アメリカ株は好調でも、気を緩めると危ない

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私はここのところ、「アメリカは危ない」ということを中心に書いてきました。

でも株価は好調ですよね。

ナスダック 日足

◯ 好調だからこれからも大丈夫
◯ そろそろ飛び降りる準備が必要
◯ もう利益確定済み
◯ 長期保持だから関係ない
◯ 安くなったら買い増しの大チャンス

ま、色々な考え方があると思いますが、「利益を追求する」としたら、【勝つ方法は一つしか無い】ことを忘れてはならないと思っています。

それは【勝っているうちにやめること】です。これ以外に勝つ方法は無い

この当たり前のことを実践するのは結構難しくて、何十年も投資やトレードをしていますと、「あの時、売っておけばよかった」「あの時、買っておけばよかった」という思いのみがどんどん積み重なるのね。

うまく行っている時に何を考えるかと言うと【もっと良くなるだろう】ってことなのね。あるいは【このまま継続するだろう】と。

これは希望でしか無くて「そう思いたいのは誰しも同じ」で、「勝っている時にやめる」って本当に難しい。また「あの時、買っておけば良かった」というのも逆の意味で同じで、「皆がもう駄目だ」と思っている時に自分は買い向かうのは簡単じゃないのね。実際に「もっと状況は悪くなった」ことはいくらでもありますから。

こういうことは「歴史から学ぶ」のが良いと私は思っていて、株式市場、相場の歴史を見て、どの時代に何が起きて投資家は何を考えて何をしたのかを知ることは非常に重要だと思います。

また戦争も同じで、あの太平洋戦争時に「日本はどんどん勝っていた時期」があるのをご存知ですよね。そしてその時なら「講和条約を結ぶのも可能だったかもしれない」ものの、その当初の計画は簡単に破棄された。「勝ち続けているのだからもっと進軍すれば良い」と誰しもが考えた。

結果的に恐ろしいほど広い範囲に「戦線は拡大」し、結果的に兵站の補給が間に合わず、また時間とともにアメリカ軍は軍事力の増強に成功して、【日本軍は負けだした】という事実がある。

日本のあの強大なロシアとの戦争、日露戦争で日本が勝ったり、太平洋戦争初期に「無敵のイギリス艦隊」を撃破してイギリス軍が降伏してシンガポールが陥落したのも世界は驚きましたが、実はロシア戦もイギリス戦も、「日本は兵站も尽きてあれ以上続いたら、日本軍は負けていたであろう」という事実があるのを知らない人は多いらしい。

事業をした経験がある方も同じ過ちを犯してしまったことがあるはずなのね。仕事は好調、売上も利益も上がっていれば、誰しも「もっと拡充しよう」と考える。でも日本の有名なチェーン店を見ても「なかなか簡単には行かない」のは誰しもが知っていること。

でも世界の成功者達は、そういう中で大きくなったのも間違いがない。あのソニーなんてまさにその一例。私の父は弱電関係の仕事をしていましたし、ソニーに関しては良いことも悪いことも良く話題に乗っていました。

ま、自分には才能も運もあると信じているのであれば、イケイケで行けば良いと思いますが、実は「引く時には引いてきた」から生き延びているのはソニーも同じなんですよね。いつでも「強気でいる」のが良い訳がない。

さて、アメリカですが、前に何度も書きましたが、アメリカの好調さを作っているのは「限られた企業群」であって、S&P500も、7社を除いたS&P493を見ると横ばいであるのがわかる。また私がいつも見ているRussel2000というインデックス。これはアメリカ企業の1001位から3000位までの「中小企業インデックス」と言ってもよいインデックスですが、これを見ると、アメリカが絶好調には全く見えない。

ラッセル2000 日足

そして株価だけではなくて様々な「指標」を見たり、重要人物の発言を追っていくと【変化はすでに起きている】のがわかるはずなのね。

最新の「レバナス一本リーマンさん」の動画も見てみましょう。

さて「Nobu塾のNobuさん」はどう見ているか。

こういう読みを知るのは良いことだと【将来を予想しない私】でも思います。私の場合は予想ではなくて【いくつかの想定の一つしてそれを考えておく】だけのことで、Nobuさんも動画の中で同じようなことを言っています。

