契約社会も結構ややこしい

オーストラリアは契約社会。そんなことはわかっていてもやっぱり我々は日本的慣習、価値観を持っていてそれが基本にありますから、どうにも理解不能なことが度々起こります。

今回の引っ越しもそうなんですが、ユニットはフルファーニッシュトでそれこそスーツケース一つで来ても生活できるように、何から何までフォークナイフのたぐいまで揃っています。

ここで何年か過ごせば、そりゃ無くなるもの、壊れるもの、経年劣化するものがありますが、これをどうするべきか?

我々としては古くなったもの、壊れたものは捨てるわけです。そして新しいものを買う。

でもこれってフルファーニッシュトの場合、勝手にやるとうまくないんですね。でもベッドリネンでも枕や枕のプロテクター、枕のカバー、シーツ、ベッドプロテクター、掛け布団、そしてそれのカバーとかどんどん汚くなりますから取り替える。で、5年住んだユニットにあったものは安物ばかりですから、リネンも化繊じゃなくてコットンのものとかそこそこのものを買うわけですよ。羽毛布団も買うし。

でも引っ越しの時にはそれらはまだ使えますから持っていくわけです。

では、捨ててしまったものは?

シーツだけは消耗品扱いのようですが、枕じゃ掛け布団じゃは、そのユニットの「オーナーの資産」なんですね。それがたとえ汚くなろうと古くなろうと、それを捨ててしまったら「その補填の責任はテナントにある」。ま、当たり前って言えば当たり前なんですが、なんかそのへんが良くわからなくて、今日は補填用のリネンを大量に買ってくるはめになりました。クイーンサイズX1、ダブルX1、シングルX2のリネンのほぼ全てを買ってきました。

ま、それはそれでしょうがないのですが、マネージメントの話を聞いていますと、我々が古く、汚くなったものを捨てずに、「取っておけばそれで良かった」ということなんですよ。

なんか変でしょ?

もちろん黄色くなった枕やシミが付いた掛け布団なんてのは買い換えなければなりませんが、ぱっと見た目で大丈夫ならそれでOKなんですね。

ということは、我々が入居した時点、新しいユニットもそういう物が置いてあるってこと。怖いですね~~。(笑)

今回は備え付けのリネンは全てまとめて倉庫に入れましたから、退出するときにはそれを戻せば良いということになりますが、誰がどんな使い方をしたのかわからないリネンを使うってどうもピンと来ません。

備え付けの電化製品も安物ばかりですから、電子レンジなんて回転皿の下なんかボロボロでサビが出て来るわけですよ。でもそれを捨ててしまうと、我々が出るときに買い足さないとならない。でもボロボロの電子レンジをそのまま取っておいたらどうなるのかと思いますが、これは経年劣化ということでオーナーが新しいのを入れる。でも我々のように捨ててしまっていたら、我々の責任で買って置いて出なければならない。

ボロボロの電化製品ということでは「コーヒーメイカー」がありました。本当に安物で、一度も使っていませんが経年劣化で全体にサビが出てしまっていて、そんなものキッチンに置いておくことさえ嫌なわけですよ。でもなぜかそれは捨てませんでした。本当にボロボロでゴミ捨て場から拾ってきたのか?みたいなコーヒーメイカーですが、それに関しては何も言われませんでした。でもこれを捨ててしまったら、新しく我々が買って出て行かなくてはならない。

こういうことも契約書にはちゃんと書いてあるんですね。でも日本人的感覚だとどうもなんか変な感じがしてしまいます。

古くなったら捨てて、新しいものを買って、退出時にはそれを置いて出るのもアリなんですが、籐の椅子とか飾り物は劣化が酷いですからやっぱり捨てちゃうんですね。でもあえて新しいのを買うわけでもありませんから、退出時には新しいのを買わなければならない。それらのものはオーナーの資産ですから我々が勝手に処分できないのは当たり前で、処分したら弁償しなくてはならない。たとえどんなボロボロになっても。(笑)

