評論家や言論人の【本性】も見えてくる

平常時には、多くの評論家や言論人の言うことを聞いて、「なるほどなぁ、そういう見方もあるかぁ」なんて思っていたんですが、このコロナに関しての意見を聞くと、「この人の頭ってその程度だったのか、気が付かなかった」と思うことがある。

小林よしのりっているじゃないですか。

かな~~りの変わり者で「敵も味方も多い」ですし、私の考え方、価値観とはかなり違うんですが、彼の話はそれなりに聞いていたんですよ。自分には気が付かない視点、考え方を知るのは非常に重要だと思っていたから。

ところが今回のコロナに関しての彼の主張を聞いて、「こいつはただのバカだったのか」と思った。

このニュース。

小林よしのり氏「自粛を止めて、経済を回す」と持論  (日刊スポーツ ここ)

「自粛を止めて、経済を回すべし」

「PCR検査なんか何の役にも立たない。医療崩壊を招くだけだ。医療関係者は重症患者だけに全力を注いでくれればいい。死者数だけが重要であり、現在の日本の死者数88人、例え100人以上になっても、この増加ペースの遅さは、海外に比べて驚異的である!」と指摘し、「コロナの死者数が世界一少ないとなれば、日本の快挙である。医療スタッフに表彰状をあげたい」

「どうせ感染者は増え続ける。自宅療養しておけばいい。緊急事態宣言やっても、自粛を要請しても無駄!ならば経済を回した方がいい!補償なんか無駄!」と持論を展開。「自粛を止めて、経済を回す!それしかない!『集団免疫』で必ず感染も止まる!」

「自粛を止めて、経済を回すべし」というのは自己責任論者の私としては「これも一つの考え方」だと思うんです。「生きることはリスクを取るという意味」だと思うし、今回もそうするのも一つの手。

でもそれは「武漢、イタリア、アメリカのように【医療崩壊するのを受け入れる】ということになる。当然、感染者や死者は【指数関数的に増える】ことになって、死者もマン単位に出るんじゃない?

いやいや、みんなバカじゃないから「三密に近寄らない」ことや「消毒を徹底する」し、そこまで感染は広がらないって?

そんな簡単ですかね。

そしてそんな簡単なら、それこそ「たった3週間でもきっちりロックダウンする」ことによって、新規感染者も死者も大幅に減るはずだから、それをやったほうが確実だというのが論理的だと思う。でも世界はそう簡単にはいかないのに気が付き始めている。

そして「死者数だけが重要」というのは私も賛成するけれど、日本の場合は極端に死者数が少ない理由はわかっていないし、「死者数が少ないのは【今までの話】」であって将来のことはわからない。ましてや医療崩壊が起きたらどうなるのか。彼はこれを考えておらず、「今までのような【死者が少ない前提】で話をしてる」んじゃない?確かに【日本の快挙】でしょう。今までの数字に抑えたのは【日本の医療】の凄さかもしれない。でも重篤患者数が増えれば、それは簡単に崩壊する。バカでもわかるじゃないですか。

【自粛を要請しても無駄!ならば経済を回した方がいい!】というのも、多くの人たちが何を考えているか無視した考え方で、自粛を要請しなくても【経済は回らない】んじゃないですかね。人の移動、経済活動に制限をせず、患者数、死者数が指数関数的に毎日どんどん数が増える中で、人々がそれまでと同じ行動をするわけがない。

これは客だけではなくて、働く人達も考えることは同じで、【職場放棄】も起きる。

私は前から「危ないのは風俗業」と書いてきましたし、今でもその辺に注目してニュースを見ていますが、「キャバクラ」とか「性風俗」の世界では、自粛要請が出ない頃から客足は減り、女性たちの休みも増えている。感染者を出した店は「自主的に店を閉める」ことをしている。もしここで、世の中の感染者も毎日どんどん増えて、死者も増えて来た時に「経済を回せ~~」と経営者がハッパを掛けたところで、客足はもっと減り、従業員も益々増大する恐怖の中で働くことはしないんじゃないですかね。

日本のニュースを見ていて「自粛要請が困る」という人達って、よーく見ると「中小企業」なのがわかる。お店でいえば「トーチャンカーチャン」でやってるような店。つまり、「営業させてくれるならどうにかなると思ってる人たち」じゃないですか。でも「数百人のスタッフ」を抱えるような店舗、営業所は「もうすでに閉めている」じゃないですか。これは社会的責任云々ではなくて、「営業したら赤字が増えるだけ」ってのが大きな要因で、「閉めたほうが赤字は少ない」ということでしょう。切れるスタッフは切れば良いし、仕入れも発生しないんですから。「固定費を赤字として耐えられれば、その方が得だと判断した」んじゃないですかね。

自粛要請が出ていない時でもこういう動きがあるのに、感染者も死者が大きく増えた時に「経済を回せ」という号令に効き目があるんですかね。客は来ない。従業員は逃げて、「裸の王様が一人で頑張る状態」になると私は思う。

だからこそ、皆が求めているのは「保証、援助」であって、「営業させてくれじゃない」んじゃないの?営業許可が出ても、今の状態がもっと酷くなれば、営業が成り立たないのはバカでもわかるんだから。

