TRXにオープンした伊勢丹にはもちろん興味津々ですが、多くのリポートを見ていると【Mercato】がかなり充実している様なのね。
ま、私が興味を持っているのは「食べ物」だけと言っても良くて、そしてそれは「魚介類、肉類」なのですが、魚介類に対する考え方は【日本的】であるものの、肉類に関しては【欧米的】と言っても良くて、TRXに行って「肉類」を中心にいろいろ見てみたい衝動に駆られています。
でも体の調子も悪く「完全なる出不精」になった私としてはあの混雑している地域に一人で行くのを考えると躊躇してしまう。突然、具合が悪くなったり歩けなくなったりなんてことが起こりそう。息子が付き合ってくれるならなぁ。
魚介類は「日本からのもの」を入手するのがベストというか、それが近道だと思っていて、【価格的な問題】さえ自分の中で解決できれば迷いはなくなる。ローカルの魚介類が駄目ということではないですが、【良いものを探すのが本当に難しい】のね。運に頼らざるを得ないってところでしょうか。
良い魚介類はローカルにも多く存在するのはわかっているのですが、では【今日、美味しいスマガツオを手に入れよう】なんて思っても無理なのね。だったら「日本からのスマガツオを入手する」と考えを変えれば、豊洲市場で売られている魚介類が【次の日には手に入る】わけで、「鮮度」に関しても大きな問題があるとは思えず。問題は価格。(笑)
肉類ですが、「豚肉、鶏肉」に関しては「もう少し高くても良いから良いものを入手したい」という思いがありますが、これも簡単ではなくて、いまだにどこから買うべきかなのかはわかっていません。
難しいのが牛肉で、「欲しい部位がいろいろある」のですが、それらは決して「売れ筋ではない」から市場に出てくるのが非常に稀なのね。それの代表が「すね肉」。和牛やWagyuのすね肉が手に入れば、「ミンチ」はもちろんのこと、「煮物」関係でも我が家の食生活は大きく変わるのですが、なかなか難しい。
売れ筋の牛肉に関しては、和牛でもWagyuでも「高価である」のを受け入れられれば魚介類と同じで、満足できるものが手に入る。でも「コスパ」なんて言葉は忘れる必要があるわけで、キロ単価RM1000(約3万円)を受け入れることができれば、我が家は満足できるのね。
でもそれが難しいわけです(笑)。我が家で良くやるローストビーフですが、3人で1キロでは足りなくて、1.5キロは必要ないけれど、1.2キロはないと足りない。でも当然、家でローストビーフを作るのに原価が3万6千円なんて、考え方だけで目眩がしてしまう。
でも我が家はA5和牛じゃないと駄目だとか、シャトーブリアンが良いよねという家ではなくて、ローストビーフなら「和牛、Wagyuのもも肉、ランプ」とか選べる部位はいろいろあって、またオーストラリア産の無印牛(安い)でも満足できる肉はそこそこある。この場合、多くはキロ単価RM250以下ですみますから、1万円以下のコストでかなり楽しめる。中にはキロ単価RM100前後でも美味しい牛肉があるから面白いのね。また「良い肉じゃなくても大丈夫」なところがあって、我が家はオーストラリア生活25年の中で、【美味しくない肉はソースで食べる】ことを覚えましたから、よっぽど酷い肉じゃない限りは大丈夫。どうにか楽しめる。
とは言うもののやっぱり和牛は美味しいと思うし、オーストラリア産のWagyuでも良くて、それらの「コスパが良いものを探す」のが我が家の贅沢って感じですかね。でも「これは美味しい!!」と思うようなしゃぶしゃぶで食べるような高級肉には全くと言って良いほど縁がない。この手の肉はキロ単価RM1000(約三万円)を超えるのが普通ですから。
ま、そんな感じで、牛肉類はどうにかなってはいますが、「多くの種類はない」のは間違いがなくて、そういう意味でもMercatoは面白そうなのね。実はバンサショッピングセンターも今はスーパー部門のJason’sがB.I.G.と同じ会社に変わってしまいましたが、Jason’sでは場所柄「欧米人が好む肉類」があったのね。
