生卵の殺菌方法

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海外に出ると生卵が好きな人って結構悩みますよね。日本みたいに生食を前提としていないから安全基準も違うわけで、普通に売っているのだから大丈夫だと思ったら大間違い。

ま、それでも私みたいに「全然、問題なし!」と平気で食べる人もいれば、「やっぱりやめとこうか・・・」と諦める人もいる。

諦めて済むならそれが一番ですが、自分では生卵かけごはんなんて怖くて食べられないのに、和食レストランで出てくる生卵はなぜか平気で食べたり、洋食も同じでポーチドエッグは大丈夫だろうと信じている人が多いのも面白いと思います。

日本では聞いたことがありませんが、海外では「Pasteurized eggs」と言って、消毒済みの卵が売られていますね。マレーシアも同じ。マレーシアはどうだかわかりませんが、アメリカ辺りではFDA(アメリカ食品医薬品局)がガイドラインを出していてそれに沿って生産されているとのこと。

でもそんなのは自分で作れば良いじゃんねぇ。

ということで実験してみました。

まずおさらいですが、サルモネラ菌はどういう環境で繁殖するのか。

0-8度  増殖しないが死なない
8-15度 徐々に増殖する
15-30度 かなり増殖する
30-38度 激しく増殖する   ← ここがピーク
38-40度 かなり増殖する
40-60度 徐々に増殖する
60度以上  5-10分で死滅する
100度   数秒で死滅する

私としてはこれはかなり安全を考えた数値だと感じるし、刺し身や牛のタタキ、ユッケを食べる日本人にはちょっと違和感がなくはないですね。

でもこの表の通りに、60度以上、10分以上で試してみました。

62度。30分。温度と時間的には完璧でしょうが、見た目は温泉卵。これじゃ生卵じゃないですね。

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黄身を割ってみるとこんな感じ。生と同じ。

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混ぜてみます。こうなると生卵とほとんど変わりはなく、食べてみたところ、ズルっとした白身の感触はなく、黄身は濃厚でこの方が美味しいと思うくらい。

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私としてはこれで完璧だと思うのですが、さて、生卵は危険と言われている海外ではどういう風に家で消毒しているのか調べてみました。すると私の想像とは逆で、意外に皆さん生っぽいのを作ってるのね。

60度で3-5分茹でるだけ。あるいは室温の状態から水から火に掛けて60度に達したら火を止めて取り出して冷やす。決して60度を超えてはならないと書いているサイトもありました。それは白身が白くなるからだろうと思います。

60度で5分茹でてみました。生卵と全く同じ状態。でも茹で卵。(笑)

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崩してみます。生卵との違いは全くわかりません。

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これならいいですねぇ。これは決して生卵ではなくて、生卵に見える茹で卵。(笑)

でもアメリカ人がこれで良いと思うのがちょっと不思議で、サルモネラ菌をやっつけるのに60度で5-10分だとしたらこれじゃ駄目ですよね。60度に5分しか浸けていませんし、内部温度は多分50度にも達していないんじゃないでしょうか。

ただし、サルモネラ菌が付くのは殻であるのがほとんどで、卵の中に入っていることは非常に稀であることを考えるとこれで良いのかもしれませんね。

私は生卵を海外でも平気で食べるタイプですが、歳も歳ですし(笑)、マレーシアに行ったら自分でつくろうと思います。その時にやるであろう方法は

○ 最初に熱湯をかける(これで瞬時に表面のサルモネラ菌は死ぬ)
○ その後すぐに60度のお湯で5分以上茹でる
○ 出した後は流水で温度を一気に下げ冷蔵庫で保存

これで大丈夫だと思っています。低温調理器なんて必要なくて、数百円で売っている調理用の温度計があればOKですし。

それと大事なことは、サルモネラ菌は表面に付いているのが普通ですから卵の取り扱いに注意することですよね。生卵は食べないにしろ、生卵を手で触ったり、まな板の上に乗せたりしたらアウトってことになりますから。オーストラリアでは手に入りませんが、消毒用アルコールがあれば一吹きでサルモネラ菌は死ぬんですってね。ですから生卵を買う限り、サルモネラ菌がいれば手についたりしちゃいますから消毒用アルコールは必需品かも。

ま、細かいことに気を使う私ではありませんが、東南アジアはやっぱり怖いですから多少は注意しようかと。 (笑)

ちなみに私がどうやって温度管理をしたかというと毎度の低温調理機を使いました。Anovaという低温調理機で非常に気に入っています。

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実は今回の実験をしようと思った切っ掛けはこれです。タコ(笑)。日本で製法特許が取られている通り、オリーブオイルにつけて冷凍しておいたものを茹でました。

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どうせタコを茹でるなら生卵も同じ温度、時間でやってみようと思っただけです。

62度で30分。マジに最高の茹で上がりでした。決して生ではないし、そして柔らかく、歯切れも良し。タコって沸騰したお湯で茹でるべきものだというのは単なる思い込みだったようです。

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