リベンジで手間ひまかけて【保存用】「ビーフストック」を作ってみた

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世の中にある化学調味料とか旨味調味料って本当に凄いですね。私は味の素も決して好きではないけれど嫌いでもなくて、「絶対ここは味の素が必要」なんて思うこともあるぐらい。(たとえば鶏手羽の焼き鳥とか 笑)

でもねぇ、牛関係ってなぜか全滅だと思います。鶏は鶏粉でもキューブでも液状のもの、あるいはチキンストックとして売っているものを使っても大きな問題はないと感じるのに、牛関係はなぜかアウト。今まで様々なインスタント物をトライしましたが「良いじゃん?」なんて思うのはなく、市販のビーフストックを使う年月が長くありました。

これね。

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ところがとうとうこれも「不味い」と思うようになって、結構困っています。日本のインスタント物てカレールウみたいな「ビーフシチューの素」があるじゃないですか。あれも同じ「変な味」を感じます。でもなぜか「ハヤシライスの素」は大丈夫。なんなんでしょうか。

きっと味の素や鶏粉みたいに「化学調味料」「旨味調味料」があって、それが世界中に広まっていてそれと私の相性が悪いのだろうと思います。味には五月蝿いヨメさんや息子も文句は言いませんし。家族の中で一番「ベロの性能」が悪い私だけが文句をいう状態。

でもま、この数ヶ月間、ブログにもいろいろ書いてきましたが、牛の骨、牛肉を使ってスープを取ることが非常に多くなってきていて、特にベトナムのフォーなんて一番気を使うぐらいなわけですが、そんなのを食べている内に「インスタント物」の味に強く反応するようになったんだろうと想像しています。

これって実は悲しいことで、化学調味料だとしても「美味しい」って感じるほうが幸せだと思う、私。

肉関係って、インスタントを使わないかぎり恐ろしい時間と手間がかかりますから、和食みたいに「昆布で~~」とか「鰹節で~~」てなわけにはいかない。特に牛はスープを取るだけで最低半日は掛かりますから。

でも残された道が一つある。それはスープストックをしっかり作って、それを凝縮させて冷蔵、あるいは冷凍保存する方法。

これをやるっきゃない。

ただしそれを作っても洋食だけにつかうわけでもありませんから、洋食としてのビーフストックではなく、非常にシンプルで汎用性がある「ビーフボーンストック(牛骨のスープ)」を作ることに。

用意したのはまずマローボーン(骨髄の入っているだいたい骨)と関節。

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これをオーブンで230度で45~60分焼きます。

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そしてこれも。牛の首の骨。肉が結構付いていてこの首の骨を使うと「生け贄」の牛肉は無くても良いので助かります。(笑)

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これは230度で30分くらいかなぁ。

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脂がかなり出てきますが、それは捨てて、バットに残ったこれ。これが大事なんですね。

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旨味成分がしっかり詰まっていますから、このバットをコンロに掛けて火を付け、お湯を入れてお掃除。当然それを骨と一緒に煮込みます。洋食を作るとしたら、私はここでお湯ではなくて赤ワインをたっぷり入れます。そして煮詰める。

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ここで手抜きをしました。これらの骨とミレポア(玉ねぎ、ニンジン、セロリ)を一緒に煮込みますが、いつもはミレポアもしっかりキャラメライズさせて焦げ目をつけるのですが、それは省略。そのまま大きめのぶつ切り状態で鍋に投入。そして骨も投入。火に掛けます。

これは洋食用だけに使うわけじゃありませんから、ちょっとオマジナイで日本酒を入れただけで、一切の調味量、ハーブ類も入れていません。塩コショウもなし。

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水を目一杯入れて強火に。そして湧いてきたら火を弱めてシマー状態を保つ。いわゆるコトコトというやつで絶対に煮立たせない。煮立てると乳化してスープも濁りますし、油分は無いほうが良いし。

私のコトコト、シマー状態ってこんな感じ。これでも火が強いくらいでこれ以上火を強くすることはまずありません。

このまま延々、8時間は煮込みます。

煮込んでいる最中ですが、アクはこまめに取ります。でも最初だけで途中からはアクは出てきません。油ですが、これはさほど気にすることはなく、あとで「全て」浮いてきますから綺麗に取るのは可能ですし、冷蔵庫にでも入れておけば油は固まって簡単に取れる。心配無用。

でも作業開始は夜でしたので、寝る間は蒸発を防ぐために蓋をしました。でもやっぱり心配した通り、途中でチェックしたところコトコト状態が(若干)ボコボコ状態になっていた。(T_T)

