前回、余計なことを考えて「調理する前にブライン液につける」なんてことを試してみましたが、それでは蒸鶏としては肉のテクスチャーがかなり変わってしまうことがわかりました。
ヨメさんは「この鶏ハム、美味しいじゃない」なんて言っていましたが、私は鶏ハムなんか作りたくないのだ。(笑)
ということでリベンジ。
鶏はいつもの「開いた骨なし腿肉」を使いました。こういう手が入っている肉ほど美味しくないのは間違いがなさそうで、骨なしの開いた鶏肉が良いのであれば、骨付きの腿肉を買ってきて調理直前に骨を外すのが良いはず。一番良いのは多分、一羽まるごとだと思っていて、それも普通の鶏ではなくて「Air Chilled」という屠殺後に冷水につけて体温を冷やすのではなくて、冷風で体温を下げたものがより良いはず。そしてCapon種のカンポンチキンならもっと良いはず。
開いた腿肉に紹興酒を塗りつけてホイルで巻くだけ。塩コショウは一切使わず。それを68度の低温調理で2時間。
取り出したのがこれ。お湯から取り出したら氷水に浸けて身を締めます。
たっぷりの紹興酒と和風だしと少量の醤油とフィッシュソース(魚醤)で味付けたツケダレを火に掛けてアルコール分を飛ばし、それが常温まで下がったら鶏肉をそれに漬け込みます。
そのまま冷蔵庫で一晩寝かしたのがこれ。
まずは一本だけ試食。切ってからツケダレを多めに回すだけ。他の余計な味付けは一切なし。
ちなみにこれの(低温調理機を使わない)作り方の動画はこれが参考になると思います。
まずは一口食べてみましたが、う~~~~む、いい感じ~~~。火の通り具合は完璧。味も全く問題ない中華で言う「紹興酔雞」。普通のお店で食べるものに(多分 笑)遜色なし。
食べる時のソースはツケダレをそのまま流用しても良いし、醤油とチリバディ、ネギ・ショウガ・ニンニクを熱した油でジュジュジュとさせたもの+塩(これをなんて呼ぶのですか?)、海鮮醤+チリソースでもなんでも良いと思います。またこの蒸鶏が作れれば白切り鶏、海南チキンなど蒸鶏系の料理は味付けだけ考えればなんにでも対応できそうです。
でも私としてはもう少し、柔らかく仕上げたい。でもその方法はわからず。
私の人生で食べた蒸鶏でうなるほど美味しいと思ったのは、実はゴールドコーストにある店で食べた蒸鶏なんですよ。「Ipoh Satay Restaurant」というイポー出身の中華系マレーシア人のお店。これを食べてからなんです。自分でも蒸し鶏を作りたいと思うようになったのは。
味付けはどうにかなりますし、好きなようにすればよいのですが、この茹で加減が絶妙なんですわ。鶏の旨味が逃げていないし、ちゃんと火は通っているのにかなり柔らかいんです。
今回の蒸鶏を長男も味見をしてかなり美味しいと言っていましたのでこのレベルで良いのかもしれないけれど、私としてはこの上をどうにか目指したいです。
私にはわからないことがまだまだたくさんあって、低温調理の時間ですが、短いほうが良いのか、もっと長いほうが良いのか、次回はこの実験をするつもり。1時間のものと5時間のものを比べてみようと思います。
そして素材も前回、今回のような「すでに開いてある鶏肉」を使うのではなくて、骨付き腿肉、骨付きのドラムスティック(これのほうが美味しいはず)、手羽、そして丸ごと一羽(Air Chilled)、そしていつかはどうにかCapon種と呼ばれる種類の鶏、それもきっちり時間を掛けて放し飼いで育てられたカンポンチキンを使って実験したいと思います。
まだまだやることはたくさんありますが、紹興酔雞としてツケダレの作り方は問題がないのがわかったので良かったし、出来たてよりも一晩以上ツケダレで寝かしたほうが美味しいのがわかったのが収穫でした。
今までに何度となく作ってきた蒸鶏ですが、マレーシアに来てからはまた一つハードルを乗り越えた喜びがあります。でも狙うべき頂上はまだまだ遠く霞んで今の私には見えない。(笑)
---------(後記)-----------
ベッドに入って、どうやったらもう少し柔らかく出来るのか考えていたんですよ。
ハッと気がついた。
試食をしたのは冷蔵庫から取り出したばかりのかなり冷たいもの。普通、どんな店でもこんな温度で出しているところはない。そして冷たければ硬いのは当たり前。味も薄く感じる。
ということで、冷蔵庫から取り出してチンしてみたんですよ。弱いワット数で5分ぐらい。温度としては40度ぐらいかなぁ。
柔らかくて美味しい~~~~。温めたから鶏の味もしっかりわかる~~~~~~。これなら全く問題なし。
しかしまぁ、馬鹿ですよね~~~。
でも美味しかったから良かった~~~~。(笑)
低温調理する時にはしっかりきつく丸めていますが、丸めなかったらもっと柔らかくなるかもしれない。おーし、やってみよう。