マレーシアに来てから6年になりますが、どうしても【安物買いの銭失い】の癖が抜けません。
我が家は「高価なものは買わない、買えない」のですが、徹底的に生活費を切り詰めようという考え方もありません。
だから「これなら大丈夫じゃないかな~」なんて思って買い物をするのですが、大外れが結構あります。
「学べないアホ」だといつも思うし、その度に自分に悪態をつくのですが、なかなか改善できません。
でも最近、思うことは「ここはマレーシアだ」というのを忘れているんじゃないかってこと。つまりですね、自分が考える「これが普通」と、マレーシアの市場における「これが普通」というのに大きな乖離がある。これがはっきりわかるのは「電化製品」じゃないかと思うのですが、「日本だったらありえない商品」が市場にあふれているじゃないですか。これは「日本企業のブランド」でも同じで、「日本で売っているものとは違う」のはわかっていても、【まさか、そこまで大きな違いは無いだろう】という期待を捨てきれないのね。
実はですね、これは私達家族が住んだオーストラリアでも同じだったんですよ。つまり、私は30年も「同じことを繰り返している」ってことなのね。本当にバカじゃないかと思うんですが、ではちゃんとしたものを手に入れようと思うと、「驚くほどの価格差がある」のね。
オーストラリアでも「わけのわからない安物」って山のようにあって、家電量販店に行ってもそういうのが並んでいる。で、買い物行くとやっぱり「その中から選ぶ」のね。一番高いものは買わない。一番安いものも買わない。適当に【中の上ぐらいで良いかな?】みたいな選び方をしてしまう。でもそれって「日本で言えば、下の中」だったりするわけです。
オーストラリアへ渡ったばかりの時代(1991年)の私は、今より賢かったかもしれないと思うのですが、こりゃ駄目だと思って、「有名ブランド」で【信用できる家電製品】を揃えることにしたんですよ。でも「冷凍冷蔵庫はGE社製で約80万円。電子レンジはMiele社製で30万円」もした。洗濯機や乾燥機もGE社製で、普通に店頭に並んでいるものの3倍近い価格。でもやっぱりそれぞれ性能は良いし、あの時代のアメリカの製品らしく頑丈で壊れないのね。20年使っても全く何の問題もありませんでした。
でもやっぱりそういう高価なものはオーストラリアでも売れなくなって、そういうメーカーも「中国で作る」ようになるのね。だから価格がどんどん下がって、高いものは市場から消えていくのだけれど、同時に品質も下がってきた。つまり、今の「日本ブランドの電化製品と同じ」ようになってしまった。
これって本当に困るわけで、ではどうしたかというと【世界ブランドで、世界で同じ商品を売っているもの】を買うようにしました。調理用家電もその手の物は高いですが(BrevilleとかKitchenAid)、性能も良いし、壊れない。そしてそういうのはオーストラリアでもマレーシアでも売っているのね。こういうものなら「日本の家電製品とほぼ同じレベル」と言って良いはず。当然、高いのだけれど、それが嫌で普通に売っていものを買うと「ギャンブル」になるのね。私もパナソニックブランド、フィリップスブランドで随分泣かされました。すぐに壊れて捨てたものも結構あります。その手の世界ブランドは「販売する地域に合わせて安物を売る」から駄目なんですね。世界ブランドでも「世界中で同じものを売っている世界ブランド」じゃないと意味がない。
たとえば、もしマレーシアで「マレーシア向けの3分の1の価格のiPhone」売っていたら買うか?という話。買うとしても普通のiPhoneと同じ期待はしませんよね。
問題は「食料品」です。
これもまた市場にはピンからキリまであって本当に幅が広い。サーモンなどの輸入品も同じ。和食材もそうで、「イクラが安い、ホタテが安い」なんてのに飛びつくとやっぱり泣くことになるのね。
