オーストラリアWagyuの「ミスジ」をローストビーフで食べた

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大好きなローストビーフですが、コロナ騒ぎになってから「買い物に出ない」我が家はローストビーフに合う牛肉を探すのに苦労しています。

前はB.I.G.にしてもバンサショッピングセンターでもローストビーフに合う肉を探すのは簡単で、それどころか「想定していなかった牛肉ブロックとの出会い」もあってそれなりにバリエーションを楽しめました。

ところがコロナ時代になってからは「お店で現物を見て買うことが出来ない」ようになって通販で買うようになりました。でも元々、スーパーでは売っていないような肉を専門店から買うのをやっていましたから困ることはないにしても、欲しい肉が常に見つかるかと言うとそうじゃないんですね。買う肉は大体決まってきてしまう。

本来、ローストビーフ用の肉は「良い肉である必要はない」という考え方を持っていて、無印オーストラリア牛、アメリカアンガス牛で十分だったわけです。

これで我慢したということではなくて、「これが美味しい」と思っていました。

ところが通販だと、逆にスーパーで売っているような肉を買うのが難しいのね。まずブロック状で売っている店は本当に少ないですから。でも専門店は最近の和牛ブームもあって、「良い肉、高い肉」を扱うところは増えてきた。

でも我が家は「和牛のA5が良いねぇ」という家じゃないんですよ。25年のオーストラリア生活で牛の食べ方を学んだと言ったら大げさですが、正直なところ牛肉大国なのに「美味しい牛肉って少ない」んですよ。日本人は「オージービーフは美味しくない」という人も多いようですが、実はオーストラリアでは「日本で売っているオージービーフは売っていなかった」のね。つまり日本向けの牛肉は「日本市場に合わせて特別に飼育した牛の肉」を輸出していたわけ。

だから「オージービーフは美味しくない」なんて話を聞くとかなりがっかりしたもんです。オーストラリアで私達が食べていた牛肉は、そのオージービーフより美味しくないんですから。口には出しませんでしたが、「日本向けのオージービーフを食べたいなぁ」なんていつも思っていました。(笑)

1990年代はGrass fed(牧草飼育)の肉しか売っていないし、健康志向が強いオーストラリアでは「サシが入っている肉は売れない」状態。だからスーパーに行くと「サシが入っている肉が売れ残っている」という嬉しいことも多かった。牧草飼育の場合、中には「牧草の匂いがする肉」も多かったんですよ。草臭いのね。これって言葉を変えると牛糞の匂いがあるってこと。

でもいつの頃からかGrain fed(穀物飼育)の肉も売るようになって、そしてオーストラリア産Wagyu(日本で言うと交雑種で和牛ではない)も売るようになって今に至るって感じでしょうか。ああ、今では100%純粋の和牛も生産され輸出されるようになった。マレーシアにもその肉が入ってきています。

そんな中で25年もいますと、「美味しくない牛肉はソースで食べる」ことを覚えるのね。また私は低温調理オタクですが、それは「美味しくない肉を美味しく食べる方法」としての意味もあったわけです。

そういう牛肉の食べ方が普通になりましたから、和牛なんてのは別世界の牛肉なのね。シャブシャブだけは和牛の良い肉じゃないと食べる気がしませんが。(笑)

和牛もWagyuも美味しいとは思います。間違いなく美味しい。

ところがそんな肉をいつものように食べると「オエッ」となるわけです。サシが入っている肉に慣れていませんし、しかし食べる量は400、500グラムなんていうのは普通ですから。

ですからマレーシアに渡ってきてから「ローストビーフを食べたい」と思った時に食べたいのは和牛じゃないんですね。オーストラリア産のWagyuでも脂が強すぎる。ですからスーパーで売っている「無印牛」が一番我が家には合っていたわけ。

ところがコロナ渦になってからは通販で買うのが難しいということになった。

でも和牛、Wagyuなら手に入る。

和牛でもサシが弱いA3、Wagyuで言えばMB6とかその辺なら良いのですが、そんな指定はほぼ不可能。でも「部位」によってサシの入り方が違うわけで、リブアイだとオェっとなってもランプなら大丈夫なわけです。ではランプが簡単に手に入るかというとそういうこともない。

