私は大の寿司好きで、毎日でも全く問題がないくらい。
でも贅沢をしたいわけでもないし、最高のネタを最高の職人が仕事をしている寿司を食べたいわけでもない。
父の実家が築地魚市場の仲買人で、父も若い頃には夜明け前に築地に通っていたこともあって(結局、父は実家を継なかった)、我が家の食卓には昔から魚が多かった。でも決して良いものばかり食べてたわけじゃなくて、基本は「売れ残り」なのね。でも悪くなったものはないし、安物ばかりでもなく、農家の人が自分の畑で採れたものを食べるのとかなり近い感覚でした。
当然、好き嫌いはありますが、私は普通のアジやタコ・イカ、クロマグロの赤身だけで幸せになってしまう。でもキハダマグロや(この30年、普通に出回ってどこにでもある)シャケはもういささか食傷気味だし、光り物も基本的にパス。
海外って寿司好きには難しい。これは25年住んだゴールドコーストも、来てから4年のマレーシアはクアラルンプールも同じ。
高い店ってのはどの国でも「日本で食べるものに近いものを出す」のね。特に(金持ち日本人が多い)香港やシンガポールでは「日本と全く同じものが食べられる」と言っても良いくらい。でも「座っただけで一人2万円は覚悟する」のはどこでもお約束。
これはマレーシアも同じで、10年前は「高くてもイマイチ」の感じがあったと思うのだけれど、今では高級店が続々とオープンして「一人2万円ぐらいなら良いんじゃない?」という人には良いと思う。こういう店でも存在するってのは凄いことで、全く無いのとは天と地の差がある。
でも我が家はそういう店には行かない。行けない。
最高のネタを最高の腕で調理したものに興味があるのではなくて、私が食べたいのは普通のアジであり、タコぶつであり、美味しいイカでもあればそれだけで幸せ。そしてあればなお嬉しいのがクロマグロの赤身。
いわゆる海産物で言う「普通のもの」が欲しいだけで、私にしてみれば「お新香」「味噌汁」が欲しいのと同じレベル。
でもそういう普通のものを食べたいと思うとこれがまた難しいのね。
素材のほとんどが日本からの輸入品となるからだろうけれど、「普通のものでも仕入れ値は高い」のは当たり前で、そんなものを出して高い料金を取るお店にはわかっているけれどがっかりするだけ。
そんなのは海外はどこでも同じだと言う人がほとんどだろうけれど、ところがどっこい、普通のものを普通の価格で出すのにこだわるお店もあるのね。またローカルの魚を探し出して庶民向けの「刺し身や寿司」を安く提供する店もある。「海外だから・・」という言い訳をしない店ってちゃんとあるんですね。
当然、そういう店はどこでも大繁盛。
でもそういう店を私はマレーシアでは見つけられない。それどころか日本の安い回転寿司で使うような素材を使い、料金はそこそこ高い店(有名店)ならいくらでもある。
海外だからしょうがない・・・とは私には思えないんですよ。
皆が諦めているところで企業努力で頑張る店はどこの国にもあるのが普通だから。でもマレーシアでは見つけられないのが私のストレス。
そんな中でたまにストレス解消になるのが「ビレッジグローサーのお寿司」なんです。中島水産が担当している。
これが馬鹿にできないんですよ。というか私はそこそこ良いと思う。日本の一般的な回転寿司よりは美味しいと思うから。
これで80リンギぐらい。2000円ちょっと。\(^o^)/
大トロは(トロの)ネギトロがついていて、しかしトロの身には血の斑点(血栓)が出てしまっていて、良いお店では出せないレベルだけれど家で食べるのには全く支障がない。1パック1000円程度ですから。お店で食べたらこういう大トロでも一貫、1000円は取られてもしょうがないのがマレーシア。
そして盛り合わせは、私はいらないと思うキハダマグロ、サーモン、トビコが入っているけれど、ま、盛り合わせとしては普通で、ヒラマサなんてかなり美味しいとさえ思う。これも1000円程度。
私はこのビレッジグローサーのお寿司のコスパはマレーシアで一番だと思っています。私の知っている限りですが。
でも当然、「当たり外れの【波】」って結構大きくて、今回はだめかぁ・・なんて時もある。
またビレッジグローサーと言っても「ワンモントキアラ」のビレッジグローサーが一番この手の品揃えは良いし、「土日じゃないと無い」という特色がある。これは買い物に行っているとすぐわかるけれど、土日は家族連れの日本人客が多いのね。つまり買い物に集中する奥様と「子供の面倒を見ながら一緒についてまわる【旦那さん】がいる」ってこと。
奥様だけの平日だと売れないかもしれないものでも、ご主人が一緒だと「これ、買おうよ~」ってなるんじゃないですかね。
またビレッジグローサー@ワンモントキアラの中島水産のコーナーでは「刺身類」もあるし(大当たりもたまにある)、我ら家族3人でも1万円も出せば「飲んで食べて」【家庭内寿司屋】は満喫できる。(笑)
これに前にも紹介した日本の海産物輸入卸問屋からこんなものでも買って足せばかなり面白いと思うんですよ。
エゾバフンウニとか。我が家はこれで一人前。木箱に入っているウニ一船250グラムを三人で食べちゃいます。(笑)
また冷凍のしめ鯖もいろいろ輸入されていて、探すと良いものもあるのがわかった。(これは千里の「トロしめ鯖」)(多分BSCの厨の美味しいしめ鯖はこれと同じだと思う)
外食で食べたら高くて、なおかつ当たり外れのギャンブルをしないとならない「ズワイガニの爪」とか。
マレーシアに渡って4年。いろいろ試したけれど、やっぱり間違いがないのが「日本からの輸入品」です。同じようなものを売る「ローカルの会社」もありますが、そういう店で当たりくじを引くのはかなり難しいし、日本の輸入卸専門業者でもやっぱりハズレのものもあるんですね。でもローカルの会社から買うよりは間違いがない。
刺身類もそこから手に入れれば幸せになれるんですが、業者から買うということはロットが大きいのね。
でもタコならまるまる一匹でもすぐに食べちゃいます。歯ごたえも冷凍ものらしくなくて美味しい「冷凍の蒸しタコ」が手に入る。(冷凍ではない冷蔵の生蛸も売っている)
ただし、刺身類は何種類か買ったら恐ろしい量になってしまう。
だからやっぱり「ビレッジグローサー@ワンモントキアラ」は使えると思うわけです。
でもマグロは大間のマグロが良いとか、車海老は沖縄の養殖物ならいらないとか、職人の技や気遣いが欲しいそういう【通】の人はこの手の寿司や刺身は無視したほうが良いし、そもそも海外に出て住むなんてことはまかり間違えてもしないほうが良いんじゃないですかね。
これを書きつつ思い出すのが、ゴールドコーストに移住してきたある日本人セレブ夫婦ですが、3ヶ月ぐらいしてからかなぁ。「ゴールドコーストの食生活には耐えられない」と引き上げていったのを思い出します。でもそういう人たちでもクアラルンプールなら大丈夫かもしれないですね。一ヶ月に夫婦で50万円以上の外食用の食費が出せるなら、グルメでうるさい人達でも結構満足できるんじゃないかなぁ。でも家食は良い素材を手に入れるのが難しいからかなりの妥協を強いられるんじゃなかろうか。
美味しいものは日本に帰ってから食べると決めている人も多いみたいだけれど、それじゃマレーシアの毎日がつまらないと思うし、我が家はよっぽどのことがないかぎり日本に帰ることはない。
お世話になってます。ビレッジグローサー@ワンモントキアラ。