マレーシアに住みながらマレーシアの経済動向がさっぱりわからない私ですが、どうもマレーシアの株式市場、為替の動きを見ていると、【マレーシアの景気がかなり悪そう】に思えます。貿易統計とかCPI、失業率などは見ていませんが・・・。
株式市場ですが、今年に入ってから世界市場は下がってはいるものの、【コロナ前に比べれば高い】のに、マレーシアは他国の株式市場が上がっている時には連れ高もなく、下げは一緒に下げてる。今ではコロナ前より下がった。
KLSE 日足。
アメリカ、日本、マレーシアの株価指数を比べるとマレーシアの悪さが良く分かる。
またマレーシア・リンギットの動きも変に感じるんですよ。
マレーシアリンギット・日本円の動きを見ていると、【円安の動きも一服】なのがわかる。これはドル・円の動きと同じ。
MYR/JPY 日足。
USD/JPY 日足。
ところがですね、リンギット・米ドルの動きを見ると、リンギットは下げっぱなしなのね。
米ドルそのものの動きを見る「米ドル指数(DXY)」では、米ドルは下げているのに。
つまり世界的には「米ドル高も一服」してちょっと下げているのに、リンギットはそれよりも下げているということ。
リンギットをシンガポール・ドルと比較しても「安値更新中」で大きく下がっている。
マレーシア在住の日本人は、リンギット・円を気にしているけれど、【世界から見ると円もリンギットも大きく下げている】ということ。
「円とリンギットとどちらを持つべきか?」と考えるのは【世界を見ていない】ってことになりませんかね。
弱い通貨同士を比べてどうする?
また以前、マレーシアは発展し続けているからと「マレーシアの株式に投資をする」人も多かったように思います。定期にするよりは良い、分散投資が良いと考えたであろうことはよくわかる。
ところがそれが良かったのは2014年、あるいは2018年までの話であって、それ以降は下がりっぱなし。
KLSEの週足を見てみましょう。
過去を振り返ってみると、マレーシアはリーマンショックからの立ち直りは早く、どんどん発展したと思っていました。これはクアラルンプールの街並みを見ても建設は止まること無くどんどん大きなショッピングセンターは出来るし、コンドミニアムの建築も止まらない。それどころかマレーシアが世界に誇るTun Razak Exchangeのような大規模開発も進んだ。だから街並みを見ていると、「どんどん発展していく姿」ばかりが見えるけれど、「内情はかなり悪い」んじゃないですかね。そしてそれにコロナが追い打ちをかけた。
私はマレーシアを見ていると「第二の中国」みたいに感じるですよ。そりゃ開発スピードは凄いし、立派な建物がどんどん増えていくけれど、中国では「ゴーストタウンがあちこちに出現している」のは間違いがないじゃないですか。中国新幹線も凄い伸びですが、必要のないところまで新幹線網が広がり、「黒字化は出来ず、その維持費と金利負担がとてつもなく大きくなっている」とのこと。
つまり「大規模開発を続ける」ことによってGDPを伸ばしてきたけれど、【需要が追いつかない】のはあちこちのショッピングセンターやコンドミニアムを見ているとわかること。
マレーシアには多くの中華資本が入っていますし、「中国の成長戦略をそのままマレーシアに持ち込んだ」んでしょうね。
そして今、中国は本当にかなりやばい状態になっている。
さて、マレーシアは?