我が家はこの「欧米人が好む牛肉を置いているお店」が良くて、そして欧米人って結構ケチですから【価格もこなれている】という面もある。そういう意味では日本人が多いビレッジグローサーは牛肉に弱いと思っていて、B.I.G.の方が良いと思うし、それより良いのがJaya Grocerだったり。
でも近所のJaya Grocerでは役不足で、メガモールのJayaに行った時には品揃えの良さに驚きました。きっとTRXのMercatoはそれ以上の良さがあるような感じがしています。そもそもMercatoは「欧米人が好む品揃え」ですし。
TRXに行った人達のレポートを見てみると、「TRXはマレーシアのベストを集めた」感じがする。それは伊勢丹もMercatoも同様。場所から考えても「ハイエンドを集めた」んじゃないですかね。で、それは「高価なもの」を意味するだけじゃなくて、【品揃え】もそうであろうことは伊勢丹のレポートから見える品揃えにそれを感じます。KLCCの伊勢丹の最大の競争相手ってTRXの伊勢丹になるんじゃない?2つの伊勢丹の場所は遠く離れているわけじゃないのに、KLCCの伊勢丹ってどうなるんだろうか。
私は「ハイエンド」の食材には縁がなくて、「見るだけ」の興味しか無い。ただただ「品揃えの豊富さ」が楽しみ。
まぁしかしマレーシアは「なんでも売っている」とも言えますが、「欲しい物を探すのは至難の業」でもあるのは間違いがなくて、日本なら簡単に手に入る物が手に入らない。基本的な味噌醤油、調味料のたぐいはそこそこありますが、【素材、具材】を手に入れるのが難しいと感じています。
また「なんでもある調味料」ですが、ちょっと拘りたいと思うとやっぱり売っていない。でもま、それらは「日本から取り寄せてもコスパは悪くない」と思っていて、調味料は「基本の基本」ですから、そして消費量が多いわけじゃありませんから、日本から取り寄せれば良いと思っています。
これは実は「中華の調味料」も同じで、マレーシアは中国人がごっそりいますから、中華の調味料なんてなんでもあるだろうと思いますが、実は違うのね。日本人には馴染みのある「甜麺醤」がかつては手に入らずに驚いたことがあります。中国人に聞いても「甜麺醤?」てな感じで、甜麺醤はなんと「日本食品売り場」で日本からの輸入品が売っていたり。これは「花椒」も同じで、簡単に手に入ると思っていたのがスーパーにも無かったり。(甜麺醤は台湾系の人達は良く使うとのこと)
でも今はそういうことも減って、いろいろ売っているのね。でもスーパーは駄目だと思う。当たり前のものしか売っていない。
なんでこんな事になっているのかと思ったのだけれど、そもそもマレーシアには中国人が多いにしても、彼らの多くは「5大幇」と呼ばれる福建、広東、客家、潮州、海南出身者が多い。だからどうしても「食生活はその地域を引きずる」わけで、日本やオーストラリアみたいに「中国全土から中国人が集まっている」わけじゃないのね。だから「中華料理の多様性」という意味では日本やオーストラリアの方があるかもしれない。
それは「中華食材店」に行くとすぐわかるのね。調味料でも食材でも【とんでもない種類】があって、私達日本人が見ても「全くわからないもの」が山積みになっている。調味料も甜麺醤、豆板醤、海鮮醤でもとんでもない種類があって、大きな棚の端から端まで【醤】ばっかりみたいな。マレーシアのスーパーの中華食材って私は本当に種類が少ないと思っていて、そしてなぜか「専門店がない」のね。これは「地域による」と言われたけれど、中国人はどこにでもいるのだから、例えばモントキアラだけでもそういう専門店が2,3店舗あっても良いと思うのだけれど、無い。
この理由として「マレーシアでは外食が一般的」であることも大きく関係していて、私だって「中華料理は外で食べる」方がいろいろあって良いと思いますもの。マレーシア人は日本人が想像する以上に「外食が多い」と思う。種類はいろいろで安いし。