では「良い兆候はないのか」ですが、それはあえてここに書く必要もないと思っています。なぜなら、【今、株価は絶好調】ですから、まだまだイケると考える市場参加者が多いのは間違いがなくて、今、言われている「危険」も実際には起こらず「インフレ&金利高はソフト・ランディングする」可能性ももちろんある。でもそれもまた「想定の一つ」として考えるべきで、「ああなる。こうなる」と宗教のように信じてもそれとは全く関係なく「未来はやってくる」んじゃないでしょうか。

じゃ、どうするのかですが、私達は何千億、何兆円の投資をしているわけでもなく、【買い増し】すれば市場は瀑上げで、【撤退】すれば市場そのものが壊れるきっかけになることを気にする必要もなく、買おうが売ろうが放置しようが全く関係ない。だから自分の都合で自由に行動ができる。

「危険が迫っている」としたら【今、逃げるべきか】といえば、私は「慌てるべきではない」と考えるタイプです。逃げようと思えば1時間以内に全て売却し逃げられるわけですから。

だから「危険がもっとはっきり見えてきてから逃げれば十分」だと思うし、実際に【相場が崩れだしてから】でも遅くはないし、ギリギリのところまで踏ん張ってみるのは良いことだと思っています。

ではギリギリのところとをどう判断するかですが、これもまた「ひとそれぞれ」で、【これだ!】という決まりなんかない。

でも「自分の中ではルールを作っておくべき」だとは思っていて、私の場合はチャート上の動きでは4段階で危険度を見ています。トレンドの見方が4種類あると言っても良くて、第1段階では「注意報発令」みたいなもので、【超目先のトレンドは終わった、変わった】と見ますから、「撤退や利確」で使います。第二段階では「ポジションを無くして様子見」に徹し、第三段階では「逆方向への出撃プラン」を立てて、第四段階では新しいトレンドに完全に乗るようにしています。(これは原則でしか無くて例外もありますが)

アメリカ株の今の状態は、私のチャート上では最初の「注意報も出ていない」状況ですから、慌てて飛び降りる必要はないものの、そして【ファンダメンタルズは重視しない考え方】ではあるものの、「ファンダメンタルズ的には【すでに注意報は出ている】」と見ています。だから、「チャート上に危険が見えたら飛び降りる」準備が必要と言う感じ。

私がなんでこんな初歩的なことをブログに書くかと言うと、やっぱり世の中の「投資熱」が気になっているからです。日本政府の方針に乗って「投資をしなくては将来がない」と非常に危険な考え方を持つ人が増えていると思うから。

アメリカのインデックス投資なら大丈夫だとか、暗号通貨オタクの様に【ガチホ(がっちり保持する)】だとか、そういう考え方って私にしてみれば【宗教】にしか思えないんですよ。あるいは「洗脳にやられている」か。【上がって欲しい人達、売ってほしくない人達に乗せられているだけ】だと思っています。

世界中にはプロの投資家、とんでもない投資額を扱う機関投資家が多く存在しますが、彼らがそんな宗教じみた考え方を持ってやっていると思いますかね。

【長期投資、長期保持】をするプロは多いですが、そうせざるを得ない彼らの立場もあるのを理解する必要もあるはずなのね。もし貴方が1兆円の健康保険積立金の運用を任されているとしたら、「買い続けるのみ」とか「来週からは全て売る。空売りもする」とか、【今、市場動向が見えないから何もしない】とかそんなことは許されないのね。

まず私達みたいに自由に売った買ったできないし、監視の目もあれば、上司や顧客への行動の理由の報告・説明義務もあるし、長い期間のデータや予測を集めて判断し、【長期で持つしか無い】難しさがあるはず。と同時に、きっちり分散投資もすれば、先物やオプションを使ってヘッジもするわけで、【買ったら放置する】なんてことはあり得ないじゃないですか。

