
JP ASRoker are folding to solve COVID-19
Please join our F@H team to solve themTeam about
Name:ASRockMania
TeamNo:252872This tweet writen by Japanese#ASRock #COVID19
↓How to join us? https://t.co/6OYwuetDCy— ASRock Community (@ASRock_Communit) March 27, 2020
その分散コンピューティングで解析を行っている主体は「Folding@home」で、解析用のプログラムを配布しています。それを私達がダウンロードをして私達のコンピュータに計算させることによって、データ解析のボランティアに参加できる。
現在Folding@homeでコロナウイルスについて専門に解析しているプログラムは下記のとおり。
11741:SARS-CoV-2受容体結合ドメインとヒト受容体ACE2の複合体
11746:上記11741の代替構造
11742:SARS-CoV-2プロテアーゼと阻害剤の複合体
11743:SARS-CoV-2プロテアーゼに対する潜在的な創薬標的
11744:SARS-CoV S230抗体によって捕獲されたSARS-CoV受容体結合ドメイン
11745:SARS-CoV S230抗体によって捕獲されたSARS-CoV-2に変異したSARS-CoV受容体ドメイン
このプロジェクトは始まったばかりですが、世界中でボランティアが増えており(大手企業のOracleも参加)、このプロジェクトの演算能力が1EFLOPS(エクサフロップス)を超えたことを報告した。
FLOPSはコンピューティング性能の指標で、1EFLOPSは1秒間に100京回の浮動小数点演算が可能なことを示す。世界最速を誇る米オークリッジ国立研究所に設置されたスーパーコンピュータ「Summit」の連続最高性能は149PFLOPS(ペタフロップス)であり、1EFLOPSはTOP500の上位100スーパコンピュータの合算を上回る。
Folding@home公式Twitterによれば、現在のプロジェクト演算能力はSummitの10倍に達しているとのことで、さらなる参加を呼びかけている。
引用:PC Watch 新型コロナ解析で分散処理プロジェクト「Folding@home」が1EFLOPS超え
この演算能力は、TOP500の上位100スーパコンピュータの合算を上回るものだが、まだ解析は完了しておらず、Folding@homeではさらなる参加を呼びかけている。同プログラムの使い方は至って簡単であり、ものの3分で準備は完了する。本記事では、そのインストール方法・使い方を紹介する。
引用:PC Watch 今からでも3分ではじめられるコロナ解析貢献「Folding@home」の使い方
この上の引用元に飛びますとプログラムの入手や設定方法が図解で説明されています。
またYoutubeでも解説動画がある。
新型コロナウイルスに皆で立ち向かおう!【Folding@Home】
この計算を自分のパソコンにやらせるわけですが、「常時稼働」も選べるし「PCで作業をしていない間だけ」を選ぶことも出来ますので、負担らしい負担は無いと思います。
Windows用以外にも、macOS用やLinux用のソフトもあります。
ここの説明も良いかもしれない。「新型コロナウイルス治療の解析ボランティア。自宅のパソコンで可能」(クリック)
これの主体となっている「Folding@home」ですが、Wikipediaに詳細が書かれています。
「グレッグ・ボウマン博士の指揮のもと、ワシントン大学セントルイス校医学部に拠点を置いている。スタンフォード大学のパンデ研究室では、ヴィジェイ・パンデ教授の指揮のもと、2019年までプロジェクトを主導していた。2019年以降、Folding@homeは、パンデ教授の元教え子であるグレッグ・バウマン博士が主導している。」
「タンパク質の分子動力学シミュレーションを実行するための分散コンピューティングプロジェクトである。当初はタンパク質のフォールディングに焦点を当てていたが、アルツハイマー病 、 癌 、 COVID-19 、 エボラなど、より多くの生物医学的な問題にシフトしている。このプロジェクトでは、ボランティアが所有し、そのシステムにソフトウェアをインストールしているPCのアイドル処理リソースを利用している。」
引用:Wikipedia Folding@home