考えてみればそれも当たり前で、日本でも高い安いがあって品質もいろいろ。それなのに「マレーシアで安くて美味しいイクラを売っているわけがない」ことに気が付かないのね。いや、気がついているのだけれど、「もしかすると・・・」なんていうスケベ根性が出てくるわけです。
そうか・・、私はスケベだったんだ・・・・・・
なんて冗談を言っている場合じゃないのだけれど、「高くて良いのは当たり前」ですから、そういうのを買っても満足度は意外に少なくて、「こんな高くてこの程度か」って思うのね(高いイクラは卸価格でも500グラムで1万円を軽く超える)。それと「安いのは安いなりだな」というのと、【不満足度としては似たりよったり】なんですね。だったら「安いものは安いなりだな」と文句を言っている方が【実利はある】のかもしれない。(笑)
でもマレーシアに来てそんなことを続けてもう6年ですよ。
いささかもうそんな食生活に嫌気がさしてくるわけです。
でも2倍の価格のものなら2倍の満足があるかというと「それはない」わけで、せいぜい、2-3割の満足度アップですかね。で、その2-3割の満足度アップのために2倍のお金を払うか?と考えると、【俺ってバカじゃないか】とやっぱり思ってしまう。
ここが自分のケチたる所以だと思っているのだけれど、中々そこから脱皮することは難しいのね。
そういう意味で、今回「業務スーパー」で同じことを感じたんですよ。
「おっ。これ安いじゃん?」なんて買ったものですが、もう二度と買うまいと思うものがそれなりにありました。(┰_┰)
業務スーパーではそんな酷いものを売っているのかってことじゃなくて、マレーシアのスーパーでもどこでも売っている種類のものなんですよ。でもその手のものは私は買わないのが普通なんですが、業務スーパーでは日本ブランドで安いから手を出してしまったということでしか無い。
ここでも「日本のブランドだから良いものかもしれない」という甘い期待を持ってしまったということ。
でもフト思うことは、「私が30年、日本から離れている内に、日本も変わってしまった」ということなんです。
若い人はわからないかもしれないけれど、30年前の日本より、今のほうが安いものって結構あるんですよ。たとえば「魚の干物」とか。
30年以上前に、かつては築地魚市場の仲買人だった父に「お前、一枚700円以下の干物なんか絶対に買うなよ」と言われたのを今になって思い出すんですよ。でも今じゃ、一枚2-3百円のものもたくさんあって、やっぱりそれは価格なりで美味しくない。昔は美味しいものがいくらでもあったように思います。でも値段は今より高い。
ここが私がよく理解できていない問題点で、日本では安い価格しか消費者が受け入れない国になってしまったってことなんじゃないですかね。それが普通になってしまった。
やっぱり国力が伸びないってことはそういうことで、「業者も良いものを仕入れることが出来ない」「仕入れても売れない」ような国になったってことじゃないですかね。20年以上、収入が増えないってそういうことだと思います。そして世界市場で、良いものは「中国の業者に競り負けて買えない」なんてかつてはありえないことまで起きている。
だから世界中から「安い素材」を集めて作るしかなくて良いものは時と共に減っていく。大当たりしたのは「ノルウェイのサバ、アジ」ぐらいじゃないですかね。
iPhoneしかり、海外では普通の若者が普通に買えるものでも、日本ではなかなか手が出ないなんてことが起きている。
私が思い出すのはオーストラリアなんですが、1991年ってまだまだオーストラリアは貧しくて、良い歳の親父がカローラクラスの車(当時、日本では若者の車だった)を大事に大事に乗って、ピカピカにしていたのね。ところが月日が経つとどんどん変わって行って、若者でもベンツやBMWに乗るようになって、「ポンコツに乗っているのは日本人」みたいに言われるようになった。この変化をずーっと見続けてきた私としては「日本、どうしたんだ!!」と常に思っていたわけです。もちろん日本人でもオーストラリアで普通に仕事をして普通に収入を得ていれば、発展の波に乗れたわけですが、基盤を日本に持っている日本人はどんどん取り残されていったわけです。
