メルボルンに住みたいかどうか

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長男がメルボルンの大学へ行っていますし、次男坊はこれからシドニーの大学院へ行く予定。いつか卒業して就職するとなっても多分シドニーかメルボルン。

我々は今後ゴールドコーストを出てマレーシアへ渡る予定ですが、オーストラリアへ帰ってきた時にはどこに行くのか?子ども達がいるメルボルンかシドニーというのが順当な線で、場所的には気に入っているもののゴールドコーストへ帰ってきてもしょうがなさそう。

で、もしメルボルンで住むとなったら・・・・。そんな状況を想像してみました。

答えはX。勘弁してくれ~~って感じ。メルボルン在住の方には申し訳ないけれど、私には無理。友人の中にはメルボルン好きってのが確かにいます。と同時にいややっぱりシドニーだねってのもいる。ただ友人達の場合は遊びに行く場合の話であって、住むとしたらという仮定ではない。

まずどうして私がメルボルンが駄目だと思うかいつもの独断と偏見を書きますが、

● 都会すぎる。
これは笑い話になっちゃうけれど、やっぱり我々は田舎っぺなんでしょう。大きなビルやたくさんの人、多くの人種、そして車、電車、トラム。そんなのを見ていると疲れてきます。

それと大都会特有の人間の冷たさを今回もしっかり感じてきました。それはゴールドコーストと違って他民族がかなり多いのも関係していると思います。たとえばタクシーに乗る。ゴールドコーストだと最近は移民も増えてきましたが気の良いオーストラリア人であることが多い。つまり乗った瞬間、世間話が始まってあーじゃこうじゃと五月蝿いぐらいだけれど結構楽しい。

ところがメルボルンのタクシーはほとんどがインド人。私はインド人が苦手どころかオーストラリア人よりインド人との方が気が合うと思ってるくらいなのですが、タクシーの運ちゃんは別。もろインドにでも行ったような雰囲気で、なんというか昔の日本のタクシーの運ちゃんといえばわかるでしょうか。ムスーーっとして口もきかない、返事もしない。ニコリともしない。で、運転も雑。(サーバントはむやみやたらにしゃべってはいけない、笑ってはいけない、そういう文化がバックグラウンドにあるからかもしれない。でもそうだとしても運転が荒いのは変でしょ)

私がレンタカーを運転していて時の事ですが、まぁ、田舎者だし道もわからないからモタモタ走るわけですよ。そうすると容赦なくクラクションをいつまでも鳴らし続ける。なおかつ隣に並んでにらみ付けるというおまけ付き。ゴールドコーストでむかつく運転をする人がいてもそこまでやることは有り得ない。

なんだかセカセカしている感じはタクシーの運ちゃんだけではなくて町全体にそれを感じました。店の従業員もゴールドコーストとはかなり雰囲気が違う。ブスーーっとしてます。また町を歩く人達の顔が険しく、歩くスピードもゴールドコーストとは違って早い。またわけのわからない若者がたむろしていたりする。私と長男と歩いていると普通の若者が寄ってきて金をくれと言ってきたのにはびっくりしました。また息子の話ですが、血気盛んな若者達はベトナム、香港、台湾、中国本土、あるいはイタリア、ギリシャそれぞれのヤクザと言いますか、チンピラ達の抗争があったり、結構恐いと言ってました。

こういうのを感じた時にはゴールドコーストって良いなぁ、って思います。皆さんがもしゴールドコーストの街角で地図を広げて見ていたとします。そうするとたいてい見知らぬオージーが寄ってきて、どうしたの?どこへいくの?と聞いてきます。中には目的地まで連れてってくれる人もいるくらい。そして何が嬉しいんだか、みんなニコニコしています。バスに乗れば、いやエレベーターの中でさえも気楽に話しかけてくる。町を歩いていてもスリや引ったくりのことなんかまるで心配する必要もない(そういう犯罪は無くは無い)。みんな優しく礼儀正しいし、町の中も綺麗。

でも大都会はそういう感じじゃないんですね。みんな自分のことで精一杯という感じがします。また人種が多いということのデメリットもあるんでしょう。陽気なオーストラリア人もまるで違う文化や価値観を持っている他国からの移民と付き合う内に、オーストラリア人的な良さが消えていくのかもしれない。何せ移民の率が大都会は半端じゃありませんから。他国からの移民は仲間内で固まることも多く、彼らなりの価値観そのままで生きていますし、オーストラリアなのにメルボルンは外国の感じがするのはそれが理由だと思います(実はシドニーもそう感じた)。

