コロナ関係は、日本とマレーシアと両方を見ていますが、マレーシアに現在住んでいて良かったと私は思っています。
日本って、日本らしいというか「科学的、論理的ではない」と感じます。「雰囲気」「情緒」を大事にしている。
人の不安とは「雰囲気」「情緒」から生まれるものだから、それを全く無視するのは反対ですが、国や自治体が方針を決める時に「雰囲気」「情緒」を最優先するのはおかしいんじゃないですかね。
それを感じたのは「Go toキャンペーンの犯人説」です。
そりゃ「全体を見れば」「関係あるかもしれないなぁ」と思うのは私も同じで、でもそれが事実かどうかは別問題で、関係あると主張するなら、Go to キャンペーンの人の動きはデータから取れるとのことだし、各地の感染者の増減と比べてみれば「何が事実かわかる」はずで、そのエビデンスを出すべきじゃないですかね。
これって地方それぞれだと思うけれど、「Go to が犯人」だと主張するなら、せめて「Go toが犯人だとする具体的なデータを出す」のが普通でしょう。そこで反対派は「違うデータもあるぞ」と議論になるのが健全だと思うのだけれど、それさえも起きない。これは科学の否定と言っても良いんじゃないですかね。
どういう政策を出すかの前に、大事なのは現状把握なわけで、それが行われているのかどうかもわからない。当然、国民にそれが示されることもない。
「なんとなく危ないから、やめようよ」
これじゃ駄目でしょう。個人がそう思うのは良いにしても、専門家や政策決定者がそのレベルじゃ本当に困る。
でもそういったのが「日本医師会の中川会長」で、「私の目の錯覚かどうかわからないが、この二週間ぐらいからどうも感染者が全国的に増えているような気がしている。Go toキャンペーンが始まり、影響ないという話ではない。やはり人の移動がどんどん活発になったことが影響している」と。
もっと酷いのが「東京都医師会の尾崎会長」で「Go toラベル自体から感染者が急増したというエビデンスははっきりしないが、きっかけになったことは間違いないと思う」と。
これらを根拠にGo to トラベルをやめろと。
これを聞いて、「そうだその通り!」と思う国民、専門家、学者、政治家がいるんだろうか。
まぁ、不安にかられている国民がそう思うのはわかる。でもこの発言は「科学者にあるまじき発言」じゃないんですかね。私はこの人達は「統計に関しては無知」なのかと思ったくらい。学者だからなんでも分かることはないにしても、こういう非科学的、非論理的な学者っておかしくないですかね。
またそれをそのまま受け入れてしまうメディアや政府ってなんなのか。
私は「政府も自治体も【エビデンスに基づいて行動していない】」というのを自ら暴露したのと同じだと思うんですよ。
そういう意味で、「Go toトラベルは関係ない」と主張した、福岡市長の高島宗一郎氏は偉いと思う。グラフを提示して、これを見てみろ、関係ないじゃないかと。
Go Toトラベルの対象エリアから札幌と大阪が当面3週間除外されます。両地域での感染拡大を受けての緊急対応です。こうした…
私はマレーシアに住んでいますが、マレーシア政府が決めていることは「概ね、エビデンスに基づいている」と感じます。(私が欲しいデータが全て公表されているわけじゃないけれど)
今、マレーシアでも感染が広がっていますが、それらは「ある地域」「ある施設」「ある工場」であるのがわかっている。だからそれらの区域を重点的に、そして「徹底的に抑え込む」というやりかた。
私はこれって非常に理にかなっていると思うわけで、全体の数字が大きいからと言って、「マレーシア全土」で厳しい行動制限をするということはしない。でも危ないから、「ゆるやかな行動制限は続けましょう」というのは理解できる。
でも日本は違う。「全体の数字が大きくなってきたから、【全体的に厳しく行動制限をしましょう】」というあまりにも大雑把なやり方。
多くの人たちは大都市に住んでいるから、それも良いのかもしれないけれど、「新規感染者は数人レベル」の市町村も同じく行動制限が掛けられているとのこと。「え?俺たちも?なんで?」ということが起きている様子。
不安ばかり持っている人は、「どんどん厳しくやれ~~」と思うのだろうけれど、度が過ぎるのも良くないんじゃないですかね。
人は心とは別に頭もあるわけだから、「論理的に納得がいくことをする」のは大事だと思うんですよ。
「11月28日現在」「マスコミが言わないコロナの正しい情報」
これが間違いなく正しいかどうかは私にはわかりません。でも耳を傾ける必要はあると思っています。
それとですね、私がいつも不満に思うことがあるんです。
専門家は医師を含めて「こういうことに気をつけろ」といい、「手洗い、マスク、三密排除」が合言葉。
これはこれでわかるんですよ。
でも不思議なのは、これだけ世界中で半端じゃない数の感染者がいるのに、「感染者からの【現実的に何が問題だったのか】の実例が示されていない」ってこと。これじゃ、大事な情報が全く無いのと同じで、私には「何が起きているのか」がわからないんですよ。
経験談こそが重要だと私は思うわけです。でもそれは殆ど無いと言っても良い状態。
感染した人は必ず「あの時かなぁ」と考えるはずで、全くわからない人が多いとしても、「きっとあの時だ」と思う人は半端じゃない数じゃないですかね。そして「あの時にこうしておけばよかった」とか必ず考えるはず。
あるいは「コロナには感染したけれど、こんなものは気にするほどのことはない」と思っている人がどれほどいるのかも気になります。また、感染者全員が反省しているとも思えない。
そういう「体験者の話」がどっさり出てきても良いはずで、その中から、我々は「なるほど」とか「やっぱりね」とか「ええ?そんな程度で?」とか得るものはかなり多いはず。
でもそういう「本物の現場の体験談」は皆無に等しい。
コロナに罹らないようにするには「手洗い、マスク、三密に近寄らない」という【イメージ】だけしか私には無いんですよ。
でも実際に感染した人たち(死者も含めて)に、「手洗い、マスク、三密にはしっかり気をつけていたのに」というケースがあるのかないのか、それさえもわからない。それとも感染した人たちは、みんな「不用意でいい加減なドジ、アホばかり」なんですかね。
自分の不注意、簡単に考えていたのが原因で、「自分の親族を死なせてしまった人」の体験談をいくつか読んだことがありますが(アメリカ)、そういう実例を多く出すことこそが、何よりの情報だし、予防策だと思うんだけど・・。
それをやったら、不安を増大させるだけで良いことはないってか?
そのくせ、根拠がまるでわからない「Go toはやめろ」って、日本は一体どうなっているのか。
全く問題がない人、問題がない地域でも「家に閉じこもっていろ」みたいな考え方っておかしくない?
私は「外に出ろ」と言われても引きこもりを続けるつもりですが、「引きこもりをしろ」という考え方には反対したいですわ。
その点、マレーシアってバランスはそこそこ良いと私は思っています。政府が決めたことに私は納得がいくのだけれど、日本って何を元にどうしたいのかがまるで見えてこない。