家族3人で病院に行った帰り、久しぶりに居酒屋で一杯やろうという話に。
家に近いPublikaにある、そこそこ気に入っている居酒屋に行きました。でも最後にその店に行ったのはコロナ前だったかな。パンデミック当時の行動制限って「我が家ではまだ続いている」みたいな感じで、「外出しない」という習慣はそのまま続いています。(笑)
まずは生ビールで乾杯。ちょっと「薄い」感じがしたけれど、ま、オッケイ。
その後、つまみを色々と頼んだのですが、これは「タン」だそうです。( ̄口 ̄∥)
でも「何のタン」だかメニューに書いていないし、きっと「豚タン」だろうと思ったり。これを細かい薄切りにしてしまえば、確かに「タンの味」はするし、問題ないと言えばその通りだけど・・・。
酢の物三種。茹でたエビが6センチぐらいの大きさで、こんな可愛い茹でて開いたのを見たのは生まれて初めて。
(がっかりした)イカ納豆。
トロサーモン。これはマグロの大トロ欠乏症候群の人には良いかもしれない。
あまりにも癖がない餃子で万人受けはするのだろうけれど、やっぱり自宅で作るのが一番美味しいと思う。
あまりにも、あまりにも当たり前すぎる「竹輪の磯辺揚げ」。これが一番美味しかった~。
どんな肉を使っているのか疑問に思うようなユッケ。やっぱりユッケは自分で作って食べるのが一番。
正直なところ、「この店、こんなだったっけ?」みたいな。どれもこれも「コスト削減に頑張っています」みたいな。
美味しいと思ったのは「竹輪の磯辺揚げ」だけ。(笑)
がっかりしたトップは「イカ納豆」。イカが刺し身に使うようなイカじゃないし、納豆がなんというのか「冷凍してかなり年月が経っている」みたいな回りがゴワゴワで、こういうのを食べたのは何十年ぶり。
そして「ユッケ」も全然美味しくなくて、私は一口食べただけ。息子が「オヤジがユッケを残すのは人生で2度だけ見た」と言うんですよ。今回とモントキアラの163の対面にある有名なラーメン店が経営する居酒屋。
自分で作れば同じ値段で、しかも和牛(もも肉)で遥かに美味しくて量も多いのに、面倒だと思って店で食べるといつもがっかりする。あるいは美味しくても少量で非常に高い。
家で作るユッケ。
そしてこの後に「串揚げ」「お寿司」と続くのですが、写真を撮る気も失せました。
どうしちゃったんですかねぇ。このお店はかな~~り気に入っていたんですが、もう次は無いと思う。
この店はPublikaのある通りに面していて、この通りだけでも4件以上の似たようなお店がある激戦区。だから出し物とか価格とかかなりシビアに変更しているんじゃないかなぁ。
面白かったのは、この店の通りの反対側に「高級居酒屋」がオープンしていたこと。真正面ね。
中には入りませんでしたが、外から見える「店の作り」は高級で、通りに出してあったメニューを見てびっくり。かなり良い値段。そりゃ美味しければ良いですが、どこにでもあるようなものが高いのってどうなんだろうか。メニューを見た限りでは「行ってみよう」とは思えなかったし、時間は8時ぐらいでも「客はたった一組」しか入っていなかった。
でも「デートで行くなら良いかも」とは思いました。それをヨメさんに言ったら、「着飾ったデートで居酒屋に連れて行く?私ならがっかりする」と。
しかし思うことは、マレーシアも商売がかなり厳しい状態なんだろうと。これは「モール」もそうですが、流行っているところと閑古鳥が鳴いていてテナントも歯抜けのままなんてところはいくらでもあるし、これはお店もそうで、忙しいところと暇なところの「格差が凄い」のね。
Publikaは居酒屋の激戦区だと思うけれど、ここで抜きん出て繁盛店になるのって難しいのだろうと思う。で、他の店もそうですが、間違いがないのは「高い店は暇なところが多い」と感じます。最近、特に目立つのは「和牛を売り物にする店。焼き肉店」があちこちにできていて、どう考えてもそれだけの需要はないと思うんですけどね~。
というか「和牛なら売れる」と思ってるフシがあって、あまりにもイージーな考え方に感じます。私も焼き肉店は大好きですが、やっぱり「昭和の焼肉店」が今でも好きで、そもそも焼き肉店は「さほど良い肉ではないのを美味しく食べさせるのが腕」だと思うんですよ。
