このブログの読者に「マグロ好き」がどのくらいいるのかなぁ、なんてことが気になっています。
好きは好きでも私みたいに「病的」に追いかけて探す人ってまずいないんでしょう。そして多くの人は「それはちゃんとした寿司屋で食べるもの」と考えているのか、また「寿司屋のあの雰囲気じゃなくちゃ」と思う人も多いはず。それより、マグロだけというよりいろいろ食べたいと思うのが普通かもね。
でも前にも書いたように、東京は新橋という下町で育った私は、そもそも気取った寿司屋なんて知らなかったし、寿司とか刺し身って「江戸庶民の食べ物」で決して高級でもなんでも無いんですね。ちょっと小腹が空いたときにつまむもの、仕事帰りに刺し身で一杯飲むもの、そんな感じがあるし、「常に身近にあるもの」であって、決して「なかなか食べる機会がない高級品ではない」はず。私はそれを大切にしたいと思うんです。
そして私はマグロ、アジ、タコ、イカだけあれば幸せになる。またそれらの一種でも身近にあって、食べたいときに食べられれば文句なし。これもまた海外生活で禁断状態が長かったからだと思いますが・・。
な~~んて毎度の前置きが長いのですが、好きなものは好きで、決して最高のものを食べたいと思っていません。そこそこのものが「身近にある」ことのほうが私には重要。
で、本マグロの赤身ですが、こんな私に救いの手を差し伸べようとする方もいて、どうにか「豊洲からの冷蔵もので、和食店が使うレベルの本マグロの赤身」を手に入れられるようになった(大トロも手に入る)のは前に書いた通り。(ここ)
私としては「これで決まり」だと思っていたのですが、前にも書いた通り、気になる「安い冷凍マグロ」があったのです。
それは皆さんご存知のFocal Marketingが売っている「冷凍のマグロの赤身」なんですが、これは「(本マグロではなくて)キハダマグロ」だとされてきました。でも価格が輸入卸商なのに他の店(スーパー含む)が売っているキハダマグロより高いのね。普通はキロ60~100リンギなのに、Focalは130リンギ。これって理解に苦しむわけです。
で、Focalに聞いてみたんですよ。仲の良いスタッフもいるので「このマグロってなんでスーパーよりも高いの?」と。残念ながらこれに返事はなかったのですが、「これってインドネシア産の本マグロ(Bluefin Tuna)じゃない?」と聞くと、「いいえ、キハダ(Yellofin Tuna)です」という返事。でも私はかなり前にインドネシア産の本マグロだと聞いた覚えがあったんです。
これが気になっていまして、最後のトライアルのつもりでまた1キロ買ってみたんです。
写真のような冷凍マグロが二柵来ました。130リンギちょっと。
そしてその真空パックされたマグロに付いていたラベルを見てびっくり。( ̄口 ̄∥)
なんと、インドネシア産の本マグロだと書いてあるじゃないですか~~~。Southern Bluefin Tuna、ミナミマグロ(インドマグロ)ですね。\(^o^)/
なぜかこれがBluefin Tuna、つまり本マグロであることを注文を受けるスタッフたちは知らない。(笑)
ちょっくらProduction date、Expiry dateもみて、頭に入れておいてください。
そのうちの一つを、最近、かなり悩みつつそしてどうにかコツもわかるようになった「温塩水解凍法」で真剣に解凍しました。美味しくなかったらこの冷凍マグロを買うのもこれが最後だと思ったから。
解凍後。
色がやっぱり本マグロの色ですよね。
そしてこれで「マグロ丼」を作ってみました。寿司飯の上に刻み海苔を敷き、そこにマグロの切り身をたっぷり過ぎるくらいたっぷり乗せて、これまたたっぷりある大葉。
口に入れる瞬間は久しぶりにドキドキしました。
そして、食べてみるとこれは間違いなく本マグロだと確信。\(^o^)/
でも当然、日本からの冷蔵本マグロ(クロマグロ)と比べたら駄目で、クロマグロが80点だとすれば、これは60点程度。でも日本からのクロマグロは価格が2.5倍以上ですから、このマグロのコスパは抜群。
そして今まで食べてきたどこにでも売っているキハダマグロは点数をつければ30点未満ですから、かなりの差。そういうキハダマグロは価格的にはこのマグロの半額~70%程度。
