世界は「課税を統一する方向」にある。全体主義の幕開けで、私達はどう生き抜くべきか。

昔は「タックスヘイブン」と呼ばれる国や地域があちこちにあって、そこに支社を設立してその会社を通して利益を落とせば「一切税金を払わないで済む」なんてことがあった。

日本でもそれが問題になって多くの新聞の第一面に大きく報道されたことがあった。あれは1980年代でしたが、その時に私はタックスヘイブンの存在を知りました。合法的に「税金を払わない方法」があるのにびっくり。またその新聞報道では、日本の金融関係、大企業の殆どがそれらの国(たとえばグランドケイマン)にペーパーカンパニーを持ち利用していると。

でもそれに政府はすぐに反応して、「タックスヘイブン対策税制」を作った。でも蛇の道は蛇で抜け穴を利用するケースは多かった。

でもジワジワとそういう国そのものに圧力をかけたり、個別の銀行に対してもそうで、今では簡単に口座さえ開くことが出来ない状態。マレーシアも昔とは違って今では「非居住者は銀行口座も開けない」ようになりましたよね。

世の中から聞こえてくることとして、「法人税は最低15%は維持する」ということが多くの国の間で決定しましたよね(OECD)。法人税が安い国へ企業が出ていってしまったら大変ですから、そして国が法人税を下げる競争に入るのは好ましくないから当然と言えば当然。

またマレーシアですが2021年の10月に、突然「来年から海外所得を国内に持ち込めば課税する」と発表。これには驚きましたね。それまでは海外所得は非課税で、当然それをマレーシア国内に持ち込んでも非課税だったのが課税されると。結果的には「個人は除く」ということになりましたが、現在、2022年、すでに法人への課税は始まっているはず。

これらのことを俯瞰するとやっぱり世界は「それぞれの国でしっかり課税すべき」で、「タックスヘイブンなどを利用した節税を阻止する」方向に動いているのは間違いがない。

先日、シドニーで監査法人に務める次男とLINEで話をしていた時にそんな話題が出ました。

で、彼いわく、世界がそういう方向で動くのが決まっていると。私は「マジ?」と聞いたら、「オヤジ、そんなこともしらないの?」とバカにされてしまいました。(笑)

各国が協定を結んだそうで、それをBEPS: Base Erosion and Profit Shiftingと呼ぶのだそう。

OECDのページにその説明がある。(このサイト)

また日本の国税庁にも説明がある。

ま、あの手この手を駆使して税金を逃れる行為を止めようというのは誰が考えてもそうするべきだと思いますよね。世界の国境はビジネスの世界でもなくなってきたのに、税に関しては「その国に依存する」となれば、そりゃ誰だって税金の安い国へ企業ごと引っ越ししようと思うに決まっている。あるいはそういう国にXXXホールディングスみたいな会社を作って、既存の企業はその傘下にしてコントロールするとか。

人件費が安いとか国の補助や特恵があるからその国へ企業を移すのはわかるにしても、それプラス、税金の高い安いで移動が加速したら、「先進国は空洞化する」に決まってますよね。

かつて日本でも「これ以上、法人税を上げるならホンダは本社を海外に出す」と本田宗一郎が言い出して大騒ぎになったのを思い出しますし、今はもう倒産して存在していないスーパーの「ヤオハン」が今後は中国内での活動に本腰を入れるということで、香港に本社を移しましたが、日本と香港の法人税の差だけでヤオハンは多額の税引利益が増えると言われていたのを思い出します。

アップルが好業績である音楽配信のiTunesの本社がアイルランドにあるんでしたっけ?売上の中心はアメリカなのにおかしいだろうとアメリカ国内で大きな問題になりましたし、また日本アマゾンが実は日本には納税していないとか(今は納税しているらしい)、あの問題を起こした日産のゴーン氏も日本には所得税を払っていなかったとか、世の中は「税制の違いを利用して儲ける企業や個人」がごっそりいる。

これじゃうまくないのは、マレーシアで所得税が非課税である恩恵を受けている私でさえ、「本来のあるべき姿」を問われれば、「非課税なんて駄目だよな」と思うわけです。(笑)

時間がかかるとは思いますが、「世界のどこに拠点をおいても【節税効果はない】とする」のがあるべき姿なのは間違いがないと思います。そして世界はその方向に舵を切ったし、タックスヘイブンと言えばすぐに頭に浮かぶ「グランドケイマン」や「スイス」「リヒテンシュタイン」もその世界の合意にサインをしたとのこと(要確認)。

それが実現するのは時間がかかるし、常に「我が国はそれに参加しない」なんて国もあるわけですが、今現在でも「協力をしない金融機関には制裁を加える」なんてことをアメリカはやるわけで、今の中国包囲網で作られた法律では「関係会社も制裁対象となる」わけですから、「タックスヘイブンに子会社を置く会社は我が国での活動を禁止する」なんてことも起きるんでしょう。