これは自粛要請、活動制限令が解除されても同じで、【感染者、死亡者が増えている状況で、営業が成り立つわけがない】と私は思う。客も従業員もバカじゃない。

実はこれを書くと非難轟々かもしれないけれど、「多くの経営者はどうやってうまく【会社を潰す】か考え始めている」と私は想像しています。自粛要請だろうがロックダウンだろうが、もしそれが解除されてもコロナ問題が早々に解決しないであろうことは見えているわけで、「経営はかなり厳しくなるであろう」ことは多くの経営者は気が付き始めている。そして「いつか潰れる」のなら、「金、余力を残した潰し方ってある」わけで、それをどの時点でどうやるか考え出した経営者は世界中にゴマンといるはず。

私が企業を経営していたならば間違いなく今、それを考えますもの。というか、それが経営者の責任でもあると思う。「嵐が過ぎるのをボーッと待つ」ような能天気はそうそう多くはないはずだし、「従業員のために頑張る」なんて格好をつけても、近い将来潰れるのであれば意味はなく、まだどうにかなる時点で従業員に払うべきものは払い、失業者支援は国に任せ、ここは「廃業する」のも「再開の時のため」「従業員のため」にもなると思う。でも悪い状態を放置し、最終的には給料も払えず借金も抱えて倒産し、再起不能になっては誰の得にもならない。

今、世界では「New Normal」(新しい普通)ということが言われるようになった。New Eraと言わないところが怖いところで、「新しい時代が来る」というより、「私達が当たり前だと思っていた【日常が変わる】」という意味でしょう。

この中で「今の仕事」「今の収入確保」がそのまま続けられるのかどうかの根本的なことを皆が考え始めているわけで、ここで油断すれば「経済的敗者になる」ことはみんなが意識しだしているんじゃないですかね。前に紹介したマハティールさんがインタビューで言っていたこともそういうことですよね。「もう元の生活に戻ることはない」と。

そういう意味でも、「経済を回せ!」なんて簡単に言う小林氏ってまるでわかっちゃいないと思うわけです。人々はもうとっくに「その先の世界」を見つめているはず。

そして小林氏がアホなのは【『集団免疫』で必ず感染も止まる!】というところ。

いやいや「集団免疫を獲得できれば必ず感染は止まる」のは間違いがない。

問題は「どうやって集団免疫を獲得するのか?」ってところ。この小林氏はそれを全く知らないんじゃないですかね。放置すれば集団免疫を獲得出来ると思っている様子。

「免疫を持つ人達が増えれば、その人達がバリアとなって感染は広がらない」というのが「集団免疫」だけれど、そもそもどうやったら「免疫を持つ事ができる」のでしょうか。

一般的には、「一度罹患して回復すれば、免疫を持つ」と言われますが、今回のコロナに関しては、「それがまだ証明されていない」わけで、「再度感染する事例」が出ているじゃないですか。

そしてもし免疫を持てても「ウィルスが変異したらアウト」で、その危険性は払拭されていない。

そして、今の時点では「ワクチンが出来ていない」ってことが重要でしょう。

そもそも、「なぜワクチンが必要なのか」ですが、その目標は「集団免疫を獲得するため」じゃないの?

「放置しても集団免疫が出来る」ということもあるんでしょう。かつて人類に医学の知識もなく、人権も人の命も現代ほど重い時代でないときなら「放置」しか手がない。でもその次に「隔離」を覚えた。これが有効なのを人類は知って、感染爆発を抑える方法を手に入れた。そして治療法も考え、ワクチンなるものも発明し、現代に至る。

自粛要請ってのは「隔離」でもあるわけで、それもするなという小林氏は「人類は古代に戻るべき」というのと同じに私には聞こえる。

そして「集団免疫を【放置】で手に入れる」というのも、これまた【中世】の考え方じゃなかろうか。

そもそも「日本では死者が少ないのは事実だけれど、その理由もわかっていない今の状態で、【今後も死者は少ないであろう】とは言っていないものの、それを前提で考えている」であろう、小林氏は浅はかだと思う。

そして今以上に感染者も死者も増える中で「経済を回せ!」と号令をかければ、経済が回ると思ってる。この辺は、私としてはアホとしか言いようがない。

だから自己責任論者の私でさえも、政府が弱者を助けないととんでもないことが起きると思う。しかし日本はそれをしない。でもそういう日本を放置したのは日本の有権者。

ただ一つだけ、彼は正しいことを言っている。

『集団免疫』で必ず感染も止まる!

ってこと。

でも彼は、今、世界中でロックダウンや活動制限が行われているのは、「医療の崩壊を先送りにし」「いつかワクチンも出来て」【集団免疫を獲得するため】に頑張っているのが理解できないんだろうね。

ロックダウンや活動制限で「コロナの感染は終わる」なんてことを考えている人は、今の時点ではかなりの少数派じゃなかろうか。これは「ただの時間稼ぎでしかない」のは多くの人は理解し始めているはず。

彼の意見は【暴論】にもならない。ただの【愚者のたわごと、思いつき】だと思う。

小林氏の頭の中はこの程度っていうのを今まで私は気が付かずに、今まで彼の意見もそれなりに聞いてきた。そんな自分に腹が立つ。

いやいや、小林氏の意見は正しいと思う人がいたら、是非、私にそれを説明して欲しい。

私だって、自分の考えが正しいなんて思っていないし、何か良い手があるのなら、是非それを知りたい。

 
 
 

No tags for this post.