海外に出て何かが起きると「日本に帰りたい」と思うのが普通。
日本に家族がいて、自宅があればなおさら。
海外にいてもそれぞれの国で違うけれど、大なり小なり「活動制限」は行われるわけで、家に閉じこもっているだけなら海外に来た意味もない。
ましてや何ヶ月か我慢すれば元に戻るわけでもなくて、新型コロナウィルスは人間が油断すればまたすぐに感染が広がるのはわかりきっている。
感染を広げない生き方、感染しない方法は「理屈」としてはわかるけれど、そんな生き方を海外でする意味もないし、またそうしていれば絶対に感染しないという保証もない。そして万が一、感染したときのことを考えるとゾッとする。ここは外国。保険を含めた費用の問題。言葉は当然のこととして治療方法もイマイチわからない。誰が自分の世話をしてくれるのか、誰が自分の代行をしてくれるのか。
我が家は3人で暮らしているけれど、ヨメさんに「もし俺と息子が感染したらどうする?入院や家のこと、支払いとか、もし死んだらちゃんと後のことはできる?」と聞いたら何の返事もしない。しつこく聞くと「私も一緒に入院する。私も死ぬ」と訳のわからないことを言う。(笑)
もしたった一人で生活していて入院したらどうするのか、どうなるのか考えただけでも恐ろしい。もしも死んだら焼き場に直行なのは皆同じで、遺骨の引き取り手もなく共同墓地行きか。コンドはそのまま放置で後はどうなるんだろうか。
今のうちに日本に帰ろう・・・と思うのは当然だと思う。
仕事で海外に出た人は、駐在組なら良いと思う。やっぱり「親方日の丸」でいろいろな意味で会社が助けてくれる。
でも現地採用は怖い。誰が助けてくれるのだろうか。リストラされたらどうなる?なおかつ感染したらどうなる?
やっぱり帰ろう・・・と思うのが普通だと思う。でも職を失うまでは待ってみるか。
では自分で事業をしているなり、稼ぐ手立てがある人はどうなる?
悩むだろうなぁ。でも「初志貫徹!」と考える人も多いはず。
さて、我が家はどうなのか。
帰る家はどこにもない。ましてや年老いた父がいて、彼を連れて国外に出ることは難しい。置いていくことも出来ない。
活動制限令に従って生きるのは問題がないにしても、これがいつ解除されるのかはわからない。そして「解除された後」にどんな世界が待っているのかもわからない。すくなくとも「前と同じようにはならない」のはわかる。新型ウィルスはいつもそこにいて我々に取り憑くのを待っているのだから。
ま、本日4/14にどうするか決めるほど切羽詰まってはいないにしても、いつか考えないとならない日が来るかもしない。
海外在住者がこんなことを考えているであろうことは、日本にいて「これから海外に出よう」と思っている人たちもわかるはずで、積極的に海外に出ようと思うことはないはず。「日本で時を待とう」と思うのが普通でしょう。
リーマンショックのときには多くの会社が撤退し、多くの日本人がマレーシアから出ていったのを見た。
今回はそんなレベルじゃないんじゃなかろうか。
誰しも嫌なことは考えたくもない。でもコロナがどこかへ消えてくれるわけもない。
New Normalという考え方もわかる。生活の根本的なところが変わって行くのだろうと思う。
でも海外でそんな生き方をする為に来たのではない。
もし日本で比較的安全なところで生きていけるのなら、帰る以外の選択肢ってあるんだろうか。
帰ろうかどうしようか悩める人は幸せなのかもしれない。
我が家は初志貫徹。潔いわけでもなんでも無い。マレーシアに残るしか選択肢がない。
でも家族みんなが一緒というのは心強い。皆で助け合えばどうにかなると思う。
逆を言えば、一人で住んでいる人の心細さはハンバじゃないだろうと思う。なんで今ここに一人でいるんだ?なんて自分に悪態をついているんじゃなかろうか。
「明けぬ夜はない」
と勇気づけてくれる人はいる。でも夜が明けたらそこにどんな日常が待っているのか、誰にもわからない。
中国では本当に終息したのだろうか。私にはどうしても信じられないのだけれど、あと2,3週間もすればいろいろ見えてくるはず。