日本は「円安で大儲け」だった

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円安とエネルギー・食料品の高騰は「国民生活を【直撃】している」のは間違いがありませんが、それをもって「日本は売られている」「インフレが酷くて日本はもう駄目だ」と言う人が意外に多い。

本当ですかね。

私は全くそんなことはないと思っているのは前にも書きましたが、「国民の生活目線」を重視するとそうなるのはわかるものの、「日本の経済そのもの」を考えた場合【円安はGDPを押し上げ、大会社に利益をもたらしている】のが事実。そしてインフレも「エネルギー関連、食料品」を除いた場合、海外の多くのような【インフレにはなっていない】んですね。ここを理解するのは非常に大事だと思います。

一般庶民の生活が苦しければ意味がないじゃないかという考え方もよーくわかります。

でも私はやっぱり「日本企業が利益を出すことが重要」だと思っていて、多くの人達は「給料をもらって生活をしている」のは間違いがなくて、もしもその企業が「生きていけない状態」になったら、給料をもらっている人たちはどうなるんでしょうか。

これって「子供が小遣いが少なくなった。買いたい物も買えない。オヤジ~、ごっそりお金があるんだったらお金をちょうだいよ~~」というのに似ている。

私も親ですから、子どもたちがそういうことを言う時ってあるのはわかりますし、そりゃ子どもたちが満足できるようにしてやりたいのは当たり前。でも親は「将来に責任がある」わけで、将来の見通しが暗く、収入も減り、資産が消えていく兆候があれば、【我慢してくれ】というしかない。

私はトリクルダウン理論(トリクルダウン理論とは「富裕者がさらに富裕になると、経済活動が活発化することで低所得の貧困者にも富が浸透し、利益が再分配される」と主張する経済理論)は正しい。特に経済の見通しが悪い時にはそれが大事と思っていて、【親が貧しくなったり、コケたら、その子どもたちは悲惨な状態になる】と思っています。

でも子どもたちもそうですし、生活に苦しい国民は「金持ち(親含む)だけが良い思いをしている」と思うようになる。

ここは難しいところで、子供には一切与えるべきものを与えずに【自分だけ良い思いをする親もいる】かもしれないし、【溜め込めるものは溜め込んで将来に備える】にしても、どこまで溜め込めば十分なのかは誰にもわからない。

ただ世の中を見回してみると、どの親も(企業)もそうやっているのが見えた場合、「近い将来、動き出す時に自分だけ十分な資金がなかったらどうなるのか」ってことも考えるのが普通。できるだけ「体力は温存して減らさない」のが来るべき時に一気に動くためには国、企業、個人も同じで、大事なこと。

それはわかるけれど「このままじゃ死んじゃうよ」という人もいるんでしょう。では「親が死んだらどうなるのか」ってこともちゃんと考えないとならない。

日本の法人収益、内部留保が過去最大

私は「企業の利益が出なくなったら本当に日本の終わり」と考えていますが、これとは全く逆の「国民の生活を第一に考えるべし」という左派リベラルの考え方を否定するつもりもありません。ただ自分はそう思わないだけのこと。

また私は自己責任論者ですから、何が起きても自分の責任を考えるタイプです。だから国や企業に頼ること無く「生き延びる方法」を常に考えています。そしてその間に、多くの企業が「世界に名だたる優秀な大企業」に育ってくれたら嬉しい。

でも自分で頑張ろうと思わない人もいれば、頑張っても失敗ばかりする人もいる。また「自助努力」はしないで「どうにかしろと国や企業に文句ばかりいう」人もいる。

私が自己責任論者だというのは、そういうのも私の中では「認めない」という考え方です。

でも本当に救いが必要な人は多くいるし、だから社会保障、セーフティーネットもあるわけで、また利益が出れば税金が課され、累進課税であるのとともに収入が少なければ税金はゼロ、あるいは非常に低かったり、それなりに調整している。でもその調整や分配がうまく行っているかというとそうでもないのは事実だけれど、【困っている人を中心に国や企業が動くことは不可能】なのは間違いがない。

つまり、当然「足切りはある」ということ。国や企業が「もっとやるべきことがある」のは間違いがないにしても、それを主張したところで何も変わらない。

だからやっぱり自助努力が何よりも重要だと私は考えるし、若いときも儲けたときも「いつかくるであろう受難の時」を想定して長期計画を練る必要があると考えています。そもそも国や企業に「助けてくれ」と大声で叫んでも助けてくれないじゃないですか。「内部留保を吐き出せ」と言われて吐き出す企業もない。

だからやっぱり自分でどうにかするしか無い。あるいは「国民の最低限の生活の保証がしっかりしている国へ移住する」しかない。

近年、「下流老人」という言葉が流行っているけれど、これって本当に恐ろしいことで、【これからの若い人が老人になる頃には、もっと酷い状況になる】のは見えているはず。

この解決を政府に求めるのは良いにしても、現実的に何が変わるかあてにすることは不可能で【それぞれが頑張ってください】というのが政府の本音でしょう。極論を言えば、【政府は助ける対象、切り捨てる対象を考えている】ってこと。当然、企業を助けるのが最優先。

