我が家はいつも「塊肉」を買いますし、先日、「5キロ以上ある三角バラ」でも切り分けて使えるんじゃないかと書きましたところ、「ダボさんはどう切り分けるんですか?」というご質問をメールで頂きました。
切り分け方がわかっていると「大きな塊」でもそれを手に入れて「切り分けて個別に冷凍」すればよいですよね。
でも私は「切り分け方」なんてまるでわからないし、「適当」というしかないです。
ただ「焼肉用」「シャブシャブ・すき焼き用の薄切り」は全くしません。焼肉用に切るのは「塊肉の中の部位の特徴」がわからないとどうにもなりませんし、脂身や筋をきれいに取り除く必要がありますが、それを自分でやると「いじくり回してぐちゃぐちゃになる」のが関の山ですし、薄くスライスするのも、我が家は家庭用のそこそこ良い電動スライサーを買いましたが「全くの役不足」で、それは「業者さんにやってもらう」か、「すでにそういう風に切られたもの」を買うしか無いのね。でもそういう肉は「スーパーでは売っていない」し、肉の専門業者でも「日本の事情」なんてわかりませんから、「なんだか変な切り方」になるのね。
ただ「薄切り肉」に関しては、まぁ適当に薄切りにしてもらえばどうにかなるので良いと思っていますが、「厚さ」が問題で、マレーシアの殆どの肉屋さんは「シャブシャブのスライスはかなり薄い」のを知らないのね。当然、「しゃぶしゃぶ用とすき焼き用の違いがわからない」のが普通。でも中には「日本人のスタッフ」がいて、その人がスライスや切り分けを担当していればオッケイですが、そんな肉屋は無いと思ったほうが良くて、Wmartは昔に比べれば良くなりましたが、期待しないのが一番。
また「塊肉を買って薄切りしてくれるように頼む」こともありますが、【できるだけ1ミリの厚さに近づくようにやってほしい】と言うものの、やっぱり業務用電動スライサーでも違いもあるんでしょう。「薄切りだけれどボロボロになっている」なんてこともありました。「半冷凍で切れば良い」ですが、そこまでやってくれとはなかなか頼めない。
我が家が「ローストビーフ好き」なのもそれに関係があって、「マレーシアの肉の切り方が日本人好みじゃない」のは長年住んだオーストラリアも同じで、でもローストビーフならあまり考えること無く「塊を焼いて、食べたくない部分があれば食べなければいいだけのこと」だと考えています。また我が家はみんな「筋が好き」で、「筋をきれいに取り除く」ことはしません。
それこそ「骨付きカルビ」にしても肉そのものより「骨にくっついてる硬い筋」をしっかり焼いて齧るように食べるのが好きだったりしますし。ああ、鶏肉も同じで我が家は筋は取りません。理由は「鶏の筋はコリコリして抜群に美味しい」から。(笑)
ササミの筋も、「筋だけ売っていたら買いたいぐらい」で、前にヨメさんが「ササミの筋だけを取り除いて、それを集めて炒めた料理」が抜群に美味しかったのを覚えています。
アメリカ人やオーストラリア人がどういう風に肉を扱うのかはユーチューブを見れば良くわかりますが、「細かい部位を分けることはしない」し、本当に大きな塊肉を適当にばっさり切り分けるだけなのが普通。それはレストランも同じで、多分、下手に「いらない部分を切り落とすと文句を言う客もいる」のだろうと思う。
一般的にはいらない場所でもそこが好きな我が家みたいなのもいるし、日本みたいに「見た目重視」で拘る人もいるのだろうけれど、「食べたくない部分は食べなければ良い」と我が家は考えています。
「脂身をどうするか」がきっと問題の焦点だと思いますが、我が家は「脂身に旨味がある」と考える家ですから「脂身をきれいに落とす」なんてことはしません。でもそれは「サシも入っていない牛肉を食べることが多い」からであって、日本のA5和牛みたいにサシはびっしり入っているのに「脂身」まで着いていたら気持ち悪くなるのは当たり前ですもんね。
でもサシが少ない牛肉は、「脂身と適当に混ぜて食べる」ことで美味しく食べられるし、「脂身を綺麗に切り落とす」のは、私の自由を奪わないで欲しいなんて考えます。(笑)
ただ「塊肉」と言ってもいろいろで、それこそ牛の枝肉を「主要部分で分けた塊肉」もあって、それは10キロ以上の重さでその中に様々な部位があるような塊肉もあれば、「部位に分けた塊肉」もあるし、脂身を多く付けたまま、かなり掃除したものとか、「塊肉」と言ってもいろいろ。
だからある程度は「肉の構造を知る」ことは重要だし、例えば前に出した「三角バラ」にしてもあるいは「イチボ」にしても、一つの塊の中で「硬い部分と柔らかい部分があったりする」から、塊を「ローストビーフ、ステーキ用」と「煮込み用」に分けるときにはそういう違いもわからないと「一番美味しいところをシチュー用に使ってしまう」なんてことも起きる。
