日本の癌は財務省だという考え方を私が持っているのはもう10年以上前からこのブログに書いています。
この話になると「え?どういうこと?」と思う人がすくなからずいるはずですが、もういちいち書くのもイヤなんですよ。わかる人はわかっているし、逆に、今頃になっても「財務省の問題がわかっていない」ということは、今更その根拠を並べ、何が問題なのかの説明をしても所詮わからない人にはわからないのだろうと思っています。
でも6月に岸田政権の「骨太の方針」が閣議決定された時に、積極財政派と緊縮財政派(財務省側)が大揉めに揉めたこと、その内容をご存じの方には朗報があります。
ま、とにかく財務省側は「お金を出し渋る」ことをずーっと続けてきて、強引だと言われた安倍政権でさえも第二の矢である「財政出動」の邪魔をされ、やらせてもらえなかった(それどころか消費税増税をやらされた)ですよね。財務省には「プライマリーバランスの黒字化」という宗教と言っても良いような大原則があって、それを実現するためには「歳出を減らす」+「増税」しか頭にない。そこには「経済を刺激してGDPというパイを大きくする」という考え方は皆無なのね。それどころか「需給ギャップ」が日本の場合は大きくて、【その差を縮めない限り景気はよくならないし、デフレから脱却もできない】のがわかっているのに、【政府が需要を増やす案(財政出動)】をことごとく潰してきたわけです。
でも安倍さんはどうにか「金融緩和」だけはねじり込むことが出来た。日銀総裁の黒田さんの前の白川さんが頑なに拒んでいたけれど、安倍さんは金融緩和を実現させた。だから円高も止まり、日本経済は上向きになり株価も大幅に上げた。
でもそれだけで日本が良くなることはなくて、「財政出動」が次の手として大事なわけですが、財務省側はそこは頑として譲らなかった。本当に私は残念だと思っていて、安倍さんの落胆も半端じゃなかったろうと思います。挙句の果ては安倍さんが抵抗していた消費税増税もやらされたわけですから。
「金融緩和をしても民間の力が盛り上がらず【需要が少なく需給ギャップが埋まらないのなら政府が支出すべき】という積極財政派も多く(例えば安倍さん、西田さん、高市さんなど多数)」、この両極端の二派が常にせめぎあってきたんですね(岸田さんは財務省側)。でも財務省の実力、影響力は強く、メディアも抱き込んで【とんでもない額の借金をどうにかしないとならない】ことばかり喧伝してきた。
そしてその考え方は広く深く浸透し、「子どもたちに借金を残すな」「公共事業なんかやめろ」「緊縮財政も仕方がない」という考え方が根付いてしまった。でも現実は違っていて、会計では当たり前のバランスシートを見ればそんなに悪い状態でもなく、日本の巨額の国債は自国通貨で出しているわけで、「大きな借金はギリシャと同じ様になる」という論者もいたけれど、財務省は「日本の場合はそれは起きない」と明言しているものの、「危険だ危険だ」と言い続ける。多くの専門家が「日本はハイパーインフレとなり、日本の国債は売り叩かれ日本は破綻する」と言い続けたものの、ハイパーインフレも起きないし、日本の国債の価格が暴落することもない。これは世界が日本は大丈夫だと判断しているからでしょう。
この「まだ大丈夫な内に行動を起こす」のが重要で、このままダラダラ行けば本当にどうしようもない借金だらけの政府になって何もできなくなる。今はもうそうなっているという論者も多いのですが、その人達が言うのが「健全財政に戻せ」なんですね。そしてプライマリーバランスの黒字化。緊縮財政です。その彼らは「日本がここまで悪くなる前から同じことを言い続けている」ってことなのね。だから安倍さんのような積極財政派を潰そうとしてきた。この戦いが延々続いてて、「積極財政も出来ない」「緊縮財政も出来ない」状態で【双方見合ったまま動けない状態】が続いて借金はますます増えていったのが日本だと思っています。
会社で言えば、積極的に投資もして売上を取っていこうという営業出身の社長と、もうそんな余裕はないと銀行から派遣された経理担当専務が見合った状態が何年も何年も続いてどちらの思う通りにもならず、ただただ会社は奈落の底に沈んでいく状態。私にはそんな風に見えるんです。ここで主導権を握っているのがやっぱり銀行から派遣されている専務みたいな。
