デイトレって歳を取ると難しくなるのが普通。
まず、目が悪くなってモニターを見続けるのが無理。刻々と変わる値を追うことなんて不可能。
そして「瞬時に判断しなければならない」のが普通で、頭の回転も重要だけれど、フィジカルも重要で、キーボード操作を素早く的確にできるのかどうか。
私としてはやっぱりデイトレって５０代までじゃないかなと思っているわけですが・・・
なんと８７歳のデイトレーダーがいるとテレ東BIZのニュースでやっていました。
資産16億円 投資歴69年 87歳のデイトレーダー
凄いですねぇ。
でも彼がトレードしているのは日本株で、トレードの準備や下調べの時間をいれても「決して長時間ではない」のがわかります。
しかし彼のトレード法ってなんだか「大昔の考え方」みたいに私は思うわけで、そんなんで勝てるのか不思議に思いました。
でも投資歴６９年で資産が１６億円あるというのですから、あの方法でも勝てるんでしょう。
というか、よく「仕事の神様」みたいな成功者に秘訣を聞くような番組がありますし、私も若い頃は成功者に教えを乞うようなことをしていましたが、ある時、気がついたんですよ。
成功者は「成功した理由」をずらずらと並べますが、それって本人が「それが理由だと思っているだけ」で【大切なことは他にある】と思うことが多くなりました。本人が気がついていない、つまり、本人にしてみると「当たり前のこと」でしかなくて、それの重要度に本人が気がついていないことがある。
私たちはそこを見抜く必要があるわけで、言うことだけを「なるほど」なんて聞いていても大事なポイントがわからないなんてことが多いのね。
そういう意味では「失敗談」の方が私は興味があるんですよ。失敗した本人は「どうして失敗したのか」を徹底的に考えるし反省もしているのが普通なので、それなりの意味がある。でももちろん「大きな失敗の原因に本人が気がついていない」こともあるわけで、成功談も失敗談もなかなか難しいものがありますね。
どちらにしても「聞く側」にも【経験が必要】で、それを通して話を聞く、理解する必要があって、「言うことをそのまま受け取ってもそれを活かすことは難しい」のは【書籍から学ぶ】のも同じだと思います。
もしそれでどうにかなるなら、それこそ大学院で専門課程をばっちり学んだ若者の言うことが一番正しいということになってしまうんじゃないですかね。やっぱり「知識に経験を足す」ことによって【熟成する】はず。
そういう意味で、今回のこの８６歳のデイトレーダーも、６９年もやっていると「論理的に説明するのが簡単ではない能力を身に着けている」可能性が高いわけで、そしてそれは本人してみれば当たり前のことで、あえてそこの説明をしないのではないかと思いました。
彼が言っていたPERから株価を見るとか、チャートはMACD、RSIを重視するというのも、彼の説明はあまりにも初歩的すぎて「本当にそういう使い方をしているのか？」と思ったくらい。でもチャート分析の入門書も同じような書き方をしているのが普通で、もしかしたらその程度の使い方で勝てるのかもしれませんね。私には絶対に無理ですが。
なんだか私としてはすっきりしないなぁと思いながらユーチューブの動画のページを読んでいたのですが、変な記述を見つけました。
「RSIの解説動画はこちら」なんてURLが貼られているし、「MACDをはじめとした為替分析手法の解説動画をテレ東BIZで配信中（入会月無料）」なんて記述もあった。
この動画は「テレ東BIZ」の提供なわけですが、これって【釣り動画】じゃないんですかね。
８７歳のトレーダーが偽物とは思いませんが、テレ東はこのトレーダーをニュースにして、自社の商売に視聴者を誘導しているように私には見えます。
あんな８７歳のジジーでも出来るなら俺にもできるんじゃないかとか、歳を取っているけれどもまだ遅くないのかなとか、年金だけじゃ心もとないし・・・なんて考えている人たちに、【貴方もやる気があれば出来ますよ】という背中を押す効果がこの動画にはある。
でもPERから株価を見るとか、MACD、RSIをああいう使い方で勝てると思ったら大間違いだと思うんですよ。それで勝てるなら、「負けるやつは半端じゃないアホ」ってことになりませんかね。
あのジーさんは「他人には教えたくない、彼が見つけた【ある方法】を身に着けている」と思うのが順当。そしてPERだのMACD、RSIの使い方の説明は、「番組から【とりあえず基本的なことだけ】をわかりやすく言って欲しい」という要望があったんじゃないかと私は勘ぐっています。
あんなジジーがやれるなら俺も～～～、なんて思った人は【飛んで火に入る夏の虫】だと思う私。
あるいはこれじゃないですかね。
どう思います？