マレーシアの深刻な問題は、【死亡者が増え続けていること】だと思う & 日本の問題の根本はどこにある?

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マレーシアの「新規陽性者数」を見ると、本当に困ったもんだと思うし、【多くの人はそればかり気にしている】のを感じます。

私はその数字より、「重篤・死亡者の数」に注目しているのはいつも書いていますが、その数字が減るどころか増え続けているのに驚愕しています。無症状の人も多い新規感染者とはわけが違う。つい最近、死亡者数が改善したかに見えた傾向は勘違いだった様子。

一日の死亡者数が400人に迫る勢い。日本で言えば一日1600人が命を落としている計算。(日本の死亡者は7日平均値で一日38人)

保健省は「ワクチンが効いている」と思わせるような発表の仕方をしていますが、数字的には全くそれは見れない。でも「規制緩和をしないともうどうにもならない状態」だし、それの理由付けが必要なんだろうと思っています。

死亡者数は7日平均で見るとこんな感じ。

マレーシアだけを、7日平均ではなくて毎日の実数で表示するとこんな感じ。

新規陽性者数はこんな。7日平均。

マレーシアだけ。

世界の動きを見ても、「新規陽性者数を軽視する方向」にあると思います。

その理由は簡単で、「ワクチンは間違いなく効いている。でもそれは重篤・死亡者を減らす」というのが大前提にあるからでしょう。そしてそれは世界の動向を見ていると正しい感じはするんですよ。新規陽性者数は増えても死亡者数は下がっている国々は多かったから。

でもあえて言えば、それは「過去形」であって、世界全般の数字を見ていると、やっぱり「ワクチンが効いている\(^o^)/」とは言えない【限定的である】という動きが見えると思う。また各国は「新規陽性者数に重点を置くと、【解決できないのがはっきりしている】から」だとも思っています。

そしてマレーシアは、「ワクチンが効いている動きは見えない」のに、今の感染状況は改善しているような雰囲気作りをして、規制緩和も進めている。

この手のグラフもそうで、誰が見ても「ワクチンを打たなくちゃ」と思うグラフ。

ま、それはそれで間違いだとは思わないけれど、私は「死亡者数」に固執しています。この数字が間違いなく下がってくれば、こりゃ本物だろうと思うから。でもその兆候は全く無い。

また私が面白くないと思うことがあって、それは保健省は「死亡者の年齢や持病、どこの病院・自宅でなくなったのか」のデータを出さなくなったこと。これって情報が盛りだくさんで、どういう持病がある人が危ないか、また年齢の傾向や変化もわかったし、自宅(病院以外)でなくなる人の割合も私は注意してみていたんですよ。でもそれはもうわからない。私はこの情報は「見せたくない情報の一つ」「不安を増長する可能性がある」とも思うのだけれど、【出さないという決定】にはかなりがっかりしています。昨日なら400人近い人のデータをズラーッと並べられたら気も滅入るなんてもんじゃありませんが、そのデータから読み取れる情報って多いと思うんですよね~。

国は「国が望む方向に人心を誘導する」のはどの国も当たり前だと思うけれど、マレーシアってかなり真面目にやっている印象を去年から持っていた私としては、このままで大丈夫か?という疑念を持ち始めています。「もう打つ手、無し」なのを隠しているような気がしないでもない。

でもそんなことを考えたくもないのは間違いがなくて、だからこそ、私は「死亡者数」に固執しています。これさえ下がってくれば、とりあえず「目先のこと」としては、「とにかくワクチンを打とう」というのは正解で、多くの人はその結果に期待しているわけだから。絶対に「ワクチンを打っても駄目なのか・・・」なんて思いが広がったらうまくなくて、それこそカオス状態になりますもんね。

でも現実はそちらの方向にうごいているかもしれないという「想定」を、多くの想定の中の一つとして私は排除してはならないと思っていて、数字だけではなくて、政府の動き、保健省のデータの出し方、ノール氏の発言に矛盾がないか気にしてみています。

