【投資関連】世界的なインフレ懸念があるけれど、「価格を日本円で見ないほうが良い」と思う

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コロナ渦だけでもインフレ懸念が出ていたところでロシアによるウクライナ侵攻。

これで世界のインフレは決定づけられたと思います。

やっぱりエネルギー価格の上昇って全てに影響が出ると言っても良いわけで、また紛争の場所がウクライナということで「穀類」の価格も上がり、これもまた多くの製品に影響が出る。

これにどう対処するかですが、トレーダーなら貴金属やエネルギー関連、その他の商品の先物投資をするなりヘッジをするなり考えるはずですが、この時に「日本人だから日本円で考える」人もそれなりに多いことに気が付きました。

これって私は非常にうまくないと思っていて、「世界的なインフレ」の場合、価格を日本円で見ても意味がないと思うんですよ。ましてや今回のような要因がある場合、【為替も大きく動く】のが普通で、では「価格の上昇はそのものの価格の上昇なのか、円安による上昇なのか」をはっきり把握しないと駄目じゃないんですかね。

今回の世界的インフレは「円安との相乗効果」があって、【日本円で見ると大きく見える】ようになってますよね。

この場合、インフレに対応するとした場合、まず考えるべきことは「為替変動に対応する」のが優先されるべきで、個々の価格を日本円で見て対応するとポイントがハズレることが起きるんじゃないですかね。

原油の場合はほとんどの人はドル建てで見ていると思いますが、金とか小麦価格は円建てで見る人も多い。日本人なんだから日本円で見るのが当たり前と言えば当たり前ですが、その価格は「世界市場の価格」ではなくて「日本というローカル市場の価格」なわけで、立場上それが重要だとしても、「大本の世界市場価格を基本としてみる」べきじゃないんでしょうか。

最近は「金(ゴールド)」の値上がりが大きいと日本でも報道され、多くの人が「手持ちの金を売る」ことが起きていますよね。これは日本に住んでいる人が日本で金を現金化するという意味では全く問題はないにしても、「金を投資・ヘッジ対象としてみる」場合は、注目すべきは「国際価格」じゃないんでしょうか。

ま、日本でも「金の先物(東京所品取引所)」がありますから、日本円で見るのも良いですが、日本で金の先物をトレードする人たちは常に「国際価格と為替」を見ているはずで、極端なことを言えば、「国際的な金、為替、日本の金」で「価格差を計算した裁定取引(アービトラージ)」も出来るのかもしれない。

でもそういうのはプロの中でも一般的ではないと思うし、私達が注目すべきで、そしてトレードをするとしたらやっぱり「国際価格」じゃないんですかね。もし最初から最後まで日本円で投資するにしても、為替が大きな変動要因なのを忘れるわけにはいかないはず。

わかり易い例として金(ゴールド)を出します。

まずは「日本の金の価格(東京所品取引所)」の日足。

世界的に標準とされる金の価格(COMEX;ニューヨーク商品取引所)の日足。

かなり印象が違いますよね。

ラインでこの2つの先物を重ねてみますと、動きに変化がある場所は同じですが、幅が違う。

この違いはなにかといえば「為替」なわけです。つまり、最近の動きは「金の値上がり」もさることながら、「円安の動き」の影響が大きいことがわかります。となれば、注目すべきは金ではなくて為替かもしれない。

で、為替を見てみると円安が凄いことになっている。USD/JPYの日足。

ここで私が思うことは、もし日本円を多く持っているとするなら、ここで考えるべきことは「金で儲けよう」ではなくて「円の防御をしよう」ではないかと。

また今回は円安の動きが金の高騰に拍車をかけたわけですが、では円がもし「円高の動き」であったとするなら、円建ての金相場は【動いていないように見える】かもしれない。

だから必ず為替の動きに注視するべきで、特に「円建てで見ることが多い場合」は注意が必要だと思います。

これは実は株式も同じで、日本の株は日本円で見るのが普通ですよね。日経225も同じ。

ところがですね、世界のトレーダーの多くは「ドル建てで日本の株を見ている」のを忘れるとうまくないのね。

つまり、円建てで見るか、ドル建てで見るかによって、ポイントが変わるわけですよ。「高値更新をした、それいけ~」なんて思っても世界はそう見ていなかったり。また逆のことも起きる。

だから為替は非常に重要だし、日本円で投資をする場合は特に注意するべきだと思います。

私の場合は全く逆で、日本円を全く持っていませんし、海外在住ですから、「国際価格のみに注目」しています。そして日本円での投資もしていませんからドル円の為替も関係なくて、多くの日本人にとって半端じゃなく関係のある円の動きは、私にとっては多くの投資対象の中の一つでしかありません。

だから私の考え方って日本人のトレーダーとはズレがあるはずで、今日、書いていることもピントがズレているかもしれません。

ただ、円建ての価格とは「日本という小さなローカルの価格でしか無い」という考え方は大事で、あるいは、トレーダーの多くは「日本人ではない」というところを忘れないほうが良いとは思っています。

でも円の資産も多く、円の防衛もしないとならないトレーダーは、今回のような「円安の中の金高」は金に円資産を使って投資をするだけで円の防衛にもなったということですね。

