良いカメラとは?

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最近、カメラのことを良く書きますが、メールを頂戴しました。昔からの知人なのですが、一体良いカメラって何が違うの?という話。

良いカメラの定義っていろいろあると思いますが、まずやっぱり画質の良さが一番だと思います。では良い画質とは?となるとこれまたいろいろ見方があるわけですが、私としては解像感が大事で、そこが一番気になります。解像度ではなくて解像感。細かいところまでちゃんと写っているのかどうか。

写真は感性が一番重要だといいます。それはその通りですが、では自分が撮る場合だけ考えて見ますと感性は同じですから、カメラ、そして何よりも重要なレンズが変れば、出来上がった写真も全く違うものが出てくるわけで、感性が大事で他はどうでも良いみたいな言い方は私は変だと思っています。やっぱり道具の大事さってあるわけで、それは自動車を考えてみればわかるはず。運転者が同じならどんな車でも同じってことはありえない。

良い写真かどうかですが、こういうブログで見たり、あるいはPC上で見たり、小さなプリントでは大きな違いは良くわかりませんが、PCでも画面いっぱいにしたり、あるいは大きくプリントしたりパネルで保存となると良い悪いがはっきり見えてくるはずです。

それと色乗り。肌の色、淡い色、グラデーションがちゃんと出るのかどうか。これも大事だと思います。

そしてカメラというよりレンズによる場合が多いですが、中心部は良くても周辺部、4隅がぼやけたり流れてしまうのも決して少なくない。

それとやっぱり大事なのが質感。私はこの質感が何から来るのかがわかりません。多分解像感と深い関係があるのだろうと思いますが、カメラによってこの質感がかなり変るのが不思議です。でもその本性は何のかがわからず。(この質感という点ではシグマのDPシリーズは本当に凄い(コンデジなのに)。フォビオンセンサーがそもそもそういうセンサーなのかもしれませんが)

こういうのも絵画や音楽と全く同じで、気が付かないうちはそんなもんだろうと思うのですが、気が付くようになると非常に良く気が付くようになっちゃうんですね。で、駄目なものは駄目だと思うようになる。これも突き詰めるとキリがないとは思いますが、とりあえず自分としてこのレベルは確保したいというのが人それぞれあるはずですし、それを得るためのカメラ・レンズ選びは重要だと思います。

例えばこんな写真があったとしてですが。

こういう雨や曇天の淡い光の中で黒の洋服や肌の色ってなかなか綺麗に出てこないんですね。でもこの写真はこの大きさで見ても(クリックすると大きくなります)非常に良いのがわかります。

でも私が持っている一眼レフやミラーレス、コンデジでは残念ながらこの大きさで見てもこのレベルの写真は撮れません。

ましてやこの写真をA3、A2でプリント、あるいはポスターにしよう、大きなパネルにしようとなった場合、かなりの解像度が必要になってきますし、解像感の低い写真だったらボケボケになっちゃいます。ではこの写真の元絵はどんな感じか、等倍で部分を見てみます。

クリックして大きくしてみてください。

大きくしてみても綺麗ですよね。産毛まで細かく写ってる。肌の感じなんかゾッとするくらい綺麗だと思いませんか?特に手。本物が目の前にあるような感じさえします。4隅は焦点があっていませんから下の部分を見てますが、足もスカートも全く問題ありませんよね。この写真なら大きなポスターにしても問題がないと思います。

そんなに大きくすることなんかないよ、って思うでしょうが、こういう写真だからこそ小さくても解像感のある鮮明な良い写真だと感じるのではないでしょうか。人間の目って凄い性能で、その辺の小さな違いもちゃんと見分けるんですね。

この程度の写真を撮るにも今の時代、カメラとレンズで多分80万円ぐらいの投資が必要だと思います。でも技術の進歩って凄くて、そういう性能のカメラやレンズはどんどん安くなってきている。多分、この1,2年で、20万円ぐらいの機材でもこの程度のものは撮れるようになると私は想像しています。

