マレーシアに行こうと思う方もいろいろいらっしゃる。若い人からお年寄りまで。それぞれがそれぞれの理想を持っているわけで、何をしようとしているのかも千差万別。
マレーシアで仕事をしようとして渡る方々の事情は私にはさっぱりわかりませんが、MM2Hで仕事をしたいとおっしゃる方も中にはちらほらいらっしゃるのがわかりました。
MM2Hは50才以下の人でも取れますし、もちろん20代、30代でもOK。ですから働けるものなら働きたいと考える人がいるのも当然だと思います。60を過ぎていてもちょっとパートでもしようなんて考える方は日本ではいくらでもいるわけで、それはマレーシアへ渡っても同じ事。
MM2Hを取る条件(資産、収入など)のハードルが高いか低いかはその方の物差し一つで見方は変わるわけですが、年金のような定収が無い場合(私はこれ)、子どもを連れて行く場合はかなり真剣に考えないと危ないと思います。
あるいは年金の様な定収があったにしても、マレーシアでの物価の変動、為替の変動、その他予期せぬ支出が起きることがあるかと思いますが、それに耐えられるだけの定収かどうか。また、資産を削りながら生活することを前提にしている方も多いと思いますが(私は本丸には絶対に手を付けない主義)、うまいぐあいに計算通りに行くのかどうか。
これはMM2Hに限らず、日本国内でも同じことで、いやそれどころか大多数の退職者はそこで悩んでいるはず。でも悩んでもこれなら絶対大丈夫なんて答えはまず出ないんですね。大丈夫な結論が出る方は本当に恵まれている方だと思います。
私が堂々巡りのように悩むのもこの点で、自分の計画は充分安全範囲なのかどうかがわからない。やってみるしかないんですね。ただ、もし生活費が足りなくなったり、言われている低い生活費では満足を得られなかったり、突然の大きな出費に慌てたりした時にはどうするのか。
実家が残っている人は、マレーシアと縁が無かったんだねと笑って帰れるでしょう。でも財産を全て処分して渡ってしまっていたらどうなるのか(これが私のケース)。
パートでも下働きでもやって生活費を稼いでいる老人は日本にいくらでもいます。あるいは近年、生活保護が増えていると聞きますが、万が一の時にはそういうセイフティーネットもある。
でもMM2Hで渡った場合、一切それは無しになる。自ら稼ぐことも不可能。自国と違って駆け込み寺は無い。
ですからMM2Hはハードルが低く有利だと言われていますが、それは裕福な人達に取って有利という意味であって、かつかつで生きている人、定収がない人に取っては危険が一杯。一旦ハードルは越えてもその後ちゃんと走り続けられるのかどうか。
さて、定収が全く無い私ですが、どうなりますかね。私の仕事は幸いなことに世界のどこにいても出来る仕事で、マレーシアではその収入に課税されません。しかし、私が死んだり、あるいは重い障害や病気に掛かった瞬間その収入は止まる。まぁ、保険がありますが充分な額の保険って掛け金だけでも目が回ってなかなか簡単にはいきません。
しかし自分に何かあった場合、あるいは連れ合いに何かあった場合、どうなるのかどうするのか、決して若くは無いのだからその辺を考えておく必要がある。
お金が無い、足りない場合にどうするか、二つの選択肢がある。稼ぐか、その範囲で生きられるように生活を落とすか。これはいつの時代も同じだし万国共通。ところがMM2Hでは一つの選択しかない。生活を落として我慢すること。これだけ。
海外で生活すると見えてくることですが、どこにでも日本人を食い物にするわけのわからん日本人の存在があります。変な投資話を持ってきたり、詐偽をしたり。とんでもない人はゴールドコーストにもかつていました。(今は知らない)
でもそういう人達は最初からそのつもりで渡ってきたのかどうか。そうじゃなかったんだろうと思うんですよ。でも背に腹は代えられない。生きるためにそうするしかなくなってしまったのかもしれない。
これって他人事じゃないかもしれない、なんて思うことがあります。
貧すれば鈍する。そんなことにならないようにしっかり計画を立てたいです。
せめてMM2Hが永住権なら話は全く変わってくるんだけどなぁ。
マレーシアの永住権がどうなっているのか私は調べたことさえないんですが、もしマレーシアで定住するとしたら、永住権は絶対に狙うべきターゲットだと思います。一般のマレーシア国民とほぼ同等の権利(と義務)が与えられるはず。手足を縛られた状態のMM2Hとはまるっきり違うだろうと思います。