そんな時に今まで以上の歳出が必要になってきた。コロナ渦によって経済は低迷し、そこへ来てロシアのウクライナ侵攻もあってエネルギーや食料品の価格が暴騰。景気は悪化するので政府はその対応も必要。なおかつ「安全保障上の問題」も浮き彫りになってきて【防衛費の大幅なアップ】が言われ、それは世界の傾向でもあって岸田総理はバイデンにも「防衛費を増やす」と約束したんですね。そして1%の枠を超えて、2%にすると言う。
つまり国の出費はかなり大きくなりそれは仕方がないことでもあるわけですが、財務省は相変わらずそれに抵抗し、【支出が大きくなる日本の骨太の方針】を6月に決めるときにもすったもんだした。ここで一体何が起きたのかの概要は以前ブログに書きましたが、「その内容に関わった国会議員が【財務省がどういう仕掛けをしたのか】を暴露」しました。
ここで私達が注意しないとならないのは、岸田さんははっきりいわないけれど、「支出を増やす時、【財源は?】」と必ず財務省は言うわけで、「借金で・・」となれば財務省はウンとは言わない。となれば防衛費を増やすことさえ出来ないわけで、「国防税を作りましょう」と言い出すのが財務省のやり方。311の復興税と同じ。岸田さんはバイデンとも約束したし「増やします」という基本方針を変えるわけにもいかない。でもその原資はないわけで、「国防費アップに国民も同意したのだから、国防税も受け入れてください」というストーリーになると私は想像しています。その為にも岸田さんは「波風を立てずにとにかく参院選で勝つ」のを目的としていると思います。改憲も含めて選挙で負けたら何も出来ないから。
そういう駆け引きがある中で「骨太の方針」が決定したわけだけれど、そこには私達が想像するようにはさせないぞという財務省の爆弾が仕掛けられていたということ。その爆弾とは、私が想像するに「歳出を増やせないようにする」のではなくて、それは避けられないのはわかっているので「国債を発行するのではなくて増税する道筋を開く」ための爆弾と言っても良いと思っています。だから選挙後は「原資、財源をどうするか」で大揉めに揉めるはず。改めて書きますが、岸田さんは財務省側で彼らの言い分(新税もしくは消費税増税)を通そうとするはず。(これは私の勝手な想像)
この内容は経済評論家やジャーナリストが話したんじゃないんですね。渦中にいた国会議員が自分の責任において「財務省がやってきたことを暴露」している。
これは、財務官僚は選挙によって選ばれたわけでもないのに、国民に選ばれた国会議員の【足を引っ張ろうとする明らかな証拠】だと思います。
せめて国会議員が国の舵取りをするなら良いんですよ。でも財務官僚は選挙によって選ばれたわけでもなんでもないのに、どうして国の方向性を彼らが決めるのか。そして財務省はお金の出入りの両方を牛耳って、他の省庁への影響力を行使するだけじゃなくて、政治家、学者、評論家、マスコミまで抱き込んで日本を動かす。おかしいじゃないですか。国民が選挙で誰を選んでも日本は変わらないんですから。でもその財務省の意向に逆らうと自分の立場も危うくなるから逆らうのは簡単ではない。私達が税務署に逆らえないのと全く同じ構造。
会社で言えば、莫大な借金を抱える会社に銀行から出向できた専務が実権を握っていて、古株の営業部門、生産部門が「頑張るから資金を出してくれ」と言ってもその専務は「もうこれ以上金は出せない」と突っぱねているのと同じ。実社会でこういう状態の企業はいくらでもあるのは皆さんご存知の通り。そしてそういう会社はいつの間にかどんどん小さくなって、かつては有名だったその会社の名前さえ知らない人が増えていく、みたいな。
日本の場合は、実権を握っている財務省の意向に沿って動けば、「省庁の予算要求も通る」し、「政治家の地元には道路や橋もできる」し、叩けばほこりが出るような個人や企業、メディアでも問題は表面化しないし、恩恵まである。
私は歴代の防衛省の「会計課長が税務省からの出向」だというのを知りませんでした。会計課長とはまさにその省庁の欲しい予算をまとめて財務省に要求するポジション。予算は当然、要求した以上に出ることはなく、その会計課長の考え方で要求する予算は決まる。だからこそ財務省はそのポジションを牛耳っているわけで、防衛予算のGDP1%枠は法律でも何でも無いのに踏襲されてきたのはそれが理由。そして会計課長は財務省の言うことを聞かなければ左遷されるだけだし、言うことを聞いていれば財務省に戻ってからの将来は約束されている。