現政権を倒して「国民を助ける政府」を作ったとしたら、【日本そのものが沈没する】と私は思っています。

今、国としてやるべきことは【インフレ抑制策】でもなくて、【円安是正策】でもないと思っています。

そもそも日本はインフレと騒ぐようなことは(まだ)起きていないと私が思うのは、【コアコアCPI】の数値がまだ低いから。

日本のコアコアCPIの推移。7月の時点ではまだ「1.2%の上昇」でしかない

アメリカのコアCPI(日本のコアコアCPIと同じ)の推移。「6.3%の上昇」

ちなみに先日書いたように9月13日にアメリカのコアCPI値が発表され、6.3%という「多くの市場参加者の予想より高かった」ので、すぐに為替も株式も反応しました。円安で、株も下がった。

参考までにその瞬間のチャートを載せますが、多くのトレーダーがいかに注目していたのかがわかるはず。一瞬で2円50銭も動いた。(何度も書きますが、今回のこのレベルの円安は「トレーダーが率先して動かしていて、実需ではない」と私は考えています)

上のコアコアCPI、コアCPIの違いからわかることは、アメリカは間違いのないインフレ。でも日本は「エネルギー関連と食料品が高くなっている」という【部分的な値上がり】でしょう。

インフレをただ単にインフレとして一緒にしちゃうと一体何が起きているのかわからないんですよ。一般的な「生活者」として見るのなら、いわゆる「インフレ率X%」というのだけ見ていればよいですが、もし「一体何が起きているのか」を知りたいとするなら、このコアCPI(日本はコアコアCPI)を見るのはMUSTなのね。

日本政府がやるべきことは、【高くなったエネルギーと食料品】に関して補助金を出すことだと私は思っていて、それ以上のことをすると日本そのものがコケる。

だから「インフレ抑制策が必要だ」とここで金融引締でもしようものなら、あのバブル期に【資産インフレ】という「一部のインフレ」を全体のインフレだと大騒ぎしてがっつり金融引締をして「日本全体が地獄に堕ちた」のと同じことが起きると思うわけです。

円安も「金利差」が大きな要因で、これを解消しない限り、金利の高い通貨に資金が流れ、低い通貨は売られて安くなるのは当たり前で、そもそも「お金の流通量の違い」も重要で、垂れ流しにしている国の為替が高くなるわけがない。

でもこれに手を付けると「日本経済そのもの」が危険にさらされる。崖から落ちそうなのに、その背中を押すのと同じ。でも岸田政権は財務省と同じ財政再建を重視しているし、金融緩和を主導した黒田日銀総裁も来年の3月で交代ですから、大きな変化が来るであろうとは思っています。金融緩和は終わりにして、金利は上がり、そして増大する防衛費のこともあって【増税する】可能性はかなり高い。つまりですね、日本の悲劇は【これから始まる】と思っています。

ウクライナ戦争は「プーチンの負け」という形で早く終わるのが良いとは思っていますが、終わってから「エネルギー価格、食料品価格」に改善が見えるにしても、私は日本の問題点は全く解決しないと思っています。また食料に関しては「世界的な異常気象」のせいで、今年の秋から段々とその影響が出てくると思っていて、マジに世界的には「餓死者が多く出る」のは避けられないかもしれない。

日本の問題の根源は「需給バランスの悪さ」だと私は思っていて、企業がいくら努力しても売れない。需要が伸びない。だからコストインフレが起きても販売価格の値上げも難しい。このギャップが有る限り何をしても駄目かもしれなくて、中には当然、伸びる企業はあるにしても全体的には「お先真っ暗」のままだと思います。だから多くの企業は「内部留保を積み上げる」、「設備投資なんか危なくてできない」、「世界市場に目を向ける」しかない。つまり、民間が頑張っても駄目なら政府が積極的に動かなくてはならないのに、あの安倍さんでさえそれは出来なかった。させてもらえなかった。積極財政派はことごとく潰されたのね。

今は、今後、積極的に政府が動くべきという考えはないであろう岸田政権ですし、緊縮財政派ですから、経済に活力を与えようということの【逆】をやるのはほぼ間違いないと思っています。【脱安倍】で行く方針でしょう。彼らは「日本の将来のために、今は我慢してくれ」なんですね。

もしも近い将来、エネルギー・食料問題に光が見えて来て、また極度の円安が是正されたとしても、次に私達が目にするのは【今までもよりも酷いことになる日本】はほぼ間違いないと思っています。

年寄りは「逃げ切り」を考えれば良いですが、若い人たちは「自らの力で自らを守るしかない」と割り切って頑張る必要があると思うし、どうするべきかの指針を「古い人間に聞くこと無く」、自分を信じて頑張って欲しいと心の底から願っています。

頑張れ、日本!!

頑張れ、若者!!

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