最近はどういうわけか「健康」がキーワードのブログになっておりまして(笑)、糖尿病と言いますか「血糖値の管理」に関して書くことが多くなっています。
そこで先日、「マレーシア人と同じ食をしていると糖尿病になる?」という日記を書いた所、それにコメントを頂戴しました。
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正直な所、このコメントにはびっくりしまして、ブログでここまで突っ込んだ話が出来るのかと、ワクワクニコニコしながら読まさせていただきました。内容が非常に濃いのです。
ブログってなんだろう・・・って思いながら何年も書き続けていますが、たまにこういうコメントをいただくと、これが私の望んでいるものだ!という思いが沸き起こります。最近のネットってスピード時代なのでしょうか、ゆっくりじっくり話しあう場がなく、昔の掲示板のように話がどんどん深く広く展開していくこともなくなり、ツイッターで代表されるように「KL、なう」みたいな短く一方的な話で終わってしまうのが当たり前になりました。情報が一方通行なのは顕著で、どのブログを見ても読者とのやり取りが非常に少なくなったのを感じます。中にはコメントを受け付けないようなブログも増えている。私はこれが残念でしょうがないのです。私にとってはブログは人と人の繋がりを助けるツールですから。
で、そのコメントですが、ここに全文を転載するより、興味のある方はそのページに飛んで読んで頂きたいと思います。
この方の知識は広く深く、私には到底足元にも及ばないレベルであるというのが一つ。ただ、論点と言いますか、見ている場所が違うのかもしれません。
私はまだ糖尿病初心者で詳しいことはわからないといつも書いておりますが、気になっていることは「なぜ多くの人は血糖値の管理をしないのだろう」という点なのです。この見方が近視眼的であるのは承知のうえで、糖尿病そのものに目を向けて大きな視野でこの問題を考えるレベルには達しておりません。
まず私が感じていることは、例えば事故でも病気でも容態が悪化して救急病院に担ぎ込まれたとします。そこで行われるべきことは、目の前の問題を解決することであって、医者が「日頃の生活環境、食生活を変えましょう」とは言わないんですね。
でも私からすると、糖尿病治療の世界はそういう馬鹿げたことをやっているように見えるのです。
それは何かというと、血糖値を下げることは可能なのに、それを積極的に患者に推奨していないってこと。これは医者によっていろいろ、患者によっていろいろでしょうから一概にいうことは出来ないのでしょうが、私の周りではそんな風に感じます。それは私のGP(ホームドクター)であり、友人の話であり、またネットを含むメディアでそれを感じます。
要は「血糖値を上げるのは炭水化物だけなのだから、それを減らせば良い」という単純な話なのです。そしてそれを推奨する医者がいるのも紹介しました。また、個人的に徹底的に糖質制限をしている人も見受けられますし、炭水化物は減らしたほうが良いね、程度の人はそれなりに存在する。
ところがですね、糖尿病の人は多くいて、私のような予備軍もごっそりいるのに「血糖値が上がる理屈」さえ知らない人が多いんですね。もちろん食事療法で血糖値を下げる努力なんかしていない。私はこういう人がどうして多いのか、それが信じられないのです。怪我をして血がでているのにそれを放置しているように見えます。
予備軍は放置すれば糖尿病になり、糖尿病も放置すれば合併症が悪化し、視力を失ったり脚を失ったり、腎臓透析を受けたりするようになるのにも関わらずです。不思議でしょ?