それとメルボルンには古き良き時代が残っていると賛美する人がいますが、これも私には疑問。たしかに歴史はたった200年しかないものの、コロニアル時代の建物が残っていたり、古い時代の建物が近代的な町の中にも残っていますが、なんというかなぁ、古き良き時代の物と古くて汚いだけのものが混在していると言った方がいいかも。古い時代の物を残して居るんじゃなくて再開発するべき物が放置されているだけという感じがする場所も多々ありました。これはシドニーやブリスベンも同じですが、ゴールドコーストは歴史が浅いですから古い建物がほとんどない。恐そうな古い下町とか貧民街みたいなところもない。

● 気候が合わない。
一日に四季があるといわれるような場所で、寒さ暑さの変化が凄い。前回行った時にですが、初日は29度。次の日はなんと44度なんてことがありました。また位置的に南(北半球で言えば北)ですから寒い。今回も寒かったです。雨の夜道は耳が痛くなるほどでした。

私としては一年中半ズボン半袖が理想で暖かいところが好きですから、こういう気候じゃ住むのは無理。

● 日本食材が豊富ではない
これはマレーシアでもそうなのですが、我々夫婦は日本食材が豊富にないと生きていけません。クアラルンプールの伊勢丹に行った時には商品の豊富さに、女房はここに住みたいと言ったくらい。で、メルボルンですが大都会ですから日本食材はゴールドコーストより多いと思ったものの期待はずれでした。意外に少ない。いや、日本食材店を全部回ったわけではありませんが、商品の幅はまだゴールドコーストの方があるように思いました。

日本料理屋はかなりたくさんあります。数で言えばゴールドコーストの5倍はあるかも。ただ日本食ブームもあるわけで、外国人が経営するなんちゃって和食レストランも多い。ラーメンしかり、こんなのはラーメンじゃないと言いたくなるラーメン屋も少なくない。でも前の日記に書いたように、ちゃんとした料理を出す店もあるし、世界的に有名な日本料理人の店もある。また、外人の経営だから絶対駄目ってこともなくて美味しい和食の店もあって、和食の外食という点ではゴールドコーストより間違いなく上です。

日頃の買い物としては大手のスーパーはゴールドコーストと変わることもなく同等です。またメルボルンには大きな市場があって、そこに行けばかなり豊富な魚、肉、デリカが手に入る。ただ、その市場といえども洋食中心なら良いですが、和食を頭に置いて行くと買いたい商品はほとんどありません。

その有名なビクトリアマーケットではなくて、リッチモンドやフッツクレイという地域、つまりベトナムからの難民や中国人、韓国人、あるいは他のマイノリティーが多く住む地域があって、そこにある市場は面白いと思いました。置いてある商品がアジア人向きです。

もし私たちがメルボルンに住んだとしたら、買い物に行く市場は有名なビクトリアマーケットではなくてリッチモンドやフッツクレイのマーケットに行くだろうと思います。

ま、こんな感じですから、我々にとって是非ここに住んでみたいと思う感じの都市ではありません。日本人もかなり多そうですが、でも仕事や子どもの学校がらみじゃないかぎり、メルボルンに住むいわゆるリタイアって少ないかもしれません。

そもそもゴールドコーストというのはシドニーやメルボルンに住んでいるオーストラリア人達が歳を取ってリタイヤして渡ってくる町として発展したわけですし、リタイアにはゴールドコーストの方が合っているということでしょう。

ただ、全般的な食に関してはメルボルンが豪州で一番と言われていますし、ゴールドコーストみたいな田舎ではなくて文化の香りも(若干)しますから、たまに遊びに行くのには良いかも。

うーーむ、正直なことを書きますが、私としては遊びでもあんまり行きたくないです。例えば観光にしても、何も無いと言ってはなんですが、近場にはこれと言って面白そうなところもないですし、高原に行ってワイナリー巡りをしてもしょうがないですね。ゴールドコースト在住者としてはまるで興味がありません。またグレートオーシャンロードが素晴らしいと言っても何度も行くほどの事もないし、ペンギンを見にフィリップ島へ何度も行く人もいないでしょう。

そもそもそういう観光地が市内から遠いんですよ。東京で言うと、ちょっと観光に行くのに伊豆、富士山、日光へ行こうかという感じ。それとて何度行っても楽しいと思えるようなところには思えない。

もちろん地元に住んでる人なら何度行っても面白い穴場はあるんでしょうが、穴場しかないようじゃやっぱり困りますよねぇ。

メルボルンに住んでいる人が休暇でどこに遊びに行くのかと言う考え方をしたら良いでしょうね。それはゴールドコーストであり、バリであり、シンガポール・香港だったり、グレートバリアリーフ、タスマニア、ニュージーランドだったり、あるいは日本だったりするわけで、では我々もそちらの方へ行った方が面白いってことかもしれません。

実はこういうことってメルボルンだけの事じゃないんですよ。オーストラリア全般に言えることだと思います。日本の方はテレビでオーストラリア紹介の番組を見ると是非行ってみたいと思うでしょう。またオーストラリア在住の人も、良いところだからおいで~~と言うでしょう。でもそういうのも割り引いて考えた方が良いと思ってます。

