KLで不動産投資をするという人と話をしたのだけれど・・&相場の話

NO IMAGE
古いエントリーが表示されているかもしれないので、是非、「投稿日」を確認してください

前に不動産投資のことに関して書きましたが、その時から読者とメールのやり取りをしています。その方はマレーシアで不動産を買うつもりでいると。

私は不動産の世界は全くわからないし、さほど面白い投資にも思えないのですが、やっぱり投資をしようとする方は結構いるのかもしれませんね。

私も興味があって、どういう勝算があるのか聞いてみたのですが、結局ですね、「投資」という言葉を使うから私も勘違いするわけで、実は「投資」じゃないんですね。「買うことに意義がある」のだと思いました。だから投資としての計算は二の次。でも「投資で買う」という言い方をするのね。

かつて日本で「別荘ブーム」がありました。そしてここゴールドコーストはリゾートですから別荘として家やコンドを持つ人は少なくない。日本の有名な芸能人の名前も何人か浮かんできますが、それは一般の人達も同じ。

こういう人たちは「持つことに意義を感じる」のであって、これで積極的に儲けようなんて考えてないんですね。でも自分に言い訳をするために一応「投資価値」も考えるし、「この不動産は投資に向いている」という結論をひねり出すんだろうと思いました。でも実は結論は最初から出ている。(笑)

私が多い時にはほぼ毎日やるスカイプの友人がいるのですが、彼は日本で別荘を二箇所持っている。一箇所は海に面していて自分の敷地の中に小さな湾があり、そこにヨーロッパから輸入したヨットを係留してるような人。でも彼は「投資」なんて一言も言ったことがありません。これが「別荘を持つ人の標準的な姿」で、「別荘は金食い虫」なのが普通ですから、私は「投資のためにマレーシアに不動産を買う」というのを聞くと、やっぱり純粋な投資として考えているんだろうと勘違いしちゃうんですね。でも実際は「別荘を持ちたい」「不動産投資をする自分でいたい」ってだけな人が結構多いんでしょう。

前に、日本のテレビ番組で、ツアーでマレーシアに来て不動産屋の言うままコンドを買うのを見てびっくりしましたが、いつの時代もどこにでもそういう人たちがいる。どこの国にもいる。

私としてはそういう人たちも「不動産投資」という言葉を使いますから、勘違いするんですよ。どういう計算なのかって。でも計算らしい計算をしていないケースが多いですから不動産屋に乗せられているんじゃないかとか心配するわけですが、そうじゃないんですね。「別荘を海外に持っている」「海外不動産投資をしている」というところそのものに価値を感じる人はすくなくないんでしょうね。

私はそういうところに全く価値を感じませんからよく理解できないのですが、私にとっての自動車と似たようなもんかもしれませんね。カメラもそう。「持つ喜び」って間違いなくある。ただ金額が不動産の場合は大きいですから、リスクも大きいのと同時に、だからこそ満足感も大きいんじゃないですかね。

マレーシアで「誰それさんは何カ国かに別荘を持ってる」なんて話をする人がいましたが、やっぱり凄いと思う気持ちが誰にでもあるんでしょう。海外に不動産を持つ、別荘を持つのが「成功の印」なのかもしれませんね。

だから採算が合うのかどうか、持ってるだけで経費が掛かるとか、なんてことは実は大した問題じゃないのかもしれない。そもそも買っても賃貸にも出さず、「将来値上がりしたら儲けもの」みたいなふうに考えている人もいるし。

これはこれで全く問題がなくて、金計算ばかりして何かを買う人生なんて面白く無いですもんね。それは私にもわかります。でもそれを「投資」と呼んじゃわけがわからなくなります。

私がなんでこの話を書いたかというと、実は相場でも同じような考え方を持ってる人って結構いるからなんです。

前にもちょっと書きましたが、この数年で、日経平均が上がっている時に、「私は株式投資をしていましてねぇ。結構儲かってますよ。」とわざわざ私に言う、買い物先でばったりあった昔からの知り合いもいました。また若い人でも「FXをやってます」なんて胸を張る人もいた。

酷いのはこんな人もいたんですよ。チャットの中での話ですが、突然、「株式投資は面白いですよ~。やりませんか?私がポイントは教えますから」なんてのがいました。私は「へ~~~、凄いですねぇ。どのくらい儲けているんですか?」と聞いたところ、「いやーー、去年は2000万も損しちゃいました~。わっはっは」と威張った。(笑)

またゴールドコーストでも「金投資は面白いですよ。やりませんか?私が教えますから」と同じようなことを言う人が居た。その時は笑っちゃったのがそれを横で聞いていた奥さんが「あんた、バカなことを言っているんじゃないわよ。6千万も損したのに」ですと。

