オーストラリアって意外に(でもない?)海産物が有名で、ゴールドコーストがあるクイーンズランド州も同じ。でもそれって欧米人の見方であって、我々海に囲まれ小魚まで食べる日本人からすると、なんでこんなに魚が少ないの?って思います。シドニーに行った時にはオーストラリア最大の魚市場があるので楽しみにしていましたが、行ってみると「え?嘘だろ?」という内容。ところがですね、取り扱い数量は築地に次ぐ世界二番目だと何かの案内に書いてあった。本当ですかねぇ。
日本人は少量多品種、いや違う、多分大量多品種と言って良いくらいなんでもありで、魚の種類だけじゃなくて同じ種類でもピンからキリまでいろいろあるのが普通。エビだけ考えてもどれだけの種類があるか。ところがオーストラリアってそうじゃないんですね。まぁ、世界中からありとあらゆるものが集まるってことはなくて、エビにしても両手があれば数えるのに十分な種類しかないし、市場の中の店はどこも似たようなもので、築地みたいな専門店は皆無。活アワビやサザエさえ売っていない魚市場。
卸市場がこれじゃ地方の魚屋なんてどの程度かすぐに想像が着くわけですが、年がら年中、また何年も同じ顔をした魚があるだけ。これじゃ魚好きはがっかりです。
でも鮭だけは凄いのね。どの市場、どの魚屋、どのシーフードレストラン、どの和食店でも置いてある。回転寿司もそうで、マグロもない鮮魚らしい鮮魚なんか全くない店でも鮭だけはある。
私は子供の頃から鮭好きだったのですが、右を向いても左を向いても、どこにでも鮭が溢れてて、鮭ばかり食べているといささかもうどうでもよくなります。しまいに、鮭を見るのも嫌になってくる。
ところがですね、最近変化が出てきまして、また鮭を見直そうと思うようになりました。こちらで流通している鮭は数種類あって、結構良い物もあるのね。また自宅で塩鮭を作るのも簡単だし(本当は日本伝統の塩鮭とは違うけれど)、今までは「日本流」に拘っていたけれど欧米人の食べ方も真似しようと思うようになりました。
私のオヤジの実家は築地の魚河岸ですし、私も場合によっては魚河岸で一生過ごしていたかもわからなかった環境で育ちましたし、そして当然魚好き。だから傲慢な考え方も持っています。欧米人に魚のことがわかってたまるかと。(笑)
ま、実際にそう思う場面には良く出くわすのですが、ネットの中を見てみるとゴールドコーストみたいな田舎とは違うものも見えてくるんですね。
前にもちょっと書きましたが、まぁ、低温調理繋がりでしかないのだけれど、鮭の低温調理も美味しいと思うようになりました。
例えばこれ。なんと48度での低温調理です。
この温度での鮭料理って私は日本で経験したことがなくて、日本人としてはこれまた「嘘だろ?」と思う部類。でもま、刺し身のように生物は生で、火を通すとなるとしっかし火を通す日本式の鮭調理方法って偏っているといえば偏っていますよね。バリエーションは数えきれないほどありますが、48度で調理するなんて発想が和食、少なくとも一般の日本人にはありませんものね。
この動画の鮭の上に乗せるキャビアは別にして(笑)、こういう食べ方も日本人の食卓に広まったら面白いと思います。
また、新たに見つけたのがなんと40度での調理。40度ってお風呂だとしたらちょっとぬるいくらいです。そんな温度で調理することに意味があるんですかね?ただかなりの濃度の塩+砂糖の液に漬け込みますし、それって鮭のスモークをする時とも似ているようだし、間違いなく水分はかなり抜けて、身はしっかりしている刺し身のようでもあるし、是非そのうち作ってみようと思いました。
欧米人の鮭料理を見ていると、日本人みたいに火を通さないのが多く感じますが、これで大丈夫なんでしょうか。
食の安全という意味ですが、プロの世界は良いにしても、我々が手に入れるレベルの食材で、ましてやもう手が入っていて切り身になっているような鮭を40度とか、48度とかで低温調理するなんて想像しただけでもゾッとします。雑菌が大喜びで大運動会をする温度ですから。
でもそれでも大丈夫なポイントがあるはずで、それは「良い素材を手に入れる」ということではなくて、調理の中にそれがあるはずだと思うのですが、ド素人の私にはそれはまだ発見できず。
でもま、日本人から見ると「半生状態」にしか見えない鮭調理方法がいろいろあるのは興味深いと思っています。こんなのは日本人の調理レシピを見ても一切出てきませんから。もしかしたら鮭料理に関して日本はガラパゴスなのかもですね。
この辺の面白い情報があったら是非教えて下さい。