要所要所をそうやって息の掛かった人事で抑えているわけで、そうなったら国や国民のこと、その省庁のことを優先せずに、財務省の言う事を優先するようになるじゃないですか。でも彼らは「財務省の考え方のみが真に日本のためになる」と信じ込むようになるんでしょう。宗教と同じ。そしてその宗教を信じない連中は「予算」「税金」で締め上げることが出来る。そしてそういう仲間を総動員させれば、総理大臣さえも変える力があると言われる。だから人事権を握ったと言われた安倍さんでも常に財務省とは交渉をしながら方針を決める必要があって、「俺は総理大臣だ」なんてゴリ押しは通用しない。でも財務省のゴリ押しは通る。
本当に総理大臣に力があるのなら、いの一番に財務省を再構築して「歳入庁をつくる」と思う。お金の入りと出が一緒だったらあまりにも権力が集中してしまうから。でもそれは財務省の影響力を削ぐことになるから、財務省とは全面戦争になる。だから誰も手を付けない、口にも出さない。私は森友学園騒動で財務省の落ち度が発覚した時には良いチャンスだと思ったんですけどね~。メディアはアホで弱虫で安倍さんを攻撃するばかりで、財務省を標的にして盛り上げること(ノーパンしゃぶしゃぶ事件みたいに)もしなかった。今、歳入庁を作れと声に出す影響力がある人は、怖いもの知らずの高橋洋一教授ぐらいか。
それだけでも問題なのに、岸田政権は財務省側であるのが今の日本。安倍さんとは正反対。それどころかどうにか安倍さんが作り、菅さんが守ってきたものを根底から覆そうとしている。それはこれからのあるべき安全保障の基盤を考え、その案を作り支えてきた防衛事務次官の交代(更迭)にもそれが見える(他の省庁の人事にもそれが見えるらしい)。もし選挙後に岸防衛大臣の交代、高市政調会長の更迭が起きたら、岸田政権こそが日本を潰す政権だというのははっきりする。と保守系の多くは考えているはず。
でも大きな借金を抱えた企業が、もっと借金を増やして再起に賭けるのが良いのかどうかは本当に難しいところで、【下手なやる気が命取りになる】可能性は大きいわけで、「そんな不確かなことは絶対にできない、させない」という銀行の意向で動く専務の言うことが正しいのかもしれない。でも私は「チャレンジしない企業は淘汰される」と考えるし、それが世の中の常。これは「綱渡り」と言っても良くて、でもその綱渡りを乗り越えた国々が「日本の暗黒の30年」の間にどんどん躍進して日本だけが取り残されたと考えています。それにチャレンジしたのが安倍さん。でもやりたいことは出来ずにがんじがらめに縛られた。
岸田政権は、そのがんじがらめにしばる側の意向で動く政権で、これじゃまずいと考えるのが積極財政派で、だから参院選で岸田政権が勝てば、その後の3年間は選挙もなくてやりたい放題と言う人もいるけれど、実は内紛が表面化して「岸田降ろし」の旗印が上がるはずだと私は読んでいます。
そんな裏読みがあるから保守層の多くは参議院選挙でも「どうやったら岸田政権をつぶせるのか」を考えているわけですね。自民党が負けるわけには行かないけれど、「圧勝」はだめで「ギリギリセーフ」の状態にして、決して国民は全面的に岸田政権を支持しているわけではないのをはっきりさせないとうまくない。圧勝すれば調子に乗るのは目に見えているから。そして安倍さんがそうであったように「選挙に強い総理」に自民党議員も集まるし、従うようになる。だから保守本流の支持層はどうしても自民党内野党みたいな岸田さんの足を引っ張らなければならないと考える。「岸防衛大臣も高市政調会長も更迭したら大変なことになる」と岸田氏に思わせないとならない。
岸田政権は「岸田がベスト」と保守の岩盤層が考えたのではなくて【河野よりマシ】と考えただけであるのを岸田氏に思い知らせる必要がある。
でも本当にこのままでは日本は潰れると考えているのは財務省側も同じで、岸田政権は正しいことをしているのかどうかは私にはわからない。ただ私としては勝負をかけて欲しい。実際にお金が出てこないから、日本中には老朽化したインフラがごっそりあるわけですよね。だから「国土強靭化」で公共事業を増やすのも必要なのに、その金まで財務省はしぶる。
日本人の能力は十分高い。そして皆が結集した時の凄さは歴史が証明しているし、世界も日本をそう見ている。でも財務省はそれをさせない。
ただし、とんでもなく良いニュースもある。
消費税ですが、これって「金融引締め」と同じ影響があるし、国民からすれば「買い物をしたら罰金」みたいな感覚さえあって、冷え込んだ経済を救うためにはせめて限定期間だけでも「消費税の減税をするべきだ」と主張する専門家や政治家は多い。ところがそれに反対する(財務省)側は「せっかく増税できたのに、減税したら再び上げるのが難しくなる」という筋の通らない事を言う。
