自宅を叩き売る実況中継をしていますが、本日、売買契約書にサインしました。
せめて1日2日じっくり考えようと思いましたが、考えたところで条件が良くなるわけでもなく、しょうがないかと。
問題は売値ですが・・、私がこの金額なら良いなぁと思っていた金額と比べると6掛け。絶対に死守したいと思った金額よりまだ1割低い数字。%で言えばたったの1割ですが、金額で言うとマレーシアで数年間は生活できる額ですので、やっぱりため息が出てしまいます。orz
でもま、自分が思う金額なんて勝手に考える金額でしかなくて、市場がどうなっているかは関係ないんですね。多分、もう少し上乗せすることも可能かもしれませんが、私としては早く決着を付けることを優先しました。
ただ、売買契約と言っても日本とは随分違う様で、「条件付き」なんです。それはシロアリであったり家に大きな瑕疵があった場合には買主に契約破棄する権利があります。また、買主の要望として、最低限修理して欲しい場所、それは雨漏りですが、それをこちらの費用負担で修理すること、またエアコンが正常に動くことなどがありました。なんでエアコン?と思いますが、我が家は床面積が1200平米の3階建てですから、エアコンが壊れているだけで大変な出費になるからなんでしょう。
それプラス、日本では考えられませんが、買主が銀行からの融資を21日以内に受けることが出来た場合という条件があります。つまり買主が融資を受けられなかった場合は白紙に戻ります。でも21日後に全て順調に行けば、そこからは「アンコンディショナル」つまり条件なしでお互いが契約履行しなければならないようになる。
日本の感覚で言う「契約完了」はこの時を持って契約完了と考えるんじゃないでしょうかね。ですから今の時点では「覚書」あるいは「合意書」という感じでしょうか。でもこちらではこれを契約と呼びます。
そしておまけがまだ付きます。引き渡しは150日以内ということ。これを決めるのは買主で、30日になるかもしれないし100日かも知れないし、でも150日以内ということ。随分先の長い話だと思いますが、それを我々が受け入れたくなければ、契約書のそれが記述されている場所を二重線で消して、30日とか60日とか数字を入れて、また相手に渡してネゴシエーションが始まる。もしそうした場合、30日では無理だと買主が判断すればそこで契約はお流れになります。
今回は買主がサインして送ってきた契約書の一部だけ、二重線で消してこちらの要望を足しました。それは契約時の手付金はそれはそれで良いとして、21日目の契約がアンコンディショナル、つまり条件変更ができなくなる時点で追加の手付金を入れて欲しいと書いたこと。
こういう二重線で変更をした瞬間に、その契約は保留となり、買主が変更内容を承諾し、その箇所にイニシャルを入れた時点で契約完了となります。もしその我々の要望を受け入れたくなければ契約はお流れとなる。
日本ですと手付金は1割ぐらいですか?こちらではそういう慣習はないそうで、でも大体5%ぐらいが普通だとのこと。でも買主が提示してきた数字は2.5%ぐらいでしたので、常識的な5%にして欲しいとこちらかの要望を出したという形。またこの手付金は我々の手には渡らず、弁護士が持っているような「信託口座」に振り込まれ保持されます。我々がこれに触ることが出来るのは明け渡しが完了した時。
こちらの不動産売買契約は日本に比べると買主有利に感じます。例えば、引き渡しが済む前に「やっぱりやめた」と思った場合、買主はその手付金を放棄すればよいだけ。5%です。しかしもし我々売主が解約したい場合、日本では手付金の倍返しということだそうですが、こちらではそういう慣習もなく、裁判になるとのこと。つまり売主の契約不履行によってどのくらいの損害がでたのかを裁判で争う形になるそうです。
しかしまぁ、やっぱりこちらはなーんにも知識がありませんし、信用できる不動産屋さんに間に入ってもらわないと何もわからないと思いました。契約書は10数ページありまして、色々と書いてありますが、一体どこがポイントで気をつけるべきことはなんなのかもわからないわけで、契約書に書かれたことは理解できるにしても、こういう場合、ああいう場合はどうするのかとか、そういうイレギュラーのことが起きた場合のことがわからないんですね。日本人の習慣として「客にはちゃんと細かく説明する」というのがありますが、もし通り一遍の説明ですと、後に何かあった場合は非常に困ることになるはず。
もちろん弁護士も通しますし、安く上げるには司法書士だけで経費も1000ドル以下ですが、万が一のことを考えますと、数千ドルの弁護士費用をけちるわけにはいかないと考えています。
不動産の仲介手数料ですが、一般的には2.5%を売主が支払い、買主は一切支払う必要がありません。
海外不動産を売買するときに我々が注意しないとならないのはこの仲介手数料で、こちらでは売主のみが払うような法律になっています。また上限も決まっていて、それ以上をチャージするのは「法律違反」となります。でもオーストラリアに限らず、マレーシアもそうだと思いますが、日本人の客の場合は買主、あるいは借り主にもチャージしたり、他の名目を付けて法定金額より高い手数料を取るのが常態化していますよね。
