ヨメさんが、「あのさぁ、冷凍庫に牛肉の塊が2つあるけれど、どうにかしちゃってくれないかなぁ」ですと。
それは「牛の頬肉」で私もそのうちそのうちと思って日にちが経ってしまった牛肉。
「じゃぁ、今日作るかぁ」
「うん、そうして」
ということでカチンカチンの牛の頬肉を解凍。ブロックが2つあって、合計で1.6キロぐらいありますかね。これって本当に中途半端な量で、一つでは足りないし、2つでは多すぎるのね。でもま、全部使って料理して、余ったら冷凍しておけば良いかと。
解凍してみると2つづのパートになっていました。全部で4つ。二頭分ね。
今まで何度も調理したことがある牛の頬肉と比べると一回り二回り大きい。この肉ってオーガニック牛だけれど、もしかしたら「ホルスタイン牛」かなと思いました。ホルスタインは大きいですから。また肉質がちょっと固いと感じました。前回の頬肉がWagyuだったからかもしれませんが。
かなり「スジ」が付いていますが、これは煮込めばほぼ溶けてしまうしこれこそが美味しさの集合体ですからスジは取らないことに。でも脂は切り取る。
これをかなり大きめに切り分けて、そして塩コショウ。
そしてこれに小麦粉をまぶしてオーブンで焼きますが、その間にミレポアを作ることに。香味野菜をしっかり炒めてベースに使うわけです。プラスにんにく。
ところが~~~、玉ねぎが2個しか無い。あと一個あればどうにかなるのに・・・。でも人参もセロリもあるし、無いものをつべこべ言ってもしょうがないのであるもので作ることに。ミレポアが出来上がる頃に「トマトペースト」を入れてまた炒める。できることならホールトマトを使って煮込みたいのだけれど、今回はできる限り手抜きで行くことに。ということでトマトペースト。
肉を焼くのがこの料理のもっとも重要なポイントだと私は思っていて、ここでしっかり焼き目をつけないと出来上がりが美味しくないのね。焼き目ってまさにメイラード反応で「美味しさの元」。中途半端に焼くぐらいならちょっとコゲている方がまだ良くて、しっかり焼きます。
今回の頬肉のシチューは「赤ワイン煮」にしようと思ったのですが、それなら一晩、赤ワインに漬けた方が良いと思うのだけれど、その時間はなく、煮込み中に赤ワインを使うことで妥協。ここでも手抜き。
赤ワインを一本全部使って、それに牛か鶏ストックを足して「具材が顔を出さないようにする」のですが、ここでも手抜きで【水と鶏のストックの元】を使うことに。
そのまま【蓋をせずに】コトコト煮ること30分。この間に出てくるアクはキレイに取ります。
この後、やっぱり手抜きの時短で圧力鍋を使いますが、その前に「蓋をせずに30分煮込む」のが私が気がついたベストの方法。やっぱりアクを取るのは大事ですし(クリアなスープにしないにしても)、何よりも「最初に臭みも出る」のが普通で、蓋をして煮込むとその臭みが抜けないで全体に回るのね。これはベトナム料理のフォーボーのスープを作っている時に気がついたことで、特に繊細なスープを作る時にはこの「臭み逃し」が大事だと思う。味の濃いシチューでも臭みが無い方が良いわけで、煮込み始めは「必ず蓋をしないで煮る」のがお約束になりました。
そしてその後、圧力鍋に蓋をして圧力をかけて煮込むこと1時間。今回はかなり柔らかく仕上げるつもりで煮込みました。前回はナイフが必要な硬さに仕上げましたが、今回は肉も固めだし、Wagyuでもないし、トロットロに煮込んだほうが美味しいだろうと思ったから。
途中で「追い赤ワイン」も入れました。これはユーチューバーでイタリア料理人のファビオ君の動画を見て覚えた技。しっかり煮込むと赤ワインの風味が結構飛びますから、追い赤ワインをして赤ワインの「主張」をちょっとだけ出します。
そして最後の手抜きで、入れる野菜も無かったことから「味の素の顆粒コンソメ」を投入。そして「マギーの粉末デミグラスソース」と「ブーケガルニ」と「追いベイリーフ」「黒胡椒」も。そしておまじないと言ったほうが良い程度の「醤油」と「ウースターシャーソース(LEA & PERRINS)」。おまじないのおまじないで「魚醤」や「チョコレート」も考えましたが、味がぐじゃぐじゃになるかもしれないので止めることに。
なんで最後の方に香辛料を使うかというと、これもまた調理実験で気がついたのですが、特に圧力鍋で長い時間調理すると「香りが飛ぶ」のがわかったんですよ。でも最後に入れると「香りが混ざらない」ような感じがする。だから途中で入れるようにしました。
それからまた蓋をしないで30分ぐらい煮込んだでしょうか。最後の味付けを決めて出来上がり~。
付け合せのブロッコリーと人参ですが、時間があったのでこれだけは真面目に煮込んで作ってみました。
フレッシュハーブは一切ないので、全てドライハーブ。
肉はトロットロでいい感じ。ナイフを用意しましたが結局使わず。
前回は固めに仕上げたので随分違います。これは前回のWagyuの頬肉。
この肉の中に見えるスジがまさにコラーゲンで美味しいんですよね~~。でも頬肉そのものはかなり固い部位だから、固く仕上げると言ってもしっかり煮込まないと固過ぎて美味しくないはず。コラーゲンも「コリッ」とする食感が残っていたらアウト。
でも前回は結構真面目に作りましたし、Wagyuのせいか、前回のほうが味的には美味しかったと思います。でもWagyuだから頬肉でも価格は今回の頬肉の3倍。これっていくら美味しくても高すぎですよねぇ。
頬肉はどちらもこの業者から買いました。
今回、本当はちゃんと作ってみたかったのですが、突然作ることになったのと、野菜もハーブ類も欲しい物がなかったし、牛の頬肉自体があまり良い肉には思えなかったので、逆に「頑張って手抜きをしたらどうなるのか」に注目してみました。
でも手抜きの割には十分美味しくて、ちゃんとまともに作っても違いが出るかどうかは疑問。多分、私のベロではわからないはず。(笑)
しかし本当に美味しくて、これならどこかのお店で出てきても私は文句は言わないと思う。(プロがこれをどう評価するかは全くわからず 笑)
私はトロットロに煮込んだ肉が大好きで、豚の角煮も同じ。ヨメさんはやわらかすぎるといつも文句を言いますが、トロットロって美味しいと思うんですよね。特にスジが多かったり、コラーゲン豊富な肉は柔らかく煮込みたい。
美味しかった~~~。ご馳走様~~~~。
さて、シチューですが、結構残りました。これは予定通り冷凍して起きましょうかね。