そして意外なのが「ユッケ」で、ユッケと言うと「良い部位を使う」ような気がしますが、全然そんなことはないようで、普通の家庭では使ってもシチューにしか使わないような「スネ肉」でさえユッケで美味しく食べられる。だからユッケにして食べるなら「高いヒレの部分がよい」なんてことはなくて、でもま、「高級店ではそうする」にしても、家で食べる分には「どんな部位でも美味しく食べられる」ような気がしています。
でもそれは「生で食べる」から変な場所でも良いわけで(匂いが強い部位もあるからそれは注意)、生肉はどこを食べても柔らかいのが普通。また細切りするから硬い部位でも問題があると思ったこともない。でも「火を入れる料理は別」で、「肉は火を入れると固くなる」から、焼く場合、煮込む場合は部位の違いをしっかり考えないととんでもないことになる。煮込む場合はどんな部位でも良いし、逆に硬い部位は「筋も多い」のが普通で、筋は煮込めばトロトロになるから「こんな硬い肉、食えないよ」みたいな肉のほうが煮込みにはあっていると思ったり。そういう肉は硬くても「味がある」のが普通だし。でもそんな肉をステーキやローストビーフにすると「地獄」となる。でも「レア」に近い焼き方ならまだ噛み切れるけれどミディアムぐらいで焼くと「噛み切れずにそのまま飲み込んで涙を流す」みたいなことになる。(笑)
だからある程度のことは知るべきとは思うけれど、肉の部位って大雑把に分けてもいろいろあるわけで、私は一生をかけても「全くわからない」のと同じだと思っています。
でも「学ぶ努力」はしていて、肉屋さんが細かく区分けする動画を見るのも好きで、結構見ています。
たとえば「三角バラ」だとすればこういう肉屋さんの動画。彼は「ここは美味しい場所」「ここは硬い場所」とか話しながら切るのを見せてくれるし、「切るときにはマグロの刺身と同じで繊維の流れを見るのが重要」でそういう事も喋りながら教えてくれるので気に入っています。
塊肉も「きれいに掃除してある」のが良いと思いますが、そうじゃなくて「そこそこの脂身と筋をつける」事によって【肉を保護している】わけで、綺麗な塊肉は「酸化、変質も早い」と考える必要があって、でも綺麗に掃除された塊肉を売る業者もあるし、その時その時、臨機応変に考えるしか無いと思っています。
塊肉は慣れないと「塊肉を前に呆然とする」みたいなことが起こりますが、それはすぐ慣れると思います。プロじゃないし、家で食べる分には「適当」で良いんじゃないですかね。
塊肉を買うデメリットより、メリットのほうが遥かに大きいってことですかね。
三角バラにしても「塊だから手に入る」わけで、切り分けたものなんか見たことも聞いたこともありませんし。
ま、面倒なことが嫌いなグルメでお金持ちは「ちゃんとした高級焼肉店」に行けば解決しますし、それはシャブシャブ、すき焼きも「食べ放題じゃない高級店」に行けば本当に美味しいものを食べられる。ステーキも同じでしょう。
ただ我が家の好きな「ローストビーフ」だけは【家で作るのがベスト】で、レストランで食べるローストビーフは「前菜に出てくるコールドプラターの一種」(パサパサで美味しくないのが普通)みたいなのが多いし、ローストビーフ専門店で美味しい店があるのかどうかも知りません。
あったところで「高い店には行けない我が家」ですから、どうにもならず。(笑)
またローストビーフだといろんな食べ方が出来るのね。それにソースのバリエーションも加えたら「無限の可能性」がある。だから私はローストビーフが好き。
肉の種類、焼き方でいろんなバリエーションを楽しめる。でもどういう風に焼いて食べるかの判断を間違えることもあるけれど、それはそれで御愛嬌のうち。
下の3種類のローストビーフみたいにいろいろ出来て、それぞれ全く違うから楽しみが尽きない。
またローストビーフ用の肉は「和牛ではない方が良い」かもしれなくて、【和牛じゃなければどんな部位でもOK】だと思うし、和牛の場合は「やっぱりサシの少ない部位を選ぶ」のが重要で、でも「ウチモモ(Top side)」なら大丈夫だと思っても、「サシの多さでオェッとなる」事が多い。
「肩ロース」なら大丈夫だろうと思うじゃないですか。ステーキでも食べる部位だし。でもやっぱり肩ロースにもいろいろあって、ローストビーフにしてみたら脂身が凄くて硬くて「これって煮込み以外には使えないな」なんてのを「食べてから思う」のね。かといって「肩ロースのローストビーフはもう二度と作らない」なんて考えると全くの的外れなわけで、レストランみたいに「いつも同じ業者から仕入れる同じ肉じゃない」ですから、「がっかりすることもある」のは受け入れないとなりませんね。でももし最初にこういうのに当たると「ローストビーフなんて駄目じゃん」と思うようになってしまう。
こういう楽しみ方は「塊りで買う」からできることで、そしてやっぱり我が家は「コスパが何よりも重要」で、「高価なものほど安く買って家で食べる」のが決まりで、「多少の不便、当たり外れ」はウェルカムです。(^_^)v