今どきの焼き肉店って、「肉を四角に綺麗に切って並べて出す」のが普通ですが、これって昭和の時代では高級店だけだったのね。で、そういう出し方を始めたのは六本木の「叙々苑」だと聞いています。
私も六本木で遊び歩いている時代がありましたから、叙々苑もよく行きましたが、でもそれ以上に行くのが「普通の焼き肉店」だったのね。そういう店では「いろいろな部位」なんてない時代で、ほとんどの肉は「つけダレに漬けてある」のが普通。
こういうのが普通。
今はこういうのが多いですよね。私はこういうのを見ると叙々苑を思い出します。(笑)
私が見ている限りでは、マレーシアも焼肉店は苦戦しているように見えますが、でも「デサスリの韓日館」みたいに「昭和の焼肉店」みたいなところは大繁盛している。大体、「和牛の様々な部位を楽しむ」というのは「高級焼肉店」の話で、本来は「大衆的な焼き肉を求める客」ってかなり多いんじゃないですかね。
でも「和牛もあります」という程度で十分だと私は思うし、そういう店が好き。ところがそういう店って意外に少ないのね。和牛を売り物にしている有名な店に行っても「美味しいのは牛タンと非常に高い肉だけ」みたいなこともあって、中途半端な和牛を「希少部位です」なんて高い値で売るより、「普通の肉を美味しく食べさす技術」があるのなら、そうした方がよっぽど繁盛すると思うんですよね。
でも「豚肉」が中心なら大衆的な面白そうな店はある。韓国系ね。
でもま、「日本人が好む焼肉店」を目指しても「需要」がどこまであるのかってことかもね。とは言いつつ、焼肉店は「どうして韓日館が繁盛するのか」をきっちり調べればわかるはずなのに、「経営者のプライド、興味、満足感」が優先されてしまうのだろうと思ってます。これは高級和食店も同じで、そして世界中で同じことが起きていると思います。「良い店なら客が来るはず」と信じている経営者は多い。そして「需要が少ないジャンル」で店をだす。私も30年以上の海外生活で、そういう「いい店」があっという間に撤退するのを何度も見てきました。
ここで面白いのはどんな日本人でも「そういう店が出来たら嬉しい~」って言うのね。経営者は市場調査した時にこういう声を聞きすぎているんじゃないかと思う。でもそういう客でも行かない。行っても年に一度とか。でもそれとて「既存店」のデータをしっかり取ればわかると思うんですけどね~。
特に「本物志向」だからこそうまく行かないのを私はずいぶん見てきました。
やっぱり「多くのローカルに支持される店」じゃないと駄目で、マイノリティの日本人が好む店で勝負するのは本当に難しいと思います。でもうまく行っている店もあって、それらは「地域」や「場所」でコスト削減をしていたり、集客力がある場所を選んでるのがわかる。
ま、そういう意味では今回の居酒屋は「それなりに客は入っている」から大成功なんだろうとは思うけれど、「なんちゃって和食」の部類になってしまったとしか言えなくて、本当に残念です。前はかなり好きだっただけに本当に残念。
でも「ローカルの客は来ている」というのは【正義】で、ケチでウルサイだけの日本人がガタガタ言っても関係ないのね。(笑)
日本人客がほどんといない和食店ほど「長生きする」から面白いと思う。これはゴールドコーストも同じ。
で、やっぱり感じることは「高くなってきている」という点。「安さで売る店」でも値段が上がっていて、ある好きな寿司店ですが、「価格もこなれているし美味しい」と思っていた店が「価格も高くなってなかなか行けない店となった」と感じます。
でも「日本からの輸入食材」に関しては、私は「大きな値上げはない」と輸入商の販売リストを見ると感じるし、やっぱり「その他のコスト」が大きく上がっているんだろうと思ったり。
「マレーシアの生活費は安い」のはまだまだ言えると思いますが、食に関していうと「もう決して安くはない」と思うようになりました。牛肉も主にインフレがメチャクチャなアメリカやオーストラリアから入ってくる物が多いし、値上がりが大きい。