同じことが今、マレーシアでも起きているはずで、「かつては物価が3分の1」と言われたマレーシアもそんなことは無くなったし、日本人の収入は横ばい、あるいはマイナス。そして円安となれば、マレーシアで良い思いなんて出来なくなるのが当たり前。そしてこのままだと、今の日本の一人あたりのGDPは韓国に抜かれたのと同じ様なことがマレーシアでも起きるかもしれない。まさかと思うけれど、そのまさかがこの20年以上続いて今がある。
日本に来る外国人労働者ですが、最近は「日本じゃ稼げない」と他の国にシフトする傾向が見えるらしいじゃないですか。それは当然だと思うし、このまま行くと、日本の若者も「海外のコンビニでバイトしたほうが実入りが多い」なんて時代が来るかもね。
そして私の頭の中の金銭感覚ってやっぱり古いままで更新されていないのがわかるんですよ。
だから「良いものは高い」という思いが強いし、「安物買いの銭失い」をいつまでも続けるんだろうと思ったり。これって年寄りの「あるある」じゃないかと思うんですよ。私の叔母(生きていれば100を超えている)が、「え?これ100円もするの?高い!!」と何でもその調子で高くなったと言っていたのを思い出します。
でも時代は変わって、今の日本では安いものはより安く、そして【良いものも安くなっている】んじゃないですかね。私はユーチューブで日本の様子を見るのが好きなんですが、今、日本に住んだほうが間違いなくコスパの良いQuality of Lifeが送れるんじゃないかと思う。「選べる範囲が広い」ってのも素晴らしいですよね。自分の居場所を簡単に探せますから。
私としては、税金のこともあるので居住地としてはマレーシアを維持したまま、日本とオーストラリアに2ヶ月づつ居られたら良いなぁ、なんてことを夢見ています。
とまぁ、また毎度のことで話はずれてしまいましたが、どうにか「食生活の向上」をマレーシアで頑張りたいです。安物買いの銭失い、本当にこれだけは卒業したい。
でもま、我が家は外食が多くないし(デリバリは多い)、それでもストレスが溜まらないのはラッキーだと思っていて、月に何度か高級店に行くことを考えれば、食材に十分お金をかけられるわけで、どうにかその線で行きたいと思っています。
もう一つラッキーなことがあります。
ヨメさんと結婚する時に言われたのですが、「家で美味しいものを食べたいと思うなら、それなりの頻度で良い店に連れて行って欲しい」と約束させられました(笑)。ヨメさんの趣味って料理だけと言っても良いくらいなんですが、「良い店に行って良いものを食べると、そこからインスパイアーされて、家の料理も美味しくなる」と信じているのね。私もそれはそのとおりだと思う。
でもそんなヨメさんが、「良い店に連れて行って欲しい」というのはマレーシアに来てからは言わないんですよ。これがラッキーなのか、悲しむことなのか私にはわかりませんが、ヨメさんも歳を取って向上心がなくなったのか、それとも「良い素材が手に入らない限り無理」だと開き直っているのか。日本ならスーパーで簡単に手に入るレベルの生鮮物でもマレーシアでは「手に入れるのはほぼ不可能」ですから。
「え?こんな良いものが手に入るの?」というヨメさんの輝く目もみてみたい・・・・。
そういえば、前に、ヨメさんの「青椒肉絲」が美味しいのを思い出して、ヨメさん流の作り方のポイントを教えてくれと頼んだら「無理」っていうんですよ。「どうして?」と聞いても答えない。
でも最近、他の料理の話をしていて気がついたんですよ。ヨメさんが青椒肉絲を作らない、作り方のコツも教えてくれない理由ですが、「マレーシアではピーマンがない」というのが理由なのにほぼ間違いがなさそう。「緑のパプリカ」じゃだめなのね。身が厚すぎて青椒肉絲にしても美味しくないからでしょう。
