もう何年その店にお世話になったろうか。オーナーが変わってから、ちょっとなぁ、と思うところはあったけれど、それでも私はその店が好きでしたわ。
今日、その店に買い物に行ったら、シャッターが閉まったまま。シャッターには Open 7days と書いてあるが、かつてはあったはずの張り紙が一枚もないし、様子が変だった。緊急の休みにしてはおかしいと思った。
日本食料品の買い出しをしないとならないので、もう一軒の、日本食材のサプライヤーがやっている店に行った。そこに働いている女性に、
「XXXXXXは潰れたんだって?」
とカマを掛けたら、
「そうみたいですね。」
との返事。もう1ヶ月以上、店は閉まったままらしい。いつもはどんなに間を開けても2週間以上行かないことはなかったのだけれど、今回は私が3月に手術をして、その後外出が思うように出来なかったせいもあってその店にも行っていなかった。
閉店ならそれなりの表示があるのが普通だろうに、どうも突然閉まってそのままらしい。
前のオーナーは商売人だったけれど、次のオーナーは素人丸出しの人で、大丈夫なのかね、なんて嫁と話をしたこともあったけれど、やっぱりこんな結果になるとびっくりする。
と、言いつつ、潰れていないことを願っているし、閉まったままだというのは何かの事情があるのかもしれない。でも、一ヶ月も食料品店が閉まったままというのはやっぱり変。
「一つの時代が終わったような気がするね。」
と嫁と話をしながら家に帰ってきた。
この十数年、どんどん撤退する企業、お店ばかり見てきた。昔からあった多くの日系のホテル、リゾート、ゴルフ場も人手に渡った。かつては街に日本人経営の土産物屋もたくさんあったのに、今では寂しい状態。それと共に、何年も付き合ってきた友人、仲間達が一人消え、二人消えと回りから知り合いがいなくなっていった。食料品店もきっと売り上げが減り続ける10年だったのかもしれない。
ゴールドコースト自体はどんどん発展して大きくなる。多くの新しい高層コンドミニアムやホテルの建設が進んでいるし、次々に新しいプロジェクトも発表される。昔は原野だったところがとてつもなく大きな住宅地に変貌しているし、流入人口も非常に多い。
ところが、日本人に焦点を当ててみるとちょっと違う。若い人たちだけは元気なようだ。ワーホリもたくさんいるし、日本人はいくらでもいるような感じがする。ただ、ワーホリは長期旅行者であって、住人ではない。また、日本女性がオージーと結婚するケースは非常に多く、日本語補習校もハーフがたくさん来ている。ただ、いわゆる日本人家族が減っているのは間違いがない。特に、働き盛りとでもいうべきか、40代、50代がぽっかり穴を空けたように存在しないような気がする。
退職者用ビザもハードルが上がって前のように退職者は来ないようだし、このまま行くと、ここはワーホリと、オージーと結婚した女性だけになってしまうような気さえしてくる。
これも時代の流れといえばそうなのだろうけれど、寂しい。かつて30代、40代がたくさんいて、皆が夢を熱く語っていた時代は過去の思い出になりつつある。
ゴールドコースト。かつては多くの人がここを目指してやってきた南半球の楽園。
これからどうなるんだろう・・・・・・・・・
いやーー、そんな心配はいらないね。新しい人たちがどんどん入ってきて、活気が溢れてるよ。どこを見てるんだよ。と誰か私に言ってくれたら嬉しいのだけどなぁ。かつては、あのビルもこのビルも日本企業の持ち物で、大型プロジェクトといえば、当然日本企業。街を歩いているのは日本人の旅行者ばかり。永住者も次から次へと入ってきたあの時代。日本人がこの街を占領するんじゃないかとオーストラリア人が心配してたっけ。
またいつか、そんな日が来たらいいのになぁ・・・・・・・
やっぱりマレーシアに行くっきゃないかな。新天地を探してまた歩きだそうと思う。