でも以前に何度かこれを食べたことがあるのですが、この美味しさに気が付かなった。それはやっぱり「解凍法による」んじゃないですかね。冷蔵庫で放置して解凍していましたし、切るのは切れない普通の包丁。
でも今回は試行錯誤してやっとわかってきた「温塩水解凍法」ですし、何よりも「家庭の温度が半端な冷凍庫で長い間、寝かすことはなかったので劣化していない」、そして包丁は新しく手に入れた刃渡り30センチのそこそこ良い柳刃包丁。これで切ると断面がツルツルになって、ベロが感じる感触がまるで違うのね。
あるいは、ちょっと上のラベルを見てください。製造年月日が2021年9月19日となっていますよね。このマグロの流通やFocalでどんな冷凍がなされているのかはわかりませんが、「決して古いマグロではない」のは確か。劣化が進んでいないのかもしれない。
今までのマグロは製造年月日がかなり古かったり、もしかしたら2年間の消費期限(Expiry date)を過ぎていた可能性もある(そこまで調べていなかった)。また冷凍は「-18度でしろ」と書いてありますが、-18度では駄目なのは分かる人には分かるはず。まさかFocalの冷凍庫が-60度対応じゃないなんてことはないと思いますが、家庭用の冷凍庫と同じような-18度で何ヶ月、あるいは何年も保持したままなら【間違いなく大きく劣化する】はず。でもここはマレーシア、輸入卸問屋のFocalがどんな冷凍設備を持っているのかはわからず。(日本では寿司屋でさえも-60度の冷凍庫を持つ動きが活発)(もしFocalが-60度の冷凍庫を持っていないとしたら、来年の3月頃までには劣化がはっきり目立つかもしれない)
実はこのマグロを買って最後のトライアルをしようと思ったとき、Focalでは売り切れで在庫が無かったんです。あじゃ~~と思っていたら、数日後、「新しいのが入りました」と連絡があった。で、それを買ったわけです。だから製造日も比較的新しいのでしょう。そしてかつて売っていたマグロの製造年月日はわからない。
「もしもそれが古くて、なおかつFocalがマイナス60度対応の冷凍庫を持っていないとしたら、かなり劣化しているであろうことは明らか」で、そういうのを私も食べていた可能性がある。
これは良いと思うなぁ。最高ではないけれど、及第点だと思います。でも、マグロは大間のマグロが好きとか、いつも高級寿司屋で食べている人にはもちろん向かない。
でも私みたいに、フト、「マグロを食べたい・・」と思うことが多い人には良いと思う。普通のお昼ごはんに「本鮪の赤身丼」をいつでもお財布を気にしないで食べることが出来るんですから。
残りをまな板の上に置いておきましたら、空気に触れて発色も良くなった感じ。ちなみにこの大きさで250グラムはあるので一般的な二人前ぐらいの量でしょう。そしてコストは32リンギ程度。どこにでも売っている美味しくないキハダなら16~20リンギぐらいでしょうか。日本からの冷蔵クロマグロなら80リンギ以上。たまにその手の刺身を売る小売店では120リンギ以上。
どこにでも売っているキハダマグロ、安いお寿司屋のキハダマグロの刺し身やお寿司にがっかりしていた方は、是非、試していただきたい。
でも来年の3月頃にははっきりと劣化し美味しくない状態になっている可能性があるのは忘れてはならないんでしょう。
また家で食べるのには十分美味しいとしても、そこそこの和食店で食べる本マグロと比べたら駄目なのは当たり前。
それと解凍の方法をちゃんと考える必要があるし、包丁も切れる包丁を使うのはMustのはず。逆を言えば、その辺の知識と技術を持っている人なら、私よりかなり美味しく食べられるのかもしれない。
ところで、前にこのFocalの冷凍マグロを食べたときの日記を見てみると、やっぱり普通のキハダとは違うのが写真からだけでもわかる。また「美味しい」と書いてありますが、「所詮キハダはキハダ」とも書いてある。(笑)
この写真からでも、肉質、色が普通のキハダとは違って本マグロに見えますよね。
しかし、「キハダとはお別れする最後のトライアル」で、このマグロが実はキハダではなかったことがわかって本当に良かったです。
その気まぐれがなかったら、このFocalのマグロも使いみちがあるのに気が付かなかったんですから。