で、今の時点では、私は「明るい希望は見えていない」と考えています。

ところが、巷では「規制緩和を喜ぶ人たちが多い」のは間違いがなくて、それは行動制限が厳しかったし、経済的な問題もあるから当然だとは思うのだけれど、【コロナの感染状況】を主体に考えた場合、マレーシアの規制緩和は【綱渡りを始めた】と考えるべきだと私は思っていて、それがどういう結果になるのかは【今後の数字を見ればはっきりする】はず。

私としては、マレーシアは急ぎすぎている感じがしなくもなくて、本来なら【誰が見ても数字的には改善している】のを待って、規制緩和なり、次の一手を考えるべきだと思うのですが、現状は【ワクチンが効いている】【ワクチンで救われる】という【思惑】、あるいは【小さな予兆】だけで突っ走っている感じを受けています。

でもま、それとて「データの見方次第で変わるはず」で、私が見ているのは多くのデータの一部分でしか無いのは間違いなし。見るデータによって全く違う印象をうけるはず。

今、見てみたいのは、マレーシアのICUの入院患者数、人工呼吸器を使う患者数の推移です。これも「死亡者数」と共に非常に重要だと思うのですが、いつも見ている「Our World in Data」ではその項目にマレーシアは出てきません。(このブログで多用しているグラフはOur World in Dataから)

でも保健省は毎日の発表の中にそのデータは載せているわけですから、どこかにその推移が見れるグラフもあるはずなのね。そして州別にそれらを見る必要があると思うけれど、私にはどこを探せばよいのかはわからず。せめて「生データ」がどこにあるのかわかれば、そんなグラフも作ってみたいです。

マレーシア、頑張れ!!

ところで日本では、今頃になって医療機関にコロナ患者の受け入れ要請を始めた。今まで何をしていたのかって思いますよねぇ。

日本の感染状況を「さざ波だ」と発言した高橋教授はかなり叩かれましたが、私は今でも「さざ波だ」と断言したいと思います。

誰が見ても、小学生でも世界のグラフを見ればそう思うはず。でも「感情がそれを許さない」のね。これほど大騒ぎになっているのに「さざ波とはけしからん」と誰しもが思うはず。

でも「さざ波だという人を叩く」のは筋が違うんじゃないですかね。【さざ波なのに対応できない日本に問題がある】と考えるべきだと私は思うし、高橋教授がさざ波だと言ったのも、「焦点はそこにある」ことを言いたかったはず。

主な国々の「人口100万人あたりの死亡者数(7日平均)」4月1日~8月26日。

日本だけ。

このグラフは何のグラフなのか説明せずに、「日本の状態は他国に比べてどういう状態か?」と質問したら、中学生でも「さざ波レベル」と答えるんじゃないですかね。もしこの日本の状態を「世界と比べても非常に危機的なレベルだ」と答えたとしたら、義務教育も無駄だったというしかないと思うんですよ。

こういう私の書き方にも苛立ちをおぼえる方は非常に多いと思いますが、その矛先を向ける相手が違うんじゃないですかね。

日本は「ちゃんと予算も組んだのに、コロナ病床も、専従医療従事者の拡充もしなかった」というのが正解じゃないんでしょうか。

なぜそうなったのかは、日本の場合、はっきり指摘するメディアも専門家も非常に少ない。それは「タブーの領域」だからじゃないんですかね。

高橋教授も「予算獲得に動いた人」であるから、この現状にはかなり憤慨しているのだけれど、彼は【地方自治体の怠慢】という。予算をどう使うか決めるのは地方自治体ですから。

でもそれは高橋教授とてはっきり言えない、「厚労省と医師会の闇」じゃないかと私は想像しているし、それを指摘する評論家もいる。

一般病院では「コロナ患者なんて絶対に受け入れたくない」と考えるのは当然で、まず設備や人員の問題もあるし、「コロナ患者がいるなら、その病院には行きたくない」と考える人も増える。そもそもコロナ患者を受け入れていなくても【病院そのものが怖い】と多くの人は考えていて、病院の経営を圧迫している状態はあると言われる。これは私もそうで、病院に行きたいけれど、行きたくないとも思う狭間にいます。

