トランプが本当にウクライナ戦争を停戦させるのではないかという観測が増えていますが、それってやっぱり「そうであって欲しい」という思いがあるからそういうふうに見てしまうのかもしれない。
でも「停戦はない」という論者もいる。
あの筑波大学名誉教授の中村逸郎氏は「プーチンはとことんやるつもりだ」という。
ロシアが今のようにウクライナを攻めてもそれによる「合理的な利益はない」のだけれど、ソ連の栄枯盛衰を見てきた「愛国者プーチン」はかつての栄光あるソ連時代を取り戻そうとしていて、「私怨」と言っても良いものがあるという。
そしてそれを止めるには「ロシア内部の停戦への動き」しかないだろうと。
やっぱり怖いのは「核」であって、それをプーチンが使うのかどうか。
またヨーロッパ最大級のサボリージャ原発はロシアのコントロール下にあって、隣接するダムを破壊したことによって、今、必要な「冷却水」は地下水を使っている状態。
これをプーチンがあからさまに破壊することはないにしても「突発的な事故」を装うことは決して難しくないだろうし、南東の風が吹いていればウクライナはもちろんのことフランスまでの広域が放射能汚染されることになる可能性がある。
まさかそんなことまでやるか?と思うけれど、ウクライナ戦争がそもそも「合理性に欠ける戦争」だとすれば、「核の使用」「原発の破壊」もありえないとは言えないのかもしれない。
ただやっぱり不思議なのは、ウクライナ侵攻は「2,3日で結論が出る」と世界の誰しもが思ったことだし、当のプーチンもまさかここまで泥沼化するとは考えていなかったはず。
だとすれば「計画の根本的なところに大きな変化」があるはずで、「何が何でもウクライナをロシアの勢力下に置く」ことに固執し続けるのもおかしなもんで、プーチンにも「出口戦略」はあるはずで、「諦めません、勝つまでは」的な考え方を持っているとも思えず。
でもその可能性もあるわけだから、やっぱり「国内の反戦の動き」に期待するしかないのかもしれない。
ロシアは「侵略者」の烙印を押されているけれど、10年以上のスパンでウクライナ=ロシアの関係を見ているとやっぱり「押され続けたのはロシア」で、そして東部でのイザコザを止めたいと訴えていたプーチンの要望通りにミンスク合意(2015年2月)が締結されたけれど、それはウクライナ側の「時間稼ぎ」でしかなかったのは、あのドイツのメルケル元首相が言ってしまって、騙されたのはプーチンだった。
結局、プーチンは彼が経験したソ連崩壊もロシアの弱体化もウクライナが西側に取り込まれたのも、全て背後に「ロシアを叩き潰そうとする勢力がある」のを常に見てきたわけで、ウクライナはそのままで、ましてやNATO加盟を許すとなれば、ウクライナ侵攻そのものが無意味であったことを認めることになる。つまり、ウクライナ侵攻をしなくても同じような状態になったということじゃないかと。
でも世界の歴史は栄枯盛衰の歴史で、消えていった国家も多いし、ロシアもその運命下にあるのかもしれないにしても、それをプーチン自らが受け入れるとも思えず。
「核の使い方一つで運命を変えられる」とプーチンが考えても全く不思議じゃないと思う。
でもプーチンがそう考えているのはトランプも重々承知しているはずで、力でプーチンを追い込むのではなくて、彼の顔も立つような手立てをトランプが考えるでろうと私は思うんですよ。
プーチンもトランプも共に愛国者であるし、トランプは戦争嫌いだし(ロシアを追い込もうとしてきた勢力はトランプの敵でもある)、プーチンも長い間「俺達を放っておいてくれ(追い込むな)」と言い続けてきたわけで、なんらかの「合意」できる点があるのかもしれない。またトランプはトランプで「腹の中」を見せる人じゃないし、「何をするかわからない」という怖さをプーチンも感じているはずで、「狸同士の騙し合い」、「トランプ流ビジネス」と「KGBのスパイとして陰謀詭計のプロだったプーチン」の対決がどうなるかが見もの。
こんな時に「脇役」としての安倍さんがいたらなぁ・・・なんてことも思ったり。