それと話は変わりますが、マネージメントオフィスに行った時に、あるご婦人が大声で泣きわめいていました。

嫌でも話が聞こえるわけですが、彼女は気に入ったユニットがあったのでそこを借りようと思っていたんですね。

1 アプリケーションは出した。
2 ところがIDが無かったので、来週の金曜日には持ってきてくれと言われていた。
3 彼女がIDを持ってきたのは水曜日。
4 その時点で、彼女の気に入ったユニットはもうすでに他の入居者が入ってしまっていた。

ここで彼女はブチ切れたんですね。金曜日で良いと言われて、水曜日に来たらもうそのユニットは他の人に貸してしまったとはどういうことだと。また彼女は娘と一緒にそのユニットに入るつもりで、娘は現在住んでいるユニットを解約してしまい、また彼女はそのユニットのために家具も買い揃えたと。で、順調に約束の日に入れるかと信じていて、事務所に来たら、もうそのユニットは無いと言われた。

まぁ、そのご婦人の切れ方は半端じゃ無いのですが、事務所のスタッフの対応も凄いんですわ。一切、自分の非は認めないんですね。何も助けることは出来ないから帰ってくれと言うんですわ。そうこうしている内に、事務所のお偉いさんが出てきたのですが、この人もはっきり言う人で、アプリケーションにはIDがなかったので受理されていない。他の人が申請して、すぐに入居したいというのでその人を優先したと。もうどうにも出来ないから帰ってくれとビシっというのですが、ご婦人の方は収まらずに泣きわめくだけ。

これってどっちもどっちですよね。IDがなかったのでアプリケーションは受理できないわけで、でもIDは金曜日で良いとスタッフは言ったのは間違いがなくて、そのご婦人は水曜日に来ているのだから、自分にはまるで落ち度がないというのがご婦人の理屈。

ところがこのご婦人は「アプリケーションとはなにか」を理解していないんですね。アプリケーションは申し込み書でしかなくて、賃貸契約ではないわけです。またそのユニットに入りたい人が複数いれば、誰を選ぶのかはオーナーの権利ということらしい。だからもしアプリケーションを出した時点でIDがちゃんとあった場合、それは受理はされてもでは彼女が入居できるかどうかはわからないわけです。でも彼女は入れるものだと勘違いしていた。

もうそのユニットには違う人が入っていますからどうにもなりませんが、事務所の対応もひどいと思いましたよ。「では他の部屋は?」とか、「今回のことは残念でしたね」なんてことも一切言わず、「金曜日で良い」と言ったことには一切触れず、「ダメなものはダメ」と一歩も譲らない。

こういうことも「アプリケーションとは何か」「契約まで辿り着くまでに何が起こりえるか」「契約はどうなるのか」そういう知識がまるでないと、結局は自分がババを引くってことなのだろうと思いました。

でもコンドミニアムの賃貸契約なんて、そりゃ事務所の人間は毎日の業務でしょうが、普通の人はそんなのは知らないのが当たり前。でもその大事なポイントを説明しようとはしないんですね。またアプリケーションを出した時点でも、今後どういうふうな流れになるかの説明もしていないってことなんですね。でもそれがあったとしても所詮、言った言わないの世界であって、「アプリケーションにはなんと書いてあるのか」「契約書に何が書いてあるか」が全てなんですね。

あんな細かい字で色々書いてあることを読まないのは読まない人の勝手で、自分の知識がないこと、勘違いしたことを相手に言っても全くダメ。

それと思い出すのは、次男坊が自動車を買おうとした時のことです。

1 シドニーで就職が決まり、通勤のためにも自家用車が必要なのでシドニーのカーディーラーに行った
2 気に入った小型の新車があったので、「ローンが下りれば買うとセールスマンに話した」。
3 価格の折り合いが付いたので、売買契約書にサインをした。
4 その場で、ローン会社と手続きをしようとしたところ、ローン会社は「お金は貸せない」との結論を出した。
5 ローンが下りないのでこの車は買わないとセールスマンに言ったところ、「貴方はもう売買契約書にサインをした」という返事。
6 ローンが下りるなら買うと、最初に条件を出したはずだと次男坊が言ったものの、そんな証拠はどこにもない。
7 セールスマンは「貴方でもおりるローンがある」と高金利のローンを紹介してきた。
8 高利貸しみたいなローンなので次男坊はそれを拒否し、私に電話で泣きついてきた。(笑)
9 (冷たい私は)これも次男坊の社会勉強だと思い、自分にある「甘さ」を一生忘れないためにも、自分で解決しろと突き放した。
10 次男坊は友人知人にお金を借りまくり、自動車はキャッシュで買い、その後、妥当な金利を付けて友人知人に返済した。