とは言いつつ、昔に比べればかなり厳しくなった今でも抜け道はいくらでもあるわけで、それはいつの時代もなくならないとは思いますが、「まともな企業はそれをしない、できない」環境になれば成功ってことなんでしょう。(私はどうにも気に入らない)SDG’sですが、それもまた「世界統一」「世界的な合意」として進んでいて、それから外れれば世間からは認められないし、投資も集まらない。

世界を一つのルールの下にまとめるって良いような感じがしますが、私はこれは「強者の論理」でしかないと思っていて、どんな素晴らしい言葉で飾ったとしても「弱者の切り捨て」にしか思えません。どの国もどの国民も「同じ土俵で勝負する」のが本当に良いことなのか。かつてどんどん伸びていく日本に対してアメリカがああじゃこうじゃといちゃもんをつけて(「日米構造協議」「年次改革要望書」など)で「日本潰し」をしたのと全く同じに見えます。またマレーシアや他の弱い国々が企業や個人にインセンティブを付けて伸びようとしてもそれはルール違反になる。健常者も病人も障害者もみんな同じ様に働けということ。

「世界をまとめる」ことによって【格差はますます広がる】ことになるんじゃないですかね。

マレーシアの突然の「来年から課税する」というのは本当に驚きましたが、それはEUでグレーリストに載せられた云々以上に、「世界の動きがそうなっている」ってことなんでしょうね。

これが我々個人レベルまで降りてくるのがいつになるのか。

少なくとも私が生きている間には起きないだろうし、10年以内に・・というの無理じゃないかとは思っているんですが、世界がそういう方向に間違いなく舵を切ったことは頭に入れおかないとならないし、将来設計をするにあたり絶対に無視できないんじゃないですかね。

世界には「マレーシアやオーストラリアのように【贈与税も相続税もない】国」が存在しますが、それもまたいつか世界統一の方に行くかもしれませんね。

これって私達のように「国家間を移動する者たち」にしてみれば余計なことだと感じますが、日本人だとすれば多くの日本人は「日本という国に縛られている」わけで、【海外へでちゃえばどうにかなる】っておかしなことと言えばおかしなことだと思います。

日本人は日本から出て他国に居住すれば「納税義務はなくなる」わけですが、これは税制の基本が「属地主義」だから。でも「地」ではなくて「人」が中心となる「属人主義」のアメリカやフィリピンの場合、「自国に住んでいなくても納税義務がある」ようになるのも「国の国境が低くなり移動が頻繁に行われるような時代」にはそれがあるべき姿かもしれませんね。実際に、アメリカが属人主義としたのはまさに世界を相手にする国だからでしょう。

でも人であるならば「国籍を変える」なんてこともできるわけですが、そこまでやるのは一般的ではなくて、まず全体に「大きな網を被せる」のが重要で、それはまさに「世界統一の税率」なのかもしれませんね。

これがすぐに我々の生活にどれほど影響があるかはわからないにしろ、企業の場合にはすでにマレーシアでは新たな課税が始まったわけですし、無視できることではないはず。

そんな話を私と息子二人とLINEで話をしていたのですが、「では?どうすれば良い?」という疑問の答えは一つ。

「頑張って稼ぐしか無い」ってこと。(笑)

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実はここからが今日書きたかった本題です。

同じルールの元で生きるとなれば、どうにか稼ぐしか無いのは国家も同じで、様々なインセンティブ(低率の税とか)をつけて企業や個人を呼び込むこともできなくなるわけで、それで良いんですかね。それでどうにかなるなら、そもそインセンティブも付ける必要がないわけですから。

ゴルフをするのに「ハンディ戦はやめようぜ」というのと同じ。

ハンディはなしというのは、「弱者が弱者、あるいは敗者が敗者であるのは自己責任だ」ということになる。脱炭素にしてもSDG’sにしても、そういう問題を内包しているのは忘れてはならないはずで、それらを「高邁な理想だ」と単純に賛同するのは浅はかな考え方だと思う私。すでに既得利権を持つもの達の天国になるだけかもしれない。そして弱者は強者の傘下に組み込まれていくんじゃないですかね。まさにこれは全体主義の姿。

でもそれもまた「世界が一つになる」ためには乗り越えなくてはならないことかもしれなくて、かつての日本はそれぞれの藩が独立国みたいだったのが今は日本という一つの国にまとまった。これは世界を見ても同じ様なもので、段々とまとまりが大きくなり、その中で平均化されていくのかもしれない。EUも同じ。アメリカも同じ。