コロナの陽性者の分類は2類なわけですが、それにももちろん問題があるんでしょう。5類に変えるという議論は去年から出ていたけれど、進まない。これは「コロナ患者は一体どういう患者なのか」が問題なのではなくて、5類になったら一般病院でもコロナ患者を受け入れることになるから、というのが一番大きな壁じゃないんですかね。だから5類に変えるのは簡単ではない。とんでもなく大きな抵抗に合うのは簡単に想像できる。でも評論家、専門家は、「そもそもコロナは・・」という議論をしているケースが多い。問題はそこじゃないのが見えないのかと思う。

病床や人員を増やすにしても、それは自治体がそれぞれ予算を使ってやるわけですが、私はそれを自治体に任せることに無理があると思っています。法律的にどうのではなくて、どの自治体も当然、地元の病院や医療従事者、そして医師会とは強いつながりがあるわけで、それには政治家も絡んでくるわけで、「病床を増やしてくれ」「人員の拡充もしてくれ」なんてのは【理想論でしか無い】と潰される動きがあるんじゃないですかね。私がもし、地方の私立病院の経営者だったら、間違いなくそういう風に動くと思いますもの。病院そのものの経営ができなくなったら大変ですから。

でも頑張る一般、私立病院はあちこちにあるわけで、それはその病院の「善意」「使命感」に任せた状態というところに大きな問題があるんじゃないですかね。支給される補助金も焼け石に水という話を聞いたことがあります。

実際に、コロナ患者を受け入れるということは、とんでもない「経費増&収入減」になるんでしょうし、おいそれと、「やります」とは言えない状況もわかるんですよ。

だからこそ、数兆円もの大規模な予算を組んだわけで、そして苦労している現場の医療従事者の収入増、そしてそれがあれば増員も可能だろうと考えたのは、予算を組む真ん中にいた高橋教授もいうのだけれど、自治体も医療界もそうは動かず、その膨大な予算の多くは使われないままという。

そして今になって、政府は「受け入れ要請」を言い出した。でもそれは東京都。さて、他の自治体は?

テレ朝news

 東京都に新たな動きです。田村厚生労働大臣と小池都知事が医療機関に対し、コロナ患者を優先するよう要請すると明らかにしまし…

私が「日本はさざ波程度」というとバカヤロ~~と思う方は多いと思っていますが、私はあえてそれを書いています。

「こんなさざ波程度なのに、なぜ日本の医療はこんなことになっているのか!!」という声が大きくなるのを期待するからです。2類を5類に変更するのも多くの問題があるとは思いますが、その議論を積極的に進めない限り、「助かる命も助からない」のは間違いない。

私は「今からでも遅くない」と思うんですよ。次に何が来てどうなるかはわからないんですから。そもそも今の状況だって、「ここまではならないだろうという【希望的観測】もあった」からじゃないんですかね。またコロナが出始めた頃、「日本の死者は40万に達する」なんて予想をした学者もいて、もしそうなったとしたらどれほど医療の拡充をしても無駄なのは明らかで、どうしたって【感染の広がりを抑えることに集中する】というのが政府、厚労省の考え方だったのではないかという評論家もいる。(高橋教授もそう言う)

 

そして私達の中にも、「自分がいつも行く病院は【コロナ患者を受け入れてほしくない】という思いが少なからずある」のも間違いがなくて、日本が抱えている問題は根が深いと思います。

あえてまた書きます。日本の状況は世界の中でみれば、「さざ波」でしかない、と。

問題は、「さざ波程度なのに、医療崩壊が起きつつある」というところで、これってとんでもないことが起きているという認識が大事なんじゃないですかね。「医療現場は大変なことになっている」という現実ばかりに右往左往してしまいがちですが、その原因はどこにあるのか。なぜ多くの病院はコロナ患者を受け入れたくないのか。それを解決する方法、それを推めることが出来る部署なり政治家は誰なのか。そこに焦点を当てて国民が声を上げない限り、関係者はじっと黙って知らん顔を続けると思う。私が地方自治体の担当課長なら、「要請はしています」とだけ言って逃げると思う。それ以上のことは私の仕事ではないという言い訳が十分通るし、それも事実ですから。で、上の方は政治家や医師会、業界と常に「良い仲を維持している」わけで、「コロナ患者の受け入れは積極的に検討しています」と体裁だけ整えて止まっているんじゃないですかね。

