「化学調味料」に負けた (┰_┰) 家で作る「白湯スープ」

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調理実験が好きな私ですが、「スープを取る」のも結構真剣に、頻繁にやります。

特に私が拘ったのは「鶏の白湯スープ」です。

いわゆる「博多風鶏すき」で出てくる、白濁したスープ。ヨメさんが福岡(の山奥)出身で、博多に行くと必ず食べたし、またマレーシアのLOT10の4Fにあった「博多水炊き とり田」は結構気に入っていて良く行きました。もう撤退してしまいましたが、エスカレータを上がった正面にあった店。

本当に美味しくて、まさに「絶品」という言葉はあの店の水炊きのためにある言葉と思ったぐらい。そしてあの店がすごいと思ったのは「魚のお刺身」も美味しかったのね。それは「ヒラマサの刺身」でしたが、マレーシアで食べたヒラマサの刺身の中でもトップだと思ったくらい。

ところがいつ行ってもチョ~暇な店で、いつもガラガラ。

そのうち、やっぱり「段々と味が落ちてくる」のね。しょうがないとは思っていましたが、知らないうちに撤退。本当に、本当に残念だと思いましたっけ。

で、その店の「水炊き(鶏鍋)」ですが、あんな絶品スープを食べさせられたら、そりゃ「家で再現したい」と思うじゃないですか。でもヨメさんは「美味しい店と同じものを家であんたが再現しようとしても絶対に、絶対に無理」と一笑に付します。

それで怯む私ではないわけで、店に行くとスタッフや、チャンスがあれば板前さんに「こんな美味しいスープってどうやって作るんですか~~?」みたいに話しかけて結構細かいノウハウを聞き出したりして。

でもそれで真似できるなら世の中にプロなんて必要なくなるわけで、簡単に真似できるわけもない。でもスープを取るのに「丸鶏を使っている」とか、「火加減」「煮込む時間」とか、「食べる用の鶏肉の下処理」「食べる鶏はどのくらい煮込むべきか」とか、後はテーブルでスタッフたちがやることをつぶさに観察していると結構わかってくるのね。

で、最初に作ったのがこれ。

楽しみでワクワクしながら「鍋の蓋を開けてこのスープを見た瞬間」にどう思ったか想像できますでしょうか。

キッチンをぐちゃぐちゃにして暴れて、このスープを全量廃棄にしたいと本当に思ったんですよ。(笑)

味も「雑味がある」というか「臭い」というか、まず、見た目がこれじゃ「食べる気なんて全く起きない」のね。

ちなみに「博多水炊き とり田@Lot10」はこんな感じ。

ちょっと「黄色い脂」が気になるけれど、これも「美味しさの内」でそれを全く綺麗に除いてしまうと美味しくない。

ここからが私のスタートなわけで、最初に作ったら失敗したからと言ってそれで諦めるほどのヤワじゃない。<( ̄^ ̄)>

それからはユーチューブ動画をいろいろ見たり、料理のサイトを見たり、「鶏白湯スープの作り方」や、「圧力鍋の使い方」も【科学的に考えながら試行錯誤】の旅が始まりました。

でも答えは結構簡単にわかって、それらは自分自身の経験でも「もしかしたら・・」なんて思っていることでもあったのね。3,4回のトライで結構良いものが出来るようになりました。

で、今の時点ではこんな感じで決まった。

◯ 下処理をしっかりする

これは鶏スープの素材(鶏ガラ、骨、足など)を湯通ししたり(あるいは素材を沸騰したお湯に入れて、再度、沸騰させてから1-2分は茹でることも多い)、余分な部位は取り除き(脂や内蔵)、そして血も残らないように綺麗に洗う。

