この小一時間、世界の新型コロナ関係の統計を見ていたのですが、やっぱり侮れませんね。
誰しも「自分が住んでいる国、地域」が気になるわけですが、国別の統計を見ると「まるで違う病気」に見えてきます。当然、同じ国でも地域によってまるで違うわけでわけがわからず。
「年寄りは重篤化しやすい」というのも、世界の数字を見てみると「日本だけが突出している」だけで、数字で言えば65歳以上の死亡者数は全体の28%程度。マレーシアだと7%。アメリカで16%とか。これもまたそれぞれの65歳上の人口の割合も考えないとならないし、平均寿命もそれぞれ違いますから、こういう数字を単純に比較しては駄目ですよね。
でも統計を見ると、これほどまでそれぞれの国の状態が違うのか驚くほど。
例えばこのグラフ。
○ 丸の大きさは「人口100万人あたりの感染者数」
○ 縦軸は「100万人あたりの死者数」
○ 横軸は「65歳以上の割合(高齢化率)
注)このグラフは「指数グラフ」なのでメモリの数値に注意
マレーシアとたとえばアメリカを比べると、100万人あたりの感染者数はアメリカが10倍以上で、死者数はなんと100倍。100万人あたりの数字がです。
これはG20+マレーシアのグラフですが、なぜアジアと欧米とこれだけ大きな違いがあるんですかね。
画像をクリックすると大きく表示します。
世界全体で見ると、台湾、ベトナム、タイ、スリランカあたりでは「何も起きていないのと同じ」に見える。あの中国でさえ、武漢での大騒ぎは一地域だけの問題で、国全体としては何も起きていないのと同じレベル。ま、数字がどこまで信憑性があるかが気になりますが、それを言い出すとPCR検査の違い、国によって基準も違うわけで比べるにしても細かい差異を気にするべきではないのはわかるけれど、あまりにも国によって違いがありすぎる。
結局、コロナは危ないとか危なくないとか、政府はどうするべきか、我々一般はどうするべきかというのも、国によってまるで違うんじゃないですかね。
トランプ氏は「経済を優先しろ」と言っているように聞こえますが、マレーシアやタイ、ベトナム、台湾みたいな「感染状況」なら良いにしても、アメリカの感染の酷さ、死亡率の高さから考えると、やっぱり異常に聞こえます。
と同時に、日本でも「怖がりすぎている」「経済を重視しろ」という声が大きいですが、それも日本の様に「感染者も少ない、死亡者数も少なく、比率も低いからそれが言える」んじゃないですかね。
もし今の時点で、アメリカやフランスと同じ状況だとしたら、日本は「感染者総数は200万人超え」「新規感染者数は一日で8万人」「死者は24時間で600人」ということになる。
この計算は、フランスと同じ比率だとすればという前提で、そういうシミュレーションは全く意味がないように感じますが、「国によってどうしてこれだけ大きな差が出るのか」の理由がはっきりわからない以上、「他国で起きたことは自国でも起きる」かもしれないと想定するのが間違いだとも思えない。
マレーシアの今現在のCMCO(条件付き活動制限令)は、マレーシアの今の感染状況からいうと「やりすぎ」の様に私は感じているのですが、世界に目を向けた場合、「私達は今、ラッキーなだけかもしれない」ようにも思えてくるわけで、「欧米のようになるかもしれない」想定をせずに、自国だけの数字を見て決めることはあまりにもリスクが高いように思えます。
実際に気を緩めればすぐに大きなクラスターは出現するわけですから。
世界がババ抜きゲームをやっているような感じもしてきます。一足先に抜けた~~なんて喜んでもまたすぐに新たなババを持って参戦しないとならないような・・・。
「インフルエンザでも毎年、日本では1万人以上が死亡するのにここまでは騒がないじゃないか」という論者は、確かに今の日本は感染者数も死者数も少ないからそれが言えるだけのことで、海の向こうでは暴れまくっているコロナを軽視して良いのかどうか。
フランスのようになれば、日本の死者の累積は6万人超えになる勢い。
これはアメリカも同じで、とっくのとおに例年のインフルエンザでの犠牲者数を超えてしまっている。
注)上のグラフはこのサイトから。多くのデータから様々なグラフが作れます。(日本の都道府県別のグラフも作成可能)
こういうグラフも作成できる。
日本全国、東京、大阪の「感染者数、死亡者数」グラフ。
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