大好きな焼き鳥店の【酉玉@パブリカ】も残念なことに・・・

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焼き鳥店の【酉玉@パブリカ】って、外食も多くないし好きな店が多いわけでもない我が家にとっては非常に大事な店でした。本当に美味しいと行くたびに思っていました。

ところが焼き手の「力ちゃん」が突然、日本に帰ることになって、もう酉玉も駄目だろうなぁと長い間行かなかったわけです。

でも力ちゃんの代わりに焼き手を始めたのはあの店のオーナー(4人いる)の一人で、かなり頑張っているという噂を聞いて行ってみたわけです。私としては素人がどんなに頑張ろうとそう簡単に焼き鳥を焼くことなんかできるわけがないと思っていたのですが、意外や意外、彼は元々はエンジニアだったのに見事に美味しい焼き鳥を焼ける人なのに驚きました。彼と話をすると、いわゆる料理人じゃなくてエンジニアだというのがすぐにわかるような人なのですが、それだけに論理的、科学的に焼き鳥を探求したようで、これなら問題はないなと思っていたんですよ。

シドニーから次男坊家族が遊びに来ていましたが、次男坊夫婦もこの【酉玉@パブリカ】が大好きで、マレーシアに遊びに来ると「必ず行きたい」と言います。シドニーにはこれほど美味しい焼き鳥を食べさせる店はないと言うし、だろうなと思っていたわけです。

ということで皆で行ってきました。

いつもは開店と同時に、それも焼き手の真ん前のカウンターに席を取ってもらうのですが、今回は人数も多いし、赤ん坊もいますので「奥の個室」にしてもらいました。

そしてみんな食べる気満々。(笑)

ここからスタート。

まさに怒涛の様に食べまくったのですが・・・・・

 

 

長男 「なんだか塩気がいやに少なくない?」

ダボ 「だねぇ。塩を掛けてないぐらいに塩気がない」

次男坊 「うん、おかしいね」

なんて言いながら食べ続けました。

 

ダボ 「あのさぁ、焼き過ぎのが多くない?硬いのもある」

みんな 「うんうん、レバーは良い感じだけれど、皮なんてゴワゴワだね」

いつもならみんなで「美味しいね~~~~」「うんうん」なんて盛り上がるのですが、段々と意気消沈してきたというか、焼鳥のことは話題に出ないようになりました。

本当に皆が食べる気満々で、美味しいものをガッツリ食べようぜ~~なんて話していたのに、大好きな「皮」「心残り」とか、お代わりしたいのに「塩気のなさ」「焼き過ぎでゴワゴワ」なので、お代わりする気も失せてきました。

まぁ食べたことは食べたのですが、何よりも大好きな「提灯」もOut of stockですし適当なところでオニギリとスープをもらって終了。

店を出るといつも皆で話す「美味しかったね~~~」という話も出ず。でも文句も出ず。

どうなっちゃったんですかね。【酉玉@パブリカ】は。

せめていつものようにカウンターで焼き手の真ん前に座っていろいろとおしゃべりをしながら食べたのであれば、ちょっと「塩」のことや「焼き加減」にしてもなにか伝えることが出来たと思いますが、奥の個室に今回は陣取りましたし、わざわざ個室から出て焼き手のところまで行って「塩、焼き加減」の話ってできないんですね。そもそも気軽に何でも話せるほど焼き手の彼とは人間関係が出来ていないし、わざわざ彼のところに行ってそれを言えば「クレームを付けている」のと同じになってしまうし、結局、何も言いませんでした。

当時はそこそこお客も入っていたし、他のスタッフが焼いたのかもしれないし、もしカウンターに座っていてスタッフが焼いたのが分かればちょっと何か話せたにしても、今回は本当にどうにも出来ず。

やっぱりカウンターの店って寿司屋もそうだけれど、【職人と客とのやり取り】があるから良いんですよね。職人は客のちょっとした変化や言葉や仕草を見逃さないし、客だって職人を観察していれば「オススメの物」も「あまり勧めたくない物」「真面目さも手抜き」もわかるし、そういうやり取りがある中で常連になってくると「阿吽の呼吸」でどんどん良い食事になるんだと思うんですよ。

はっきりと口に出して言うのは野暮なだけで、下手に言葉にすれば「嫌なヤツだ」とお互いに感じることもあるし、やっぱり「阿吽の呼吸」って大事にしたいし、それが日本の文化だと思うんですよ。それは場末のおでん屋、小便横丁の焼き鳥屋だって同じ。

日本に突然帰ってしまった前の焼き手の「力ちゃん」とは阿吽の呼吸で話は通じたし、本当に貴重な人でした。

彼は本当にプロで、焼くのとは別に客商売のプロだとも思いました。私は「XXXXを食べたことがないから食べてみようかな」なんていうと、「ダボさん、それは前に食べたことはありますよ~」なんて言う人だった。私達が客同士で話していることもちゃんと耳に入っていて、余計なことは言わないけれど、ここぞというときには話に入ってくる面白い人でした。

そういう情報交換、意思の疎通がマレーシア人のスタッフと簡単にできるとは思っていないものの、それなりの言い方でどうにかわかり合う方法はあると思うのね。でも個室に入っていたら、誰がどういう作り方をしているのも見えないし、何も言えない。言えばただのクレームになりそうだし。

そしてそもそも「マニュアル通りにやれば良い」と考えているスタッフなら、「面倒くせ~客だ」としか思われないのね。そこを見抜くのは客の腕だし、駄目なのがわかっているのに余計なことを言っても何の役にも立たないし、でもわかる相手なら彼もやりがいがあるんじゃないかと思うのだけど、もうそういう時代じゃないのかもね。

随分、昔だけれど、「回転寿司」が流行りだしたときには【日本の鮨文化の終わりの始まり】だと思ったんですよ。そしていつのまにかカウンターの鮨屋でも「セットやコース中心でお好みで食べる客が減った」のも「鮨文化の終わり」だと思ったし、そして近年、カウンターに座っているのに「タブレットで注文」する時代になって「鮨文化は完全に消えた」と思うようになりました。

学校の給食や定食屋でさえも「人とのつながり」があるから、どんどん良くなるはずだし、働く人たちもお客も楽しいし満足があるはずなのね。

最近、「牛丼を食べて【ご馳走様】という客は貧乏人だけだ」なんてのが日本で話題になって、日本は本当に病気にかかっているんじゃないかと思う私。

でもやっぱり「凄い!」と思う人達はマレーシアにもいて、ただの肉売り場の売り子と言っては悪いけれど、愛想も良くて、客の目を見ながら話をして、客が何を求めているのか、どうしたら満足するのかをいつも考えているようなスタッフもいるのね。

ワンモントキアラのビレッジグローサーのノンハラル売り場にいるアイリーンという女性。

私はマレーシアはもとより、日本でもこれほど真剣にお客に尽くそうとするスタッフを見たことがないかも。

「甜麺醤がどこにも売っていないんだよね~」なんて言ったら「すぐに取り寄せます」と返事。店に入荷したら「入荷しました」ってWhatsappはくれるし、「お届けしましょうか?」とまで言う。また私がいつも買うものも覚えていて、「すいません、今はXXXの在庫がありません」なんて私が聞きもしないのに突然言われてこちらがびっくりするぐらい。

こんな人と一緒に仕事をしてみたかった~~。

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