私としてはこのぐらいの写真は撮りたいなぁ。

世の中には当然これ以上のレベルを追求する人も分野もあるわけで、そうなるとカメラも中版のウン百万というカメラ、レンズもそれなりの世界になるのでしょうが、化粧品のポスターや雑誌の表紙や広告に使われているのはそういう機材が多いということでしょう。まぁ、あのレベルを素人が追ってもしょうがないでしょうが、せめてこの写真のレベルは撮りたいというのが私の夢です。

素人の手が届く機材でこの程度の写真が撮れるカメラというと、多分、近々発売されるフジフィルムのX Pro 1がこのレベルに行くかどうかというところではないでしょうか。

ま、正直なところそこまで凝ってどうするんだ?と思いますが、良い物を見ると目がそれに慣れてきますし、そういう目で自分の写真を見ると全てがクズに見えるわけで、どんなに素晴らしい決定的瞬間や思い出の写真だとしても、ちょっと大きくプリントすればすぐにアラがわかるような写真では一生の宝として取っておくには心残りですし、特に子供の写真に関しては申し訳ないと思うわけです。

ただ本当に技術革新って凄いわけで、素人には絶対に無理だった領域にでも手を伸ばせば届く時代になってきたのは間違いがなく、また今後5年10年の間には、数万円の普及機のカメラでもこういう写真が撮れるようになると思っています。

映画ですが、ブレードランナーって見ました?未来のSFで、宇宙探査のためのアンドロイドに心が芽生え、自分探しの為に地球に戻ってくる映画。あの中で主人公のハリソンフォードが一枚の写真から情報を探す場面があるのですが、これが凄い。写真の中の一部分を拡大して細かなところを見るのですが、拡大し、また拡大し、これを何度も何度も繰り返して、元の写真のある一部分を多分何百倍にまで拡大してそこに写っている文字を読み取るんです。これってその写真の画素がきっと何百億画素ってことになるわけですが、それだけの画素、そして拡大してもちゃんと読めるほどまでに解像しているのが面白いと思いました。

デジカメがこの世に出現したつい20数年前では今の高解像度は想像できなかったはずで、将来的にはブレードランナーみたいな時代もきっと来るのだろうと思います。

映像の世界もどんどん変るようですね。昔、初めてハイビジョンを見たときには本当にびっくりしました。顔が映し出されたら毛穴までちゃんと見えちゃうんですから。ところが今、巷で言われているのはこの次のレベルのテレビなんですね。4Kといわれていますが、今のハイビジョンは1920X1080ですが、4096X2160にまで上がるとのこと。4倍の解像度。

これって今でもアラが目立って困るといわれているのに、その解像度になったらメイクも大変でしょうし、小道具大道具の世界も変ってくるのでしょう。ただ、スポーツや風景などの臨場感たるや凄いものがあるんでしょうね。

で、そういう映像を映すカメラもテレビも発売が始まりましたし、10年後にはそれが当たり前の世界になっているのでしょう。

絵画ってどんなに好きでも自分で描くのは大変ですが、写真や映像の世界は、シャッターを押せばどうにかなるかもしれない世界ですから、本当に面白いと思います。

私が今ひとつ心配なのは、若い世代が携帯電話のカメラばかり使っているということ。確かに便利だし、シャッターチャンスは逃さないし、写真そのものの数は増えるのだろうと思いますが、質の点でいうと後戻りしているわけですね。iPhoneの画質にはびっくりしますが、それは携帯としてびっくりするわけであって、カメラとしたらなんてことがないわけです。ましてや普通の携帯はお話にならず。これも時代と共に良くなるはずですが、レンズの小ささから来る欠点はどうしようもないはずで、そういう写真ばかりしかない思い出って私は寂しいと思います。

ただ子供が生まれるとちゃんとした写真を残したいと思うようで、これは私もそうで、子供が生まれたときには一眼レフもビデオカメラも新調しましたっけ。(笑)

でも多くの人に良い写真を撮ってもらいたいと思います。良い写真って自分には関係がなくても絵画と同じで見ていて楽しいですから。

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