マレーシアの株式市場や為替の動きを見ていると、「マレーシア、お前もか?」みたいに思うのは間違っているんでしょうか。
しかし世界を俯瞰してみていると「世界の構図がかなり変わる」であろうことが見えますね。
でかいばかりでどうにもならなかった中国が「世界の生産工場」となり、世界を支え、そして世界の富が中国に集中するようになった。これに世界が慌てた時には「時すでに遅し」で、中国は莫大な資金をバックに世界を手中に収めようと動き出した。当然、軍事力の強化は異常なスピードで進み、その軍事力を背景に弱い国を脅す。と同時に、札束でほっぺたを叩くようなこともして中国の影響力をどんどん広げた。
でもそのやり方はえげつなくて、そんな中国を封じ込めようとする動きを活発化させたのがトランプ大統領。アメリカは中国に投資をしてごっそり儲けたくせに、中国が強大化するのは許さない。
私はそのトランプを支持するわけだけれど、アメリカのやり方って「日本を育てて、後に刈り取ったやり方と同じ」に思えるんですよ。
若い人は知らないかもしれないけれど、ハワイのワイキキのホテルの多くは日本資本に買い取られ、それは私達が25年住んだゴールドコーストも同じで、日本企業が不動産を買いまくったのね。これはアメリカも同じ。ニューヨークでも同じ。
そんな時、ジャパン・アズ・ナンバーワンと煽てられ、小さくて資源もない日本だけれど、「能力がある日本人はアメリカの一人あたりのGDPも抜く」と誰しもがそれを夢見た。ところがバブルは弾けた。あちこちに日本企業が買った不動産は叩き売られることになり、ゴールドコーストも凄かったんですよ。高値で買ったゴルフコースが捨て値で叩き売られたり。
結局、日本は「太らされた後に、食われた」みたいな、まさに「豚」みたいなもん。
私は世界の資本家は「同じ様に中国を食おうとしている」様に思うんですよ。そして「ロシアの資源も奪い取ろうとしている」様に見える。それが【ウクライナ戦争の真相】だと思っています。
当然、それは「戦争状態」と同じで、銃やミサイルを打ち合わないだけで「世界戦争はすでに起きている」と考えるべきだと思っています。当然、それに中国やロシアは座視するわけもなく、米ドルが世界の中心であるのを変えようとしたり、中国がSIFTに変わる組織を作ったり、中国の法定通貨としての暗号通貨を発行するのも同じ。
ここでちょっと気になるのは、中国が持つ「アメリカの国債」ですが、ここのところどんどん減っているのね。一兆ドルを下回って、今では日本がアメリカ国債保有高一位に返り咲いた。この背景として、中国の外貨が足りないという事情があるにしても、「アメリカと距離を持とうとしている」のは間違いがないじゃないですか。ロシアの海外資産が凍結されたのもしっかり見ていますし、【中国の資産が凍結される時】を間違いなく想定していると思うんですよ。
【北京=川手伊織、ニューヨーク=斉藤雄太】中国が保有する米国債が12年ぶりに1兆ドル(約138兆円)を割り込んだ。米中貿…
中国の経済は火の車。習近平は毛沢東のようなレジェンドとなるのを狙い、8月に開かれる重要事項を決める北戴河会議では3期目の政権発足に向けて虎視眈々と動いている。でも習近平の基盤は盤石とも言えず、「李克強待望論」も出てきている。
ここで独裁者が何を考えるかというと「実績づくり」であって、最近、世界の動きを見ると「ロシアとウクライナの大きな問題がある」のに、「中国を牽制する動きが活発化している」のはなぜか。
こんな時に、アメリカのペロシ下院議長が台湾に訪問すると言い出した。ペロシは大統領、副大統領、その次に位置する下院議長で、順位は三位の超大物。これに中国は猛反発。
噂では「ペロシが乗る飛行機を撃墜する」ようなことも有り得ると、アメリカの空母打撃群を出す話まで出ているそう。
何か起きれば、当然それは戦争を意味するわけで、イギリスの動きを見ても「緊張感は高まっている」のは間違いがない。
でも日本は・・・・・。相変わらず「対岸の火事」でボ~~~っとしたまま。
今日はマレーシアの話から始まりましたが、世界が大きく変わりつつあるのは間違いがないと思っています。
この動きは安倍さんはキャッチアップしていたと思いますが、岸田政権に緊張感はなく目が内向きに思えます。野党は酷いもので、自ら目隠しをして何も見ようとしていない。