しょうがないですね。蓋をすれば熱が逃げづらいので当然温度が上がる。スープを乳化させる時に「蓋をしろ」というのはこのことなんですね。火を強くしてボコボコやっても同じで、水分と油分が混ざって乳化する。

次の日の朝、今日ですが、そこそこ良い感じになっていました。粗熱を取ってから、次の作業に。

骨じゃの肉じゃ、野菜類を取り出してみました。すごい量です。我が家の一番大きなボウルに目一杯。

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スープはこれっぽっちしかありません。8リットルの鍋ですが、スープは2リットル以下。これはこれで綺麗に油を取り、濾して煮詰めていきます。

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さて、大量の廃棄物をどうするべきか?骨と野菜は捨てますが、結構な量の肉も捨てちゃう?

食べられそうなところだけ別にしてみましたが、肉だけでドンブリにいっぱい。

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ちなみに骨だけはこの量。我ながらあらためて見るとびっくり。

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肉を食べてみますとよ~く煮込んだ肉にはなっていますが、味が抜けてちっとも美味しくない。でもちょっと塩をかけたら美味しいのでこれはこれで使うことに。(笑)

でもいかにも捨てちゃうようなスジ肉を煮込んだのと同じ。さて、これを不味そうと思うか、美味しそうと思うか。ゲテモノ食いの私としては後者の方。

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そういえば、いつも見ているユーチューブの料理レシピですが、好きな料理人がいるんですよ。彼は作りながらいろいろ話をするんですが、昔のフレンチはニンニクは一切使わなかったとか、出汁の為に煮込んだ肉も一切食べず、それらは使用人と言いますか彼の言葉で言えばPeasantが食べたと。

私はニンニクも好きだし、ホルモンとかゲテモノ系も好きだし、きっと前世はPeasantだったのかもですね。日本語的には貧農ってやつですかね。(笑)

これが私の前世か。

La_Paye_des_Moissonneurs_Paying_the_Harvesters_1892

こっちか?

Skibbereen_by_James_Mahony,_1847

冗談はさておき、スープをどんどん煮詰めること3時間。かなり煮詰まってきました。でもこれってどこまで煮詰めるべきなんでしょうかね。昔のある日本人が昆布出汁を煮詰めて、最後に残った白い結晶体を見つけた。それが味の素の始まりだそうですが、この牛骨スープを煮詰めるとどうなるのか。これも最後には結晶が残るのかもしれませんね。大さじに1-2杯?

結局これが我々が普通に使う調味料であって、これだけ面倒なことをしても手に入れられるものの量はそんな程度なのかもしれませんね。

でもま、もちろんそこまで煮詰めずに、適当なところで火を止めて、放置。

常温になったところで、それを型に入れて冷蔵庫で冷やします。

大きな鍋いっぱいの骨、肉、野菜で作ったスープの凝縮されたものはたったこの量にまで減ってしまった。

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ちなみにこれの味は「え?」と思うくらい薄いです。でもちょいと塩を入れますとドッカーンと爆発するような本物の旨味があるのがわかります。

結局、今の時点はここまでで、冷蔵庫で冷やしてゼラチンも結構入っていますからプルンプルンのゼリー状のこれを適当な大きさのダイス状にして冷凍庫に入れて終わり。

まだそこまで出来ていませんから、結局、昨日の作り始めから20時間ってところでしょうか。

ずーっと付きっきりってわけじゃありませんが、面倒なんてもんじゃありませんね。

誰か、美味しい化学調味料を教えてくれ~~~~~~~。

あ、そうそう。肉ですが、これをどう料理するかいろいろ考えたのですが、中華風にすることにしました。

油を引いて、ニンニク、ショウガを炒め、香りがたったところでこの肉を投入。そして甜麺醤、醤油、オイスターソースで味付け。そこに大量のもやしを入れて、ちょっと煽って火が通れば完成。そこにごま油を回す。

トッピングは葱と塩漬けの赤唐辛子。

結構美味しかったです。肉の味はうっすらとしかしませんが。(笑)

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私と同じやっぱり前世はPeasant、貧農繋がりの息子が「美味しい~~~。これでドンブリを作って食べる。残しといてね~~」ですと。

大丈夫。量はこれの2倍以上ありますから。これが私と息子の晩ご飯。「牛の茹でカスとモヤシ炒めドンブリ」ですかね。(笑)

女王様は全く興味を示さず。 (笑)

 
 
 

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