オーストラリアでも、かつて不動産ブームの時に不動産視察ツアーで多くの人が来ていましたが、成約した場合、オーストラリアでは買主には手数料を払う義務がなくても、日本に拠点を持つ親会社が数%をチャージするなんてのが普通でした。これは売買でも賃貸でも同じ。
でも法律違反だとしても微妙ですよね。実際には通訳が必要だったり、いろいろ手間暇が掛かりますし、本来は売主が払うべきの広告も不動産屋の負担で出すわけですから。でも法律は法律で、その費用の中には買主にチャージしてはいけないものが入っている事が多い。
でもそれを払っても良いと思うのが日本人だし、そういう仲介を手取り足取りやってくれる人がいなければ売買も賃貸もできないとなれば、しかたがないのだろうと思います。でも自分で不動産屋を探し、普通にやれば、そういう経費は一切かからないわけですがやっぱり何か変ですよね。でも法律で定められた以上のチャージは一切せずに、日本人向けのサービスをちゃんとする業者もいるわけで、大きな金額を動かす場合にはそういうところにお願いするのが良いと思います。
それじゃ業者は利益が出ないなんて業者側の言い訳があるのでしょうが、それを本来払う必要のない買主、借り主が、「そのとおりですね」というのはなにか間違えていると私は思います。オーストラリアでは中国人による不動産投資も多いようですが、その場合も、買主のエージェントが入っていることが多く(買主はいちいち物件を見にも来ない)、その場合はそのエージェントに売主が別個に2.5%払うのが常識だそうです。つまり2.5+2.5で5%の手数料となる。でもそういう手数料が法的にどうなのかはわからず。本来は買主のエージェントなんですから、買主が払うべきものですよね。売主はその分を上乗せしていればよいですが、誰が買うかもわからないのに上乗せした価格を提示するのもおかしなもんだと思います。買主が中国人ではなかった場合はその分、割り引くのかな?なんて思いますが、オークションだったらそうもいかないでしょうし、素人にはわからない摩訶不思議な業界です。
しかしまぁ、トントン拍子で進んでいるのには私もびっくりです。自宅が売れてからマレーシアに行くと決めたのは2009年?リーマンショックの影響で今の今まで引きずられていましたが、安くても売ろうと決意したのは先月の末でした。それから3週間もしないで一応の契約。今まで待ったこの6年間ってなんだったのか。またあの時に叩き売っていたらどんな価格だったのか・・・・
やっぱり今まで待ったかいがあったと考えることにします。 (笑)
順調に行けば、来年の1月に明け渡し、現金の授受が行われるスケジュールですが、どうなりますかね。もうこれ以上引きずりたくないので、是非とも順調に行って欲しいです。あとは神様にお預け。
問題もなく、スケジュール通りに動けば、年明けには我々はマレーシアの住人となります。
実況放送、終わりっ。
余談ですが、コンドミニアム投資に関して聞いてみました。前に借りていたユニットですが、結局61万ドルで売れたとのこと。これは有料データベースにアクセスするとわかるのですが、安いと言っていました。
そもそもコンドの投資ってどうなのかですが、今の時点では週のレントの100倍ぐらいが相場だそうです。レントはコンドの価格の100分の1。前のコンドは週に660ドルでしたので、年間52週として34320ドル。マネージメントに支払う経費は7.5%が平均値だとのこと。ですからオーナーの手取りは31746ドル。ただしコンドの共益費、固定資産税が概算で8000ドルぐらいで、純益は23746ドル。これを実際に売れた額から計算すると、利回りが3.9%弱となります。
そして当然、これには所得税がかかってくるわけです。総合課税ですから所得の多い人は半分持って行かれますし妙味がなさそう。
私としてはたったの3.9%かと思いましたが、これは良い方だとのことで、だからコンドが61万ドルで売れたのは安いということなんですね。今現在の銀行の定期預金は3%ちょいぐらいですが、かつては定期の利率よりもコンドの賃貸利回りは低く、銀行の定期に入れておいたほうが良かったとのこと。そういう意味ではゴールドコーストの賃貸不動産市況は回復に向かっていて、それに引っ張られて売価も上がっていくのでしょうが、私から言わせるとまだまだ全然ダメという感じがします。
かつては定期でも10%付いて、債券でも7%で回る時代が長い間続きました。それが今では3%そこそこ。なおかつそこから税金を払うわけで、投資だけで生きるのは非常に難しい国。でもこれは世界的な動きで、どの国もお金を刷りまくっていてお金はジャブジャブ余っていますから、以前のように戻るにはかなりの時間がかかるんでしょう。でも利回りが良くなれば恐ろしいインフレが待っているということであって、結局、投資で生きるなんてのはドラマの世界でしかないと思っています。ジジババで老い先短い身ならインフレ分は考えないとか、最後は使い切るなんて考えることもできるのでしょうが、若い世代で子育てもしないとならない、自分もまだ40年も50年も生きると仮定した場合、いくら金があっても生き残るのは難しいと思います。
私は若い頃から年金を馬鹿にする傾向があって準備を怠ってきました。オーストラリアに住んで24年、日本の年金を受け取る権利はありますが、その額は年間、年間ですよ、30万円程度。
今後は寝たきりになろうがボケようが、死ぬまで稼ぎ続けなければなりません。ハァ・・・・・・気が遠くなります。