ナマズなんて書くと「ええ~~?」って思う人が多いと思いますが、このDory(Basa)って白身魚のフィレとして世界中に出回っていて普通に食されている魚なんですね。
当然、日本にも入っていて、お弁当の白身の天ぷらとかフライはこれだったりする。給食にも多く使われているんじゃないかなぁ。
オーストラリアでもよく食べられていて、フィッシュアンドチップスで使うことも多く、どこの魚屋、スーパーでも売っている。
この魚の特徴は、まずめちゃくちゃ安いってこと。そして白身で癖がない。だからパンチはないにしてもどんな料理にでも合うんですね。
我が家は随分このDoryにはお世話になりました。てんぷら、フライ、焼いたり煮たり、鍋に入れたり、あるいはミンチにして揚げたり。
美味しい~~~~♫っていう魚じゃないんですが、「ま、いいじゃん?」というレベル。だからこの魚を食事のルーチンに入れるとかなり食費が助かるし、これがあるからこそ「たまには贅沢しよう」ってこともできる。
だからマレーシアに来てこれを見つけた時には「やった~~」と喜んだんですよ。ちなみにマレーシアでは「Dory」と呼ばれていますが、オーストラリアでは「Basa」、日本では「バサ」としてスーパーにも並んでいるはず。
これってどういうふうに売っているかというと、解凍したものを一枚ずつパックしてあるもの、それとフィレを3枚ぐらい一緒に冷凍状態で袋詰めされているものがある。どのスーパーにもあるはず。
前にビレッジグローサーで「解凍したものをパックしてある」のを買って食べてみたのですが、びっくり!!パサパサなんですよ。まず買った時点でも結構乾いていて、切り身魚特有の「ヌメリ」もないのね。どうしたらこんな風になるのかと悩んじゃいましたよ。当然、また買おうとは思えないレベル。
これって解凍の仕方、また解凍した後に「何か」をしているからこうなるはずで、それなら冷凍のを買えば良いとだろうと思ったわけです。3枚入っていくらだったかなぁ、メチャ安です。
でもその袋入りのやつは「真空パックされていない」ものだったのね。これって他の魚でもそうですが、空気が入っているとうまくないわけですよ。酸化しているかもしれないし、だいたいその手のやつって「冷凍モノをバラして再度袋詰めした」のが多いのね。ダンボールに入っているのを小分けしたみたいな。
袋の中に入っている状態を見てもわかりますが、「霜がついてる」どころじゃないのね。細かい氷に覆われている感じ。
出してみるとこんな。
でもオーストラリアで売っているのも結構こんな感じなことも多いので、ま、しょうがないかなと。
薄い氷が張っているのがわかります?
これをキッチンペーパーの上に置いといたのですが、まぁ、水が出ること出ること、凄い。これって数日前にレポートした冷凍魚と同じ。
身も柔らかくてグズグズと言っても良いくらい。でもしゃーないのでこれを天ぷらにしてみました。
身がベチョベチョってことはなくてフワっと揚がったものの、でもこんな柔らかい肉質の魚の天ぷらって食べたことがないと思いました。まさに「豆腐の天ぷら」みたいな。
味は殆どなくて、そもそもDoryって味が濃い魚じゃないし、これはこれで良いのかもしれない。
ヨメさんは食べた後に何の評価もせずに黙っていました。息子は「美味しいね~~」ですと。「でも味がしない」って。(笑)
息子は人への思いやりが強いやつですから、気を使って美味しいと言ったのだろうと思います。
でもですね、「うっ、まずっ」ってわけでもない。
ただ、もしこれが和食レストランで出てきたら多くの人はびっくりするレベルじゃないかなぁ。
なんでこんななっちゃうんですかねぇ。
このDoryってのはメコン川周辺で大量に養殖されていて世界中に出荷されていますから、サバみたいに「関サバ」もあれば「ノルウェイ産」もあって味が違うとかそういうものではないはずなんですよ。世界に出回っているのはほとんどベトナム産のはずで、魚そのものに大きな違いがあるとは思えず。
でもマレーシアに入っているのはB級品なのか、それともやっぱり「流通過程」「店での取り扱い」で何かおかしなことをしたのか。
少なくとも袋に冷凍ものが入っている状態を見ても、魚の周りについている霜というか氷を見ると、「一度解凍したのをまた冷凍したんじゃないか」と思うわけです。もちろんわざわざそんなことをするってことじゃなくて、放置して自然解凍したものを冷凍したんだろうと。
冷凍コンテナでマレーシアに着くはずですが、通関とか倉庫に入れる時点で、あるいは輸送するのに冷凍トラックを使っていないとか、何かおかしなことが起きているんじゃないかと疑っています。
残念だなぁ・・・。
でもDoryに関しては私はまだ諦めたくなくて、Doryは伊勢丹でも売っていましたし、あれも食べてみたいと思っています。それとですね、スーパーの冷凍庫に入って売られていますが、今回のような冷凍は冷凍でもバラのを再パックしたみたいのではなくて、「真空パックのDory」もどこかで見た覚えがあるんです。あれならまだ良いかもしれない。
しかし正直なところ、スーパーを中心にした魚探しをしていると段々と気が萎えてきます。トライするたびに「どうせ駄目だろうな」なんて思いながら食べるんですから。
でもPomfretのGoldは天ぷらにしたら抜群に美味しいと思ったし、それはスーパーで買ったものでした。
だから諦めたくはないのだけれど、「意地を張らずに諦めろ!」という声もどこからか聞こえてくるような気もします。
卸売市場に行けば・・と思うのですが、正直なところ、規模は凄くて活気があって大量の海産物が取引されているのは間違いがないものの、「こんな程度の鮮度か・・・」と思ったのは間違いがないんです。これは新市場、旧市場どちらも同じで、本当はちょっとがっかりしました。でも探せば良いものはあるのね。ただそれはそれなりの目利きである必要があるし、時間も掛かるし「根気」がなければ見つけられない。
私達が築地市場に行って、「あれにしようか、いやこっちがいいかな」なんて選り取りみどりなのとはわけがちがう。
もしあの卸売市場の魚が全て新鮮なら、「魚は卸売市場で買う」と決めてしまえば一件落着なんですね。でも夜中と言うか明け方にあのゴチャゴチャしている大きな市場に行って、鮮度の良い美味しい魚を見つけ出すのは「素人には無理」だと私は思うのです。
少なくとも、誰でも卸売市場に行けば「良いもの、美味しいものが手に入る」ってことじゃないと思っています。
今まで多くの日本人が同じことを試して、同じように悩んだのだろうと思いますが、結局は魚は日本からのものを中心に食べて、ナマモノは日本食レストランで食べるという「当たり前」のところに帰結するんでしょう。
でも私はまだまだ諦めません。(笑)
ただややこしいことをしようとも思っていなくて、NSKには活エビが売っているのと同じように、どこかで美味しい魚が待っているはずだと思っているだけ。(^_^)v