餃子作りはかなり長い間やっていますが、なかなか自分の思う通りの味が出ないんですよ。
私が目指しているのは「変わった餃子」ではなくて「昔の駅前中華屋の餃子」なのは何度かここに書いている通り。
外の和食店で食べても「安い餃子」の方が美味しいと思う変わり者かもしれませんが、海外で食べる(本場の)中華料理店の餃子は美味しいと思わないし、昔の餃子を食べたいと思うのだからしょうがない。
今までずーっと変わらずに使っていた調味料は「オイスターソース」と「味覇」。これで中華料理らしくなりますが、そもそも日本のあの餃子って「日本料理」であるからしてオイスターソースとか味覇なんて余計なものを使うから駄目なんだろうと気が付きました。
駅前中華の餃子は高い素材も調味料も使わないはずで、そして彼らは「恐ろしいと思うくらいの量の味の素」を使うんですね。ここにポイントがあるんじゃないかと。
また豚肉のミンチですが、最近の世界的「健康ブーム」で脂肪分が少ない。ところが中華屋のミンチって脂肪分がかなり多いのがわかった。これは肉屋に注文してつくってもらうわけですが、脂肪分が多い店は50:50の割合というところもあるらしい。
50%が脂肪分?なんて考えただけでもゾッとするんですが、ここにあの旨さの秘密があるんじゃないかと思ったり。(脂は背脂じゃないと美味しくないはず)
それとミンチに関しては「自作したほうが美味しい」のはわかっていて、最近は既成のミンチは買わないようになりました。そもそもマレーシアのスーパーのミンチはお買い得でもなんでもなくて他の豚肉と値段は殆ど変わらないのね。だから好きな部位を買ってきて(我が家は主に【肩】)、それに背脂を足して自分で作ったほうが間違いなく美味しい。ミンチの粗さも自分の好きなようにできるし。
ということで最近やっていることは
◯ ミンチは自作する
◯ 脂肪分を30~40%に増やす(背脂を使う)
◯ 味の素を多めに入れる
◯ キャベツは(塩を振ってから)思いっきり絞る
その他、材料は一般的なニラと葱。
ああ、そして最近、凄いと思っているのが「ミリン」でこれを使うと味がまとまるのがわかったので、ミリン少々。
キャベツとか白菜ですが、今までは「しっかり絞る」ことをしていませんでした。それじゃ栄養分も味も出ちゃうと信じていたわけで、でも思いっきり絞ったほうが美味しいと最近思うようになりました。
できたのはこれ。って見た目じゃ何もわかりませんね。(笑)
かなり理想の餃子に近づいてきました。今までのとは全く違って「どこにでもある日本の駅前中華の味」になってきました。
結局、余計なことはしないでシンプルに作ればあの味が出るという結果。
うれしいなぁ。これぞ日本の餃子。
我が家は餃子を作る時に大量に作りますし、私は不器用ですから非常に簡単な包み方をします。真ん中を合わせて左右折り曲げるだけ。
ちなみに使っている皮はスーパーで売っているもの。日本のものとかいろいろ試しましたが、これが一番我が家には合っていると思う。ゴールドコーストにいたときには「日本からの輸入品」で良いのがあったのですが、マレーシアには入っていないのでこれを使っていますが、激安で良いと思います。
ただし、これはビレッジグローサーでは売っていますが、パブリカのB.I.G.では売っていない(売っています)。この会社の製品っていくつかあって、これは「日式餃子」の皮と書いてある。色は白。
これとは違って同じ大きさなんですが、かん水が入っている「黄色」のものがあるのね。これも餃子の皮となっていますが、水餃子にはそちらのほうが合う感じ。また私はこの黄色の方でワンタンを作ります。四角くて小さめでやっぱり黄色のワンタン用の皮が売っていますが、その時の気分で使い分けています。ワンタンだけ食べるときには大きめのこの黄色くて丸い皮にしたり。
しかし今こんな64歳のジジーになって調理実験に目覚めて色々作っていますが、若い頃に中華料理屋とか焼肉屋、和食店でも良いですがアルバイトをすれば良かったと思います。たった1-2週間いるだけでも大事なポイントがわかるはずなんですね。でもそれを知らず自分で実験してそれを見つけるにはとんでもない時間がかかる。
ネットでレシピを調べても所詮「家庭の味」でしかなくて、プロがやっている方法はわからない。(海外のはプロのやり方がよく分かる)
焼肉も同じで、私は未だに「焼肉屋のタレ」を作れません。どうやってもネットで調べても「これだ!」というのが作れない。こんなのも焼肉屋でバイトして見ていればすぐにわかることでしょう。当然、出来合いのスーパーで売っているもの(エバラ焼肉のタレとか)を美味しいとも思わないし。チヂミも同じで、家で焼くのは出来てもあの「タレ」が重要なんですよね。でもどうしても美味しいタレが作れません。
面白いのは私の次男坊なんですが、ゴールドコーストで大学に行っている頃、サーファーズパラダイスの昔からある和食店でアルバイトをしていたんですよ。当然、最初は洗い物ばかりでしたが、暇な時間に色々教えてくれたらしく、魚の下ろし方も覚えたのね。簡単な料理を作らせてもらうこともあったと。
この経験って彼の財産と言っても良いくらいで、大学院はシドニーに行ったのですが、シドニーの卸売市場に行っては良い魚を買ってきて自分でおろして料理するとか、友達と寿司パーティをするとか、そんなことをいとも簡単にやっています。そんなことが出来るのは我が4人家族の内、次男坊だけで、若いときのアルバイトって一生の宝だと思います。
私の実家も新橋で飲食店をやっていましたが(それなりに有名な老舗)、料理屋じゃないのでそこでアルバイトをやっても私は何も料理らしい料理を覚えることはありませんでした。
日本では料理学校もいろいろあるみたいで、いわゆる奥様お嬢様が行く学校じゃなくて、「寿司屋を開きたい」とかそういう実業に行きたい人対象の料理学校もあるみたいですね。
もし私が日本にいたらそんな学校に通ってみたいと思ったり。
自分で魚をしっかり見極めて、捌いて、刺身や寿司をきっちりできたら、それだけで人生変わったろうと思いますわ。