我が家はゴールドコーストで一軒家に住んでいる頃は良く庭でBBQをやりました。炭をガンガンに熱くして火がぼーぼー出ているところで一気に焼くステーキ。これってアメリカ風なのかもしれないけれど、周りの焦げをしっかり作ってクラスト状にするのが好きなんですよ。
コンドに引っ越ししてからは煙は出せないし、フライパンでステーキを焼くようになったんですが、温度が上げられないんですよね。まずフライパンのテフロン加工とかのコーティングが剥げちゃう。だからせいぜい215度程度でじっくり焼くしかないんですが、それだと中まで火が通り過ぎてしまってミディアムレアのレア寄りぐらいが好きな私としては思うように焼けない。
だからバーナーで焼いていたのですが、せめてキャストアイアンのフライパンがあれば温度はかなり高く出来るし、一気に焼けば、そしてバーナーも併用すればどうにかなるんじゃないかと思っていたんですよ。
我が家はそれぞれが自分の好きなように自分で焼くのが決まりですが、私の場合はこれが無くてはどうにもならず。バーナーとはこれ。
でもステーキ用にまた鍋を、しかもずっしり重いキャストアイアン製なんか買おうものならヨメさんが怒るのは100%間違い無し。
でもヒルトンホテルやマンダリンオリエンタルのグリルでしっかり焼いたステーキを食べてから、我慢ができなくなってきました。
ということでヨメさんに内緒で買ってきたのがこれ。フライパンじゃなくてプレートですね。両面使えて片側は波を打っているタイプ。かなりずっしりと重く、熱っするのに時間がかかりますが、その反面、熱をためることが出来るので焼き物には良さそうです。肉を焼いたら「煮えたような匂い」がするなんてことはない。(笑)
これなら好きなように温度をあげられるわけですが、そうは言ってもやっぱり300度が限度ですね。そもそも210度ぐらいでサラダオイルは煙を出すし、316度を超えると引火点に達してしまう(340度を超えると自然発火)。屋外でのBBQなら全く問題はないですが、家のキッチンで火を出しながら焼くわけにもいかず。
それと考えが浅かったのは、このプレートですが、深さが無いじゃないですか。つまり油に引火しやすいってこと。アホな私はそこまで頭が回りませんでした。
でも温度を上げなければ意味がありませんので、引火覚悟でステーキを焼いています。
期待していたほどの温度で焼くことは出来ませんが、今まで普通のフライパンで焼いていたときよりは理想に近づいてきました。本当はもっと焦がして、焦げている部分を厚く焼きたいのですが・・。
そもそもステーキの厚さがこれじゃ薄すぎるんですね。私みたいな焼き方が好きなアメリカ人は最低でも3センチの厚さは確保するし、5センチぐらいあったら思うように焼けるのね。それだけ厚ければ時間を掛けて焼いても中はミディアムレアを維持できますから。
できるだけ熱くプレートを熱して(300度程度だから煙はもうもうと出る)で両面2分程度焼いてみた結果が上の画像。
そして中の火の入り具合はちょうど私が好きな焼き加減で収まりました。もっと周りを焼きたいのですが、これ以上焼くと中がミディアムになっちゃう。
4-5センチの厚さのステーキなんて売っているのを見たことがないので、ブロックになっているリブアイでも買って家で切り分けるしかなさそうです。それとも肉屋に頼めばその厚さで切ってくれるんでしょうかね。今度聞いてみます。
ただですねぇ、最近、これぞと思う肉が見つからないんですよ。上の画像のステーキ肉は日本の和牛なんですが、美味しいものの二口も食べるとサシがしっかり入っていますのでオエってなるんですわ。日本の焼肉屋で特上カルビを食べた時と同じ(私には並カルビの方が美味しい)。これも歳なんだろうと思いますが、脂は好きなくせに脂っこすぎるものが駄目になってきました。マグロも大トロはすぐに気持ち悪くなるし、中トロ、赤身が美味しいと思うようになりました。
我が家の肉食文化ってゴールドコースト時代に出来上がったものだと思うんですが、日本人がよく言う「やわらか~~い」のを良いとは思わないんですよ。肉には肉らしい歯ごたえがないと駄目で、だからといって筋ばっているのは当然駄目で、まさに(日本人の多くが馬鹿にする)オーストラリアの普通の肉が良いと思う様になっちゃいました。ゴールドコーストでもオーストラリア産和牛は食べていましたが、それはシャブシャブなんですわ。ステーキやローストビーフだとやっぱり脂でオエってなってしまう。
一体マレーシアに私が欲しい牛肉があるのか・・。最近それを考えるとステーキ、ローストビーフは諦めたほうが良いかな、なんて思ったり。先日、スリアKLCCで買ってきた「オーストラリア牛のもも肉」でローストビーフを作りましたが、まるで味がない残念な肉でしたし、ちょっとやる気が失せています。
その時の肉。(低温調理で作りました)
ただ最近、安いステーキ肉を美味しく食べる方法も研究していまして、日本の和牛の牛脂も手に入れましたし、普通にどこにでも売っているオーストラリア牛のグレインフェッド(穀物で育てた牛)がやっぱり一番合うんだろうと思うようになりました。アンガス牛でも良いかも。和牛はオーストラリア産でも日本産でも脂がキツすぎて駄目そうです。シャブシャブなら良いのですが、シャブシャブ用の和牛の薄切り肉は手に入らない。
電動スライサーも買おうと思ったのですが、調べてみると家庭用のは薄く、均一に切るのは難しいのがわかって断念しました。それでも電動スライサーを持つアメリカやオーストラリア在住の日本人って結構多いわけですが、そもそもマレーシアでは塊肉が選ぶほど無いわけですからどうにもならず。
マレーシアってなんでもあるようですが、自分の趣味趣向を追い求めると無いものばかりでがっかりです。救いはオーストラリより格段に美味しい豚肉と鶏があるってところ。
やっぱり手に入るもので何か作ることを考えないと駄目なんだろうと思ったり。でもそれってゴールドコーストで長年ずーーーっとやってきたわけですよ。マレーシアに来てもまた同じかと思うとため息が出てきます。
食生活としてはゴールドコーストより間違いなく上だと思ったクアラルンプールですが、ここに来て一年、もうすでに壁にぶち当たっています。外食に関してはクアラルンプールが上で全く問題がないのですが、家食が中心の我が家としてはゴールドコーストのほうが充実していました。ゴールドコーストではあれもない、これもないと思いつつ25年やりくりしてきましたが、まさかクアラルンプールのほうがもっと食材や調味料が無いとは想像していませんでした。我が家は決してグルメでもなんでもなくて欲しいものはそんなに高級なものってわけでもないのに・・・。
もう海外で我慢しながら生きるのはいささか飽きました。どこに何があるのかと探し回ることにも疲れました。
それでも諦めずにあの手この手を考えているわけですが、フト「俺って馬鹿じゃね?」と思うことがあるんですよ。
でも諦められない。(笑)