◯ 圧力鍋を使う場合、最初は蓋をしないで臭みを逃がす

これが重要なのは前から気がついていて、圧力鍋ってほぼ密封状態で煮込むから「匂い、臭さが逃げない」のね。だから全体にその匂いが回ってしまう。まず最初に煮出す時には「お酒を入れる」のも重要で、アルコール分が蒸発する時に「臭い匂いの成分も蒸発する」のね。そして15分ぐらい煮込んでいるうちに「アクも出ない」「臭い匂いもしなくなる」ので、そこで初めて「圧力鍋の蓋をする」ようにする。これはどんな調理でも「圧力鍋を使う場合は皆、同じ」だと思っていて、「蓋をするタイミングを必ず考える」ようになりました。面白いのはそれだけでどんな料理もガラッと変わるのね。白湯スープですが、本当は「圧力鍋は使わない」のがベストだと思うけれど、それだと8~9時間は掛かってしまうから、やっぱり私は圧力鍋を使いたい。

この二つのことに気を使っただけで、綺麗な「白湯スープ」が出来るようになりました。

今ではこのレベルの綺麗な、そして美味しいスープはいつでも作れるようになった。\(^o^)/

白濁するということは「乳化している」ということで、そのためには2つのことが重要。

◯ ゼラチンが乳化剤として働くので、「ゼラチンが多い材料を使う」のがお約束で、「鶏ガラ」を使うのは基本だとしても「鶏の足(モミジ)」を私の場合は必ず入れる。あるいは「手羽」でも良いけれど、コスパを考えれば「鶏ガラ+鳥の足」がベスト。でもより美味しい白湯スープを狙うようになってからは「丸鶏(親鳥)」もそのまま入れるようになりました。いわゆる「もう卵を産まなくなった鶏」を入れるのね。本来はそれをメインにするはず。身は硬いけれど味も濃いし、「博多水炊き とり田」もそうしている様子。

◯ 火の強さですが、「コトコト」ではなくて「グツグツ」を維持します。圧力鍋の場合は「圧力が掛かった状態を維持するだけ」の弱火。白濁するのは乳化ですが、そのためには「混ぜること(対流)が重要」で「弱火で煮込むと白濁しない。乳化しない」のね。でも「ボコボコ」するほと強くする必要はない。また煮込みの終盤では「ハンドミキサー」を使って「鍋の中の素材も小さく砕いて、スープもよく混ぜる」ときっちり白濁するのは、「ラーメン屋の動画」を見ると多くがそうやっているのがわかる。もちろんそれは「白湯スープ系のラーメン」ね。そしてそのスープを濾して使う。

白濁させない「清湯スープ」の場合には「この対流が強く起きないように常に弱火」で、圧力鍋も使わないほうが良いと思う。

つい最近は「濃さも濃くしよう」と思うようになって、ラーメン屋の多くがやっているように「大量の素材」を使って「少量のスープを作る」みたいな作り方になってきました。

簡単に言うと、鍋一杯のスープを作る時には、素材を鍋一杯に入れるということ。それまでは「鍋いっぱいのスープの中に入っているのは鍋半分の素材」みたいな感じでした。

だからまず素材が鍋一杯になるぐらい入れて、そこに水を入れて「素材の隙間を水で埋める」みたいな感じ。我が家では「鶏ガラ1キロ、鳥の足1キロ」ぐらいですが、これってかなりの量です。でもそもそも鶏ガラも鳥の足も「肉の塊ではない」から、何時間も煮続けるうちに素材はバラバラになって鍋の3分の1以下になるのね。で、そのぐらいが「ゼラチンも多い、白湯らしい白湯」が出来る。

そして重要なことは、「鶏の素材を煮込む時に【余計な野菜は入れない】こと」で、私は生姜もネギの青いところも入れません。【日本酒だけ】です。塩も入れない。

良く「生姜やネギの青いところ」は「臭い消しのため」と言われるけれど、これは厳密に言うと「それらを入れて匂いを消すことは科学的にも出来ない」のね。でも生姜や葱の風味で「臭みを抑え込むことは出来る」ということ。

普通、煮込む時には玉ねぎ、人参、セロリやきのこ類など「余っている野菜」を入れたくなるけれど、鶏の白湯スープにそれらを入れると、【野菜の味が強すぎる】のね。でも「葱だけはOK」だと思うけれど、私はそれも入れない。