だったらパプリカを薄く切ったらどうかとか私は考えたのですが、それを言ったら馬鹿にされるかもしれないと思って黙っていました(笑)。またDon Don Donkiで「日本のピーマン」を売っていたと聞いて、ピーマンだけでも買いに行こうと思ったり。また「業務スーパー」では「ピーマンの細切りの冷凍物」を売っているのでそれを買おうと思ったり。
これは「ナス料理」も同じなのね。私はナス料理が好きなんですが、ヨメさんが作りたがらないんですよ。先日、私がしつこく言うもんだから「ナスの煮浸し(japanese nasuを使った)」を作ってくれたのだけれど、「美味しくないでしょ?」という。「いや、美味しいよ」といったのですが、ヨメさんは「マレーシアのナスは皮が固くて美味しくない(japanese nasuでも駄目ですと)」という。
私にしてみれば「ほんのちょっとの違い」だから構わないと思うのだけれど、ヨメさんにしてみれば嫌なんでしょうね。
ま、私のタコやマグロに関してちょっとした違いにブツブツいって、これなら食べたくないというのと同じかもしれない。
でもここはマレーシア。思う通りの食材なんて手に入る訳がないから、どこかで妥協点を探すしか無いですよね。
でもヨメさんは「食べない」という妥協点を見つけたのかもね。(笑)
私にとっては「食べない」というのは妥協点ではなくて「拒否」だから、どうしてもそれだけは受け入れたくないのだ~~。(^_^)v
フト、日本から輸入してもらったらいくらぐらいか調べてみたのですが、ピーマンはリストにはない。でもナスはあった。3個で1パックになっていて、30リンギですと。
バカヤロ~~、誰がそんな高いナスを使うか~~?と思うけれど、使う店があるからリストに載せているんでしょうねぇ。
実は私は「芽葱」を欲しいといつも思うんですが、これもまた1パック30リンギなんですよ。日本でも高いからしょうが無いとも思うのだけれど、私はこれに30リンギを払う度胸がない。(笑)
多分こんな感じ。
一度だけ買うならまだしも、常備品となったらどんどん生活費が増えていきますもんね。ナスは日本のナス。芽葱も日本からみたいにそんなことをしてそういう品目が増えれば、1点につき毎月4~5000円の食費アップになってしまう。(今でも三つ葉と大葉は日本からのものを常備)
実は芽葱って昔から我が家の必需品なのですが、オーストラリア時代には家庭菜園で栽培していたんですよ。だからマレーシアに来てからすぐにトライしたんですが、「暑すぎて駄目」なのね。同じく必需品の「三つ葉」は芽はちゃんと出るのだけれどうまく育たないし(普通は簡単にガンガン育つ)、猿でも簡単に栽培できるカイワレも「ヒョロヒョロと徒長してしまう」のね。大葉も育てるのは簡単だけれど美味しくないし。
見た目だけは立派なマレーシアはクアラルンプール育ちの大葉。
カイワレなんて普通は簡単にこれぐらいのものは育つのだけれど、マレーシアではそれも出来ない。8日間で収穫できるのが普通で、月に4回それを繰り返すだけで結構使い道があるのに。
せめて夜には気温が23度ぐらいまで下がればどうにかなると思うのだけれど、クアラルンプールは暑すぎ~~~~~~~~。
マジで「1畳ぐらいの広さの冷房した部屋」を作れないか真面目に考えたこともあるんですよ。もしかしたら「小型の冷蔵庫」を使えば大丈夫かもしれない(ドアを開けて使う)なんて今でもたまに考えています。1mX1mX1mのボックスでもOKだし、私の家庭菜園は土は一切使わない「ハイドロポニックス」ですし、光も人工光を使いますからどうにかできそうで・・・・(オーストラリア時代には地下室に農園を作っていた 笑)。ペルチェ素子を使って水溶液だけ冷やしたらどうかとか、いまだにバカなことを考えています。^^;