それどころか、国の出費はコロナで増えて、なおかつ国防予算も増やす、社会保障費はますます上がるとなれば、「増税が必要である」と財務省は考える。その財務省のいうことをそのまま聞く政治家も多いわけで、それが岸田政権であると思って間違いないと彼の発言を追っていると思うわけです。単に考え方が財務省と同じというより、財務省のポチと私は言いたい。
そしてですね、誰もが理解不能なことがあるのね。消費税を増税すれば「景気が悪くなるのは見えている」のにそれに経団連は賛成するということ。
消費税増税で不景気になると困るのは経団連も同じじゃないかと思うのだけれど、それ以上に彼らが気になるのが「法人税」で、これが安ければ彼らは生き延びることが出来ると考えているんでしょう。でも国の歳入が十分になく、法人税を増税するなんて話が出てきたら大騒ぎになるわけで、増税が不可避ならそれなら「消費税増税のほうが良い」という論理。そもそも、何十年も前に「消費税を導入しよう」と提案したのはあの有名な土光敏夫経団連会長だったのね。増税が必要でも法人税を上げてはならないと。
そういう考え方を持っている経団連って「財務省側」に見えるし、自分たちのことだけを心配して、国民や国のことなんか考えていないと感じるわけです。
ところが~~~~~~~~~~
この経団連の考え方が大変換した。
経団連にとって財務省は非常に怖い存在でもあるのは誰にでもわかる。財務省は「泣く子も黙る税務署」も持っていて、税務署に目をつけられたり、意地悪されたら何が起きるかなんて誰でも知っていること。
それなのに今、経団連は財務省とは正反対の【積極財政派と同じこと】を言いだした。
これって快挙どころの話じゃないと思います。経団連は強い力を持っていて、メディアも経団連には忖度しないと生きていけない世界だし、多くの政治家はとんでも無い強いつながりが経済界とあるのが普通で、【経団連を無視して言いたいことが言える政治家、専門家、メディアは存在しない】と言っても大げさじゃないんじゃないですかね。
その経団連が今、大きく舵を切りはじめた。
この動画でその内容を聞いてみてください。これぞ「あるべき姿」だと多くの人も賛同するはず。私にしたら\(^o^)/\(^o^)/\(^o^)/状態です。素晴らしいなんてもんじゃない。
実際に経団連がどういうふうにこの内容を提言し、財務省側とどう取引していくのかが楽しみです。
政治家もメディアも経団連とは関係が深いから、今後はそちらの方へ【世の中の風潮も変わってくる】んじゃないですかね。でも左派からしたら、これからは今まで以上に冷たく寒い冬の時代の到来かもしれない。
もしかしたら、これが日本の大きな転換の「始まり」となるかもしれない。
上の動画の後半に「為替レート」と「実質実行為替レート」の変化、推移の説明がありますが、ここは非常に大事だと思います。今の日本にとって何が大事でどういう方向性でやっていくべきかの答えがここにある。
でも当然、それが話題になることはない。
こういう論理的なバックもなく「感覚的なもの」でしか日本は動かない。そしてそれを主導しているのは財務省だと思っています。財務省の目標は「プライマリーバランスの黒字化のみ」で、そうするためには「支出の削減」「増税」しか考えていない。そして財務省のポチにしか見えない岸田政権は、岸田政権としても大事な参院選前のタイミングで「節電に協力してくれたら電気料金の補填」を言い出した。その額は家庭単位で月額「数十円」。アプリを使えば2000円プラス?
え?嘘だろ?と思った人は多いはずだけれど、すべてを決めるパワーを持っている国民は、そんな岸田政権を支持している。マスコミも文句らしい文句も言わない。
こういう日本が将来躍進するとしたら・・・、それは「奇跡」としか言いようがないんじゃない?
それとも岸田政権に任せれば素晴らしく発展した、夢と希望にあふれる日本が出来上がることに私は気が付かない大馬鹿なんだろうか。
積極財政派と緊縮財政派はこれから白黒つける決戦をしなければならない。もう時間がない。
そう思っているところで、積極財政派の中心人物である安倍総理は暴漢の銃撃にあい死亡。
これで積極財政派の求心力がなくなってしまったのは間違いがなくて、そして岸田政権に圧力をかける力も弱まった。
積極財政派が分裂し消えていくことはないにしても、【タイミングが良すぎ】で、私はジョンエフケネディの暗殺時と重なるものを感じています。