ここのところ、ローストポークベリーを作っているのは書いてきたとおり。そこで読者から頂いた、プロのやり方を模倣し、それもうまく行った。
でも前回、量が多くて、残ったものをどうしようか・・。角煮にでもしてみようかな、と軽い気持ちで煮込んだんですよ。それは昨日の話。
今日、それを食べました所・・・、なんじゃこりゃ~~~と思うくらいの出来上がり。
美味しく出来上がっていました。
ただ、私がいう美味しい豚の角煮って味付け重視じゃないんです。味付けなんかって言っちゃ駄目ですが、そんなのは好きな様に味をつければ良いだけですが、私の望む「柔らかい肉の状態」ってかなり難しいんですね。今までも試行錯誤してやっとどうにかできたというのは過去記事に山のようにありますが(笑)、今回は軽い気持ちで作ったのが非常にうまくできました。
私の狙う角煮ってかなり柔らかいもので、もしかしたら一般常識とは違うかもしれません。そもそも今まで食べた角煮で、美味しいと思ったのはある中華料理屋(五反田にあった上海苑)の角煮で、それを食べてからは他のものは全て違う!と感じるんです。
とにかく柔らかいんですよ。箸で持つのも難しいぐらい。でもドロって溶けた感じでは当然無いわけで、どうやったらあの感じが出せるのか本当に苦労してきました。
でも昨日、残り物で作った角煮がほぼそれに近く出来上がったんです。
どういうふうに作ったかといえば
◯ 豚バラのブロックを70度で8時間、低温調理。
◯ それを冷蔵庫で保存。
◯ 切り分けたものを自家製タレの中で1時間ほど弱火で煮込んだ。
◯ そのまま一晩放置。
◯ 温めなおした食べた。
これだけなんです。ただし、使った豚バラブロックは、今までにも角煮ならこれがベストと何度も日記に書いている下っ腹の部分なんですね。
豚バラにいろいろ部位があるのか?なんて思う人は研究が足りないですよ~~。(笑)
豚バラと呼ばれて売られている部分ってそれなりの広い範囲で、それは豚バラを見るとすぐわかるはずなんです。触ってみてもわかる。皮が固く厚く、肉も厚いのは豚バラにすると柔らかく仕上げるのは難しいと私は思っていて、でも皮が柔らかく肉厚も薄いもの、つまり下っ腹なんですね(子豚も良いのかもしれない)。シワが寄っていたり乳首がついているような部位です。これは調理すると柔らかく仕上がるのがわかっています。
スロークッカーで角煮を作ると簡単だという人は多くいますが、それも納得できました。ただ、スロークッカーは温度調節が適当で、いつかは沸騰するんですね(機種にもよるでしょうが)。つまり低温調理とは関係なくて、「ただゆっくり加熱する」のがスロークッカーなんですね。だから時間を掛けすぎれば沸騰した状態で長時間さらすことになりますから、肉質はそれなりになってしまい、圧力鍋で作った時みたいに「全体的には柔らかいのだけれど肉の繊維は硬い」みたいになる。時間が短ければそれは全くアウトなわけでお話にならない。
やっぱり低温調理は面白いわ。
プロの世界ではコンベクションオーブンを使うのが当たり前で、温度も湿度も時間も好きな様にコントロールできるんですね。
プロの方から頂いたプロの現場の作り方をここにまた書いておきます。これは角煮ではなくてローストポークベリーですが、これを素材として角煮にすればOKってことじゃないでしょうか。
私の職場ではコンベンションオーブンで70度、湿度100%にして6-8時間、大量にスチームして、重しをして一晩寝かせます。次の日に長方形に切って冷蔵保存しておきます。端切れや皮に皺がよっているものは除けて別の料理用に使います。オーダーが入ったら、軽くフライヤーで周りをカリカリにして、鉄板の上にオーブントレイを乗せて、塩と油を敷いてジリジリと皮目を焼いてからサーブしています。
前にもちょっと書きましたが、ちまたでは低温調理のやり方を書く人が多くいます。私もその内の一人ですが、ほとんどが素人の思いつきでしか無いんですね。ですが、ちゃんとした低温調理法を探そうと思ってもなかなか難しいんですよ。そんな時には「コンベクションオーブンの使い方」で検索するといろいろ出てくるのね。何度で何分とか。私はそれを基本に考えるほうが勉強になると思っています。
ただし、気をつけないとならないのは病院とか学校で作るような場合のレシピもあるってこと。つまり安全を考えた規制に則っているとか、「味は二の次」みたいなのもあるわけですよ。とにかく「大量に安定して作るのを目的」としているのが見え隠れして、それって味的にはどうよ?と思うものもあるんですね。でも私を含めた素人のうんちくをいくら聞いても、ポイントってわからないのね。
ですから私の場合は、タンパク質が固くなる温度は何度か?脂は?コラーゲンは?時間との関係は?とかそういう科学的な根拠に則って考えるようにしています。でもこれも勘違いが多くてなかなかうまくいかず。orz
でもやっぱり低温調理って面白い。これに出会ったキッカケってなんだか忘れましたが、出会いに感謝しています。
Let’s enjoy Sous Vide life !!