私が一番愛する国は日本で、もっと良くなって欲しいしそのポテンシャルはあると思ってはいるのですが、日本を引っ張っていけるリーダーはいないし、そういうリーダーは出てこれない政治構造だし、国家そのものが硬直化して改革も出来ない、世界にも追いつけない日本だと思っています。
だから夢は捨てないけれど、期待はしない。
日本人は世界に目を向けて、自らの足で立ち、そして歩き、未来をつくるしか無いと思っています。
そして「どの国に住むか」も真剣に考えるべきじゃないですかね。
私の世代がそうであったように、「日本で普通に働き、普通に生活していただけ」なのに、【世界に出たら自分は金持ちなのに気が付いた】なんてことがあった。でも今の日本はそれの逆で、【世界に出たら貧乏人なのに気が付いた】ことが起きている。
私の次男坊は32歳ですが、オーストラリアで教育を受け、オーストラリアで働いていますが、もう年収は1千万を超えた。これって自慢でも何でも無くて、オーストラリアやアメリカでは【それが普通】なのね。当然、共働きの家庭では年収2000万円を超える家庭はザラ。
これって「どの国に住むか」、それだけでこの差が出るってこと。
海外では若者がベンツやBMWに普通に乗っている国々が存在する。ま、車なんてどうでも良いけれど、物品やサービスには「国際価格」というのがあって、伸びる国に住んでいれば、「何でも安く手に入る」「海外旅行も安い」「生活は楽」となる。
当然、収入が高い国は物価も高いけれど、それだけ【多くの人に富が分配されている】と考えるべきだと思っています。ニューヨークでは「ランチのサバ定食」が30ドルを超え、これに税金とチップを足すと40ドル。なんと5500円ぐらいですと。
でもサバも米もキャベツも味噌も「大本の原価は世界中似たようなもの」でしょう。それだけ、流通や販売に携わっている人、企業それぞれが利益を出しているってことじゃないんですかね。
だからやっぱり収入が多いというのは良いことで、新型iPhoneを買うにしても悩まずに買う事ができるってこと。それも収入を何倍にするのに四苦八苦しているわけでもなく、普通に生きて生活しているだけでそれが起きる。かつての日本にはそれが起きた。
金が無いと言いつつ質素でありながら悠々自適な生活をマレーシアで送る日本人の老人は多いけれど、これからの日本の若者はそれもできなくなる。
日本の政治、構造的問題を見れば、今後どうなるかは想像がつくんじゃないですかね。
でも「俺は俺の力で日本を盛り返してみせる」という心意気のある日本人も間違いなくいるわけで、私はそういう人たちには本当に頭が下がる思いがするのですが、自分や自分の家族を待ち受ける現実としての将来を受け入れることが得策なのかは疑問。
かつての日本は、第二次世界大戦のときにも「捕虜になるな」「最後は自決しろ」と教えられて、もう駄目だとなった時には皆で「バンザイ突撃」をしたなんて歴史がありますが、ルバング島で生き延びていた小野田少尉が学んだ中野学校では「何が何でも生き抜け」と教えられたそう。
また「集団自決」「バンザイ突撃」を命令する上官もいた中で「死ぬな、生き延びろ。捕虜になってでも生きて日本の再興のために働け」と命じた上官もいたそう。
海外への移民を大量に出していたアイルランドですが、国が落ち込んだ時に、移住で海外に出たアイルランド人がこぞってアイルランドを助け経済危機を乗り越えた歴史があると聞いたことあります。
私はその話に感銘を受けるわけで、いつか私や私の家族、子孫が「日系人」と呼ばれる類になった時、「日本に大問題が起きた時には日系人がそれを助ける」なんてのもあるだろうと思っています。また海外に日本人が逃げ出ることも起きるかもしれない。それは戦争であったり大規模震災であったり。そんな時に同胞が路頭に迷うことがないように日系人が力を合わせる時もあると思っています。
だから海外に出るのは、決して日本を捨てるわけでもなく、「日本のために海外に出て生き延びる」という考え方もあるはず。船が沈みそうな時に、一緒に沈むのが良いとは私は思わない。
私はそういうことを日本人が真剣に考える時がもうすでに来たと、本当に思っているんですよ。
一族の中に一人二人の海外住まいがいるだけで一族が助かることもあるんじゃないですかね。これって冗談ではなくてそういう歴史を歩んできた国、人たちは世界にゴマンといる。いや、それこそが世界の歴史じゃないんですかね。海外の親族を頼って自国を出るなんてのは、今でも発展途上国では普通に起きていること。
海外住まいがうまく行かず、泣く泣く戻ってきて、一族の負担になるなんてことも起きるんでしょうが。(笑)