ま、こういう筋書きなんですが、シドニーで就職した次男坊の会社は大手ではあるものの、初めての就職で、それも数ヶ月しか働いていないんですからローン会社もOKを出すはずがないんですね。でも次男坊はローンとはそういうものだとは知らなかった。

ディラーのセールスマンもいい加減なやつで、商談の最中にローンは下りないであろうことは想像がつくはずなんですね。でもそれは自分の利益にならないから言わない。でも本来なら、ローンが下りないのがはっきりした時点で、「では、これは無かったことに」と契約書を破けばそれで一件落着なのにそれはしなかった。

日本的な考え方ですと、セールスマンに頭を下げれば済む話のようですが、そのセールスマンは契約は契約だと突っぱねたわけで、なんとも私には恐ろしい話だと思います。22歳のガキだと思って舐めているんでしょう。私も次男坊と同じ年頃の時に、やっぱり車関係で私が売った車の代金を手形でもらい、それが不渡りになり悔しい思いをしたことがあります。もうそんなのは最初から仕組まれていたのに、なーーんにもわからなくて相手を信用しちゃうのね。

契約書に気軽にサインしたら大変なことになるかもしれないのは当たり前ですが、逆にちゃんとサインもしなければ「自分の権利も発生しない」わけで、チャンスも逃す。

ま、当たり前といえば当たり前なんですが、「お客様は神様」ではない国ではほんとうに自分がしっかりしないとどうにもなりませんね。ゴネればどうにかなるってわけでもないし。

でもオージーはこういう時に、うまく自分のミスをカバーして自分の良い方へ持っていく術を知っているのだろうと思います。契約社会とは言いつつ「契約は契約だけど・・・」というアローワンスや逃げ道、対処法があるはず。

でも私はそういうことも全くわからず。な~んも知らない旅行者と同じ。(笑)

今まで仕事上でも私生活でも問題らしい問題がなかったのはただのラッキーだっただけかもです。

ああ、あるこちらの古くからの知人を思い出しました。彼は新しくビジネスを始めるために店舗を借りました。ところが業種に問題があって、同業他社から何百メートル離れていないとならないという規則を知らなかった。ですから店舗は借りたものの営業許可が下りないんですね。ところが彼いわく、不動産屋にもオーナーにも自分が何の商売をするかは言ってあるし、問題がないと言われていたと言うわけです。

この主張にはなんの意味もないんですね。うまくやられちゃっただけ。本来新たなビジネスを始めるのなら、場所のことも含めて弁護士に相談するべきなのに彼は弁護士費用をケチった。それが後のとんでもない額の損と時間の浪費につながった。その彼は、その前のビジネスでも同じようなことをして失敗した経験がありました。かなり大きく有名な店をやっていたのですが、商品の供給元との契約に誤解があった。そして彼は多額の違約金を支払うことになり、その大きな繁盛店も閉鎖。これも弁護士に契約を精査してもらっていれば防げたことなんですね。世の中を甘く見て、弁護士費用を二度続けてケチって、二度同じような目にあった。

いろいろと契約上での問題があって、ビジネスを締めざるを得なかったなんて話は他にもきいたことがあるんですが、まさか・って本人はいうのね。でも相手が善人だという前提がそもそもおかしいのであって、時限爆弾のような内容がその契約の中に埋もれているかもわからないわけで、やっぱりそれなりのプロの手助けが必要なケースって結構あるんじゃないですかね。

契約って双方の利益のぶつかり合いを調節する為でもあるはずで、相手が持ってきた契約書にサインするかしないかじゃないんですよね。相手の契約書を元にして、削るところは削り、自分が足したいことは足して、そして双方納得がいけばサインをするわけで、そのままサインしたらうまくないってことは普通にあるんじゃないでしょうか。相手も削られるのを承知のうえで書いて来る内容もあるはずで、「日本人って不思議な連中で、そのままサインしたぜ」、なんて街の噂になっていたりして。

 
 
 

     
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