またマレーシアみたいに、日本と比べたら【地獄のような数字】なのに、なぜ政府も担当省庁も「将来に期待ができるようなことを言う」のか、なぜ、日本みたいに医療現場が大騒ぎになっていないのか。マレーシアの死亡者は人口あたり【日本の25倍】です(8月26日現在)。ただ、マレーシアの死亡者を収容する「冷蔵、冷凍設備が足らなくて、常温で保管している」というニュースをみたこともあります。

国の事情、医療、医療制度の違い、考え方、習慣、価値観の違いも大きいとは思いますが、なぜ日本がこんな危機的状態にあるのかの根本を考えたいと思うし、私達は「その根本的な問題を逸らそうとする人たち、政治家の存在」をきっちり見ていく必要があると思います。

日本の現状はさざ波だなんて言われて腹を立てている状況じゃないはず。さざ波なのにこんな状況だというところを認識するのがスタートじゃないんでしょうか。

「要は金なんだよ」という専門家も少なくない。

でも大きな予算は組んだのにそれが有効に使われていない。

厚労省や地方自治体には医師会や地元の医療界、政界とのしがらみがあるのはわかりきっているのだから、コロナ患者を受け入れたくない彼らを動かすことは出来ないと思うんですよ。私としては「ガースーでも自ら日本中の主だった医療機関に対し、現金で頬を引っ叩いて回れば解決する」かもしれないぐらいに思っています。「予算はたっぷりあるから、使ってください」という首相自らの要請には理があると思うし。でも厚労省や自治体、医師会、病院の【しがらみがある人たちはそう簡単には動かない】なんてこともあるのかもね。私の考えなんて、ケツの青い理想論でしかないとも思ったり。

でも数日前の、東京都の医療機関に対する要請は、その援護射撃なんだろうと思っています。

「金があれば助かる命は多い」とよく言われますよね。「金が無いと助かる命も助からない」とも。それが今、日本中で起きている。でも金は用意してある。なんなんですか、これって。こんなところにも日本が弱体化する原因が見え隠れしているような気がしてしかたがありません。

今日、「コロナ入院を受け入れてきた大阪の病院が倒産」というニュースがあった。「昨年からは新型コロナの感染拡大の影響で、外来患者が減少。感染患者の入院受け入れで医療体制が逼迫(ひっぱく)し、外来患者の減少に拍車がかかって経営が悪化していた」とのこと。

こういう病院を救えない(病院に問題があるにしても)のは問題で、このニュースを見て「だろうなぁ」と思う病院経営者も多いんじゃないですかね。だからコロナ患者は受け入れたくないんだよ、と。

「コロナ患者を受け入れれば長年の低迷してる経営状態を改善できる」「やれば儲かる」ぐらいじゃないと動かないんじゃないですかね。病院経営者にとっては「コロナ景気だ!これに乗ろう」と思うくらいにしないと、面倒なこと、余計なことはしたくないのは当たり前だと思う。

要請だけで問題は解決するのか?協力しない病院は名前を公表するなんて脅しが通じるのか?それって「策のなさを露呈しているだけ」に見えるのは私だけですかね。お上もそんな程度だから、医療現場も「前向きに検討します」と言うだけで逃げるんじゃなかろうか。

日本って、このような「金を使わず、使命感に期待する国」にいつからなったんですかね。う~む、あれもこれもそういう感じがしないでもないですね。介護もそうだし、私は政治の世界に「責任転嫁」がかなり起きているような気がしてなりません。でも「頑張っているフリだけはする」みたいな。

そしてその後ろには「金を出すなよ」と常に見張る財務省の存在がある・・・、ってか?

頑張れ、日本!!

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