日本はインバウンド価格もあるし、高い店も増えているものの、私が調べている限りでは「コスパで言えば、日本のほうが間違いなく安い」と今は思っています。これは和食ね。
私としては「食事の予算を上げる」しかないと思うのと同時に、「自宅で和食を楽しむ」ことを増やそうと思っています。生鮮食品の話ですが、それをやるにはやっぱり輸入商に頼るしか無いし、「調理技術がない我が家」ですからかなり難しいところでもあるのですが、日本で言う「スーパーでカツオを丸々一尾買ってきた」のと同じ様に考えて、どうにかしようと思っています。
そういう意味ではシドニー在住の次男坊は、ゴールドコーストの学生時代にそこそこ有名な老舗和食店でアルバイトをしていて、魚の捌き方まで教えてもらい、今ではシドニーの魚市場(扱い量では世界2位らしい)に行って魚を丸ごと、B4ぐらいの大きさの木枠に入っている激ウマのタスマニア産のウニとか買ってきては自分で捌いて「寿司パーティ」なんかやってるから大したもんだと思う。
私にはこんなことは出来ない。(┰_┰)
これは「King Fish(ヒラマサ)」で、シドニーで釣ることもできるらしい。
30そこそこの若者が自宅でこんなことまでやるのには本当にびっくり。マレーシアのオヤジは完敗。
こんなマグロもシドニー市場では手に入るらしい。脂は十分に乗っていなさそうなインドマグロですが1キロ3000円ですとさ。マレーシアだったらインドネシア産のインドマグロのトロは冷凍でも1キロ1万円以上、日本からの本マグロなら安い冷凍大トロでも16000円はする。
マレーシアの和食事情を考えると本当にがっかりするんですが、ま、良いものを提供する高級店はいくらでもありますから、一人2.5~3.5万円の食事代(酒代は別)を受け入れることが出来るのなら結構良いと思います。でも我が家にはそんな分不相応なことは出来ない。(┰_┰)
でもマレーシアの海産物は全滅か?というとそんなことはなくて、前にも何度も書きましたが、「良い魚はいろいろある」のね。でも問題は「流通にある」わけで、そういう魚介類を新鮮なまま流通させるシステムがないのね。そもそも国内にそういう「需要がない」のだからしょうがない。
この偶然見つけた「スマカツオ」は我が人生で一番美味しかったと思う。このスマはただみたいな値段で、一尾800円ぐらいだったかな。需要がまるでないのだろうと思う。また「刺し身で使えるレベルの個体を見つけるのが簡単ではなくて運次第」(スマそのものはどこでも売ってる)なのね。だから、和食店も使えないのだろうと思う。実際に多くの板前さんたちが「ローカルの魚」に興味を持つのだけれど、結局「安定供給が出来ない」「探すのがあまりにも面倒」というところでつまずいて諦めるという話は何度も聞いたことがあります。
どうしても「スマカツオ」が欲しければ日本からの良いものがこの大きさなら3万円以下で仕入れられるはずで(普通のカツオなら2万以下)、売価を考えれば、「日本から買うのが間違いない」となるんでしょう。
でも4,5キロのカツオをすぐに売り切るのも難しいだろうから、結局は「扱わない」ってことになるんでしょう。本当に生モノを扱う商売は大変だろうと思う。
それでいて「マレーシア産の魚介類が日本に輸出されている」なんてこともあるのにはびっくり。これは「大手が関与している」わけで、市場が小さなマレーシア国内には出さない。
こういうことって日本でも普通にあるんですよね。地方の漁港がある都市や町に行って驚いたことは何度もあります。「全て築地(当時)に直行。地元には出てこない」と言われたことがある。場所によっては「築地(当時)から逆輸入をしないと手に入らない地元の魚介類」を出しているという旅館に泊まったことがあります。西伊豆の小さな町でしたが。
だから魚介類を楽しみに行くときにはそういう事も考えないと駄目で、漁港があっても「少量多品種が穫れる場所」が良いと思ったり。例えば、富山の氷見とか。
いつものように話が長くなりましたが、これが私の考える「マレーシアの現状」です。