シドニーの大学院に通う次男坊からわけのわからない電話が掛かってきました。
「今週で試験が終わるんだけれど、とりあえず卒業しちゃおうかと思って・・・」という内容。
おいおいおい、卒業するしないって学生が選べるのか~~?
話を聞いてみると、次男坊はもうアクチュアリ(日本では保険数理士)の卒業必要単位は取っているとのこと。じゃぁ、今年いっぱいやるというのはなんだったの?これもまたややこしくて良くわからなかったのだけれど、アクチュアリを目指す学生たちはほとんどが大学時代にそっち関連の単位を取ってから大学院に進むのが普通。ところが次男坊が大学で取ったのはファイナンスでアクチュアリ関連は取っておらず。だからその分をこれからの半年間に取る予定だった。
でもそれを取らずとも卒業そのものは出来てしまうらしい。ただしアクチュアリになるためにはいつか学校に戻って必要な単位を取らなくてはならないとのこと。
ややこしいですねぇ。
で、就職が決まったわけですが、その会社は監査法人。アクチュアリの部門もあるけれど、彼にはCA(公認会計士)の資格を取って欲しいらしい。ところが次男坊は会計は一切勉強してない。ということで、とりあえずアクチュアリとしての大学院は卒業だけしておいて、公認会計士に必要な単位は別個に取るということらしい。
就職までの半年間に4単位を取り、その後働きながら2単位を取り、それでやっとCAへの下準備が出来て、その後また6単位を取って3年だかの実務経験でCAが取れるとのこと。
「最短距離、3年でCAの資格を取るからね~。その時にはまだ24歳だ。ヒヒヒ」なんて笑っていますがどうなることやら。仕事をしながら大学に通うなんてそう簡単に両立できるんだろうか。ただ、会計だけしかしらないのと違って、金融、統計を今まで専門にやってきたのがプラスアルファになれば良いなと。
ま、本人がやる気があるから好きなようにやればいいのだけれど、どこかに落とし穴があるんじゃないか気になります。
私としては今後の学費は会社持ちだと聞いて、チト嬉しい。(笑)
オーストラリアのシステムってやる気のある学生ならいつでも勉強できるようになっていて、非常にフレキシブルなのが良いと思います。
それと日本やアメリカと違って大学に教養課程がないのね。だから卒業までに4年は掛からない。大抵、普通の学部で3年で卒業(その代わり出来る子はロー(法律)とダブルディグリーを取る)。次男坊が行った大学はオーストラリアには珍しい私立大学(ゴールドコーストのボンド大学)で、早く働きたい学生は休みを削って頑張れば2年で卒業できてしまうという変な大学。これも良いですよね。大学生って休みばっかりでもったいないと言えばもったいないし(自分の金で行く学生が多く、休み期間が長いのにはそれなりの意味がある)。
大学院も同じで、何を学ぶかによるのだけれど、1年で終わる学部もある。MBAに関してもいろいろみたいで、2年間は縛られるってのがない様子。
どちらにしてもイギリス方式なのね。
時間的に早く終わるって、お金を出すほうとしては非常に助かるわけで、そういう点からオーストラリアやイギリス系のコモンウェルスで勉強するって良いかもしれません。
最近はアメリカへの日本人留学生が激減していると聞きますが、これは不景気や人気の関係があるのだろうと思います。今は円高ですが、かつてはアメリカのアイビーリーグの良い大学へ留学させるとなんだかんだ諸経費を入れて片手(5千万)は掛かると言われていました。今なら4千万ぐらいなのでしょうか。当然、学校や学部によって違うわけですが、アメリカの大学といわれて頭に思い浮かぶような私学は大体そんな感じ。
でもオーストラリアなら4掛け以下で済むんじゃないかなぁ。
オーストラリアの大学なんて・・・って思う人もいるでしょうが、単位をイギリスへ持っていってオックスフォードやケンブリッジ大で卒業という手もあるそうで、留学するならアメリカって考え方で固める必要はないかもですね。またアメリカの大学って授業も内向きだといわれているようで、まぁ、大国ですから当たり前といえば当たり前なのでしょうが、その点、オーストラリアやイギリス系は外向きらしく(学生の人種別比率もかなり違うらしい)、あえてそれを求めて来る学生も多いそうです。
マレーシアとオーストラリアは同じコモンウェルスの仲間で学校教育はもちろん資格面でもそのまま通用、あるいは簡単に移行できるものが多いようで、日本は日本、あるいはアメリカはアメリカというのと違っていて汎用性があるかもです。またマレーシアにはオーストラリアの大学のマレーシア分校もあって、卒業すれば同等だそうです。
今の時代、大学を出ただけじゃ駄目って言う人も多く、専門性が問われる分野ですと最終的にMITじゃハーバードで修士だと考えるにしても、大学はあえてアメリカにしないという考え方もありかも。
同じことを書きますが、この就職難の時代でもロー(法律)も一緒に取るダブルディグリーの学生たちは別格の様です。確かにロースクールに進んで法律の専門家にならないにしても、どんな分野でも法律の知識や考え方が重宝するってことなのでしょう。子供を海外で教育する場合、その辺を頭に入れておいておくのもいいかも。