こういう人たちって何か勘違いしているんじゃないかと思うんですが、本当にそういう人たちっている。そもそもFXだの株式投資だの、私の世代ではギャンブラーか遊び人か、まともな仕事もしないどうしようもないやつと思われるのが普通なんですよね。相場師なんていう言葉も、軽蔑の意味を込めて使うし。だから私はこのブログではいろいろ書いていますが、普通の付き合いでは一切相場の話はしません。私の親族でさえ知らないぐらい。(笑)

相場の世界に身をおく自分をカッコいいと思うのは勝手ですが、相場って中身がないですし、何千万、何億の株式を持っていても、あんまりカッコいいもんじゃないと思うんですけど、今はそうでもないのかな?私としては海外に別荘を持っている方がよっぽどまともだと思うぐらいなんですが。(笑)

相場の場合は「儲けてなんぼ」の世界ですから、相場をやっていること、投資額そのものがいくら大きくても関係ないのね。でもそれを自慢するがごとくいうと、「バカだな」と思われると思ったほうがよい。また実際に儲けていても「ギャンブラーかぁ」なんて思われるのが普通で、「どうせそのうち大損して路頭に迷うんだろう」なんて思われるのが関の山。同じ数千万、数億の金を突っ込んだとしても「相場」の場合は馬鹿にされる、しかし不動産投資の場合は尊敬される。(笑)

面白いですよね。

ま、不動産に関しては私は関係ありませんしわかりませんが、もし相場に関わっていて、そんな気持ちを持っていたら必ずどこかで足を救われると思ったほうが良いと思ってます。利益を出して、なおかつそれを継続するって簡単じゃないわけで、そこにちょっとでも奢りがあると「欲望と恐怖」にいつか必ずやられる世界じゃないですかね。

実は昨日、ダボチャートのインジケータ&テンプレートを配布した方から近況報告がありました。「3月は375pipsのプラスで終わることができました。(57勝22敗)」とのことで私としてもそれを聞くのは嬉しいのですが、メールの中に何か浮ついているものを感じたので、「勝って兜の緒を締めよ」とはどういう意味なのかしっかり考えて、そして「トータルで勝っていれば良いと思ったら駄目で、一勝負一勝負が真剣勝負で、この勝負に負けたら自分は死ぬぐらいの気持ちでやってください」と返事を書きました。

相場って本当に怖いんですよ。そして不思議で、5年間勝ち続けたのになぜかそれから勝てなくなるなんてことも普通に起きるのね。また何度かこのブログにも書いていますが、私の父は罫線屋(テクニカルアナリスト)としては力量があるのに、大勝負をすると必ず負けるという不思議なトレーダーでした。結局それで相場の世界から足を洗うようになったのですが、落とし穴だらけの世界だと思います。上り坂、下り坂と、そして「まさかの坂」がそこらじゅうにある。

これを乗り切るには「欲望と恐怖」をコントロール出来るかどうかだけに掛かっていて、実は手法とか時期とか投資対象とかタイミングとかそれが悪くなったから勝てなくなるってことじゃないと私は思うんですよ。自分が曲がりだしたんじゃないですかね。

だからちょっと勝てたぐらいで、数ヶ月あるいは数年勝ち続けたぐらいで、あるいは9桁10桁の資産を作ったところで、自分を褒めたり、自意識過剰になったり、気持ちに緩みが出てくると全てご破算になる世界ですから、気持ちを引き締めてやっていただきたいと思っています。

また話は具体的になりますが、建玉管理はきっちりやらないといつか墓穴を掘る。これは絶対にそうなる。つまりですね、マーチンゲールみたいな倍々で増やすなんてのは愚の骨頂ですが、「チャンスだと思って大きく張る」のも駄目だと思っています。上に書いた私の父がまさにそれです。また私もカジノが好きだった時代がありますからその辺の心理はよくわかりますが、ここだ!と思った時には大きく出たくなるんですよね。あるいは負け続いているのに、これが最後だと一発逆転を狙って大きく張ったり。

これで勝てたためしはないのに心理はそういうふうに動く。

「チャンスを逃すな」なんてのは、私は相場の世界ではやってはいけないことだと思うんです。でも多くのトレーダーは違うことを言うはず。儲けられる時に儲けろ、チャンスを掴め、と。

私に言わせるとそんなのは理想論で、そんな考え方を持つから曲がるんじゃないですかね。勝ったり負けたり、日頃、大して良い結果は出ていないのに、なぜか何千万も損した経験がある人って結構いるでしょ。これって「勝負をする」からそうなるという簡単な理屈を忘れちゃならないと思うんです。

だから比率はそれぞれ考えるにしても、「負けたらロットを大きく減らす」「勝ったらロットを少し増やす」。これを絶対のルールとしてやっている限り、絶対に大損はしないんですね。下手糞で勝てなければ「常に最小ロット」でしかトレードできませんから。でもこれを実行できる人って決して多くないんです。どうしても増やしたくなる。そして墓穴を掘る。これが古今東西、相場の世界で繰り返されていることだというのをしっかり理解していれば、絶対に大損しない。