だから「博多水炊き とり田」でも、一番最初は「何も入っていない白湯スープを飲む」ところから始まる。味付けは「塩のみ」で、これでその店の「スープの美味しさがわかる」というか、まさにこれが「店のプライドの見せ所」なんだろうと思う。

その後、ネキを入れたり、鶏肉を入れて食べ始めるわけですが、段々と他の野菜、「白菜や人参、きのこ」を入れていくと、それからのスープは「最初とは全く違うもの」になっているのね。

白湯スープ好きの私はこれが残念で仕方がないし、でも野菜類も食べたいわけで、ある時期、家で作る時には「鍋を二つ用意」していたころもあります。片方にはいろいろ入れてもOKだけれど、もう片方は「余計な野菜は入れずに、鶏肉だけ入れる」ようにして、【最初のスープの美味しさを維持する】わけです。

で、余ったスープは「冷凍」するも良いし、それで私は「お粥(おじやではない)」を作るのが好きで、またラーメンやソーメン(必ず茹でてから流水でしっかり洗ってから入れる)も良いと思う。そしてこの「〆」が鍋料理の一番の楽しみだと思う。だから「スープしか作らない」のも有りで、それをストックしておけば本当に食生活は楽しくなる。そういう意味もあって、「濃いスープ」を作るようにもなってきたわけです。小分けして冷凍しておけば、即席ラーメンでもそれを入れると大きく化けますから。

というのが我が家の白湯スープの話ね。

で、昨日のことです。

いつもの「ご飯よ~~~」のヨメさんの声でキッチンに行ってみたら驚いた。なんと「野菜を含むいろいろな具材が入っている白湯スープ」があるじゃないですか(その写真は無い)。最初見た時には「白味噌か、酒粕で作ったもの」だと思ったんですよ。だって我が家には「白湯スープ」のストックは有りませんでしたから。

でも食べてみたら、まさに白湯スープなのね。そして美味しいんですよ。

「なんなんだ~~~、これは」と声を出したら、「白湯スープの素」を使ったのよ、ですと。( ̄口 ̄∥)

実はゴールドコースト時代は良く韓国スーパーに行っていたし、白湯スープの素も良いのがあったんですよ。それは「コリコムタンの素」、つまり「白濁した牛テールスープの素」だったのですが、それも美味しかったのは覚えているし、似たようなものをマレーシアでも探したのですが、私には見つけられなかった。

ところがヨメさんは目ざとく似たようなものを見つけていたのね。でもそれは「濃縮スープ」でもなくて「キャラメルみたいな小さなタブレット」が一つずつ包装されていた。まさにキャンディみたいな。でもそれのパッケージを見ても「全部韓国語」で中身がどうなっているのかがわからない。ヨメさんはさすが主婦で、写真を見るだけでわかったんでしょう。それも「半額セールだから買った」とのこと。店はワンモントキアラの最上階にある「韓国スーパー」ですと。

それと同じものが買えれば私も欲しいくらい。つまり、鶏の白湯にしても、時間を掛けてしっかり作り込むのじゃなくて、それこそ残った手羽先とか、骨でもあればそれを適当に煮込んで、この「白湯スープの素」でも入れればかなり美味しいものが作れるということ。

Shopeeで探したら同じものが有りました。でもマレーシアの販売会社ではなくて、商品は韓国から送付するようになっている。

ちょっと高いと思ったのはきっとそれが理由で、マレーシアの韓国食材店で売っていたら、もっと安く買えるだろうし、キューブが25個入ってこの値段なら、キューブ一個が一人前だろうし、決して高くはない。是非買いたいと思う。またこれは「日本でも売っている」のね。そしてこれは「鶏の白湯スープの素」ではなくて、「牛骨スープ」らしい。でもヨメさんの作ったものを食べた時には「牛骨スープ」だとはピンと来ませんでした。ま、そもそも私のベロなんてそんな程度で、とにかく「白湯スープ」だということに驚いたし、それが美味しかったので二度驚いたわけです。