我が家にしてみると四面楚歌と言ってもいいくらいですが、そんな中でどうにか見つけて良く食べるようになったのが、日本で言う「イチボ」や「ミスジ」。価格的にもリブアイやサーロインみたいに高くはないし、我が家にとっては十分な肉。

ミスジ。Oyster Blade。

この手の肉を売っているお店はいくつかありますが、最近、我が家ではこの店から買うことが多くなっています。前にも紹介したことがある他の店は「競争に負けた」感じで、段々とだめになっていくのがわかります。

今回も久しぶりにローストビーフを作りましたが、オーストラリア産WagyuのOyster Blade。ミスジ。

低温調理で57度。そして5時間。これをしっかり焼きます。

最近、サシが多い肉の場合は、「常温で薄く切って食べる」のが美味しいのがわかってきましたので、そんなふうにしてみました。

そして和牛やWagyuの場合は、ソースに凝らないほうが美味しい。「安い肉はソースで食べる」のが我が家の常ですが、それと同じソースだと良い肉の良さが消されてしまうのね。だからシンプルなソースにする。今回は「旭ポンズ+わさび」でばっちりでした。

やっぱり常温だとサシをしつこく感じません。でもこの程度のサシが入っています。これをいつものように厚く切って温度が高い状態で食べると100%間違いなく「オェ」となりますが、常温なら大丈夫。そして口に入る量も関係あるので薄いほうが美味しい。

この食べ方がベストだと思いました。でもこれを冷やして食べると「脂」が気持ち悪いのね。だから冷やして食べるなら、サシの入っていない「もも肉」みたいのが良いのがわかる。そして冷えていると味を感じなくなるからソースも濃い目でオッケイ。

こういう食べ方なら、ガッツリ食べなくても十分な満足感があるし、これからはこの線で行こうかと思案中。

またミスジという部位は結構強い「スジ」が入っているのですが、5時間の低温調理でスジが柔らかく良い感じになっています。これも大成功。狙った通り。

ローストビーフ好きな我が家ですが、今頃になってやっと「肉に合わせたローストビーフの食べ方」がわかってきました。

それと、このミスジですが、大きな塊だったので、一部分をステーキにして前に食べたんですよ。ヨメさんのリクエストもあって。

でもミスジのブロックって「変な形」をしているからステーキみたいにうまく均等に切れないのね。

厚さも一定にして切るのは私みたいなトロイやつには結構難しいわけです。

厚さが均等でないってことは、焼いた時に「均等に火が入らない」ことを意味するわけで、どうしたって「生焼け」っぽく焼いてしまいます。焼き過ぎのステーキなんて絶対に食べたくありませんから。

でもうまく火入れをするのってかなり難しくて、結局はこうなっちゃうのね。レアというよい「生(ナマ)」になってしまう。

これはこれで嫌いじゃないですが、これじゃステーキと言うよりは「タタキ」。やっぱりステーキでも低温調理で均一に火を入れて、後でしっかり焼き目を付けるのがよいという結論。

しかしステーキもローストビーフも簡単なような気がしますが、肉選びから始まって、切り方、火の入れ方、焼き目の付け方、ソース、食べる温度でまるで違うものになってしまう。

それだけにいろいろやっていて面白いと思う部分もありますが、突き詰めると面倒だと思うほうが多い今日このごろ・・・。

以前のほうが、何も考えずにチャチャッと作って食べて、満足感は高かったような気がします。

-----(追記)-----
 

冷蔵庫で冷やしたものも食べましたが、美味しかった。固くなることもなく脂が気持ち悪いこともなく、全く問題なし。ヨメさんも絶賛。これはWagyuだからか、低温調理の火の入れ方なのか、今までローストビーフを冷やして食べると美味しくなったことが多かったけれど、この違いはなんなのかわからず。

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