いや~~、驚きました。
日銀黒田さん「長期金利の上限を0.25%から0.5%に引き上げ」を決定。
来年3月で黒田さんは交代ですし、金利を上げるのはその後のことだろうと高をくくっていました。
やっぱりこういう決定というのは「スキを突く」の常識だとしても全く予想さえしていませんでした。
ただこれは「政策金利を上げる」のではなくて、「国債の買い支えのレベルを変更した」ということで、日本らしい「玉虫色の政策」という感じがします。
早速、市場が反応しました。
まずは為替。
「USD/JPY」日足
「USD/JPY」1時間足
「日経平均」日足
マレーシア在住者が気になるリンギット。
「MYR/JPY」日足
「日本の10年国債イールド」日足
私の印象としては、「思ったほどの大きな動きはない」ということですが、「円安方向」を投資基準に考えていた人たちは真っ青でしょうね。そしてやっぱり「金融緩和は終わるのか?」と誰しも考えるはずで、それが日経225の動きに現れていると思います。
これからどうなるかなんてわかりませんが、私としては「日本の将来を考えると不安」を感じます。
円安は良いことなのか悪いことなのかも「見方一つで変わる」わけで、「変化が早く大きいのは良くない」にしても、「円安の中で生きていく道を日本は模索するべき」だと思っていた私としてはちょっと残念な気がしています。輸入品は値上がり、ウクライナ戦争もあって、「コストアップインフレ」が日本を直撃していますが、円安によって日本のGDPは増え、多くの企業は莫大な利益を上げている。税収も凄い。
日本が持つ「海外債権は莫大」ですが、それが円安によって「とんでもない含み益が出ている」のも忘れてはならない。
経済への円安の打撃は、「時間とともに収入アップ」「商品の値上げ」を経て、それには時間がかかるけれど、【円安の中で日本が生きることが、失ったものを取り戻す唯一の道かもしれない】とも思うんですよ。そもそも「日本の黄金時代」は日本が凄かったのではなくて【円安がベースにあった】とも言えるんじゃないですかね。
ま、その辺のウンチクは専門家に任せるとして、今回の決定は【日銀は何もしないで座視しているわけじゃない】というのを世界に知らしめたのは間違いがなく、これからは今までとは違う考え方、見方で市場と接しないとダメかもね。
私としては日本人だし、日本が気になるからこういうことも追っていくわけですが、実質的には「日本円の資産も収入もなく、取引もない」ですから、日本円や株式市場がどう動いても全く関係ない。
でも金利が上がるのは【住宅ローンや借入金の金利も上がる】のは当然で、景気の回復も見込めないのに【増税論が独り歩きしている】今の日本を見ると、弱り目に祟り目、泣きっ面に蜂ってこのことじゃないかと思うくらいです。
日本の企業も国民も「より大きな試練に直面するはず」で、本当に頑張って欲しいと願っています。
今回のことが我が家にどういう影響があるかと思い、米ドル中心の生活をしている私が真っ先に見たのは、【米ドルの動き】です。
今一度「USD/JPY」のチャートを出します。
これを見ると、米ドルが下がってしまったと感じますが、これは【対日本円】の動きでしか無くて、米ドルそのものには何の影響も出ていないのは「米ドルインデックス」を見るとわかります。
対マレーシアリンギットではどうでしょうか。
「MYR/USD」日足。
逆に「ドル高」に動いている。
今回の決定は、我が家には直接的な影響は、「良いも悪いも皆無」なのがわかって一安心。
しかし今回の「利上げに等しいような決定」の背景には何があったのでしょうか。
注目すべきはこのようなエコノミストの見方。
日本銀行が長期金利の上限引き上げを決めたことは、事実上の「利上げ」だといえる。実際、市場の長期金利も反応し上昇した。…
この中で気になったのが次の文言。
うがった見方をすれば、来春予定される日銀総裁の交代も念頭にあったのかもしれない。金融緩和策の縮小に手をつけると批判が予想される。その矢面に新しい総裁を立たせるのでなく、これからやめる総裁で引き受けようと考えたのではないか。
今の岸田政権がやっていることを見ると、財務省という日本の中枢も含めて、日本を動かす人たちの本音が見えてくるし、彼らの力の強さは私の想像以上の強さを感じています。
日本の政権はその勢力で固められているし、安倍さんもいない今、安倍さんと歩調を合わせていた黒田さんも来年早々、いなくなる。今の日銀の顔ぶれ、そして漏れ伝わってくる次の日銀総裁から想像できることは、【日本は財政健全化にまっしぐらに走るだろう】ということ。つまり、増税であり、金融引き締めであり、歳出削減であり、ますます日本経済が縮小していくであろうことは500%間違いがないと私は思っています。
岸田政権のダメさを主張したり、バックに見え隠れする財務省軍団、彼らのあの手この手を見ているうちに、私の考え方が徐々に変わってきたんですよ。
それは「駄目なところは是正すれば良い」という考えは甘っちょろいだけで、彼らの力と勢力の大きさが想像以上なのも見えてきたのね。
あああ、日本って「独裁国家だったんだ」というように思う今日このごろ。あの安倍さんとて変えることは出来なかった「日本の実権を握る勢力の影響力」ははんぱじゃない。
でも私は諦めませんが。(笑)
このまま行けば、いつか日本のプライマリーバランスも黒字になって、【政府の借金も減る】かもしれない。でも経済は疲弊し、国土強靭化どころかインフラのメンテも中途半端で災害に弱い国になり、国防力もなく、国民にも活力はなくなり、金持ちはごく一部だけの一億総下流状態になるかもしれない。でも今までと同じ様に春には桜が咲き、秋の紅葉も綺麗で、金持ちの外国人が日本中を闊歩する中で日本人はそのおこぼれをもらうのか。
そんな風になっても「プライマリーバランスの黒字が重要で、政府の借金を減らすことに一生懸命の政府」が存在をし続けるのかもね。でも経済が衰退していけば、【増税しても税収は増えない】どころか【増税しても減収】なんてことも起きるはず。
そんなふうになってから「やっぱり成長戦略こそが何よりも重要」だと気がついてももう遅い。
そんなことは、【銀行管理になってしまったかつての大企業】を見ればすぐに分かる。【どうにか黒字】にして、毎年微々たる金額でも返済できれば良しとする【会計屋さん的な発想】の中で、将来に夢を持ち頑張る人たちがいるとは思えない。自分の立場に固執し、生き延びて逃げ切ることだけに一生懸命な人しか残らないのが世界共通のこと。
お金がないから、「使うのをやめよう」「利益率を大きくしよう(増税)」というのが自殺行為なのが今の政権も財務省もわかっていない。経済の本質を全く理解していないように私には見えるわけです。
【売上も利益も作り出すもの】という意識がまるで無いように見えます。日本の中枢にいる人達は頭も良くて学歴も最高なんだろうけれど【自分でお金を稼いだことがない】人たちのように見えます。【増税すれば増収すると考える】のが馬鹿げていることに気が付かない。増収が目的なのに、いつのまにか増税が目的になってしまっている財務省。
「経営が苦しくなったから、金も使うな、利益を稼ぐために値上げしよう(増税の意味)」なんてことで企業の経営が良くなるなら、誰も苦労しないんじゃないですかね。
国家も同じだと私は思う。