ウクライナ戦争の裏側 ネットだから言える専門家の話し

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ウクライナ戦争関係で面白い動画を見つけました。

かつての「虎ノ門ニュース」の流れの番組ですが「ニッポンジャーナル」ね。

ウクライナ戦争関連のテレビのニュースで必ず出てくる専門家の小泉悠氏(東京大学先端科学技術研究センター准教授 軍事評論家)と伊藤俊幸氏(元自衛隊海将 金沢工業大学KIT虎ノ門大学院教授)の二人が出てくる。この二人は軍事に関してはプロ中のプロと言って良いと思うのだけれど、やっぱり彼らとて「地上波(テレビ)」では言えないことってある。

でもネット番組では話をする。またネットでは地上波と違って「時間がたっぷりある」から細かい話が聞けるのが良いと思う。

トランプがすぐに停戦させると言うけれど、それは可能なのか。そもそもプーチンは何を狙っているのか。地上波では言えないようなことも二人が話しているのは面白いと思いました。

私達はプーチンが絶対に悪いと思っているし、それは間違いがないものの、私達は「ウクライナとロシアの歴史」を無視していると思うんですよ。

元はといえば、今のウクライナの首都であるキーフ(キエフ)に首都を置くキエフ大公国というスラブ人の大きな国があった。今のロシアはもちろん、ウクライナもそこから派生した国で、一時はロシアが中心となってソ連邦を形成していた。だから私達が考える「ある国が他国に攻め入った」のは、確かに間違いではないものの、「ウクライナという国は存在していない」「ウクライナはロシアの一部である」というプーチンの言い分も「過去を原点とすれば正しい」わけで、民族的にも非常に近い。

でもそれを言い出すと、北朝鮮も韓国もそれぞれが「別の国である」というのも、台湾もそもそもは中国大陸を治めていた中華民国が革命軍(毛沢東率いる八路軍)に追われて台湾に逃げて設立した国で、当然、戦前は中国とは中華民国だった。だから台湾こそが「我らが正当な中国である」というのも正しくて、今の中国である中華人民共和国を認めない人も多い。

世界各地にそういうややこしい歴史を持つ国は多く、成り立ちを考えると外国人には理解できることでも、日本は建国以来2600年も分裂したこともなければ他国に侵略、分割されたこともないからそういう欧米人の発想やプーチンの考えを理解するのは簡単ではない。

極論を言えば、日本で九州地方が独立し、中国の影響も大きくなって日本の本土を脅かすようになって「もともとは一つの国で九州は我が国の領土である」と日本が九州国に侵攻したと考えればウクライナ戦争もそれに似たようなものかもしれない。

ウクライナは広大で過去にはポーランドに支配されていた地域もあるし、クリミア半島もそうで、「本来のウクライナはどこからどこまでがウクライナなのか」をはっきりするのは難しいと言われているし、ロシアとの国境でさえもどう決められたのかはっきりしていない。そして歴史や文化で分割するとすれば3つ以上に分割できるのがウクライナ。

だから停戦をするなら「分割案」も出てきてしまうわけで、トランプが言う停戦案もそれが根底にあるから「ある程度のウクライナ領土をロシアに分譲しろ」なんてことも平気で言う。

こういう欧米人の発想がある中で、「いやいや、現状変更を認めてはならないのだ」と言い出したのがなんとあの岸田元首相で、それで世界はその方向に動くようになったと言っても過言ではないらしい。

こういう事情って地上波(テレビ)では言いづらい話で、でもネットでは話せる内容。

その他、自衛隊時代からロシアに精通している元海将の伊藤氏に言わせると、ロシアの軍人は非常にまともだという。だからプーチンに反対する軍人も多かったけれど、ことごとく左遷、あるいは粛清にあったと。

ここで興味深かったのは、それと同じようなことをトランプがやろうとしているということ。

トランプはMAGAを実現させるためには前政権時代に随分と足を引っ張られた経験から、「忠誠心」を大事にして人事を決めている。そして「軍関係出身」も多いものの、いわゆる軍の中枢、トップを経験した人はいない。つまり「素人集団だけれどトランプに忠誠心がある人たち」を集めたわけで、アメリカ軍としてはそれは非常に危険なことだと小泉氏も伊藤氏も言う。

でもねぇ、それも難しいところですよね。

本当に変革が必要な場合は、スクラップ&ビルドが重要で、志を同じにするものが集結しないと変革は出来ない。

つまりトランプは独裁者になる必要があるわけで、皆の意見を取り入れていたら変革はできない。

日本の明治維新を想像すれば、トランプが何をしようとしているのかがわかるのかもね。

そしてそれほどの大変革が必要だというように考えていない人たちには「どうしようもない独裁者」としか映らないのだろうと思う。

どちらにしてもウクライナ戦争に関しては、トランプの停戦案を進めるのは難しいだろうと両氏はいう。

ただウクライナの戦況を細かく見ている私としては、ウクライナもロシアも「お尻に火がついている状態」で、ロシアをもっと追い込むことは西側にとっては不可能ではない。でも怖いのが「核の使用」であって、それをさせずにロシアを追い込むことができるのなら終決させるのは決して難しくない戦争なのは、ド素人の私が見ていてもそう思う。

最近、中国もロシアの決して優勢ではない状況を見て考えを変えたようで、ロシアは他国との金銭の決済を中国に頼むこともできなくなった様子。だから戦争が長引けばロシア経済も成り立たないわけで、そのへんを見極めてプーチンの顔もある程度立てた停戦にトランプが持っていけるのかどうか。

トランプは24時間以内に停戦させるなんて大口を叩いたわけで、誰も24時間で決まるとは思っていないにしても「停戦協議がまとまらない、長引く」ようだと、また世界が驚くようなことをトランプは言い出すかもしれない。私は今のバイデン政権以上にウクライナを支援してロシアを叩く動きに出るようなこともありうると思っています。

ウクライナも兵隊が足りず、老齢化がかなり進んでいるようだけれど、「西側の武器さえ潤沢にあって、自由に使える」のであれば勝てる戦争。

世界は「ロシアに勝たせるわけにはいかない」と考えるし、私もそう思うけれど、では「ウクライナが勝つ(ロシアを負かす)」ことに問題がないのかどうか、そういう視点も重要だと思ってます。

どうなりますか。

---(追記)---
 

ウクライナが新たな終戦案を発表。

ロシアが占領した地域は「ウクライナの領土である」としたままで、【占領されていない部分的なウクライナをNATO加盟とする】という案。

つまり今以上にロシアが占領地を広げようとすれば、NATOが動く。今、ロシアの占領下の地域はウクライナ独自で返還交渉を続けるという内容。

これの実現が簡単には見えないけれど、ウクライナとして「ボールを投げた」わけで、今後の動きにも影響はあるんじゃないですかね。

 
 
 

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