ちなみに前回の豊洲からの冷蔵本マグロですが、半分を冷凍してみました。あと1-2週間してから解凍して食べてみるつもりですが、そのときにどうなっているのかが楽しみ。
家庭の冷凍庫での冷凍ですと「急速冷凍は不可能」ですから、組織内の水分が氷るときにゆっくり膨張して細胞を壊すのは明らかで、それがはっきりわかるかもしれないし(解凍時にドリップが大量に出て、食感はスカスカするかも)、また1ヶ月ぐらいの冷凍期間でどれほど劣化するのか。もし大きな違いがなければ万々歳なんですが・・・。
家庭用の冷凍庫で冷凍すれば大丈夫なんてことは全く無くて、なんで卸業者、倉庫業者や遠洋漁業の船舶ではマイナス60度で冷凍(それプラス急速冷凍装置も併用する)するのかを考えればすぐに分かること。
上にも書きましたが、近年、寿司屋でもマイナス60度対応の冷凍庫を導入するケースが増えている。それどころか魚好きのユーチューバーや釣り好きも導入を始めているのは日本の動向を見ていると分かる。(また氷点下でも超音波を使い冷凍状態にならない特殊冷蔵庫があって、魚はもちろん肉でも野菜でも長期で新鮮さが維持できるものも普及が始まっている)
マイナス60度の冷凍庫ってちょっと前までなら最低数百万円はするプロ用本格的冷凍設備だったのに、今では11-12万円の小型でマイナス60度対応冷凍庫が日本では発売されたから普及が始まったのでしょう。でもマレーシアを調べてみると、そんな冷凍庫は売っていない。
日本ではこんな小型のマイナス60度対応冷凍庫が12万円ぐらいで売っている。
やっぱり日本って凄いなぁとこんなことからでも分かる。小さな小売店、個人宅でもマイナス60度対応の冷凍庫の普及が進んでいるなんて、世界広しと言えども日本だけじゃないんですかね。
私の好きな魚系ユーチューバーの金子氏も使っている。これを見るとどうしてそれが必要なのかが分かるはず。
私も欲しい・・・。(笑)
それにしても、先日、冷凍した豊洲からの本マグロがどうなるのか楽しみです。もし明らかに劣化していて美味しくないとしても、1キロ以上の大きさのマグロを買ってそれを1週間以内に食べきるのは不可能。つまり【家庭で冷凍は出来ない】とすれば、今後Focalの今日紹介したマグロを選ぶしか無い。
でもはっきりした劣化がわからないくらい美味しかったら・・・。
その本マグロとFocalの本マグロを交互に注文するのも良いかな、と。そうすれば満足度は高いまま維持して、トータルコストはかなり安くなる。(^_^)v
実はFocalはかつて二種類の「冷凍マグロの柵」を売っていたんです。一つは今回のこれで、もう一つはキロ単価が60リンギ程度のもの。これはキハダマグロに間違いはなく、どこでも売っているのと同じようなもの。
でも今、Focalでは一種類しか売っていない。それが今回のこれでキロ単価が130リンギの「Southern Blue Fin Tuna」、ミナミマグロ(インドマグロ)。インドネシア産。
これだけ販売を続けているということは、これは競争力があるとFocalは読んでいるはずで、そして実際に「売れている」「これを使うお店も多い」のかもしれない。
どの店のとは今、あえて書きませんが、ある有名な和食店の「マグロ丼」ですが、これが美味しいんですよ。どう考えてもキハダマグロとは思えない。でも価格は安いのね。
これで65リンギ。これが日本からの本マグロだとしたらこの価格では売れないはず(バンサショッピングセンターの【厨(くりや)】の鉄火丼は抜群に美味しい本マグロの鉄火丼だけれど、価格がまるで違う)。でもFocalのこの手の「インドネシア産、Bluefin Tuna」なら可能。実はこのブログの女性読者のご主人が板前さんで、「マレーシアにはインドネシア産のBluefinが入っている」と聞いたことがあります。
それの「冷蔵物」もマレーシアで流通しているのかもね。
ある和食店の鉄火丼。色を見てもキハダではないみたいですよね。そして美味しい。65リンギという安さ。
これがインドネシア産のBluefin Tunaである可能性は高いと私は思っていて、そうだとすればこのマグロのコストは20リンギ程度のはずで、65リンギというのも納得です。
FocalのBluefin Tunaを手に入れれば、このレベルの鉄火丼なら非常に安く自宅で作れていつでも思い立ったら気軽に食べられるということ。\(^o^)/