つまり、救急病院に担ぎ込まれた患者に「生活環境を変えましょうね」と言っているのと同じに思えるのです。そして急患はそれを聞いて頷いている状態。
ネットの中には多くの情報があって、糖尿病や血糖値管理に関して素晴らしい情報提供をしているサイトもいろいろありますよね。その内で私が好きなサイトがあるのですが、一つ紹介します。
血糖値 平均 ← クリック
この方のブログの中で面白い記述があります。このページなのですが、そこだけ引用します。
炭水化物を食べると、血糖値は上がります。ステーキを食べても血糖値はそれほど上がりません。炭水化物を控えれば、ヘモグロビンA1cは下がっていきます。
炭水化物が血糖値を上げるということは一部の糖尿病の方にとっては当たり前の事なのですが、この事実を知る糖尿病患者は果たして何%いるのでしょうか?病院で教えてくれるのは、一部の先生を除いてカロリー制限食だけですからね。
私もカロリーが血糖値を上げると以前は思っていましたので、ご飯(炭水化物)を食べてカロリーの多い肉などをなるべく食べないようにしていました。しかし血糖値は下がりませんでした。普通に炭水化物を食べてましたから、今思えば当たり前です。
炭水化物と言いましても、食物繊維(野菜やこんにゃくなど)はそれほどでもないのです。炭水化物=食物繊維+糖質 ですが、糖質が血糖値を上げるのです。
この記述に、私が感じているこの業界(笑)の異常さが全て書かれていると思うのです。糖尿病であるのに「カロリーが血糖値を上げると思っていた」「病院で教えてくれるのはカロリー制限食だけ」という点。
私の場合、たまたま低インシュリンダイエットを昔から趣味としていましたので(笑)、糖尿病は全く関係のないところで「血糖値を下げる努力」をしてきましたが、その経験がもし無かったとしたら、糖尿病が視野に入った予備軍となった今でも、私のGPが言うように、また多くの医者が言うように、カロリー制限に一生懸命になっていたかもしれないのです。そして、血糖値は全く改善しないという事になっていたはず。そして問題点は、本人でさえも良くわかっていないということは、家族はもっとわからないのが普通だということ。もしそういう家族が毎日の食事を作っていたどうなるんでしょうか。
ただ、こういう考え方に警鐘を鳴らしてくれた、違う考え方があるぞと教えてくれたのが、本日紹介したコメントだということです。
私もそのコメントに返したレスの中で書きましたが、「糖質制限食が良い」という結論は論理的に考えると誰でもが行き着くドツボであるかもしれないとは薄々感じていました。コメントでリフレ派経済学者の盲点を引用してくれたのは非常にわかりやすかったです。(笑)
実際にやってみるとわかりますが、糖質制限食を維持するのは難しいですし、また私のように極端なやり方をすると弊害も出るでしょうし、そして大事な点は(血糖値を低く抑えられても)「それで病状が改善するのか?」ってところだと思います。また、そもそも「どうして糖尿病になるの?」というのが良くわからない。
ただこの議論は、上に書いたように救急病院でする議論ではないと私は思っていまして、まずは「血が出ているのなら止めてみましょう」というところから始まってしかるべきだと今でも思います。
そもそも糖尿病っていつから出てきたのかというと、近代と言って良いようで、昔にはなかった。それは栄養価の高い食べ物が出てきて、過食の時代に入ってからということなのでしょう。また太古の昔には今ほど糖質の高い食物はなく、コメントの中にも引用されていますが、肉食時代のDNAを持っているからそもそも炭水化物には人間が適応できていないという理論があります。だから極論を言うと炭水化物(糖質)を摂らなくても大丈夫という医者も出てくる。それが本来の姿だと。
でも太古の時代から炭水化物があったのは間違いがなく、古代日本人が縄文時代に煮炊きが出来るようになって初めてドングリを食べられるようになったり、コメントに書かれているように「植物が少なかった米大陸でさえも、百合の根とか後者の植物の採取が中心だったと明らかになってきている」。
ですから、何もライオンの様な食生活を送ってきたわけではないという考え方ですね。
ただ、私が思うに、糖質の話になる時にGI値が重視されますよね。そして私は古代においてはGI値の高い、そして栄養満点の食物は無かったと思うんですよ。ドングリもそうですし、百合の根も他の植物もそうでしょう。
ところがある時、ジャガイモが、小麦が、米が出てきてそれの品種改良も進み、益々糖質は増えていった。そしてなおかつ精製して食べる事も覚え、大量生産も可能になった。そして人類は豊かになり大量消費する方向に進む。これと糖尿病の起源と重なると私は考えています。
