ややこしいですねぇ。
私は「利上げはやっぱり円安対策だろう」と思っていましたから、利上げとなれば「円高に動く」と単純に考えていました。
ところがどっこい。待ってました～とばかりに円安に動いた。このタイミングって「当てつけか？」と思ったくらい。
そうかと思っていたら、長期金利も大きく上がってきて２％を超えた。つまり「債券が売られた」ということ。なんでそこまで売られる？
この辺の理由を探してみてもなんだか無理やり理由を付けているような解説ばかりで、私としては納得できない。やっぱり今回の動きって「今までとは違う」ので皆さん面食らったんじゃなかろうか。
私にはわからないけれど、「日本売が加速している」ような嫌な感じがしています。
つまり、「円安の動きは今後も続く」と考えるのが妥当ってことなのか。
そもそも「利上げの理由」が私にはよくわからなくて、「インフレ対策」と言っても、確かにインフレで大騒ぎだけれど「コアコアの数値」を見るとインフレ率は２％にも達していないわけで、「エネルギー価格と食料品価格の値上がり」が目立つけれど、いわゆる「コストプッシュインフレには間違いない」と思うし、それは「景気もよく需要も増えてインフレになる」のとは全く違うわけで、【値上げしてはならない局面】だと私は思う。
つまり多少は良くなりつつあるところに【冷水をかける】というかつての消費税増税と同じ様に、【これからが楽しみ】というところでそれを潰すように「利上げ」をするのね。
これでせめて円高になり、マクロとしては日本にとっては良くないものの、エネルギー価格も食料品も落ち着いて「インフレ懸念が遠ざかる」とするなら、利上げの価値はあると思うけれど、「円安に動き、長期金利も上がって、日本のためにはなっていない」と思う。というか、この動きは「利上げと大きな関係はない」様に見えるし、日本が抱える問題の根は深いのを見せられたような気さえします。
しかし円安を止めることはできないのか。私は米ドルを中心に生活していますので、石が飛んできそうですが「円安歓迎」の立場。でもこれ以上の円安って歓迎する気にはなれない。
どうしてここまで円は売られるのか。
考えたくはないけれど「日本売り」の動きを認めるしかないんですかね。当然、それは莫大な日本政府の借金であり、高市政権はアベノミクスを継承して「お金のバラマキをしている」という否定的な考え方が優勢なのかと思うし、でも日本のコンセンサスとして「ここで積極財政になっても景気を良くすれば税収も増えるし、チャレンジするべきだ」という考えが広まっている。これに対する「そりゃ、違うぜ」というのが「今の円売り」なのかと思ったり。
「円安は進み、金利は上がる」って、ダブルパンチを食らうのと同じじゃないですか。
円を売っている勢力の正体もまるで見えないし、誰がどんな思惑で円を売っているのか、その辺の解説をちゃんとしてくれる専門家はまだ見つかっていません。ニュースを見ても「混乱している様子」が見えるだけ。
また円安が進めば「介入」があるだろうと考えますが、最近の動きはかつて介入をしたときと「かなり違う」らしいのね。
今までの介入時は「投機筋の円売りポジションが大きかった」そうで、だからこそ「円買い介入」をすると彼らは大きな損失が出るし、売りポジションを解消するために【買い戻す】から、円高方向に余計動くわけだけれど、今の投機筋のポジションはなんと「円買いポジションのほうが大きい」らしい。つまり「円買いに向かわざるを得ない投機筋は少ない」わけで、【円買い介入をしても効き目は弱い】ことから、もっと円安が進まないと「介入は出来ない状態」なんですと。
そもそも投機筋が円買いポジションの方が大きいのに、なぜ円安になる？それもこのタイミングで？
全く私には理解の外で、納得の行く解説を聞いてみたいです。
でもここで思ったことは、やっぱり「流れに乗る事が重要」で、「下手に予想して、それを元に行動すると勝てない」というのがはっきりわかった動きでもあった。だって私は「利上げすれば円高になるだろう」と単純に考えていたわけですから、その予想を元に売買すれば「円を買う」ことになる。で、そうしていたら「大損する」という値動き。
理由はどうあれ、値は動いていくわけで、とにかくそれに着いていくしか生き残る道はないというのを痛感した動き。
もしチャートも見ずに「利上げは円高」と単純な予想をして円買いをしたら大損する動き。まさか円安になるなんて考えもしなかった人は「ナンピンしてもっと損失をふくらませる」事になったはず。
「下手に予想をするから負ける」という良い例だと思う。でも「流れに乗ることだけを考えているトレーダー」はしっかり利益が取れる動き。