いやいや牛骨スープでもなさそうで、パッケージの裏面を見てみると「豚、鶏、大豆、小麦、トマト、サバ、カニ、牡蠣、など」こんななんでも入っているのを見たこともないような「スープの素」。これは「寄せ鍋用の白湯スープの素」って感じですかね。オールマイティと言っても良いかもしれない。

つまりですね、「牛テール」を使った「コリコムタン」って結構難しいと思うのだけれど、しっかり煮込んだ「牛テール」にこの白湯スープの素を入れればB+以上のものを狙えるかもしれないってこと。

シリーズで「魚介類」「野菜」もあるみたいですから、とりあえず全種類買って試してみたい。

もしかすると、今回食べたのは「驚きが先走ってしまった」かもしれなくて、【具をいれていないスープだけ】をしっかり味わってみたら「やっぱりインスタントだよね~」なんて思うかもしれない。また「汎用白湯スープ」としては美味しいけれど、「鶏の白湯スープ」でしかも「博多水炊き とり田」のような、そして私が目指したような「純粋な鶏の白湯スープ」としてはイマイチかも知れない。でもいろいろ具材を入れて楽しむ白湯スープとしてはこのインスタントで十分かもね。

まさに「博多水炊き とり田」での最初のこの一杯のスープにとり田のプライドが込められているような。そしてそれを自分で作って楽しみたいという思いからスタートしたのが私の白湯スープ。

でもその話を横で聞いていた息子が言うんですよ。

「オヤジさ、ベトナムのフォーも同じじゃん。オヤジが何時間も掛けて作ったスープは美味しかったけれど、お店で安いフォーを食べても結構美味しいのと同じだと思うよ」ですと。確かにその通りで、ゴールドコースト時代でも気に入ったフォーの店がモールの中のフードコートに入っていたんですよ。でもどう見ても、その小さな店舗で「大量の牛骨や牛肉を何時間も掛けてスープを作っているようには見えない」し、もしそうだとしたら「フォーの売値」より「スープの素材のコストのほうが高くなるはず」なのね。だからそのお店のオバサンと通う内に仲良くなって、「スープの素みたいなものを使っているのか聞き出そうと思った」のだけれど、それは出来なかった。(笑)

マレーシアの和食材輸入卸でも「スープの素」っていろいろ売ってるのね。ラーメンスープの素が粉だけじゃなくて液体状のもあったり、やっぱりこの世界は進んでいるのは間違いがない。

マレーシアのデサスリハタマスの大きな駐車場の横に「有名な麺類が美味しい店」があるんですよ。そこで食べた「鶏麺」みたいなのが美味しかったのだけれど、もしあのスープをきっちり取ったら「一杯のラーメンを作るために1羽の鶏が必要だ」と思ったのね。でもそんなことはあり得ないわけで、また「化学調味料が多い」のにも気がついた。

でも私達はもう化学調味料なくしては生きられないと言っても良くて、ヨメさんは料理しか趣味がないような人だけれど、「私は味の素は大好きだし~」というし、今、ユーチューブ界でも盛り上がってるのね。有名な「リュージ」という料理研究家は「味の素を使って何が悪いんだ」と「化学調味料否定派に喧嘩を売った」し、書籍まで出版している。彼と同じようなことをホリエモンもいうわけで、「化学調味料を使っていません」なんて胸を張る料理人は馬鹿だぐらいのことを言う。

私ももしも味の素が世界から消えたら「中華料理は成り立たないだろう」と思うし、私自身も「味の素が多すぎると口の中に違和感を感じる」けれど、「鶏手羽の塩焼き」なんて「味の素をたっぷり掛けないと美味しくない」とも思う。

でもねぇ、私は鶏の白湯に入れ込んで、「ここまで作れるようになった」と内心ニヤニヤしているし、家族にも「どうだ。美味しいだろう」なんて偉そうな顔をしていたのに、ヨメさんが「白湯スープの素」で作った料理を食べて、なんだかせっかく建てた家がガラガラと音を立てて崩れていくものを感じています。

バカヤロ~~~~~~~~~。

しかし、美味しいぞ~~~~~~~~~~~。(┰_┰)

これほどの挫折感、敗北感を味合うのは久しぶりだわ。

 

 

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