つまり、毎日何十キロもの葉物を食べるゴリラですが、もし葉物にとんでも無い量の糖質を含む新種が出てきたらどうなるのかと同じことだと思っています。それをゴリラが何十キロも食べるようになったらゴリラも糖尿病になるんでしょう。きっと牛や馬もおなじかもしれませんね。ペットの場合は糖尿病があるのも人間に近いものを食べるからですね。あるいはいくらでも食べたいだけ食べられる環境。
人間は知恵を持っていたがために、自らそういうスーパーフードを見つけ、改良し、大量に生産し、大量に消費するようになったわけですから、自らが引き込んだ災難が糖尿病なのだろうと私は考えています。
人類(生命あるものは皆同じ)の歴史って、きっと飢餓との戦いであったと思います。ですから人間の身体の飢餓対策は何重にもなっているとのこと。ちょっとやそっと食べなくても死なない。ところが過食に関しては全くの無防備、抵抗力がないということなんでしょう。必要以上のエネルギーを取ったら自動的に溢れるとか、脂肪として蓄積しないという能力はもっていない。またそういう能力がないことが飢餓に対する防備の一つかもしれない。誤動作したら大変なことになりますから。
だから人間は食べ続ければ体重200キロ300キロにでもなっちゃうんですね。恐ろしい話です。当然、糖尿病とか様々な問題が起きるわけで、それが豊かになった結果なのでしょう。
つまり、ここから考えると、豊かであることが糖尿病となって出てくるわけで、昔は糖尿病は金持ちしか掛からないなんて言われた時代もあったわけですが(笑)、カロリー制限もし、バカ食いすることもなく、適度の量でバランスを考えた食事が大事なのは誰にでも分かるってことですよね。
で、それを言うのが今の多くの医者だということ。だから決して間違えていないし、糖尿病にならないように、あるいは克服するためには、食生活を見直し、当然運動も必要で、人間の普通の営みを普通にしていれば糖尿病なんかには掛からないし、改善するんですってことだと思います。
でもそれを救急病院に担ぎ込まれた患者に言うなって私は言いたいのです。(笑)
ですから、私としてはやっぱり「糖質制限」はするべきだと思っています。ただこれも程度問題で、私がやるような極端な糖質制限が良いはずもないと思っています。ただ極端と言ってもエスキモーみたいな食事じゃなくて当然炭水化物もとるわけですが、糖質満点のスーパーフードである米、小麦、芋などは無くても良いと本当に考えています。それがないと駄目だというのはDNAでもないし、体質でもないし、思い込みでしかないと思っています。ただし、それは健康な人がっていうことじゃなくて、すでに血糖値に問題があるのがはっきりしている場合です。
ここを勘違いする人も世の中に結構多いのを感じています。何度も書いているように私は趣味で低インシュリンダイエットを長らくやってきました。その代表とされるのは多くの方がご存知だと思いますがアトキンス式と言われるもの。このアトキンス式も長年すったもんだ学会でも一般の社会でも議論し続けられているんですね。これは素晴らしいというコンセンサスはとれていないどころか、駄目だという論者は多い。
でもここで私が感じるのは、肥満なり糖尿病なり非常事態にある人達がどうするべきかという話なのが、いつのまにか一般論として話されるようになっている部分があるということ。
そりゃ健常者がそんなことをするのは馬鹿げていると私だって思いますよ。でもアトキンス博士も、普通の人もそうしろは言っていないんですね。体重200キロもあったらいつ死んでもおかしくないからまず痩せろと。そしてその方法として効果てきめんな方法があるぞというのがアトキンス式のはず。糖尿病での「徹底的な糖質制限」を推奨している医師も同じだと私は考えています。いわゆる救急病院での話であって、一般生活での話ではないわけです。
ですから、私も「糖質制限食」は良いと思いますが、皆がエスキモーやライオンみたいな食生活を送るのが良いと言っているわけでもないんですね。
ただ興味がある人は短期間やってみるのは非常に面白いと思います。生命や人体の秘密に触れる面白さがある。(笑)
そしてそれによって「糖質」の本性、人間の身体の仕組みがわかりますので、そこを出発点として自分流の食生活を構築すれば良いと思っています。
「糖質制限食」の一番の問題点は血糖値が上がりませんから、食べた後の満足感が無いんですね。満腹感もなにか変なものを感じます。またみなさんはシャブシャブの食べ放題に行ったことがありますでしょうか、別に焼き肉でも良いのですが、一杯食べるノウハウってあるんですね。それは急いで食べること。つまり、血糖値が上る前に沢山食べないと満腹感が出てしまって食べられないんですね。あるいは血糖値が上がるようなものは最初に食べないとか。
それだけ血糖値と満腹感、満足感はリンクしているわけですから、血糖値を上がらないようにすると食事の楽しみそのものが無くなる可能性もあるんですね。また私はパスタ好きなのですが、パスタはガンガン血糖値を上げますからパスタを食べるのは毒を食らうのと同じで、本当に悲しくなります。でも米好きじゃないだけ助かっているかもですね。代替品は存在しませんから。