ルール化が大事なのは手法もそうですが、もっと大事なのはこの建玉の管理ルールだと思います。

それと「チャンスは逃さない」という考え方ですが、実は私も同じなんですよ。ただ違うのは「チャンスの時にロットを増やす」のではなくて、「チャンスの時にしか出撃しない」という基本なんです。

これに関しては何度もブログに書いていますが、20数年ぐらい前に東京でやっていた仲間内のトレードの研究会で当時30代のやり手のトレーダーを講師に招いたことがあるのですが、彼が二次会の会場に行く間に歩きながら「私はバカでも勝てるときにしか出撃しません」と私に言ったんですよ。勉強会では様々な手法、どの市場のどんな商品を売買したら良いかとか細かい技術的な話が主だったのですが、私はこの「バカでも勝てるときにしか出撃しない」ということが一番大事なことだと思いました。でも当時の私にはその「バカでも勝てる時」ってどういう時なのかがわからなかった。(笑)

また私にチャート分析の様々な手法を教えてくれた、私が勝手に師匠と思っていた人も似たようなことを言っていました。「ダボさんはいつか裸にならないと(破産の意味)わからないかもね~」ですと。その彼は当時のIBMを定年退職してごっそりもらった退職金を全て相場でパーにした経験を持つ人で、最後の最後の5万円を握りしめて復活した人なんですが、彼は毎日毎日日経225を見ながら(当時はデイトレなんか素人はしなかった)チャンスが来るのを何ヶ月も待てる人だったんですよ。私が「今日は上だ」の「下だ」のギャーギャーやっているのをニコニコして見ていましたっけ。

結局、「待つことが出来るか」というのはヒジョーーに大事なポイントだということでしょうね。だから「チャンスに大きく張る」のではなくて「チャンスにしか出撃しない」のが正解だということ。私がそれを理解できるようになるまで、結構長い時間が掛かりました。でもあの時に私にそれを言ってくれた、見せてくれた人たちがいたから今があると思うんです。だから私もその経験をここに書くわけ。この辺を理解したら、何年もの無駄な時間を減らすことが出来るはずですから。

今はFXだろうが先物だろうがデイトレ環境は素晴らしい時代になりましたから、「待つのは簡単」なんですね。数十分でも待っていればまたチャンスは来ますから、日足を見ながらのトレードみたいに何ヶ月もじっと我慢して待つ必要がないから楽です。

でもチャンスが多いデイトレでも機関銃みたいに撃ちまくれば結果は見えているんじゃないですかね。「自分はスナイパーで弾丸は3発しか無い」ぐらいの気持ちでチャートを見ていないと、いつか知らないうちに落とし穴にハマる。そう思っていても、フト気が付くと「俺、何やってんだ?」なんて時があるんですね。

それだけ人間の「欲望」って大きいってこと。そして「恐怖も同じ」。チャンスが来てもビビっていたらどうにもならない。また恐怖が大きいからこそ、マーチンゲールみたいな無謀なことをしたり、一発勝負もしたくなるという心理の動きを理解するのが大事じゃないですかね。負けるのが怖いからこそ、負ける方向へ突撃するみたいなことが起きる。

不動産の話から相場の話になりましたが、相場の世界では不動産みたいに「別荘を持っている」とか「海外不動産投資をしている」とか、そういう自己満足、ナルシズムが入る隙間、余地は一切作ってはならないってこと。

小さな油断で破産し、一家離散なんてことも起きますから。だから自分の意識を常に管理しコントロールしないと駄目なのと、そしてそれでもバカなことをやるのが人間ですから、建玉管理ルールはちゃんと作って必ず守るってことなんですね。勝てなくても良いから、絶対に大負けしては駄目。

相場って技術がうまくなればどうにかなるもんじゃなくて、やっぱり「相場道」ってのがあると思うんですよ。相場に関わる方は是非その辺の重要度を考えてみて欲しいと思います。ただその根本は「欲望と恐怖」のコントロールであって、相場流のそれを理解するのに時間がかかるんじゃないですかね。だからルールとちゃんを決めて(特に建玉法)それに従うと決めてしまうのが近道じゃないですかね。爪を伸ばさないのは大事ですが、ちゃんとルールに従ってロットも大きくすることを覚えないと、遊びのレベルからは抜けられないはず。

とまぁ、いつもこんなことを自分に言い聞かせているという話。(笑)

 
 
 

「にほんブログ村」のランキングに参加しております。是非、応援のクリックをお願いします。

にほんブログ村 海外生活ブログ マレーシア情報へにほんブログ村 海外生活ブログへにほんブログ村 海外生活ブログ ゴールドコースト情報へ