その過程で段々と「個性は失われていく」わけで、皆が右へ倣えで「同質化」していくのが良いことなのかどうか、それは私にはわからず。いつか地球はどこへ行っても「地球人という、権力によって作られた金太郎飴」を見ることになるのかもね。今の中国、習近平を見ていると、それが将来の地球の縮図に私には見えてくるんですよ。

だから私は「自立することが重要」だと考えるわけで、そんな世界になったら私としては中央の強権が及ばない片田舎で綺麗な海と空気があるところで自由に生きていきたい。でもそんな生き方をしてどうやって稼いで家族を養い生きていくのか。

だから「トレード」なんですよ。

私自身はトレードが得意とは思わない。でもそれしか自由に生きる場所を自分で決め、好きに生きていく方法がないと思ってここまでやってきたわけで、どうにかそれを子どもたちに伝えたいし、多くの人に取ってのチャンスであれば良いと思うんですよ。

「トレードで食う」という技術があれば、どんな世の中になっても自分が自分として生きていくことは可能だと思っています。でも決して「投資で食う」のとは違うのね。私は「投資とは未来予測が必要なギャンブルである」と自分に言い聞かせていますし(世の中でどう定義されようと関係なし)、先日、子供二人とLINEで長々と話した時に、「絶対に理解するべきこと」として子どもたちにしつこく話しました。でもトレードとは「大工がカンナを扱う技術と同じ」であって、未来予測は決して重要ではない。

世界のどこに住もうと「日銭を稼げる技術者」であればどうにでもなるわけで、それにはトレードしかないと私は結論づけて今の生き方を選んだわけです。でもそれは「大きな資産を持つことを意味しない」のね。まとまった金なんか長い時間軸で考えるといつ何時どうなるかわからない。でもどんな世でも「日銭を稼げれば生きていける」と考えたわけ。(日銭とは1日で稼ぐという意味じゃなくて【長期ではなくて短期で稼ぐ】という意味。【短期的な投機】)

私は今後は「サラリーマン受難の時代」が来ると考えています。企業間、国家間の競争も熾烈で「強者の軍門に入らなければ生きていけない」という基本がますます重要になれば「自分を殺して生きるしか無い」し、それを子どもたちにも強要することにもなる。日本の隣国では「誰が強者であるか見抜く力が重要」だと子どもたちに教えるのが常識と言われる。私はそういう国に生まれ育たなくて本当に幸せだと思っています。当然、子どもたちにもそんな生き方をさせたくない。

奴隷が「誰の奴隷になるのが得か?」を考える世の中を私は絶対に受け入れたくない。

昨今の「FIRE(Financial Independence, Retire Early)」の流行りは、それを30年前に実行した私から見ると「内容が甘い」と感じますが、それが注目される世の中になりFIREを目指す若者の気持ちはよく分かるし、まさに今日、私が書いていることと同じようなことを多くの人が感じだしているからだと思うんです。これは非常に良い傾向だと私は思っていて、是非ともしっかり計画を練って頑張って欲しいと願っています。

今回は「世界の税が統一される方向にある」話ですが、それは全体主義の序章であると私は感じるわけです。SDG’sも同じ。

強者は「ルールの統一が重要」とその必要性を美辞麗句を並べて喧伝しますが、それは「ハンディは認めない世界」であると言っても良いわけで、格差は広がり、強者を頂点とした強固なピラミッドが出来るだけだと思っています。【良いことは良い】にしてもそれを強制し、そのルールに従わなければ生きていけないところに私は違和感を感じます。

「みんな違ってそれで良い」という考え方で私達は生きては行けないんでしょうか。

今回の話題である「BEPS」にしても「SDG’s」にしてもそれらは昔から「個々が個々の目標」として考えて実行してきたことだと私は思っていますが、それでは生きていけない個人や国が存在する。SDG’sなんてのはいわゆる「老舗」に言わせれば当たり前のことでしかないけれど、そうであることを全ての企業に強要すれば、必ず脱落者が出てくるんじゃないですかね。そして強者のみが市場を占有する。だから「理想は理想であって、それをルール化してはならない」と私は思うわけです。

ダボは「税金の話から飛躍しすぎだ」とお感じになるだろうと思います。

でも私はこの数年の世界の動きを見ていると、どうも世界が社会主義、全体主義に動いているのを感じるのです。全てが万事そんな感じで、「右へ倣え」が良いことになっている。また「個性を尊重しよう」という言葉も聞かなくなってきた気がします。でも「皆で正しいことをしよう」という共産国家のスローガンみたいなものが目立つような・・。

私はいつまでも「常に自由であること」「来年の今日、自分がどこで何をしているのかを自分で決められる人生を送りたい」と考えています。強者の「甘言」には乗りたくない。

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