オーストラリアって本当に馬鹿でかいんですよ。で、基本的には文化的にもさほど見るべき物はないし、自然を楽しむのが主流。だからオーストラリアで遊びたい、観光したいと思った時には何都市か移動する必要があるんですね。あるいは海なら海、ゴルフならゴルフと決める必要がある。楽しみが少ない国だと言っても良いくらい。

アメリカなら、たとえばロスに行っても見るべきところは山のようにありますよね。近郊にも行ってみたいところはいくらでもある。ニューヨークも同じ。カナダのバンクーバーもそう。ましてやヨーロッパなんか何時間か車を走らせただけで違う言語、違う文化の国へ行けるし、やるべきことはいくらでもある。アジアの国々はそれこそ振り向けばそこに驚きがあるという感じで退屈しない。

でもオーストラリアって違うんですよ。車で何時間走っても同じ景色。何も変わりません。隣の大都市に行くには飛行機じゃないといけない。大自然が良いと言ってもオーストラリアの大自然って基本的には砂漠です。皆さんがテレビで観ているオーストラリアの自然を満喫するには飛行機に何度も乗って、あちこちと何千キロ移動しないと駄目ってことです。

逆を言えばオーストラリアはオーストラリア流の遊び方があるってことなんですね。目的を決めてその場所に行ってそれを極める。あれもこれも見てみたいやってみたいってのはこの国では無理。

そういう意味ではお隣のニュージーランドの方がよっぽど面白いと思います。命のある自然が豊かだし、綺麗だし。

まぁ、オーストラリアをこき下ろしているみたいになりますが、これは単に私が慣れて感激をまるで感じなくなったのかもしれません。そういう意味でも私の書くことは割り引いて考えてください。^^;

そもそもオーストラリアってのは乾燥大陸で水がないんですね。で、我々日本人が感じる自然には水が付きものだと思うんですよ。山にしてもなんにしても水があるところには緑があって、そして命がある。ところが水がないところでは赤茶けた大地が続き命も少なく、乾燥に疲れた切ったようなユーカリしか生えていないところばかり。オーストラリアの地図を思い浮かべてください。この大きな国の縁側部分。いわゆる海に面している帯状の地域。基本的にはここ以外は全部砂漠(というか荒れ地か)です。

砂漠とか赤茶けた大地を見て、大自然だ~~と感激する人にはオーストラリアはぴったりでしょう。どこにいってもそれがありますから。あるいはただただ延々と続く海岸線を見たい人にも合うでしょう。観光客どころか人に会いたくない人もOK。誰もいない大地が広がっています。でもガソリンスタンドもありませんから気をつけないと。

自然という意味では私は日本の方がはるかに凄いと思います。水が豊富ですからどこへ行っても緑と命に溢れています。雪山の北海道から常夏の沖縄までこんな小さな国に全てが詰まってる。だからどこへ行くにも近い。しかしオーストラリアの大自然とは、水も命も、何もない大自然ってことなんですよ。あるのは海と空と風。大地が古いですから全土で風化が進んで山らしい山もない。だから地平線の先まで何もない大地が延々と続く。歴史的には200年の歴史しかありません。だから文化的な物を求めても無理。

でもま、そんななーんもないオーストラリアが好きで永住を決めたわけですけどね。

一つ本音の話を書きますが、私たちがオーストラリアへ永住を決めた時に、下見をしたのはゴールドコーストだけです。もしあの時、シドニーやメルボルンを見ていたらもしかしたら永住は考えなかった可能性もあるくらいです(カナダへ変更をしたかも)。当然、シドニーやメルボルンに住みたいと思って渡ることはあり得なかった。中途半端な都会に住むくらいなら東京の方がはるかに良いですから。

結局ゴールドコーストの自慢かよ、って話しになっちゃいますが、気候も良くて、治安も良く、住む人たちも明るく楽しく、田舎としての自然も豊富でそこそこ都会でもあるところってゴールドコーストしか頭に浮かびません。リタイアとして(特に日本人として)住むなら私はやっぱりここは世界でも上位であると思っています(そう思ったからここへ来たわけで、私が想像したことは間違っていなかったと思う)。ただ物価も高い(昔はヒジョーーーに安かった)、税金も高いですから我々みたいなのは経済難民として移動を考えなくてはならないという欠点もありますが。

私がもし大金持ちならマレーシア行きも考えないはず。これが本音です。このゴールドコーストを拠点として世界中好きな時に好きなところへ行けたらそれが一番。

って無理なことを考えてもしょうがないですが・・・・

オーストラリア大好き人間、メルボルン大好き人間には面白くないことを書いていると思われるでしょうが、こういう見方もあるということでお許し下さいませ。

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