それとマレーシアに住む中国人は、「中国人の子孫」というべきであって、「この数年に、中国各地から集まった中国人ではない」ということ。だから「食生活も大きく変化して、マレーシアと融合している」と思います。
いわゆるハワイやアメリカ本土に住む「日系人」と同じで、彼らの食生活が我々日本人と同じかというと「全く違う」のね。私の親類がアメリカに多くいるのだけれど、私と同じ世代の3世になるともう完全なアメリカ人と同じだと思う。日本語も話せないし、今は5世6世の時代。
そういう意味では日本もオーストラリアも「最近来た中国人」がごっそりいるわけで、「彼らはあの広大な中国のあちこちから来ている」ことからも、日本やオーストリアの「中華食材の多さ」「中華料理店のバラエティーの多さ」は当たり前と言えば当たり前。
それらのことを考えると、マレーシアで様々な中華調味料や食材がスーパーに多く並ぶことはないのも理解できるわけで、レストランは専門業者から仕入れるにしても、私達一般がそれらを手に入れるのは簡単じゃないのね。
とはいうものの、ShopeeやLazadaに「中華食材店」は多く出店するようになって、また「中国や台湾の業者」も出店していることから、通販で買うようにすれば良いとは思う。でも私達には「情報が不足している」わけで【何を買ったら良いのか】がわからないのね。また「玉石混交」の世界で本当に難しい。
そういう意味でも、私は「日本から中華調味料、中華食材を買う」のもアリだと思っていて、日本のそれらの品揃えも半端じゃなく凄いけれど、【基本的に日本人に合うもの】が多い。だから日本の中華料理店のシェフが勧める調味料や食材を手に入れておけば「概ね正解」となるのね。
ところがですねぇ、そういう中華にしても和食にしても、あるいは洋食にしても「これを使うと良いね」という調味料や食材が手に入っても、「段々とそれらに飽きる」ということが起きるのね。
本当に欲望って果てがなくて、というか私には「ちょっと変える」「味変」とかそういう技術も知識もないから、「大体、同じ様な系統の味」になってしまうんですよ。私の得意な「麻婆豆腐」も同じで、家族も美味しいと言ってくれるし私もうまくなったと思うんですが、「飽きる」のね。これはシチュー類も同じ。
ちょっとした調味料、ハーブでかなり変わると思うのだけれど、その知識が私にはない。ま、これはどうしようもないですね。
私が最近、懐古趣味みたいな感じで「昔、美味しいと思った料理」に興味があるのもそれが理由かもしれない。
やっぱり和食には「鉄壁の味」があると私は思っていて、「これじゃなきゃ~~」ってのがある。でも私の中の中華や洋食にはそれがなくて、結局は自分の中に彼らの食文化が定着していないだけのことだとは思うのだけれど、だったら「新しいもの、本物、良いものを追うのはやめて」「かつて大好きだったものを作りたい」って思うわけです。
それがメンチカツであり洋食屋のハンバーグであり、駅前中華なのね。最近は、「昔を思い出して作る」のが好きになっています。「肉なんてほんの少ししか入っていない餃子やワンタン」とか、そんなのを作ると、「そうそう、これこれ。これが美味しい」なんて思う。(笑)
でももし今、日本に住んでいたらこんなことはやらないと思う。
昔ながらの美味しいものも、今どきの流行りのものも、ちょっと繁華街、商店街に行けばいくらでも気に入ってるものは見つかる。
20代の一時期に「戸越銀座商店街」の八百屋の上にあるマンションに数ヶ月だけ住んだことがあるんですが、今、思い出すと、戸越銀座商店街って「宝の山」だったような気がします。今でもああいう華やかな商店街が残っているところに住んでみたい。
それを思うとマレーシアって、和食の有名店も高級店もあるけれど、私にはあの当時の「満足感」ってないのね。
やっぱり「庶民」なんだろうと思います。ケチ臭いのは治らないし。(笑)
私は江戸っ子ですが、やっぱり「長屋の八つぁん、熊さん」が好き。決して、大きな商家の旦那でもなければ、大岡越前守でもなくて、いつまでもあの八つぁん、熊さんでいたいと思う。