でもなぜか昔から「これから株式投資をします」という人たちの多くは「買ったら放置」と決まっている。本当に不思議だと思います。

「だってどうするべきか自分にはわからないから」だとするのなら、そもそも【投資なんかするべきじゃない】ということじゃないんですかね。

これって「自分には商売のノウハウも技術もないから、とりあえず【駅前でラーメン屋を始める】」というのと同じじゃないですかね。

これってラーメン屋をバカにしているし、そんなことで上手くいくわけがないじゃないですか。

でも不思議なことに、「サラリーマンを辞めてラーメン屋をやる」というのは昔からの定番。

「株式投資を始めて、買って放置するのも定番」なのね。

実はそういう状況って私にしてみれば「非常に嬉しいこと」なんですよ。だって「カモがネギを背負って参入してくれている」わけで、絶対に競合には成り得ないから。でも市場に流れる資金量は増えるわけで、【そういう人たちのお陰で生きていける】と言っても過言じゃない。

これは口には出さずとも「市場関係者は皆同じことを考えている」と断言しても良いと思います。

株式市場の最大のお客、功労者って「黙って買って、それを売らずに持ち続けてくれる投資家」なのね。そういう人たちがいないと【株価の維持が出来ない】わけですよ。そして株式市場は「経済の心臓」と言って良くて、【株価が高い状態を維持するのが何よりも重要】なのはわかりますよね。「株価が常に高い」事によって「資産価値が上がり、信用も上がり、資金調達も簡単になる」わけですから、「株価が高い」ことはすべての人達がWin=Winの関係になれるってこと。

だから政府も企業も証券会社も投資家も【株価が上がる。維持できる】ように努力するし、余計なことは言わないのは【暗黙の了解】だということ。【これから株を買います】という人は「貴方も投資家の仲間入りですね」と歓迎されますが、【私は高い株、下げだした株を空売りするつもりです】なんて言ったら、【テロリストと同じ】ってことで、「貴方は投資家でもなんでも無い」と烙印を押されます。

また「短期的に売買する」のも同じで、【ああ、貴方は投資ではなくて投機をするのですね】と、「長期保持のみが善だとしたい人たち」からは【人に非ず】とバカにされます。だから売ったり買ったり、短期売買もする【ヘッジファンドは悪者扱いされる】わけです。そして「短期売買で利益を出すのは無理」という風潮を作る。でも大手の投資会社は「自社のディーラーを抱えて毎日売った買ったしている」のが面白い。

でも自分ではヘッジファンドみたいな事はできない「社会的な体裁が重要な銀行や保険会社などの大投資家」は、自分ではやらずにヘッジファンドに資金を供給して儲けることはする。

ま、これが私はこの業界の真実だと思っているわけで、せめてこのブログの読者にはそういうプロパガンダに乗せられて【カモになってほしくない】と思っています。

私も50年前は「間違いのないカモだったから」です。そこから試行錯誤を経て、脱却するのに20年以上掛かったんですよ。本当に馬鹿みたいに無駄な時間を過ごしたと思っています。でも昔は本当に酷くて、「短期売買も空売り(ショート)も簡単には出来ないシステムが出来上がっていた」のね。

「この扉を開けて中に入れば貴方も立派な投資家になれます」という扉は【カモしか入れない様になっていた】ということ。

でも今は「誰でも好きなように出来る自由がある」わけで、良い時代になったと思います。「選択の自由がある」というのは本当に素晴らしいと思う。

でも注意しないとならないのは、その入口の周りには【予想屋】【投資顧問・コンサルタント】【インフルエンサー】がごっそりいて、書籍やパンフレットも山積み。高額セミナーや勉強会の会場も多くある。

投資の世界に入って投資で儲けようとしている人たちから、【自分では投資をしない、あるいはリスクは取らずに、投資家予備軍から利益を得ようとする人たちが山程いる】ってことなのね。

でもそれもしょうがないんですよ。「楽して儲ける方法はないか」という人たちがごっそりいるのだから。そういう意味での「需要と供給のバランスは取れている」んでしょう。(笑)

これは無料で知識が入るユーチューブ、SNSも注意が必要だと思っていて、「この主は無料でここまで教えてくれるんだ」なんて感心していたら、「ユーチューブだけで年間数千万円の収入を得ている」なんてことがわかったり。(笑)

これなら「解説を本業」として「投資はアルバイト」みたいにしているだけのほうが良いに決まってますよねぇ。(笑)

でも世の中には「リスクのないところに利益もない」ときっちり自分でリスクを取って頑張る人達がいるのは間違いがない。

私も死ぬまでそういう人たちの中の一人でありたいと思うんですよ。

 

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