糖尿病の人たちは世界中にゴマンといて、一体何を食べているのかと不思議なのですが、多くの人はこれじゃ駄目だと思いつつ普通に食べているか、あるいは我慢しているのかで、糖尿病に良い食事を満足しながら食べるのは難しいと思います。中にはデリバリで結構良い物があるらしいですが、そんなものばかり食べるのも悲しい。
何かないかとスーパーに行って探してみても、どれもこれも糖分たっぷりで、これって食品メーカーが何らかの意図を持って消費者を攻撃しているんじゃないかと思うくらい。(笑)
でも最近、「糖質制限食」を食べる人たち用の食品があるのも段々わかるようになっていて、あれもこれも手に入れるのは難しいゴールドコーストですが、いろいろ試しています。
その一つが先日書いたコンニャク製品ですが、これも良く考えられていて、「俺はコンニャクを食べている。悲しい・・・」という感じはしないようにうまく作られています。ご飯に混ぜるマンナンヒカリもよく考えたもんだと思います。
また、小麦粉の代替品ですが、これも最近見つけまして取り寄せているところです。パスタもそうで、コンニャクで作るというような明らかな偽物ではなくて、限りなく本物に近い「糖質の低い」ものがあるのがわかりました。これも取り寄せ中。
日本的な発想の「主食」つまり米、小麦、芋はまさに主食ですから一番こだわりたいところでもあるのがわかりますが、私としては、肉類、魚介類にはまるで制限がないこと。そしてバター・チーズも同じであることは救いだと思っています。脂質も同じ。私としてはトンカツも大好物なのですが、トンカツ定食からご飯がなくなったとしても、トンカツそのものを食べてはいけないということではないのは嬉しいです。
ですから、糖質制限と言ってもやり方一つだろうと思っています。また、これは制限であって、ゼロにしようと言うのなら話は別ですが、糖質も全く食べてはならないということでもない。
でもま、結論としてはそんなことを考え悩む必要がないように、生活習慣病にはならないようにまず気をつけましょうってことなんでしょうね。私はそれは賛成で否定する理由もありません。私はまだ境界型ですが、どうにか糖尿病にはならないようにしたいですし。
また余談ですが(まだ続くのかよ~)、最近、私は糖質をカウントすることを覚えました。
タマネギパワーの実験のところにも書きましたが、例えばタマネギの糖質は7.2%だとします。ですから100グラムのタマネギを食べれば7グラムの糖質をとったことになる。ではその7グラムが自分の血糖値をどのくらい上げるかという計算です。
これは人それぞれで平均値なんか見ても全く意味が無いわけですが、このカウントをして血糖値と比べることによって、「今の自分がどれだけ悪いか」がわかるとも思っています。つまり、白米一膳にどのくらいの糖質が含まれているか知るのは簡単で、精白米150グラムとすればれば糖質は大体55グラム。それを食べたらどのくらい血糖値があがるであろうことは経験でわかるようになるんですね。人によっては80かもしれないし、予備軍は160(つまり200を軽く超えるってこと)かもしれないし、重症の人はもっと上がるのかもしれない。
これを調べる癖がつくと、では玄米ならどうなのかとか、お粥はどうだとか、どんどん分かるようになってくるんですね。で、味、量、満足感と照らしあわせしながら妥協点を探すようになれば、私は間違いなく血糖値を低く抑えることは可能だと思っています。
これは野菜でも同じで、前に書いたようにドロドロのスープにした場合と、生で食べた場合とまるで血糖値の上がり方が違いますから、ここでも妥協点が見つけられます。
そして寒天なりサイリウムハスクなり、最近凝りだしたChia seed等、食物繊維を一緒に摂ると血糖値の上がり方が緩慢になる(でも長続きしてしまう)のもわかってきますから、自分にあった食事を見つけることは出来ると思います。
でも血糖値も計らない、好きなものを好きなだけ食べるような生活。あるいはカロリーを減らせば血糖値も下がるんだよね?みたいな知識しかないと死神が喜ぶだけだと思っています。そして全く糖尿病や糖質管理を理解していない家族の存在。これも大きな問題ですよね。我が家にはそういう女性が約一名います。(笑)
糖尿病に掛かってから焦る人が多いのはネットを見てもすぐにわかりますが、予備軍の時点でも安心すること無く、糖尿病になるのを少しでも遅らせ、視力がおかしいとか足の傷がなかなか治らないなんてことになって慌てることがないようにしたいと思います。
で、そういう道のりを書いているのがこのブログです。
どうなりますかね~~~~。(笑)
皆様のお考え、ご意見はご遠慮なくコメントに書いてください。メールでもOK。