Game Stop社の「一般投資家」VS「空売り機関投資家」の勝負ですが、かなり大きな波紋を残したようですね。
Bloomebergにこんなニュース。
ウォール街の空売り筋に対する攻撃はナポレオンの時代からあった。政府証券に対する空売りをナポレオンは「反逆行為」と呼んでい…
ウォール街の空売り筋に対する攻撃はナポレオンの時代からあった。政府証券に対する空売りをナポレオンは「反逆行為」と呼んでいた。
空売り投資家はその後何世紀にもわたり生き延びてきたが、ゲームストップ株を使った投資初心者らの反乱は、ショートポジションを組んで企業の不正などを糾弾する活動家にとどめを刺したかもしれない。
最大の犠牲者はアンドルー・レフト氏のシトロン・リサーチだ。 同社は20年にわたり提供してきた空売り分析の提供を中止すると発表した。そのほかメルビン・キャピタルはゲームストップ株の空売りポジション解消を迫られ、カーソン・ブロック氏らはポジションを縮小、幾つかの著名ヘッジファンドは2桁台の損失を被った。
経済の主流派や企業は空売り筋をうさんくさいハゲタカと見なしがちだが、空売り筋が市場の警察の役目を果たすと考える投資家もいる。空売りはかねて、企業の不正や疑義のある会計慣行、事業計画をあぶり出すのに役立ってきた。
バリアント・ファーマシューティカルズ株の空売りで成功した空売り投資家のファーミ・クアディール氏は「私はまだ事業を続けており、幸運だと思っている」とした上で、根本的な問題は企業の調査、つまり「搾取や詐欺に手を染めている企業の特定」のために十分な資金を使う投資家がどんどん少なくなっていることだとの見方を示した。
オンライン掲示板「レディット」の「wallstreetbets」フォーラム利用者が団結して空売り筋に対抗する前から既に、空売りは指数連動ファンドの人気や長期の強気相場といった逆風に直面していた。
空売りファンドの数は一貫して減少し、ユーリカヘッジのデータによれば3兆6000億ドル(約377兆円)規模のヘッジファンド業界で空売りに特化したファンドは120程度にすぎず、運用資産は過去2年だけで半分以下に減りわずか96億ドルになっている。
弱気で知られるヘッジファンド運用者のクリスピン・オデイ氏は「レディット軍団が攻撃を開始する前でも市場のショートポジションは15年ぶりの小ささだった」と話した。
私は「空売りそのもの」に関しては非常に良いシステムだと思っていて、「安い株価の株は買われる」のと同じ様に「高い株価の株は売られる」のは良いこと。
それで市場の健全さが保たれると思うくらいで、空売りシステムがないことのほうが恐ろしいと思うくらい。
でも空売りの勢力は弱まってきたのは間違いがなさそう。
さて、一トレーダーとしてこれをどう思います?
私は「空売りが好きなトレーダーに【春が来た】」と思います。
大海原で漁をする漁師だとしましょうよ。
魚がうようよいるところには大手の大船団が集まる。
ところが、もしその大船団が減ってきたとしたら?
それと同じだと思っています。
ただ私が危惧することは「空売りは悪いこと」の様に喧伝され、市場システムがそれに対応してしまうこと。そもそも「株価は上がることに価値がある」わけで、「株価が上がり続けていれば皆がハッピーになる世界」ですよね。だからそれに反する「下がれば利益が出る手法」が嫌われるのは歴史的なものがある。
私が株をやっているかなり昔の話ですが、あちこちにある株式掲示板に「空売り」のことを書くとまぁ叩かれること叩かれること。当時は「株を買うのは株主になることで、その株主としての自覚を持つべきだ」なんていう綺麗事の考え方が一般的でした。空売りをするどころか「信用取引」をすることさえ、胡散臭がる目で見られたのね。「相場師」という言葉が蔑む意味で使われていた時代は長かった。
ま、世の中には「空売りできない銘柄」とかあるし、「空売り禁止」みたいになることもありましたから、どうなるかは私にはわからない。
でも世の中には「先物」や「CFD」もあって、多くの株式銘柄がある。そしてその市場の「ショートを規制する」って難しいんじゃないですかね。
ただ世の中の投資家の多くは、自分では売買せずに「ファンドを持つ投資家」も多い。ETFを買うのも同じ。
そういう人たちが「空売りからの利益は少なくなる」ことは起きるのかもね。
空売りの名手達が、指を加えてみているだけしかできないとしたら・・・・。
良い時代になったと我らゴミのような投資家は喜んで良いのかも知れない。
私は株式投資をしませんが(あまりにも難しいから)、そんな気がしています。