でもそれもたまたまだと私は考えていて、そううまく行くケースって狙ってもなかなか見つからないと思っています。でもま、それは私の脳みそのキャパを超えているからそう思うだけのことかもしれないし、私がなぜ米ドルしか持っていないのかというのも、そうするべきという根拠らしい根拠はなくて、米ドル一本のほうが管理がしやすいからだけかもしれません。

だから私のいうこと書くことを真に受けるととんでもないことになるかも。(笑)

ただ、私は「為替を制するものがすべてを制する」と思っていて、それは「FXで利益を出す」という意味ではなくて、もっと大きな枠で「為替変動を掴む」ようにしないと屋台骨が揺らぐと思っています。

今回の動きも、金じゃ、小麦じゃ、石油じゃと考えを巡らすより、「まず円安にどう対処するのか」が一番最初にあるべきじゃないかということなんです。

個別の戦いで勝っていても、大きな為替変動で勝てないと全く意味がないのね。逆を言えば、為替の動きにうまく乗れていれば、他のことに悩む必要はないのかもしれない。

私達の首根っこを押さえているのは「為替」だけかもしれない。だから「為替で利益を出せれば他は考えないで良い」のかも。でも「為替ほど難しいものはない」のもその通りだと思います。だから「細々と稼いで積み上げる対象を探す必要がある」んですね。

ドル円。

私は逆に米ドルしかありませんから、米ドルの動きを注視しています。

米ドルのバスケットというのですか。世界の通貨の中でのドルの動きを一番重視しています。

US Dollar Currency Index 日足

そしてマレーシアに住んでいますから、気になる為替と言えば、マレーシアリンギット・米ドルです。

このチャートが下落方向にあれば私はハッピーということ。ただリンギットは半端じゃないローカルの通貨で世界で通用する通貨ではない(政府によって保護されている)し、FXもなければ先物もないのでヘッジも出来ない。だからリンギットは「必要最低限」しか持たないようにしています。

多くのマレーシア在住の日本人が気にするのは「マレーシアリンギット・日本円」の動きでしょう。

皆さん、これにどう対処なさっているのか非常に興味があります。円安と相まってどんどんリンギットに対しても安くなっている。

もし私だったら?

困りますね。リンギットにはFXがないというのが致命的だと私は思っていて、ヘッジのしようがないのね。当然、リンギットの動きで利益を狙うことも出来ない。ま、マレーシアの銀行を通してオプションのようなものを売買できるようですが、一般向きではないし、売買は決して簡単ではないので私は一切無視しています。

リンギットを多く持っている方は良いですが、収入の源泉が日本円だと大変ですね。またリンギットの金利も低いままですから、今後の期待も薄い。

特に年金生活者はそれに当てはまるわけですが、そういう時の対処法は、ヘッジもできませんし、「リンギット換算の収入を基本にして生活をする」しかないと思うし、その収入が生活の基盤になっているとしたら、「余計なことはしない」のが安全だと思っています。

年金ではなくて「日本円で大きな収入がある」という方もいらっしゃるでしょうが、そういう場合はやっぱり他のメジャーな通貨でヘッジを考えるしか無いんじゃないですかね。

しかしこの円安も「時代の変化」を感じます。

昔は「有事のドル買い」と言われていて、世の中がおかしくなると米ドルが買われ日本円が売られた。ところがいつのころからか、「有事の円買い」になりましたよね。それはリスクオンで海外に出ていた円がリスクオフとなった時に「買い戻される」から円高になるという理屈でしたね。それを「円が強くなったからだ」という専門家もいましたが、私は日本円が強いと思ったことってほとんど無くて、「単なる金利差」で日本円が利用されて、リスクが高い時代になればそれが返済され、円で返済される(買われる)だけだと思っていました。また、日本の企業もそういう時には「海外の投資を引き上げる」こともするわけで、円買いになると。

そして今、国連の常連理事国であり核を持っているロシアが、「力で核を持たない他国に攻め入って、核の使用をちらつかせる」という前代未聞、歴史的にも初めてのことが起きている。

こんな世界の非常事態って私の記憶、知識にはないとんでもない世界の危機。ウクライナもロシアも折れなければ間違いなく第三次世界戦争になると思います。金持ちでもないロシアは長期戦はできないし、キエフが陥落したところで占領を長期間続けるのも無理(兵站が届かない)。だからロシアのほうが立場は悪いわけで、ウクライナが折れなければ必ず「次の手を打たざるを得ない」のがプーチン。

こんな世界の危機って今まで無かったんじゃないですかね。タガがハズレた独裁者は何をするか誰にもわからない。

で、やっぱり日本円は売られる。

有事の円買い?そんなのはやっぱりないじゃないですか。

でもま、今はまだロシアの動きを世界は注目している時期で、本当に世界が驚くようなことが起きれば、円高に動く瞬間はあるのかなとは思っています。海外在住の日本人が「日本に帰ろう」と思えば、日本円を買うことになるのと同じ。円高になるんでしょう。

私は経済学をしっかり学んだわけでもないし、何がわかるわけでもありませんから、解説は高橋洋一氏の頭脳に期待しています。

そして私がやるべきことは「経済学的にどう解釈するか」「どう予測するか」ではなくて、「どう動こうとその動きの方向に乗るだけ」です。

私が信じるものは「過去の値動き」と「現在値」のみ。予想は一切しません。

どうなりますかね。

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